img1 img1 img1

◆トップページに移動 │ ★目次のページに移動 │ ※文字列検索は Ctrl+Fキー  

告示:港湾雇用安定等計画

 

港湾雇用安定等計画

制 定 令和六年三月二十二日厚生労働省告示第百九号

 

港湾労働法(昭和六十三年法律第四十号)第三条第一項の規定に基づき、東京、横浜、名古屋、大阪、神戸及び関門の各港湾について、港湾雇用安定等計画を次のように定めたので、同条第四項の規定により告示する。

 

港湾雇用安定等計画

1 計画の基本的考え方

(1) 計画のねらい

この計画は、港湾労働法施行令(昭和63年政令第335号)別表の上欄に掲げる港湾(東京、横浜、名古屋、大阪、神戸及び関門の各港湾をいう。以下「6大港」という。)における港湾労働者に係る労働力の需給の調整、雇用の改善並びに能力の開発及び向上に関し、国、都府県、港湾労働者雇用安定センター、事業主及び事業主団体が講ずべき措置の指針を示すものである。

(2) 計画の背景と課題

イ 港湾労働者の雇用の改善並びに能力の開発及び向上の現状

港湾運送事業は、貨物の取扱量が日ごとに変動するという特徴(以下「港湾運送の波動性」という。)を有しており、個別の企業において常用労働者のみによって荷役作業を処理することには限界があり、企業外労働力に依存せざるを得ない状況にある。企業外労働力として日雇労働者に依存することは港湾労働者の雇用の安定上問題があるだけではなく、その就労に際し、第三者が不当に介入する弊害も生ずるおそれがある。

また、港湾運送事業主には、中小企業が多いこともあり、次に掲げるように、港湾労働者の雇用の改善並びに能力の開発及び向上については、一部の事項について改善しているものの、荷待ちのために待機時間が発生しやすいこと等の港湾運送事業の特性もあり、全体としては、他の産業に比してなお改善の余地のある状況となっている。

(イ) 労働時間

賃金構造基本統計調査によると、港湾労働者の令和4(2022)年6月における月間実労働時間は191時間(196時間(平成29(2017)年6月))となっており、全産業の労働者の令和4(2022)年6月における月間実労働時間である177時間(178時間(平成29(2017)年6月))に比して長くなっている。

また、同調査によると、港湾労働者の令和4(2022)年6月における月間所定労働時間は全産業の労働者の同月における月間所定労働時間に比して短くなっている一方、港湾労働者の同月における月間所定外労働時間は29時間(35時間(平成29(2017)年6月))となっており、全産業の労働者の令和4(2022)年6月における月間所定外労働時間12時間(13時間(平成29(2017)年6月))に比して長くなっている。

(ロ) 週休二日制の導入状況

港湾運送事業雇用実態調査によると、6大港の港湾運送事業所のうち何らかの形で週休二日制を導入している事業所の割合は、令和5(2023)年6月30日現在で89.9%(87.8%(平成30(2018)年6月30日現在))となっており、就労条件総合調査による全産業の令和5(2023)年1月1日現在における何らかの週休二日制の導入割合である85.4%(84.1%(平成30(2018)年1月1日現在))に比して高くなっている。

(ハ) 退職金制度等の有無

港湾運送事業雇用実態調査によると、6大港の港湾運送事業所のうち退職金制度を導入している事業所の割合は、令和5(2023)年6月30日現在で86.9%(88.0%(平成30(2018)年6月30日現在))となっており、就労条件総合調査による全産業の令和5(2023)年1月1日現在における退職給付制度の導入割合である74.9%(80.5%(平成30(2018)年1月1日現在))に比して高くなっている。

(ニ) 技能労働者不足の状況

港湾運送事業雇用実態調査によると、6大港で港湾派遣労働者を使用した事業所のうち、人手不足のため(募集等をしているが人が採用できない)に港湾派遣労働者を使用した事業所の割合は、令和5(2023)年6月30日現在で21.7%となっており、平成30(2018)年6月30日現在の12.7%に比して増加している。

(ホ) 教育訓練

港湾運送事業雇用実態調査によると、港湾運送事業主の行う教育訓練は、令和5(2023)年6月30日現在で、6大港の63.7%(67.4%(平成30(2018)年6月30日現在))の港湾運送事業所で実施されている。

また、教育訓練の課題として、指導者の人材不足(28.2%)や適切な教育訓練施設の不足(10.8%)が挙げられている。

ロ 今後の港湾労働対策の課題

(イ) イで述べたように、港湾労働の分野においては、港湾労働者の雇用の改善並びに能力の開発及び向上について更に改善すべき状況にあるが、これに加え、近年、港湾労働を取り巻く環境は大きく変化している。

a 規制改革等の影響を踏まえた取組の継続

6大港における港湾運送事業に係る規制改革以来、港湾運送事業主に対して、事業の一層の効率化及びサービスの多様化の要請が強まり、港湾労働者の雇用の安定が損なわれることが懸念されてきた中で、昨今は国際競争の激化等の状況も見られる。このため、これまでも港湾労働者の雇用の安定と港湾運送事業における効率的な経営・就労体制の確立との両立に資する施策に取り組んできたが、これらの取組を引き続き講ずる必要がある。

b 革新荷役の進展

貨物輸送のコンテナ化、コンテナ船の大型化、荷役作業の機械化、港湾施設のインフラ整備等により、革新荷役がより一層進展していることや、港湾運送事業に係る規制改革等により、港湾運送事業主に対してより効率的な経営が求められていることに伴い、港湾労働者自身が高度な技術・技能を習得するとともに、港湾運送事業主においても、在来荷役に必要な技術・技能を有する技能労働者に加え、荷役機械の技術革新の進展に対応した高度な技能労働者を確保することが課題となっている。このため、技能労働者の確保に資する施策を引き続き講ずることにより、安定的な物流の維持に努める必要がある。

c 港湾運送の波動性への対応

貨物輸送のコンテナ化等革新荷役の進展にもかかわらず、港湾運送の波動性は依然として存在しており、港湾運送事業に係る規制改革以来、港湾運送事業主はより効率的な経営を求められている。このため、港湾運送の波動性に効率的かつ的確に対応するための施策を引き続き講ずる必要がある。

(ロ) 今後の港湾労働対策においては、(イ)を踏まえ、港湾労働を取り巻く環境の変化に的確に対応した港湾労働者の雇用の改善並びに能力の開発及び向上を促進するための施策の推進、港湾労働者派遣制度の適切な運営及び有効活用の促進等を通じて、引き続き港湾労働者の雇用の安定その他の港湾労働者の福祉の増進を図っていくことが重要である。

(ハ) 港湾運送業界については、急速な高齢化の進展や低調な入職率等により、技能労働者の不足が顕在化しつつあり、若年労働者を始めとした人材の確保・育成が極めて重要な課題となっている。

こうした課題に対応するためには、働き方改革を始め、労働時間等の労働条件の改善・雇用環境の整備等を通じた魅力ある職場づくりを推進し、安全な労働環境の確保を図ることが不可欠であり、こうした取組を通じて若年者・女性・高齢者等(以下「若年者等」という。)の幅広い人材の活躍促進を図っていく必要がある。

また、荷役機械の技術革新の進展等に加え、港湾労働者の人手不足に対応するためには、高度な技能労働者の確保・育成が不可欠であることから、特に若年労働者に対する教育訓練について、支援の必要性が増している。

こうした課題への対応について、行政はもとより、労使も含めて引き続き議論を行うとともに、将来の発展を見据えた取組を行う必要がある。

(3) 計画の期間

計画の期間は、令和6(2024)年度から令和10(2028)年度までとする。

2 港湾労働者の雇用の動向に関する事項

(1) 港湾運送量の動向

6大港における港湾運送量は、船舶積卸量が5億9百万トンであった平成13(2001)年度以降増加傾向にあり、平成30(2018)年度には6億9千8百万トンとなったが、令和元(2019)年度から減少し、令和2(2020)年度においては6億1千9百万トンとなっている。また、6大港における船舶積卸量に占めるコンテナ貨物の割合は、平成10(1998)年度には60%を超え、その後も引き続き上昇傾向にあり、令和2(2020)年度においては72.9%となっている。

(2) 港湾労働者の雇用の動向

イ 港湾労働者数

厚生労働省職業安定局調べによると、6大港における年度平均常用港湾労働者数は、28,958人であった平成14(2002)年度以降増加傾向にあり、令和2(2020)年度には34,473人となったが、令和3(2021)年度以降わずかに減少し、令和4(2022)年度においては34,093人となっている。

ロ 就労状況

厚生労働省職業安定局調べによると、6大港における港湾労働者の月間平均就労延日数は、約50万8千人日であった平成14(2002)年度以降増加傾向にあり、令和4(2022)年度においては約54万6千人日となっている。そのうち常用港湾労働者の月間平均就労延日数は、港湾労働者の雇用の安定を図るための企業常用化の推進により、約53万人日(港湾労働者派遣制度に係る派遣労働者の就労日数を含む。)で、全体の96.9%を占めるに至っている。

ハ 入職率及び離職率

6大港における港湾労働者の入職率は一貫して低い割合となっており、雇用動向調査によると、令和4(2022)年の全産業における労働者の入職率は15.2%となっているのに対し、厚生労働省職業安定局調べによると、同年の6大港における港湾労働者の入職率は8.2%にとどまっている。一方、離職率については、雇用動向調査によると、同年の全産業における労働者の離職率が15.0%となっているのに対し、厚生労働省職業安定局調べによると、同年の6大港における港湾労働者の離職率は8.5%となっている。

ニ 港湾労働者の年齢構成

賃金構造基本統計調査によると、令和4(2022)年の全産業の労働者における50歳以上の労働者比率は34.1%であり、平成29(2017)年の29.3%に比して4.8%の増加となっているのに対し、令和4(2022)年の港湾労働者における同比率は33.4%と、平成29(2017)年の25.2%に比して8.2%増加しており、港湾労働者の高齢化は他産業と比べ急速に進展しているといえる。

ホ 港湾労働者の勤続年数

港湾運送事業雇用実態調査によると、6大港の港湾労働者のうち勤続年数が15年以上の者の割合は、令和5(2023)年6月30日現在で49.1%となっており、平成30(2018)年6月30日現在の42.2%に比して増加している。一方、勤続年数が5年未満の者の割合については、令和5(2023)年6月30日現在で21.8%と、平成30(2018)年6月30日現在の23.2%に比して減少している。

3 労働力の需給の調整の目標に関する事項

(1) 労働力の需給の調整の目標

港湾労働法(昭和63年法律第40号)は、事業主に雇用される常用労働者による荷役処理を原則としているが、同法制定当時、コンテナ輸送の増大等、港湾における輸送革新はより一層進展し、港湾運送の分野においては、高度な技術・技能を有する港湾労働者をより積極的に活用していく方策が求められていた。

このため、港湾労働者については、常用労働者として雇用し、計画的に教育訓練を行うことによ

り、高度な技術・技能を有する港湾労働者を養成していくことが重要とされ、また、日雇労働者の就労に際し、第三者が不当に介入することによる弊害が発生するおそれがあることから、このような問題を回避するためにも、港湾運送の業務については、原則、常用労働者で対応することが適当とされた。

このような観点から、港湾における荷役作業については、各事業主に雇用される常用労働者による対応を原則としており、港湾運送の波動性に対応した企業外労働力については、港湾労働者派遣制度に基づき派遣される他の事業主に雇用される常用労働者による労働力の需給の調整が原則とされ、港湾労働者派遣制度を利用したにもかかわらず必要な労働力を確保できない場合には公共職業安定所の紹介による日雇労働者の雇入れが認められ、かつ、適格な求職者の紹介が受けられない場合等に限り日雇労働者の直接雇用が例外的な措置として認められている。

これらのことを踏まえ、港湾における荷役作業については、今後とも、前段の原則の徹底を図ることにより、港湾労働者の常用化を更に推進するとともに、事業主に雇用される常用労働者の雇用の安定に一層努める。

(2) 労働力の需給の調整に関して講ずべき措置

イ 国及び都府県が講ずる措置

(イ) 港湾労働法の趣旨及び目的の徹底を図るための事業主に対する指導の実施

事業主の企業外労働力への安易な依存を排除し、港湾労働者の常用化を促進するため、事業所等の積極的な訪問等を通じ、必要な指導を行うことにより、港湾における荷役作業については、各事業主に雇用される常用労働者によって処理することを原則とする港湾労働法の趣旨及び目的の更なる周知徹底を図る。

(ロ) 港湾労働者の常用化の推進

公共職業安定所において、常用労働者に係る適格な求職者の紹介の実施、求人・求職情報の積極的な提供等を行い、港湾労働者の常用化の推進を図る。

(ハ) 港湾労働者派遣制度の適正な運営及び有効活用の促進

港湾労働者派遣制度の適正な運営により、常用労働者の就労機会の確保及び雇用の安定を図るため、事業主に対し、同制度の趣旨の周知徹底を図るとともに、必要な指導を行う。

また、同制度の実施状況の的確な把握に努め、港湾労働者からの港湾労働法第44条第1項の規定に基づく申告に対する迅速な対応、現場パトロール及び立入検査の効果的な実施等を図る。

これらの取組に当たっては、港湾労働者雇用安定センターと協力し、同制度の一層の周知に努めるとともに、その更なる活用促進に向けた方策について検討する。

(ニ) 直接雇用の日雇労働者問題への対応

厚生労働省職業安定局調べによると、令和4(2022)年度における直接雇用の日雇労働者の月間平均就労延日数は16,064人日で、港湾労働者全体の2.9%を占めている。平成24(2012)年度以降、当該割合は横ばいとなっており、これまで当該割合が減少するよう努めてきたが、減少に結びついていない状況にある。

このため、公共職業安定所において、事業主が求める人材と日雇労働者が有する技能・経験等とのマッチングが、荷役の種類の違い等各港湾における固有の事情を踏まえつつ円滑に行われるよう、事業主及び事業主団体とも連携しつつ、適格な求職者の紹介のための機能の充実・強化を図り、必要な労働力の確保に努める。

また、各事業主における直接雇用の日雇労働者の使用状況の的確な把握に努め、直接雇用の日雇労働者を多数使用する事業主に対し、雇用管理に関する勧告を含め必要な指導を行い、直接雇用の日雇労働者の月間平均就労延日数の減少に更に努める。

(ホ) 雇用秩序の維持

港湾における雇用秩序が維持されることは、港湾労働者の雇用の安定その他の港湾労働者の福祉の増進を図る観点から必要不可欠である。

このため、港湾労働法遵守強化旬間(毎年11月21日から同月30日まで)等を通じて、港湾関係者の遵守意識の一層の高揚を図るとともに、雇用秩序連絡会議の積極的開催、港湾労働者からの港湾労働法第44条第1項の規定に基づく申告に対する迅速な対応、現場パトロール及び立入検査の効果的な実施、雇用管理に関する適時適切な勧告等により、違法就労の防止を図る。

また、現場パトロール等の際に、色分けされた港湾労働者証を確認し、港湾運送事業法(昭和26年法律第161号)違反の疑いがある事態を把握した場合は、管轄の地方運輸局等と速やかに情報共有を行うなど、取組の実効性の確保を図る。

さらに、港湾労働法施行令第2条第3号に規定する港湾倉庫については、統一された貨物量の算定基準に基づき、当該港湾倉庫に該当するか否かの調査を的確に実施し、制度の適正な運用を図る。

(ヘ) 港湾労働者雇用安定センターに対する指導及び助言の実施

港湾労働者派遣制度による効率的かつ的確な労働力の需給の調整を実施するため、港湾労働者雇用安定センターが行う事業主支援業務及び雇用安定事業関係業務の実施について必要な指導及び助言を行う。

(ト) 派遣法等の適正な実施を図るための事業主に対する指導の実施

労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号。以下「派遣法」という。)又は職業安定法(昭和22年法律第141号)に違反する形態による労働力の需給調整については、港湾における雇用秩序を混乱させるものであることから、その是正指導及び防止の更なる徹底を図る。

また、共同受注・共同就労については、それぞれの作業が適正な請負として実施される必要がある。このため、共同受注・共同就労を労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(昭和61年労働省告示第37号)に照らし適切な請負として実施すべきことについて、事業所等の積極的な訪問等を通じ、必要な指導を行う。

ロ 港湾労働者雇用安定センターが講ずる措置

(イ) 事業主支援業務の適正な実施

港湾労働者派遣制度による効率的かつ的確な労働力の需給調整を実施するため、事業主及び事業主団体と密接な連携を図り、港湾労働者派遣契約の締結のあっせんを行うに際し、港湾労働者に従事させようとしている業務の具体的内容又は当該業務に従事するに際して必要な技能等に関する港湾派遣元事業主又は港湾労働者派遣の役務の提供を受ける者からのあっせん申込内容をきめ細かに収集又は確認の上であっせん先に対して情報提供を行うなど港湾労働者派遣制度に係る情報の迅速な収集及び提供をこれまで以上に積極的に行い、港湾派遣元事業主及び港湾労働者派遣の役務の提供を受ける者の双方の要請を満たせるよう、そのあっせん機能の充実及び強化を図る。

(ロ) 雇用安定事業関係業務の適正な実施

港湾労働者派遣制度による効率的かつ的確な労働力の需給調整を実施するため、派遣労働者に従事させようとする業務の内容等、港湾派遣元事業主及び港湾労働者派遣の役務の提供を受ける者からの労働者派遣契約の締結のあっせんに係る要請の内容をきめ細かに確認するとともに、派遣元責任者に対する研修を行うほか、事業主、港湾労働者その他の関係者に対して、港湾労働者派遣制度に関する相談その他の援助を行う。

ハ 事業主及び事業主団体が講ずる措置

(イ) 直接雇用の日雇労働者問題への対応

日雇労働者の直接雇用については、その縮小に向け、公共職業安定所において、荷役の種類の違い等各港湾における固有の事情に応じた適格な求職者の紹介のための機能の充実・強化に係る取組に対して積極的に協力するなど、直接雇用の日雇労働者の使用が例外的となるよう努める。

(ロ) 手続の適正な実施

港湾労働法に定められた届出、報告等の手続を適正に実施する。

(ハ) 港湾労働者雇用安定センターへの協力

港湾労働者派遣制度による効率的かつ的確な労働力の需給調整を実施するため、港湾労働者の派遣の送り出し又は受入れを求める場合には、港湾労働者雇用安定センターに対して、港湾派遣労働者に従事させる予定の具体的な業務内容又は当該事業に従事するに際して港湾派遣労働者に必要とされる技能等事業所における港湾労働者の需給の状況に関するできる限り具体的かつ詳細な情報を積極的に提供するよう努めるとともに、港湾労働者雇用安定センターが行う労働者派遣契約のあっせんに協力するよう努める。

(ニ) 事業主団体が講ずる措置

事業主が講ずる(イ)から(ハ)までの措置について、事業主に対する周知徹底、必要な助言その他の援助を行う。

4 港湾労働者の雇用の改善並びに能力の開発及び向上を促進するための方策に関する事項

(1) 雇用の改善を促進するための方策

イ 国が講ずる措置

我が国の港湾における国際競争力を確保する観点から、人的資源の有効活用が図られるよう、女性や高齢者が働きやすい職場環境の整備を促進するなど、関係省庁と連携し、港湾労働者の福利厚生について必要な対策を実施するよう努める。

また、雇用管理者の選任の徹底、雇用管理改善の重要性の周知等により、事業主の雇用管理の改善の一層の促進及びその実効性の確保を図るとともに、港湾運送事業に係る規制改革等の港湾労働を取り巻く環境の変化等により、労働時間や労働災害の増加、労働保険への未加入、その他労働環境の悪化が生ずることのないよう、労働基準法(昭和22年法律第49号)等関係法令に定める労働条件の基準の遵守の更なる徹底や、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第6条に規定する労働災害防止計画の効果的な推進等を図るとともに、関係者の協力を得つつ必要な対策を実施するよう努める。

さらに、港湾運送業界への理解・入職の促進を図るため、若年者に対して我が国の物流を支え国民生活に寄与する港湾運送業界の仕事や職場の魅力に接する機会を提供するなど、関係機関等と連携した取組を行う。

ロ 港湾労働者雇用安定センターが講ずる措置

港湾労働を取り巻く環境の変化に的確に対応した雇用管理者研修及び事業主を対象とする雇用管理の改善に関する相談その他の援助を実施する。

また、港湾労働者派遣事業の活用促進を図りつつ、技能労働者不足に対応するため、職場見学等を通じて若年者に対して港湾運送業界の仕事や職場の魅力に接する機会を提供するなど、関係機関等と連携して港湾運送業界への理解・入職の促進につながる取組を行う。

ハ 事業主及び事業主団体が講ずる措置

事業主は、雇用管理者を選任し、その資質の向上を図るとともに、計画的な港湾労働者の募集等を行う。また、女性や高齢者が働きやすい職場環境を整備するなど、福利厚生の充実等雇用管理の改善を推進し、人材確保の観点からも港湾運送事業の雇用機会としての魅力づくりに一層努める。

また、労働時間等の改善について、日曜・夜間荷役が継続的に行われる場合には、労使間の協議に基づき、交替制勤務の導入等による所定外労働時間の削減等適切な雇用管理の実施を図る。

さらに、港湾労働者の心身の健康の保持はもとより、ワーク・ライフ・バランスの推進や若年者等の入職及び定着の促進の観点からも、労働条件の改善・雇用環境の整備等を通じた魅力ある職場づくりの推進に努める。

また、物流を支える港湾労働者の健康と安全の確保を図ることは重要であり、労働安全衛生対策に取り組むことが事業主にとって経営や人材確保・育成の観点からプラスとなることも踏まえ、その取組を推進する。さらに、労働災害防止団体法(昭和39年法律第118号)に基づき設立された港湾貨物運送事業労働災害防止協会の活動を通じ、事業主が協力して労働安全衛生対策を講ずるなど、港湾労働を取り巻く環境の変化に的確に対応した労働環境の整備に努める。

加えて、若年者の港湾運送業界への理解・入職を促進する取組について、港湾労働者雇用安定センターに協力するよう努める。

事業主団体は、事業主の講ずる措置について、必要な助言その他の援助を行う。

(2) 能力の開発及び向上を促進するための方策

イ 国が講ずる措置

(イ) 港湾荷役作業の革新化等に対応した教育訓練の拡充

国際競争の激化、荷役機械の技術革新の進展等により、港湾運送事業における荷役のうち、ガントリークレーン、RTG(タイヤ式門型クレーン)等を使用する革新荷役が6大港全体で進展していることに伴い、在来荷役に必要な技術・技能に加え、荷役機械の技術革新の進展に対応した高度な技術・技能が必要となるなど、事業主の訓練ニーズも多様化・高度化している。

このため、当該ニーズに的確に対応した訓練内容の一層の充実・強化に努め、港湾労働者の高度な技術・技能の習得及び若手・中堅労働者への円滑な技能継承に対する支援を強化する。

(ロ) 港湾労働者に対する教育訓練の支援

港湾職業能力開発短期大学校を始めとする公共職業能力開発施設において、荷役機械の技術革新の進展等の港湾労働を取り巻く環境の変化によるニーズの変化に的確に対応した港湾運送業務に係る職業訓練の効率的な実施に努めるほか、講師の派遣や施設の提供等事業主が行う教育訓練を支援する。また、国等が講ずる港湾運送業界への理解・入職の促進を図る取組とも連携し、港湾運送業界を志望する若年者に対し的確な職業訓練を実施する。

さらに、各港湾のいずれにおいても必要な港湾に関する知識又は技能に関する一般的な研修について、公共職業能力開発施設、港湾技能研修センター等と連携を図りつつ、個別の港湾におけるその実施機会の拡大に努める。

ロ 港湾労働者雇用安定センターが講ずる措置

(イ) 港湾荷役作業の革新化等に対応した教育訓練の拡充

荷役機械の技術革新の進展等に伴い、荷役機械オペレータを始め港湾労働者に求められる技能は一層多様化・高度化しており、港湾労働の魅力向上、人材確保への寄与の観点も含め、訓練ニーズに的確に対応し、高度な技能労働者を確保・育成する必要がある。

このため、神戸市に設置されている港湾技能研修センターにおいて、より実践的な訓練内容の一層の充実・強化を図り、港湾労働者の高度な技術・技能の習得及び若手・中堅労働者への円滑な技能継承に対する支援を強化する。

(ロ) 相談援助及び各種講習の実施等

港湾労働者に対する相談援助やニーズに対応した各種講習を実施するほか、認定職業訓練施設に対する補助金制度を活用すること等による運営基盤の強化並びに港湾労働者の能力の開発及び向上に対する事業主の自覚の高揚に努め、事業主に対して港湾技能研修センターの積極的利用を促す。

ハ 事業主が講ずる措置

荷役機械の技術革新の進展等の港湾労働を取り巻く環境の変化に留意しつつ、その雇用する港湾労働者の職業生活の全期間を通じた段階的かつ体系的な教育訓練を行うよう配慮する。

5 港湾労働者派遣事業の適正な運営を確保するための方策に関する事項

(1) 国が講ずる措置

イ 港湾労働者派遣制度の適正な運営を確保するための事業主に対する指導等の実施

港湾労働者派遣制度の適正な運営を確保し、港湾労働者の雇用の安定と港湾運送事業における効率的な経営・就労体制の確立との両立を図るため、事業主に対し、同制度の趣旨を徹底するとともに、次の項目等についての必要な指導を行う。

(イ) 労働者派遣契約の締結に際しては港湾労働者雇用安定センターのあっせんを受けることが適当であること

(ロ) 港湾労働者派遣事業は自己の営む港湾運送事業に付随して行うことが適当であること

(ハ) 港湾労働者派遣の役務を専ら特定の者に一方的に提供することを目的として活用すること及び港湾労働者を専ら派遣就業に従事させることは適当ではないこと

(ニ) 港湾労働者を港湾労働者派遣制度の対象としようとする場合にはあらかじめ本人の同意が必要であること

(ホ) 港湾労働者派遣の対象としようとする港湾労働者が主として従事している業務についてのみ派遣が認められること

(ヘ) 港湾労働者派遣の役務の提供を受ける者もまた当該派遣中の港湾労働者について港湾労働法第23条の規定により適用する派遣法第45条の規定に基づく労働安全衛生上の措置等を講ずる必要があること

また、港湾労働者派遣制度の実施状況の的確な把握に努め、港湾労働者からの申告に対する迅速な対応、現場パトロール及び立入検査の効果的な実施等を図る。

さらに、港湾労働者雇用安定センターと協力し、同制度の一層の周知に努めるとともに、その更なる活用促進に向けた方策について検討する。

ロ 港湾労働者雇用安定センターに対する指導及び助言の実施

港湾労働者派遣制度の適正な運営を確保するため、港湾労働者雇用安定センターが行う事業主支援業務及び雇用安定事業関係業務の実施について必要な指導及び助言を行う。

(2) 港湾労働者雇用安定センターが講ずる措置

イ 事業主支援業務の適正な実施

港湾労働者派遣制度の適正な運営を確保するとともに、港湾労働者の雇用の安定と港湾運送事業における効率的な経営・就労体制の確立との両立を図るため、事業主及び事業主団体と密接な連携を図り、港湾労働者派遣契約の締結のあっせんを行うに際し、港湾労働者に従事させようとしている業務の具体的内容又は当該業務に従事するに際して必要な技能等に関する港湾派遣元事業主又は港湾労働者派遣の役務の提供を受ける者からのあっせん申込み内容をきめ細かに収集又は確認の上であっせん先に対して情報提供を行うなど港湾労働者派遣制度に係る情報の迅速な収集及び提供をこれまで以上に積極的に行い、港湾派遣元事業主及び港湾労働者派遣の役務の提供を受ける者の双方の要請を満たせるよう、そのあっせん機能の充実及び強化を図る。

ロ 雇用安定事業関係業務の適正な実施

派遣労働者に従事させようとする業務の内容等、港湾派遣元事業主及び港湾労働者派遣の役務の提供を受ける者からの労働者派遣契約の締結のあっせんに係る要請の内容をきめ細かに確認するとともに、派遣元責任者に対する研修を行うほか、事業主、港湾労働者その他の関係者に対して、港湾労働者派遣制度に関する相談その他の援助を行う。

(3) 事業主及び事業主団体が講ずる措置

イ 港湾労働者雇用安定センターへの協力

港湾労働者の派遣の送り出し又は受入れを求める場合には、港湾労働者雇用安定センターに対して、港湾派遣労働者が従事予定の具体的な業務内容又は当該業務に従事するに際して港湾派遣労働者に必要とされる技能等事業所における港湾労働者の需給の状況に関するできる限り具体的かつ詳細な情報を積極的に提供するよう努めるとともに、港湾労働者雇用安定センターが行う労働者派遣契約のあっせんに協力するよう努める。

ロ 許可基準等の遵守

港湾労働者派遣制度は、港湾労働者の雇用の安定と港湾運送事業における効率的な経営・就労体制の確立との両立を図るための制度であることを理解し、港湾労働者派遣制度の許可基準とされている自己の営む港湾運送事業に付随した港湾労働者派遣事業の実施、適正な派遣料金、派遣就業の日数の上限等を遵守するとともに、一定の経験・資格を有する者のみを港湾労働者派遣制度の対象者とし、港湾労働法第23条の規定により適用する派遣法第45条の規定に基づく労働安全衛生上の措置等を的確に実施するなど、港湾労働者派遣制度を同制度の趣旨に沿って活用する。

ハ 事業主団体が講ずる措置

事業主が講ずるイ及びロの措置について、事業主に対する周知徹底、必要な助言その他の援助を行う。