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告示:労働金庫法第九十四条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、労働金庫及び労働金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準

 

労働金庫法第九十四条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、労働金庫及び労働金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準

制 定 平成十八年四月十二日金融庁・厚生労働省告示第七号

最終改正 令和六年一月三十一日金融庁・厚生労働省告示第一号

 

労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)第九十四条第一項において準用する銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第十四条の二の規定に基づき、平成九年七月三十一日/大蔵省/労働省/告示第一号(労働金庫法第九十四条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、労働金庫及び労働金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準)の全部を改正する告示を次のように定める。

 

労働金庫法第九十四条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、労働金庫及び労働金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準

目次

第一章 定義(第一条)

第二章 連結自己資本比率(第二条―第十条)

第三章 単体自己資本比率(第十一条―第十八条)

第四章 信用リスクの標準的手法

第一節 総則(第十九条―第二十五条)

第二節 リスク・ウェイト(第二十六条―第四十八条の二)

第三節 オフ・バランス取引(第四十九条)

第四節 派生商品取引及び長期決済期間取引(第五十条―第五十三条)

第五節 未決済取引(第五十四条)

第六節 信用リスク削減手法

第一款 総則(第五十五条―第五十八条の二)

第二款 適格金融資産担保付取引に共通する事項(第五十九条―第六十五条の二)

第三款 包括的手法

第一目 総則(第六十六条―第六十八条)

第二目 標準的ボラティリティ調整率(第六十九条)

第三目 削除

第四目 ボラティリティ調整率の調整(第七十五条)

第五目 ボラティリティ調整率の適用除外(第七十六条・第七十七条)

第六目 法的に有効な相対ネッティング契約下にあるレポ形式の取引に対するボラティリティ調整率の使用(第七十八条・第七十九条)

第七目 レポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引におけるボラティリティ調整率の下限(第八十条―第八十七条)

第八目 包括的手法における担保付派生商品取引(第八十八条・第八十八条の二)

第四款 簡便手法(第八十九条―第九十一条の三)

第五款 貸出金と自金庫預金の相殺(第九十二条)

第六款 保証及びクレジット・デリバティブ

第一目 適格要件(第九十三条―第九十七条)

第二目 計算方法等(第九十八条―第百三条)

第七款 信用リスク削減手法の残存期間がエクスポージャーの残存期間を下回る場合の取扱い(第百四条―第百六条)

第八款 信用リスク削減手法に関するその他の事項

第一目 複数の信用リスク削減手法の取扱い(第百七条・第百八条)

第二目 ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブ(第百九条・第百十条)

第三目 セカンド・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブ等(第百十一条―第百十三条)

第七節 間接清算参加者に対するトレード・エクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算出方法の特例(第百十三条の二)

第五章 信用リスクの内部格付手法

第一節 総則

第一款 承認手続等(第百十四条―第百十九条)

第二款 段階的適用等(第百二十条―第百二十三条)

第二節 期待損失の取扱い(第百二十四条・第百二十五条)

第三節 信用リスク・アセットの額の算出

第一款 内部格付手法採用金庫における信用リスク・アセットの額の合計額(第百二十六条)

第二款 事業法人等向けエクスポージャー(第百二十七条―第百三十三条)

第三款 リテール向けエクスポージャー(第百三十四条―第百四十条)

第四款 株式等エクスポージャー(第百四十一条)

第五款 信用リスク・アセットのみなし計算(第百四十二条)

第六款 購入債権(第百四十三条―第百四十八条)

第七款 リース取引(第百四十九条―第百五十二条)

第八款 未決済取引(第百五十三条)

第九款 その他資産等(第百五十四条―第百五十四条の六)

第四節 最低要件

第一款 内部格付制度の設計

第一目 内部格付制度(第百五十五条―第百五十七条)

第二目 格付の構造(第百五十八条・第百五十九条)

第三目 格付の基準(第百六十条―第百六十三条)

第四目 債務者格付等の格付付与時の評価対象期間(第百六十四条・第百六十四条の二)

第五目 モデルの利用(第百六十五条)

第六目 内部格付制度に関する書類(第百六十六条・第百六十七条)

第二款 内部格付制度の運用

第一目 格付の対象(第百六十八条・第百六十九条)

第二目 格付付与手続の健全性の維持(第百七十条・第百七十一条)

第三目 格付の書換え(第百七十二条)

第四目 データの維持管理(第百七十三条・第百七十四条)

第五目 ストレス・テスト(第百七十五条・第百七十六条)

第三款 内部統制(第百七十七条―第百七十九条)

第四款 格付の利用(第百八十条)

第五款 リスクの定量化

第一目 デフォルト(第百八十一条―第百八十三条)

第二目 推計の対象と共通要件等(第百八十四条―第百八十八条)

第三目 PDの推計(第百八十九条・第百九十条)

第四目 LGDの推計(第百九十一条―第百九十四条)

第五目 保証及びクレジット・デリバティブに関する最低要件(第百九十五条―第百九十九条)

第六目 EADの推計(第二百条―第二百三条)

第七目 購入債権のPD、LGD及びELdilutionの推計(第二百四条―第二百八条)

第六款 内部格付制度及び推計値の検証(第二百九条―第二百十二条)

第七款 開示(第二百十三条)

第八款 内部格付手法採用のための自己資本比率(第二百十四条)

第九款 法的に有効な相対ネッティング契約下にあるレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引に対するエクスポージャー変動額推計モデルの使用(第二百十五条―第二百二十一条)

第六章 証券化エクスポージャーの取扱い

第一節 総則(第二百二十二条―第二百二十四条の三)

第二節 証券化エクスポージャーの信用リスク・アセットの額

第一款 総則(第二百二十四条の四)

第二款 証券化エクスポージャーのリスク・ウェイトの取扱い

第一目 総則(第二百二十五条―第二百二十七条)

第二目 内部格付手法準拠方式(第二百二十八条―第二百三十三条)

第三目 外部格付準拠方式(第二百三十四条―第二百三十六条)

第四目 内部評価方式(第二百三十七条―第二百三十七条の六)

第五目 標準的手法準拠方式(第二百三十八条―第二百四十二条)

第六目 リスク・ウェイトの上限(第二百四十三条)

第七目 適格STC証券化エクスポージャー及び適格短期STC証券化エクスポージャー(第二百四十三条の二・第二百四十三条の三)

第八目 不良債権証券化エクスポージャー(第二百四十三条の四)

第三款 信用リスク削減手法(第二百四十四条―第二百四十六条)

第六章の二 CVAリスク

第一節 総則(第二百四十六条の二―第二百四十六条の二の三)

第二節 BA―CVA(第二百四十六条の三―第二百四十六条の三の四)

第三節 SA―CVA

第一款 承認手続等(第二百四十六条の四―第二百四十六条の四の六)

第二款 SA―CVAによるCVAリスク相当額の算出方法

第一目 総則(第二百四十六条の四の七―第二百四十六条の四の十四)

第二目 金利リスクに係るバケット、リスク・ファクター、感応度、リスク・ウェイト及び相関(第二百四十六条の四の十五―第二百四十六条の四の十七)

第三目 外国為替に係るバケット、リスク・ファクター、感応度、リスク・ウェイト及び相関(第二百四十六条の四の十八―第二百四十六条の四の二十)

第四目 取引相手方のクレジット・スプレッドに係るバケット、リスク・ファクター、感応度、リスク・ウェイト及び相関(第二百四十六条の四の二十一・第二百四十六条の四の二十二)

第五目 参照先のクレジット・スプレッドに係るバケット、リスク・ファクター、感応度、リスク・ウェイト及び相関(第二百四十六条の四の二十三―第二百四十六条の四の二十五)

第六目 株式に係るバケット、リスク・ファクター、感応度、リスク・ウェイト及び相関(第二百四十六条の四の二十六・第二百四十六条の四の二十七)

第七目 コモディティに係るバケット、リスク・ファクター、感応度、リスク・ウェイト及び相関(第二百四十六条の四の二十八・第二百四十六条の四の二十九)

第三款 承認の基準

第一目 CVAの計測方法(第二百四十六条の四の三十―第二百四十六条の四の三十五)

第二目 体制整備(第二百四十六条の四の三十六―第二百四十六条の四の三十八)

第四節 簡便法(第二百四十六条の四の三十九)

第六章の三 中央清算機関関連エクスポージャーの取扱い(第二百四十六条の五―第二百四十六条の八)

第六章の四 マーケット・リスク

第一節 マーケット・リスク相当額の算出方式及び計測対象(第二百四十六条の九―第二百四十六条の九の九)

第二節 内部モデル方式

第一款 一般的規定(第二百四十六条の十―第二百四十六条の十の九)

第二款 内部モデル方式の要件(第二百四十六条の十一―第二百四十六条の十一の五)

第三款 バック・テスティング及び損益要因分析テストに係る要件(第二百四十六条の十二―第二百四十六条の十二の十)

第四款 内部モデル方式によるマーケット・リスク相当額(第二百四十六条の十三―第二百四十六条の十三の八)

第三節 標準的方式

第一款 標準的方式に係る一般的規定及び構造(第二百四十六条の十四)

第二款 標準的方式に係るリスク感応度方式

第一目 リスク感応度方式による算出方法(第二百四十六条の十五―第二百四十六条の十五の六)

第二目 リスク感応度方式に係るリスク・ファクター(第二百四十六条の十六)

第三目 リスク感応度方式に係る感応度(第二百四十六条の十七―第二百四十六条の十七の六)

第四目 リスク感応度方式に係るデルタ・リスクのバケット、リスク・ウェイト及び相関(第二百四十六条の十八―第二百四十六条の十八の八)

第五目 リスク感応度方式に係るベガ・リスク及びカーベチャー・リスクのバケット、リスク・ウェイト及び相関(第二百四十六条の十九―第二百四十六条の十九の三)

第三款 標準的方式に係るデフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額

第一目 総則(第二百四十六条の二十)

第二目 非証券化商品に係るデフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額(第二百四十六条の二十の二―第二百四十六条の二十の四)

第三目 証券化商品(非CTP)に係るデフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額(第二百四十六条の二十一・第二百四十六条の二十一の二)

第四目 証券化商品(CTP)に係るデフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額(第二百四十六条の二十二・第二百四十六条の二十二の二)

第四款 標準的方式に係る残余リスク・アドオン(第二百四十六条の二十三)

第四節 簡易的方式

第一款 簡易的方式によるマーケット・リスク相当額(第二百四十六条の二十四)

第二款 金利リスク・カテゴリー(第二百四十六条の二十五―第二百四十六条の二十五の七)

第三款 株式リスク・カテゴリー(第二百四十六条の二十六―第二百四十六条の二十六の三)

第四款 外国為替リスク・カテゴリー(第二百四十六条の二十七・第二百四十六条の二十七の二)

第五款 コモディティ・リスク・カテゴリー(第二百四十六条の二十八―第二百四十六条の二十八の三)

第六款 オプション取引(第二百四十六条の二十九―第百四十六条の二十九の九)

第五節 証券化エクスポージャーに係る特例(第二百四十六条の三十―第二百四十六条の三十の三)

第六節 特定順位参照型クレジット・デリバティブに係る特例(第二百四十六条の三十一・第二百四十六条の三十一の二)

第七節 コリレーション・トレーディングに係る特例(第二百四十六条の三十二・第二百四十六条の三十二の二)

第八節 特定項目のうち調整項目に算入されない部分等に係る特例(第二百四十六条の三十三)

第七章 オペレーショナル・リスク(第二百四十七条―第二百六十四条)

附 則

 

第一章 定義

(定義)

第一条 この告示において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 証券化取引 原資産に係る信用リスクを優先劣後構造の関係にある二以上のエクスポージャーに階層化し、その一部又は全部を第三者に移転する性質を有する取引をいう。ただし、特定貸付債権、第三十六条の二第一項に規定する特定貸付債権向けエクスポージャー、第四十一条第一項に規定する事業用不動産関連エクスポージャー及び第四十一条の三に規定するADC向けエクスポージャーに該当するものを除く。

一の二 再証券化取引 証券化取引のうち、原資産の一部又は全部が証券化エクスポージャーである取引をいう。ただし、次のいずれかに該当するものを除く。

イ 原資産の全部が証券化エクスポージャーである証券化取引であって、当該証券化取引に係るエクスポージャーのキャッシュ・フローが、いかなる状況においても、証券化エクスポージャーを含まない一の原資産プールによる一の証券化取引に係るエクスポージャーのキャッシュ・フローとして再現できるもの

ロ 日本国政府、我が国の地方公共団体又は第三十二条第一項に規定する我が国の政府関係機関((1)から(3)までにおいて「国等」という。)により、中小企業に対する金融の円滑化を主たる目的として行われる証券化取引であって、次に掲げる要件の全てに該当するもの

(1) 国等がオリジネーターとして当該証券化取引に係る最劣後部分を保有するものであること。

(2) 国等が法令に基づいて当該証券化取引の勘定を区分して経理することとされていること。

(3) 国等が当該証券化取引の原資産に係るデフォルト情報を定期的に公表していること。

ハ 第二百四十三条の三第二項に規定する適格短期STC証券化エクスポージャーに該当するもの

二 内部格付手法採用金庫 先進的内部格付手法採用金庫と基礎的内部格付手法採用金庫を総称していう。

三 事業法人等向けエクスポージャー 事業法人向けエクスポージャー、ソブリン向けエクスポージャー及び金融機関等向けエクスポージャーを総称していう。

四 リテール向けエクスポージャー 居住用不動産向けエクスポージャー、適格リボルビング型リテール向けエクスポージャー及びその他リテール向けエクスポージャーを総称していう。

五 適格引当金 内部格付手法を適用するエクスポージャー(証券化エクスポージャーに係るものを除く。)のうち第百二十四条第一項から第六項まで及び第八項の規定により期待損失額を算出するものに対して計上されている次に掲げるものをいう。

イ 個別貸倒引当金

ロ 部分直接償却

ハ 特定海外債権引当勘定又はこれに相当するもの

ニ 第百二十五条の規定により内部格付手法により算出される信用リスク・アセットの額に対応するものとして区分された一般貸倒引当金

六 標準的手法 第四章に定めるところにより、信用リスク・アセットの額を算出する手法をいう。

七 金融機関 次に掲げる者をいう。

イ 預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)第二条第一項に規定する金融機関

ロ 預金保険法第二条第五項に規定する銀行持株会社等

ハ 農林中央金庫

ニ 農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十条第一項第三号の事業を行う農業協同組合及び農業協同組合連合会

ホ 水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第十一条第一項第四号の事業を行う漁業協同組合及び同法第八十七条第一項第四号の事業を行う漁業協同組合連合会並びに同法第九十三条第一項第二号の事業を行う水産加工業協同組合及び同法第九十七条第一項第二号の事業を行う水産加工業協同組合連合会

七の二 中央清算機関 金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第二十八項に規定する金融商品債務引受業を営む者及び商品先物取引法(昭和二十五年法律第二百三十九号)第二条第十七項に規定する商品取引債務引受業を営む者並びに外国の法令に準拠して設立された法人で外国において金融商品債務引受業又は商品取引債務引受業と同種類の業務を行う者をいう。

七の三 適格中央清算機関 労働金庫及び労働金庫連合会(以下「金庫」という。)が第二百四十六条の七第一項に定めるところにより信用リスク・アセットの額を算出するに当たって必要な情報を金庫に提供している者であって、次に掲げる者をいう。

イ 金融商品取引法第二条第二十九項に規定する金融商品取引清算機関

ロ 商品先物取引法第二条第十八項に規定する商品取引清算機関

ハ 外国の中央清算機関のうち当該中央清算機関が設立された国において適切な規制及び監督の枠組みが構築されており、かつ、当該規制及び監督を受けている者

八 株式等エクスポージャー 次に掲げるものをいう。

イ 株式又は次に掲げる性質の全てを有するもの

(1) 償還されないこと。

(2) 発行体の債務を構成するものではないこと。

(3) 発行体に対する残余財産分配請求権又は剰余金配当請求権を付与するものであること。

ロ 金融機関のコア資本に係る基礎項目の額(次条又は第十一条の算式におけるコア資本に係る基礎項目の額をいう。)又はTier1資本(国際統一基準のうち連結Tier1比率又は単体Tier1比率における分子たる自己資本をいう。)の額に算入される資本調達手段と同様の仕組みの金融商品

ハ 発行体の債務を構成する金融商品であって、次に掲げる性質のいずれかを有するもの

(1) 発行体が当該債務の支払を無期限に繰り延べることができること。

(2) 発行体による一定数のイ若しくはロに掲げる金融商品の発行により債務を支払うことが条件とされていること、又は発行体が一定数のイ及びロに掲げる金融商品の発行により債務の支払に充当することができること。

(3) 発行体による不特定数のイ若しくはロに掲げる金融商品の発行により債務を支払うことが条件とされており、かつ、他の条件が同じ場合は債務額の変動が一定数のイ及びロに掲げる金融商品の額に連動するものであること、又は発行体の裁量でその支払方法を選択できること。

(4) 当該金融商品の保有者がイ又はロに掲げる金融商品による弁済を要求する選択権を有すること。ただし、当該金融商品が債務と同様の性質を有するものとして取引されている場合又は債務として扱うことが適当であると認められる場合を除く。

ニ 返済額が株式からの収益に連動する債務、株式の保有と同様の経済的効果をもたらす意図の下に組成された債務、有価証券、派生商品取引その他の金融商品

九 標準的手法採用金庫 信用リスク・アセットの額の計算において内部格付手法を使用しない金庫をいう。

十 レポ形式の取引 担保付きで行う証券の貸借取引及び証券の買戻又は売戻条件付売買をいう。

十一 内部格付手法 第五章に定めるところにより、信用リスク・アセットの額を算出する手法をいう。

十一の二 内部モデル方式 第六章の四第二節に定めるところにより、金融機関独自のモデルを用いてマーケット・リスク相当額を算出する方式をいう。

十一の三 内部モデル方式採用金庫 マーケット・リスク相当額の算出において第二百四十六条の十の承認を受けて内部モデル方式を使用する金庫をいう。

十一の四 標準的方式 第六章の四第三節に定めるところにより、マーケット・リスク相当額を算出する方式をいう。

十一の五 標準的方式採用金庫 マーケット・リスク相当額の算出において内部モデル方式を使用せず、標準的方式を使用する金庫をいう。

十一の六 簡易的方式 第六章の四第四節に定めるところにより、マーケット・リスク相当額を算出する方式をいう。

十二 簡易的方式採用金庫 マーケット・リスク相当額の算出において簡易的方式のみを使用する金庫をいう。

十三 適格格付機関 金融庁長官が別に定める格付機関をいう。

十四 信用リスク区分 適格格付機関の格付に対応するものとして金融庁長官が別に定める区分又は経済協力開発機構若しくは輸出信用機関のカントリー・リスク・スコア(経済協力開発機構の公的輸出信用ガイドライン取極めに基づいて付与されるカントリー・リスク・スコアをいい、輸出信用機関が当該取極めに基づいて付与するカントリー・リスクの評価の区分がこれと異なる場合には、当該輸出信用機関の区分をカントリー・リスク・スコアに紐付けたうえで用いるものとする。以下同じ。)に対応するものとして第四章において定める区分をいう。

十五 証券化エクスポージャー 証券化取引に係るエクスポージャーをいう。

十五の二 再証券化エクスポージャー 再証券化取引に係るエクスポージャーをいう。

十六 クレジット・デリバティブ 次に掲げるものをいう。

イ 金融商品取引法第二条第二十一項第五号に掲げる取引のうち同号イに掲げる事由に係る取引

ロ 金融商品取引法第二条第二十二項第六号に掲げる取引のうち同号イに掲げる事由に係る取引

ハ 金融商品取引法第二条第二十三項に規定する外国市場デリバティブ取引のうちイに掲げる取引に類似する取引

十七 プロテクション提供者 クレジット・デリバティブにより、信用リスク削減効果(第四章第六節に規定する信用リスク削減手法が、エクスポージャーの信用リスクを削減する効果をいう。以下同じ。)を提供する者をいう。

十七の二 適格プロテクション提供者 プロテクション提供者のうち、次のイ又はロに掲げる金庫の区分に応じ、当該イ又はロに定めるものをいう。

イ 標準的手法採用金庫 第九十七条各号に掲げるもの

ロ 内部格付手法採用金庫 第五章第四節に規定する最低要件を満たす債務者格付を付与したもの

十八 ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブ クレジット・デリバティブのうち、あらかじめ複数の法人又は資産を指定し、あらかじめ定められた信用事由がそれらについて最初に発生したときに信用リスク削減効果を提供し、契約が終了するものをいう。

十九 セカンド・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブ クレジット・デリバティブのうち、あらかじめ複数の法人又は資産を指定し、あらかじめ定められた信用事由がそれらについて二番目に発生したときに信用リスク削減効果を提供し、契約が終了するものをいう。

二十 適格金融資産担保 簡便手法(第四章第六節第四款に定める計算手法をいう。以下同じ。)を用いる場合にあっては第六十四条各号に掲げるものを、包括的手法(同節第三款に定める計算手法をいう。以下同じ。)を用いる場合にあっては第六十五条に定めるものをいう。

二十一 原資産 次に掲げるいずれかに該当する資産をいう。

イ 資産譲渡型証券化取引においてオリジネーターその他の者が証券化目的導管体に譲渡する資産

ロ 合成型証券化取引においてクレジット・デリバティブの原債権、被保証債権又は被担保債権等

二十一の二 原資産プール 証券化取引において信用リスクの移転の対象となった全ての原資産の集合をいう。

二十二 上場株式 取引所金融商品市場(金融商品取引法第二条第十七項に規定する取引所金融商品市場をいう。以下同じ。)、店頭売買有価証券市場(同法第六十七条第二項に規定する店頭売買有価証券市場をいう。以下同じ。)又は外国金融商品市場(同法第二条第八項第三号ロに規定する外国金融商品市場をいう。以下同じ。)において売買されている株式をいう。

二十三 ポートフォリオ 一又は二以上の取引及び資産の集合をいう。

二十四 ヒストリカル・データ 過去に実際に発生した価格変動を表す数値をいう。

二十五 ネット・ポジション 対当する(あるポジションと他のポジションが、相互に他方のポジションから生じうる損失を減少させる状態にあることをいう。)ポジション同士を相殺した結果として残るポジションをいう。

二十六 ポジション 取引及び資産の持ち高をいう。

二十七 バリュー・アット・リスク 特定のポジションを一定期間保有すると仮定した場合において、将来の価格変動により一定の確率の範囲内で予想される最大の損失額をいう。

二十八 原債権 クレジット・デリバティブによる信用リスク削減効果の対象となるエクスポージャーをいう。

二十九 決済のための参照債務 第九十五条第一号に規定する事由の発生に基づく支払額の算定に用いられる債務及び原債権の債務者の債務で決済を行う場合に決済のために引き渡すことが認められる債務を総称していう。

三十 信用事由判断のための参照債務 クレジット・デリバティブについて第九十五条第一号に規定する事由の発生の有無を判断するために用いることができる債務をいう。

三十一 特定順位参照型クレジット・デリバティブ クレジット・デリバティブのうち、複数の法人又は資産を指定し、それらについてあらかじめ特定された順位で発生した信用事由のみに基づいて信用リスク削減効果を提供し、契約が終了するものをいう。

三十二 基礎的内部格付手法採用金庫 事業法人等向けエクスポージャーについてLGD及びEADの自金庫推計値を用いないことを条件として、内部格付手法を使用することについて金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を受けた金庫をいう。

三十三 先進的内部格付手法採用金庫 事業法人等向けエクスポージャーについてLGD及びEADの自金庫推計値を用いて内部格付手法を使用することについて金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を受けた金庫をいう。

三十四 事業法人向けエクスポージャー 法人、信託、事業者たる個人その他これらに準ずるもの(以下「事業法人」という。)に対するエクスポージャー(ソブリン向けエクスポージャー又は金融機関等向けエクスポージャーに該当するものを除く。)をいう。

三十五 ソブリン向けエクスポージャー 次に掲げるエクスポージャーをいう。

イ 中央政府及び中央銀行向けエクスポージャー

ロ 地方公共団体向けエクスポージャー(特定の事業からの収入のみをもって返済されることとなっているものを除く。)

ハ 地方公共団体金融機構向けエクスポージャー

ニ 第三十二条第一項に規定する我が国の政府関係機関に対するエクスポージャー

ホ 土地開発公社、地方住宅供給公社及び地方道路公社向けエクスポージャー

ヘ 外国の中央政府以外の公共部門(中央政府以外の公共部門とは、各国が定めたそれぞれの公共部門の定義に従う。以下同じ。)向けエクスポージャーであって、当該公共部門が設立された国内の自己資本比率規制においてソブリン向けエクスポージャーとして扱われているもの

ト 国際復興開発銀行、国際金融公社、多数国間投資保証機関、国際開発協会、アジア開発銀行、アフリカ開発銀行、欧州復興開発銀行、米州開発銀行、欧州投資銀行、欧州投資基金、北欧投資銀行、カリブ開発銀行、イスラム開発銀行、予防接種のための国際金融ファシリティ、欧州評議会開発銀行及びアジアインフラ投資銀行向けエクスポージャー

チ 国際決済銀行、国際通貨基金、欧州中央銀行、欧州連合、欧州安定メカニズム及び欧州金融安定ファシリティ向けエクスポージャー

リ 信用保証協会等(信用保証協会、農業信用基金協会及び漁業信用基金協会をいう。以下同じ。)向けエクスポージャー

三十六 金融機関等向けエクスポージャー 次に掲げるエクスポージャーをいう。

イ 金融機関(第七号ロに掲げる者を除く。次号イ(1)において同じ。)に対するエクスポージャー

ロ 外国の中央政府以外の公共部門向けエクスポージャーであって、当該公共部門が設立された国内における取扱いにおいて金融機関に対するエクスポージャーとして扱われているもの

ハ 国際開発銀行(複数の国によって創設され、経済及び社会開発プロジェクトに対して資金供給又は専門的な見地からの助言を行う機関をいう。以下同じ。)に対するエクスポージャー(前号トに掲げるものを除く。)

ニ 銀行法第十条第二項第八号に規定する外国銀行(以下「外国銀行」という。)に対するエクスポージャー

ホ 銀行持株会社(銀行法第二条第十三項に規定する銀行持株会社をいう。以下同じ。)及びこれに準ずる外国の会社に対するエクスポージャー

ヘ 第三十五条において第三十四条の規定によりリスク・ウェイトを適用することとされている第一種金融商品取引業者(金融商品取引法第二十八条第一項に規定する第一種金融商品取引業を行う者又はこれに準ずる外国の者をいう。以下同じ。)及び経営管理会社(国内に本店その他の主たる営業所又は事務所を有する法人(銀行又は銀行持株会社を除く。)であって、当該法人及び当該法人の子会社(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和三十八年大蔵省令第五十九号。以下「財務諸表等規則」という。)第八条第三項に規定する子会社をいう。)のうちに第一種金融商品取引業者を含み、かつ、当該法人が作成する連結財務諸表に基づき合算自己資本及び所要自己資本の計算を行っている者又はこれに準ずる外国の者をいう。以下同じ。)に対するエクスポージャー

ト 第三十五条の二において第三十四条の規定によりリスク・ウェイトを適用することとされている保険会社(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第二項に規定する保険会社をいう。以下同じ。)及び保険持株会社(同法第二条第十六項に規定する保険持株会社をいう。以下同じ。)に対するエクスポージャー

三十六の二 大規模規制金融機関等向けエクスポージャー 事業法人等向けエクスポージャーのうち、次に掲げる者に対するエクスポージャーをいう。

イ 大規模規制金融機関(次に掲げる者をいう。ロ(2)において同じ。)

(1) 規制金融機関(金融機関、保険会社若しくは少額短期保険業者(保険業法第二条第十八項に規定する少額短期保険業者をいう。)若しくは第一種金融商品取引業者若しくはこれらに準ずる外国の者又は銀行持株会社、保険持株会社若しくは金融商品取引法第五十七条の十二第三項に規定する最終指定親会社若しくはこれらに準ずる外国の者をいう。以下同じ。)であってその連結貸借対照表の資産の部に計上した額が千億合衆国ドルに相当する額以上である者

(2) (1)に掲げる者の子法人等(労働金庫法施行令(昭和五十七年政令第四十六号。以下「令」という。)第五条の二第二項に規定する子法人等をいう。以下同じ。)

ロ 非規制金融機関(金融業、保険業その他これらに類する業種に属する事業を主たる事業として営む者(これに準ずる外国の者を含む。)であって、次に掲げる者以外のもの(金融機関その他の金融システムに影響を及ぼすと認められる者と高い相関関係を有しないと認められる者を除く。)をいう。)

(1) 規制金融機関

(2) 大規模規制金融機関(イ(1)に掲げる者を除く。)

三十六の三 トレード・エクスポージャー 派生商品取引、レポ形式の取引及び長期決済期間取引(第五十条第四項に規定する長期決済期間取引をいう。第十九条第一項第一号及び第四十九条第一項において同じ。)並びにこれらに関する担保の提供により生ずるエクスポージャーをいう。

三十六の四 直接清算参加者 トレード・エクスポージャーに係る債務を、引受け、更改その他の方法により負担させる契約を中央清算機関との間で直接締結する者をいう。

三十六の五 間接清算参加者 直接清算参加者を通じて中央清算機関に対するトレード・エクスポージャーを有する者をいう。

三十六の六 清算基金 自ら及び他の直接清算参加者が中央清算機関に対し債務不履行又は支払不能により損失を与えた場合における当該損失を補填するために、直接清算参加者が中央清算機関に預託する金銭その他の財産をいう。

三十七 居住用不動産向けエクスポージャー 次に掲げる貸付けのいずれかであって、同様のリスク特性を有するエクスポージャーで構成されるプールに属し、当該プール単位で管理されているものをいう。

イ 不動産を所有し、当該不動産に居住する個人向けの貸付け

ロ 次に掲げる要件の全てを満たす貸付け

(1) 個人向けであること。

(2) 資金使途が住宅の建設、取得、増改築その他の住宅関連費用に限定されていること。

(3) 次に掲げる要件のいずれかに該当すること。

(i) 賃貸に供する目的でないこと。

(ii) 賃貸に供する目的である場合には、返済が専ら資金使途の目的である住宅からの賃料その他の収入に依存していないこと。

(4) 一の債務者に対するエクスポージャーの額(第四章第六節に規定する信用リスク削減手法を適用する前のものであり、かつ、資金使途が住宅の建設、取得、増改築その他の住宅関連費用に限定されているもの(賃貸に供する目的である場合には、返済が専ら当該住宅からの賃料その他の収入に依存しているものを除く。)とする。)が一億円以下であること。

三十八 適格リボルビング型リテール向けエクスポージャー 同様のリスク特性を有するエクスポージャーで構成されるプールに属するエクスポージャーであって、当該プール単位で管理されており、かつ、次に掲げる性質の全てを有するものをいう。

イ 契約上定められた上限の範囲内で、債務の残高が債務者の任意の判断で変動し得るエクスポージャー(以下「リボルビング型エクスポージャー」という。)であって、無担保で、かつ、信用供与枠の維持について契約が締結されておらず、金庫が無条件に取り消し得るものであること。

ロ 個人向けのエクスポージャーであること。

ハ 一個人に対する残高の上限が一千万円以下であること。

ニ 当該エクスポージャーの属するポートフォリオにおけるPDの低いエクスポージャーの損失率(経済的損失に基づいて計算したものをいう。以下同じ。)のボラティリティが低いこと。

ホ 当該エクスポージャーの損失率のデータが損失のボラティリティを検証することが可能な形式で保存されていること。

三十八の二 トランザクターに対する適格リボルビング型リテール向けエクスポージャー 適格リボルビング型リテール向けエクスポージャーのうち、次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める要件を満たすものをいう。

イ クレジット・カードの利用に係るエクスポージャー(当該クレジット・カードを提示して、特定の販売業者から商品若しくは権利を購入し、又は特定の役務の提供の事業を営む者から有償で役務の提供を受けることにより発生する債務に係るエクスポージャーに限る。)の場合 過去十二月にわたり、遅滞なく、定められた時期に返済が履行されていること。

ロ イに掲げる場合以外の場合 過去十二月にわたり債務の残高が零であること。

三十九 その他リテール向けエクスポージャー 次のイ又はロに掲げるエクスポージャーのうち居住用不動産向けエクスポージャー及び適格リボルビング型リテール向けエクスポージャーに該当しないものであって、同様のリスク特性を有するエクスポージャーで構成されるプールに属し、かつ、当該プール単位で管理されているものをいう。

イ 個人向けのエクスポージャー(事業性のものを除く。)

ロ イに該当しないエクスポージャーであって、一の債務者に対するエクスポージャーの合計額から信用保証協会等により保証されたエクスポージャーの額を控除した額が一億円未満のもの(当該控除した額が一時的に一億円以上となる場合を含む。)

四十 LGD EADに対するデフォルトしたエクスポージャーに生じる損失額の割合をいう。

四十一 EAD デフォルト時におけるエクスポージャーの額をいう。

四十二 プロジェクト・ファイナンス 事業法人向けエクスポージャーのうち、発電プラント、化学プラント、鉱山事業、交通インフラ、環境インフラ、通信インフラその他の特定の事業に対する信用供与のうち、利払い及び返済の原資を主として当該事業からの収益に限定し、かつ、信用供与の条件を通じて信用供与を行った者が当該事業の有形資産及び当該有形資産からの収益について相当程度の支配権を有しているものをいう。

四十三 オブジェクト・ファイナンス 事業法人向けエクスポージャーのうち、船舶、航空機、衛星、鉄道、車両その他の有形資産の取得のための信用供与のうち、利払い及び返済の原資を当該有形資産からの収益に限定し、当該有形資産を担保の目的とするものであって、かつ、信用供与の条件を通じて信用供与を行った者が当該有形資産及び当該有形資産からの収益について相当程度の支配権を有しているものをいう。

四十四 コモディティ・ファイナンス 事業法人向けエクスポージャーのうち、原油、金属、穀物その他の商品取引所の上場商品の支払準備金、在庫又は売掛債権の資金調達のための短期の信用供与のうち、利払い及び返済の原資を当該上場商品の売却代金に限定し、かつ、信用供与の条件を通じて信用供与を行った者が当該上場商品及び当該上場商品からの収益について相当程度の支配権を有しているものをいう。

四十五 事業用不動産向け貸付け 事業法人向けエクスポージャーのうち、賃貸用オフィスビル、商業ビル、居住用不動産、ホテル、工場、倉庫その他の不動産の取得のための信用供与のうち、利払い及び返済の原資を当該不動産からの収益に限定し、当該不動産を担保の目的とするものであって、かつ、信用供与の条件を通じて信用供与者が当該不動産及び当該不動産からの収益について相当程度の支配権を有しているものをいう。

四十六 特定貸付債権 プロジェクト・ファイナンス、オブジェクト・ファイナンス、コモディティ・ファイナンス及び事業用不動産向け貸付けを総称していう。

四十七 PD 一年間に債務者がデフォルトする確率をいう。

四十八 ボラティリティの高い事業用不動産向け貸付け 事業用不動産向け貸付けのうち、次のいずれかに該当するものをいう。

イ 他の特定貸付債権に比べ損失のボラティリティが高い事業用不動産の取得に対する信用供与

ロ 土地の取得、開発及び建物の建築のための信用供与であって、信用供与の実行日において当該信用供与の返済原資が当該不動産の不確実な売却又は相当程度不確実なキャッシュ・フローに基づいているもの(当該不動産の所在地における当該不動産と同様の不動産の使用率に満たない場合を含む。)。ただし、債務者が信用供与者以外の第三者から相当程度の株式等エクスポージャーを通じた資金の提供を受けている場合を除く。

ハ 外国の銀行監督においてボラティリティの高い事業用不動産向け貸付けとして扱われている当該外国に所在する事業用不動産向けの信用供与

四十九 購入債権 購入リテール向けエクスポージャー及び購入事業法人等向けエクスポージャーを総称していう。

五十 中堅中小企業向けエクスポージャー 事業法人向けエクスポージャーのうち、当該事業法人の売上高(当該事業法人が連結財務諸表を作成している場合及び内部格付手法採用金庫が同一のグループに属するものとして管理している場合は連結の売上高をいう。以下この号、第百二十七条第二項及び第百五十条において同じ。)が五十億円未満の事業法人に対するエクスポージャーをいう。ただし、当該事業法人が卸売業を営む場合その他の当該事業法人の事業規模を判断するに当たって当該事業法人の売上高を用いることが適切ではない場合は、事業法人向けエクスポージャーのうち、当該事業法人の総資産が五十億円未満の事業法人に対するエクスポージャーをこれに含めることができる。

五十一 希薄化リスク 購入債権に係る契約の取消し又は解除、購入債権の債務者の譲渡人に対する債権を自働債権、当該購入債権の譲受人が保有する購入債権を受働債権とする相殺その他の事由により、購入債権が減少するリスクをいう。

五十二 適格債権担保 次の要件の全てを満たす債権であって、内部格付手法採用金庫に担保として供されたものをいう。

イ 当初の満期が一年以内であり、被担保債権の債務者が第三者と行った商取引に基づき支払を受ける債権であること。

ロ 証券化、ローン・パーティシペーション又はクレジット・デリバティブに関連する債権ではないこと。

ハ 債務者の子法人等又は関連法人等(令第五条の二第三項に規定する関連法人等をいう。以下同じ。)その他債務者とデフォルトの相関関係の高いものに対する債権ではないこと。

五十三 適格不動産担保 事業用不動産又は居住用不動産に設定された担保であって、次に掲げる性質の全てを有するものをいう。

イ 被担保債権の債務者のリスクが、当該不動産又は当該不動産に係るプロジェクト以外を原資とする債務者の返済能力に依存するものであること。

ロ 担保の目的である不動産の価値が、債務者の業績に大きく依存するものではないこと。

ハ 被担保債権が事業用不動産向け貸付けに該当しないこと。

五十四 適格その他資産担保 一定の要件を満たす適格船舶担保、適格航空機担保、適格ゴルフ会員権担保及び適格動産担保を総称していう。

五十五 ショート・ポジション 売持ちのポジションをいう。

五十六 ロング・ポジション 買持ちのポジションをいう。

五十七 購入事業法人等向けエクスポージャー 内部格付手法採用金庫又は当該内部格付手法採用金庫の連結子法人等(金庫の子法人等であって、連結自己資本比率(次条に規定する連結自己資本比率をいう。)の算出に当たり連結の範囲に含まれるものをいう。以下同じ。)が第三者から譲り受けた事業法人等向けエクスポージャーをいう。

五十八 適格購入事業法人等向けエクスポージャー 適格購入事業法人等向けエクスポージャープールに属する購入事業法人等向けエクスポージャーをいう。

五十九 適格購入事業法人等向けエクスポージャープール 次に掲げる性質の全てを有する購入事業法人等向けエクスポージャーによって構成された分散度の高いプールをいう。

イ 購入債権の譲渡人が独立した第三者であり、かつ、購入債権を譲り受けた内部格付手法採用金庫が直接又は間接に信用供与を行ったものでないこと。

ロ 購入債権の譲渡人と購入債権の債務者の間における購入債権に関する取引が、独立した当事者間における取引であること。

ハ 購入事業法人等向けエクスポージャーの譲受人が購入事業法人等向けエクスポージャーのプールからの元利払いの全額又は一部について権利を有すること。ただし、一部の場合は当該購入事業法人等向けエクスポージャーに係る他の権利者とエクスポージャーの額の割合に応じて比例配分する場合に限る。

六十 ELdilution 購入債権のプールに含まれるエクスポージャーの総額に対する希薄化リスク部分に相当する一年間の期待損失率をいう。

六十一 トップ・ダウン・アプローチ 第百四十五条第二項から第九項までに従って、購入債権のPD又はLGDを推計する方法をいう。

六十二 購入リテール向けエクスポージャー 内部格付手法採用金庫又は当該内部格付手法採用金庫の連結子法人等が第三者から譲り受けたリテール向けエクスポージャーをいう。

六十三 購入債権のディスカウント部分 第三者から購入債権を購入した場合の当該債権の名目価額と取得価額との差額をいう。

六十四 裏付資産 証券化エクスポージャーに係る元利金の支払の原資となる資産を総称していう。

六十五 信用補完機能を持つI/Oストリップス 資産譲渡型証券化取引において証券化目的導管体に譲渡した原資産から将来において生じることが見込まれた金利収入等の全部又は一部を受ける権利であって、当該証券化取引に係る他の証券化エクスポージャーに対する信用補完として利用されるように仕組まれたものをいう。

六十六 資産譲渡型証券化取引 証券化取引であって、原資産の全部又は一部が証券化目的導管体に譲渡されており、当該取引における投資家に対する支払の原資が当該原資産からのキャッシュ・フローであるものをいう。

六十七 オリジネーター 次に掲げる事項のいずれかに該当するものをいう。

イ 直接又は間接に証券化取引の原資産の組成にかかわっている場合

ロ 第三者からエクスポージャーを取得するABCPの導管体又はこれに類するプログラムのスポンサーである場合

六十八 クリーンアップ・コール 証券化エクスポージャーの投資家がその全額について支払を受ける前に、証券化目的導管体が残存する証券化エクスポージャーの買戻し又は償還を行うことができる権利をいう。

六十九 証券化目的導管体 証券化取引を行う目的で組織された法人、信託その他の導管体であり、次に掲げる性質を満たすものをいう。

イ 定款又は契約において、当該導管体の活動が当該目的の遂行のために必要なものに限定されること。

ロ オリジネーター及び原資産の譲渡人の信用リスクから隔離されていること。

七十 契約外の信用補完等 証券化取引において、金庫が当該取引に係る契約上の義務でないにもかかわらず、当該取引に係る信用リスクを引き受けることにより証券化取引に関与する他の契約当事者に信用補完を行うことをいう。

七十一 合成型証券化取引 証券化取引であって、原資産の信用リスクの全部又は一部が原資産を参照債務とするクレジット・デリバティブ、原資産に対する保証又は原資産を被担保債権とする質権の設定その他これらに類する方法により移転されており、投資家が原資産の信用リスクを負担しているものをいう。

七十二 IRBプール 裏付資産のプールであって、当該プールを構成するエクスポージャーの全てが次に掲げる要件の全てを満たすものをいう。

イ 当該エクスポージャーと同種のエクスポージャーに内部格付手法を適用することについて金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を得ていること。

ロ 当該エクスポージャーに内部格付手法を適用するために十分な情報を取得していること。

七十三 混合プール 裏付資産のプールであって、当該プールを構成するエクスポージャーの一部についてのみ前号イ及びロに掲げる要件の全てを満たすものをいう。

七十四 SAプール 裏付資産のプールであって、当該プールを構成するエクスポージャーの全てが第七十二号イ及びロに掲げる要件のいずれかを満たさないものをいう。

七十五 最優先証券化エクスポージャー 証券化エクスポージャーの裏付資産の全額に対して、金利スワップ又は通貨スワップのカウンターパーティの請求権その他の重要でない請求権を除き、第一順位の請求権により裏付けられているものをいう。ただし、一の最優先証券化エクスポージャーが階層化されることにより優先順位の異なる複数の新たな証券化エクスポージャーを生じさせる取引を行った場合にあっては、複数の証券化エクスポージャーのうち最も優先する証券化エクスポージャーのみを最優先証券化エクスポージャーとして取り扱うものとする。

七十六 適格なサービサー・キャッシュ・アドバンス 投資家に対する支払を滞りなく行うことを目的として、約定された額の範囲内でサービサー(委託又は再委託に基づき、原資産の管理、原資産の債務者に対する原資産の請求及び回収金の受領事務を受託した者をいう。ロ並びに第二百三十七条の三第二項第七号及び第八号において同じ。)が行う信用供与であって、次に掲げる性質を有するものをいう。

イ 実行した信用供与の全額について裏付資産から生じるキャッシュ・フローから最優先で返済を受ける権利を有するものであること。

ロ サービサーが任意に事前の通知なくして取り消すことができること。

七十七 CVAリスク クレジット・スプレッドその他の指標の市場変動によりCVA(派生商品取引並びにレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引について、取引相手方の信用リスクを勘案しない場合における公正価値評価額と取引相手方の信用リスクを勘案する場合における公正価値評価額との差額をいう。以下同じ。)が変動するリスクをいう。ただし、当該リスクを計測する金庫の信用リスクの変動に係るものを除く。

七十七の二 BA―CVA 第六章の二第二節に定めるところにより、CVAリスク相当額を算出する手法をいう。

七十七の三 SA―CVA 第六章の二第三節に定めるところにより、CVAリスク相当額を算出する手法をいう。

七十七の四 SA―CVA採用金庫 CVAリスク相当額の算出において第二百四十六条の四第一項の承認を受けてSA―CVAを使用する金庫をいう。

七十七の五 CVAデスク 第八条の十四第一項に規定する内部CVAヘッジ取引若しくは外部CVAヘッジ取引の主体となる部署又はこれらに類する役割を有する明確化された機能をいう。

七十七の六 個別リスク 市場における共通の要素の価格変動に対するリスクでは捕捉できない特定の銘柄に関連するリスクをいう。

七十七の七 一般市場リスク 市場における共通の要素の価格変動に対して商品の価格が変動するリスクをいう。

七十七の八 マーケット・リスク 市場価格の変動に伴って損失が生ずるリスクをいう。

七十七の九 コリレーション・トレーディング 裏付資産又は参照資産等(第三十一号において指定している複数の法人又は資産をいう。以下同じ。)について売買双方の流動性のある市場を有する証券化取引(再証券化取引を除く。)又は特定順位参照型クレジット・デリバティブ(証券化エクスポージャーを参照するデリバティブを除く。)であって、全ての裏付資産又は参照資産等が単一の債務者に係る債権であるポジション(単一の債務者に係るクレジット・デリバティブを含む。)及び当該ポジションに対してヘッジ効果を発揮するポジションをいう。

七十七の十 理事 法第三十二条第一項に規定する理事をいう。

七十八 国際統一基準 海外拠点(外国に所在する支店若しくは従たる事務所又は銀行業を営む外国の会社(総株主、総社員又は総出資者の議決権(以下「総株主等の議決権」という。)の百分の五十を超える議決権を保有しているものに限る。)であって、その所在地において常勤の役員又は従業員を持つものをいう。以下この号において同じ。)を有する金融機関又は海外拠点を有する金融機関を子会社(労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号。以下「法」という。)第三十二条第五項に規定する子会社をいう。以下同じ。)とする持株会社及びその子会社の自己資本比率基準をいう。

七十九 TLAC規制対象会社 銀行法第十四条の二の規定に基づき銀行がその経営の健全性を判断するための基準として定める総損失吸収力及び資本再構築力に係る健全性を判断するための基準(平成三十一年金融庁告示第八号。以下「銀行TLAC告示」という。)第一条第八号に規定する国内処理対象銀行、銀行法第五十二条の二十五の規定に基づき銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社等の経営の健全性を判断するための基準として定める総損失吸収力及び資本再構築力に係る健全性を判断するための基準であって銀行の経営の健全性の判断のために参考となるべきもの(平成三十一年金融庁告示第九号。以下「銀行持株会社TLAC告示」という。)第一条第八号に規定する国内処理対象銀行持株会社及び金融商品取引法第五十七条の十七第一項の規定に基づき最終指定親会社が最終指定親会社及びその子法人等の経営の健全性を判断するための基準として定める総損失吸収力及び資本再構築力に係る健全性の状況を表示する基準(平成三十一年金融庁告示第十号。以下「最終指定親会社TLAC告示」という。)第一条第八号に規定する国内処理対象最終指定親会社をいう。

八十 その他外部TLAC調達手段 銀行TLAC告示第四条第三項、銀行持株会社TLAC告示第四条第三項及び最終指定親会社TLAC告示第四条第三項に規定するその他外部TLAC調達手段をいう。

八十一 その他外部TLAC関連調達手段 その他外部TLAC調達手段、規制金融機関に適用される総損失吸収力及び資本再構築力に係る健全性を判断するための基準と類似の基準において、その他外部TLAC調達手段に相当すると認められているもの、これらと発行体が同一かつ法的又は経済的に同順位であるもの及び特例外部TLAC調達手段をいう。ただし、TLAC除外債務及びこれに相当する債務を除く。

八十二 TLAC除外債務 銀行TLAC告示第四条第四項、銀行持株会社TLAC告示第四条第四項及び最終指定親会社TLAC告示第四条第四項に規定する除外債務をいう。

八十三 特例外部TLAC調達手段 TLAC除外債務に相当する債務と法的又は経済的に同順位であって、その全部又は一部が本邦以外の国又は地域の金融当局によってその他外部TLAC調達手段に相当すると認められるものをいう。

八十四 トレーディング・デスク リスクの取得及び管理を通じた収益の獲得又は市場での地位の確立を目的として、トレーディング戦略を実施するトレーダーのグループ又はトレーディング・アカウント(トレーディング業務における観測単位をいう。)のグループ(複数のブッキング・アカウントの集合をいう。)であって、明確に定められた事業戦略を実行するものをいう。

八十五 構造為替ポジション 自己資本を自国通貨建てで保有している金庫が、その自己資本比率の低下を防ぐ目的で保有する外国通貨建てのポジションをいう。

八十六 損益要因分析テスト リスク理論損益と仮想損益とを比較することにより、内部モデル方式に用いるモデルの頑健性を評価する手法をいう。

八十七 仮想損益 当日の終業時の市場データを用いて、前日の終業時に保有していたポジションを再評価することによって生ずる日次の損益(コミッション、フィー、日中取引、新規及び変更取引、自己資本比率計算上の取扱いが別途規定されている評価調整並びに自己資本の額から控除される評価調整を除く。)であって、次に掲げる要件の全てを満たして計算したものをいう。

イ 日次で更新される評価調整を可能な限り含むものであること。

ロ 時間価値の影響について、リスク理論損益におけるものと整合的に扱うものであること。

八十八 トレーディング・デスクのリスク管理モデル 損益要因分析テストにおいて用いるリスク理論損益を計算した際に使用するモデルをいう。

八十九 リスク理論損益 損益要因分析テストにおいて、トレーディング・デスクのリスク管理モデルにより計算した損益をいう。

九十 実損益 日次の損益計算プロセスで計算した実際の損益(日中取引、新規及び変更取引並びにバンキング勘定の外貨建ポジション及びコモディティポジションを含む。ただし、コミッション、フィー、自己資本比率計算上の取扱いが別途規定されている評価調整及び自己資本の額から控除される評価調整を除く。)をいう。

九十一 期待ショート・フォール 一定の確率の範囲内で予想されるバリュー・アット・リスクを上回る全ての潜在的な損失額の平均値をいう。

九十二 市場混乱時を想定した期待ショート・フォール 市場混乱時(少なくとも平成十九年まで遡る観測期間のうち、最も市況が厳しい十二月をいう。)のデータを入手できるリスク・ファクター(以下「低減したリスク・ファクター」という。)を仮定した場合の期待ショート・フォールをいう。

九十三 ストレス期待ショート・フォール モデル化不可能なリスク・ファクターに係る潜在的な損失額を算出するために水準調整された期待ショート・フォールをいう。

九十四 リスク・バケット 類似した特徴を有するリスク・ファクターのグループをいう。

九十五 流動性ホライズン ストレス時の市場環境において、市場価格に重大な影響を及ぼすことなくリスク・ポジションを解消し、又はヘッジするのに要する想定期間をいう。

九十六 リスク・ファクターのモデル化可能性テスト 第二百四十六条の九の四第一項の承認を受けたトレーディング・デスクにおいて、内部モデル方式におけるリスク・ファクターのモデル化(以下「モデル化」という。)の適格性を判定するテストをいう。

九十七 リスク・ポジション リスク・ファクターの変動により現在価値に潜在的な損失を生ずるポジションをいう。

九十八 実在価格 リスク・ファクターのモデル化可能性テストにおいて判定に使用される価格をいう。

九十九 モデル化可能なリスク・ファクター リスク・ファクターのモデル化可能性テストの結果、モデル化が適格と判定されたリスク・ファクターをいう。

百 モデル化不可能なリスク・ファクター リスク・ファクターのモデル化可能性テストの結果、モデル化が不可能と判定されたリスク・ファクターをいう。

百一 デルタ・リスク リスク・ファクターの変動による商品の価値の変化額の線形推計値をいう。

百二 ベガ・リスク 原資産のインプライド・ボラティリティ(市場において観測されるオプション価格をもとに算出されたボラティリティをいう。以下同じ。)の変動によるデリバティブの価値の変化額から生ずる潜在的な損失額をいう。

百三 カーベチャー・リスク オプション性を有する金融商品のリスク・ファクターの変動によるデルタ・リスクを上回る追加の潜在的な損失額をいう。

百四 感応度 商品に関連するリスク・ファクターの微小な変動による商品の価値の変化額の推計値をいう。

百五 JTD デフォルトが突然生ずる場合のリスクをいう。

百六 オペレーショナル・リスク 金庫の業務の過程、役職員の活動若しくはシステムが不適切であり、若しくは機能しないこと又は外生的な事象により損失が生ずるリスク(法的リスクを含み、戦略リスク及び風評リスクを除く。)をいう。

百七 オペレーショナル・リスク損失 オペレーショナル・リスクによって生ずる損失をいう。

百八 内部損失データ オペレーショナル・リスク損失に関する情報をいう。

百九 内部損失データベース 内部損失データの集合物であって、特定のオペレーショナル・リスク損失に関する情報を検索できるよう体系的に構成したものをいう。

 

第二章 連結自己資本比率

(連結自己資本比率の計算方法)

第二条 金庫の自己資本比率基準のうち法第九十四条第一項において準用する銀行法第十四条の二第二号に定める基準(以下この章において「連結自己資本比率」という。)は、次の算式により得られる比率について、四パーセント以上とする。

 (自己資本の額(コア資本に係る基礎項目の額-コア資本に係る調整項目の額))/(信用リスク・アセットの額の合計額+マーケット・リスク相当額の合計額を八パーセントで除して得た額+オペレーショナル・リスク相当額の合計額を八パーセントで除して得た額)

 

(連結の範囲)

第三条 連結自己資本比率は、連結財務諸表に基づき算出するものとする。この場合において、連結財務諸表については、連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和五十一年大蔵省令第二十八号。以下「連結財務諸表規則」という。)に準じて作成することとする。ただし、金庫が法第五十八条の三第一項第一号若しくは第六号又は法第五十八条の五第一項第一号から第六号まで若しくは第十一号に掲げる会社を子会社としている場合の当該子会社(第五条第七項第一号ロにおいて「金融子会社」という。)については、連結財務諸表規則第五条第二項の規定を適用しないものとする。

2 前項の規定にかかわらず、労働金庫連合会が法第五十八条の五第一項第四号又は第四号の二に掲げる会社及びこれらの子法人等(以下「保険会社等」という。)を子法人等としている場合における当該子法人等(次条第二項第一号イ(1)において「保険子法人等」という。)については、連結の範囲に含めないものとする。

 

(マーケット・リスク相当額不算入の特例)

第三条の二 金庫は、次に掲げる条件の全てを満たす場合には、第二条の算式にマーケット・リスク相当額の合計額を八パーセントで除して得た額(以下「マーケット・リスク相当額に係る額」という。)を算入しないことができる。

一 直近の期末から自己資本比率の算出を行う日(以下「算出基準日」という。)までの間における商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定の合計額のうち最も大きい額が、千億円未満であり、かつ、直近の期末の総資産の十パーセントに相当する額未満であること。

二 直近の期末から算出基準日までの間における外国為替リスク・カテゴリーの全体のネット・ポジションの額(第二百四十六条の二十七の二に規定する外国為替リスク・カテゴリーの全体のネット・ポジションの額をいう。同条を除き、以下同じ。)のうち最も大きい額(ハにおいて「最大額」という。)が、千億円未満であり、かつ、次に掲げる額の合計額の十パーセントに相当する額未満であること。

イ 直近の期末の信用リスク・アセットの額

ロ 直近の期末のオペレーショナル・リスク相当額の合計額を八パーセントで除して得た額

ハ 最大額

三 算出基準日が期末である場合には、当該算出基準日における商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定の合計額が、千億円未満であり、かつ、当該算出基準日における総資産の十パーセントに相当する額未満であること。

四 算出基準日が期末である場合には、当該算出基準日における外国為替リスク・カテゴリーの全体のネット・ポジションの額が、千億円未満であり、かつ、当該算出基準日における次に掲げる額の合計額の十パーセントに相当する額未満であること。

イ 信用リスク・アセットの額

ロ オペレーショナル・リスク相当額の合計額を八パーセントで除して得た額

ハ 外国為替リスク・カテゴリーの全体のネット・ポジションの額

五 直近の算出基準日において第二条の算式にマーケット・リスク相当額に係る額を算入していないこと。

 

(自己資本の額)

第四条 第二条の算式において、コア資本に係る基礎項目の額は、次に掲げる額の合計額とする。

一 普通出資又は非累積的永久優先出資に係る会員勘定の額(外部流出予定額(剰余金の配当の予定額をいう。以下同じ。)を除く。)

二 その他の包括利益累計額又は評価・換算差額等(その他有価証券評価差額金(連結財務諸表規則第四十三条の二第一項第一号に規定するその他有価証券評価差額金をいう。次条第十二項において同じ。)、繰延ヘッジ損益(連結財務諸表規則第四十三条の二第一項第二号に規定する繰延ヘッジ損益をいう。次条第十二項において同じ。)及び土地再評価差額金(連結財務諸表規則第四十三条の二第一項第三号に規定する土地再評価差額金をいう。次条第十二項において同じ。)を除く。)

三 コア資本に係る調整後非支配株主持分の額

四 次に掲げる額の合計額

イ 一般貸倒引当金(内部格付手法採用金庫においては第百二十五条の規定により標準的手法により算出される信用リスク・アセットの額に対応するものとして区分された一般貸倒引当金及び証券化エクスポージャーに係る一般貸倒引当金に限る。第十三条第一項第二号イにおいて同じ。)の額(当該額が第二条の算式における信用リスク・アセットの額の合計額(内部格付手法採用金庫にあっては、第百二十六条第二号に掲げる額及び証券化エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額の合計額とする。)に一・二五パーセントを乗じて得た額を上回る場合にあっては、当該乗じて得た額とする。)

ロ 内部格付手法採用金庫において、適格引当金の合計額が事業法人等向けエクスポージャー及びリテール向けエクスポージャーの期待損失額(第百二十四条に規定する期待損失額をいう。以下この章及び次章において同じ。)の合計額を上回る場合における当該適格引当金の合計額から当該期待損失額の合計額を控除した額(当該額が第百二十六条第一号に掲げる額に〇・六パーセントを乗じて得た額を上回る場合にあっては、当該乗じて得た額とする。)

2 第二条の算式において、コア資本に係る調整項目の額は、次に掲げる額の合計額とする。

一 次に掲げる額の合計額

イ 次に掲げる無形固定資産の額の合計額

(1) 無形固定資産(のれんに係るものに限り、のれん相当差額(他の金融機関等(次条第四項に規定する他の金融機関等をいう。)であって、連結子会社(連結財務諸表規則第二条第四号に規定する連結子会社をいう。以下この(1)において同じ。)である保険子法人等又は持分法(連結財務諸表規則第二条第八号に規定する持分法をいう。以下この(1)及び第七条第一項において同じ。)が適用される者に係る差額(連結子会社である保険子法人等にあっては連結財務諸表規則第二十八条第五項の規定によりのれんに含めて表示される差額をいい、持分法が適用される者にあってはこれに相当するものをいう。)をいう。第八条第二項第五号において同じ。)を含む。)の額

(2) 無形固定資産(のれん及びモーゲージ・サービシング・ライツに係るものを除く。)の額

ロ 繰延税金資産(一時差異に係るものを除く。)の額

ハ 内部格付手法採用金庫において、事業法人等向けエクスポージャー及びリテール向けエクスポージャーの期待損失額の合計額が適格引当金の合計額を上回る場合における当該期待損失額の合計額から当該適格引当金の合計額を控除した額

ニ 証券化取引に伴い増加した自己資本に相当する額

ホ 負債の時価評価(金庫又は連結子法人等の信用リスクの変動に基づくものに限る。)により生じた時価評価差額であって自己資本に算入される額

ヘ 退職給付に係る資産の額

二 自己保有普通出資等の額

三 意図的に保有している他の金融機関等の対象資本調達手段の額

四 少数出資金融機関等の対象普通出資等の額

五 労働金庫連合会の対象普通出資等の額

六 特定項目に係る十パーセント基準超過額

七 特定項目に係る十五パーセント基準超過額

3 第一項第一号の「普通出資」とは、次に掲げる要件の全てを満たす出資をいう。

一 残余財産の分配について、金庫の会員が法に基づいて払込みを行った出資と同等の劣後的内容を有するものであること。

二 残余財産の分配について、他の優先的内容を有する資本調達手段に対する分配が行われた後に、出資者の保有する出資の口数その他の事情に応じて公平に割当てを受けるものであること。

三 払戻し又は償還の期限が定められておらず、かつ、法令に基づく場合を除き、払戻し又は償還されるものでないこと。

四 発行者(出資を受けた者を含む。以下この項及び次項において同じ。)が発行時又は払込みを受けた時に将来にわたり買戻しを行う期待を生じさせておらず、かつ、当該期待を生じさせる内容が定められていないこと。

五 剰余金の配当が法令の規定に基づき算定された限度額を超えない範囲内で行われ、法に基づく場合を除きその額が出資の払込金額を基礎として算定されるものでなく、かつ、剰余金の配当の限度額に関する法令の規定により制限される場合を除き、剰余金の配当について上限額が定められていないこと。

六 剰余金の配当について、発行者の完全な裁量により決定することができ、これを行わないことが発行者の債務不履行となるものでないこと。

七 剰余金の配当について、他の資本調達手段に対して優先的内容を有するものでないこと。

八 他の資本調達手段に先立ち、発行者が業務を継続しながら、当該発行者に生じる損失を公平に負担するものであること。

九 発行者の倒産手続(破産手続、再生手続、更生手続又は特別清算手続をいう。以下同じ。)に関し当該発行者が債務超過(債務者が、その債務につき、その財産をもって完済することができない状態をいう。以下同じ。)にあるかどうかを判断するに当たり、当該発行者の債務として認識されるものでないこと。

十 払込金額が適用される企業会計の基準において会員勘定として計上されるものであること。

十一 現に払込済みであり、かつ、取得又は払込みに必要な資金が発行者により直接又は間接に融通されたものでないこと。

十二 担保権により担保されておらず、かつ、発行者又は当該発行者と密接な関係を有する者による保証に係る特約その他の法的又は経済的に他の資本調達手段に対して優先的内容を有するものとするための特約が定められていないこと。

十三 総会、理事会その他の法令に基づく権限を有する機関の決議又は決定に基づくものであること。

十四 発行者の事業年度に係る説明書類において他の資本調達手段と明確に区別して記載されるものであること。

4 第一項第一号の「非累積的永久優先出資」とは、次に掲げる要件の全てを満たす出資をいう。

一 発行者により現に発行され、かつ、払込済みのものであること。

二 残余財産の分配について、発行者の他の債務に対して劣後的内容を有するものであること。

三 担保権により担保されておらず、かつ、発行者又は当該発行者と密接な関係を有する者による保証に係る特約その他の法的又は経済的に他の同順位の資本調達手段に対して優先的内容を有するものとするための特約が定められていないこと。

四 償還期限が定められておらず、あらかじめ定めた期間が経過した後に上乗せされる一定の金利又は配当率(第十三条第四項第四号において「ステップ・アップ金利等」という。)に係る特約その他の償還を行う蓋然性を高める特約が定められていないこと。

五 償還を行う場合には、発行後五年を経過した日以後(発行の目的に照らして償還を行うことについてやむを得ない事由があると認められる場合にあっては、発行後)に発行者の任意によるときに限り償還を行うことが可能であり、かつ、償還又は買戻しに関する次に掲げる要件の全てを満たすものであること。

イ 償還又は買戻しに際し、自己資本の充実について、あらかじめ金融庁長官及び厚生労働大臣の確認を受けるものとなっていること。

ロ 償還又は買戻しについて期待を生じさせる行為を発行者が行っていないこと。

ハ その他次に掲げる要件のいずれかを満たすこと。

(1) 償還又は買戻しが行われる場合には、発行者の収益性に照らして適切と認められる条件により、当該償還又は買戻しのための資本調達(当該償還又は買戻しが行われるものと同等以上の質が確保されるものに限る。)が当該償還又は買戻しの時以前に行われること。

(2) 償還又は買戻しの後においても発行者が十分な水準の連結自己資本比率を維持することが見込まれること。

六 発行者が前号イの確認が得られることを前提としておらず、当該発行者により当該確認について期待を生じさせる行為が行われていないこと。

七 剰余金の配当の停止について、次に掲げる要件の全てを満たすものであること。

イ 剰余金の配当の停止を発行者の完全な裁量により常に決定することができること。

ロ 剰余金の配当の停止を決定することが発行者の債務不履行とならないこと。

ハ 剰余金の配当の停止により流出しなかった資金を発行者が完全に利用可能であること。

ニ 剰余金の配当の停止を行った場合における発行者に対する一切の制約(同等以上の質の資本調達手段に係る剰余金の配当に関するものを除く。)がないこと。

八 剰余金の配当が、法令の規定に基づき算定された剰余金の配当の限度額を超えない範囲内で行われるものであること。

九 剰余金の配当額が、発行後の発行者の信用状態を基礎として算定されるものでないこと。

十 発行者の倒産手続に関し当該発行者が債務超過にあるかどうかを判断するに当たり、当該発行者の債務として認識されるものでないこと。

十一 発行者又は当該発行者の子法人等若しくは関連法人等により取得されておらず、かつ、取得に必要な資金が発行者により直接又は間接に融通されたものでないこと。

十二 ある特定の期間において他の資本調達手段が発行価格に関して有利な条件で発行された場合には補償が行われる特約その他の発行者の資本の増強を妨げる特約が定められていないこと。

5 第二項第一号イ又はヘに掲げる額を算出する場合において、これらの規定に掲げる額に関連する繰延税金負債の額があるときは、これらの規定に掲げる額と当該関連する繰延税金負債の額を相殺することができる。

 

(調整後非支配株主持分の額及び調整項目の額の算出方法)

第五条 前条第一項第三号に掲げるコア資本に係る調整後非支配株主持分の額は、特定連結子法人等(連結子法人等のうち金融機関又はバーゼル銀行監督委員会の定める自己資本比率の基準若しくはこれと類似の基準(金融商品取引法第四十六条の六に定める自己資本規制比率を含む。第三十五条第一項において同じ。)の適用を受ける者をいう。以下この項において同じ。)の非支配株主持分相当コア資本に係る基礎項目の額(特定連結子法人等の単体コア資本に係る基礎項目の額(第十一条の算式におけるコア資本に係る基礎項目の額に相当する額をいう。以下この項において同じ。)のうち当該特定連結子法人等の親法人等(令第五条の二第二項に規定する親法人等をいう。第百六十八条第二項において同じ。)である金庫の連結貸借対照表の純資産の部に株式引受権、新株予約権又は非支配株主持分として計上される部分の額(当該額が零を下回る場合にあっては、零とする。)をいう。以下この項において同じ。)のうち次に掲げる額のいずれか少ない額にコア資本に係る第三者持分割合(特定連結子法人等の非支配株主持分相当コア資本に係る基礎項目の額を単体コア資本に係る基礎項目の額で除して得た割合をいう。)を乗じて得た額以下の額とする。

一 当該特定連結子法人等の第二条の算式の分母の額に相当する額に四パーセントを乗じて得た額

二 第二条の算式の分母の額のうち当該特定連結子法人等に関連するものの額(当該特定連結子法人等の同条の算式の分母の額に相当する額に関連するものの額をいう。)に四パーセントを乗じて得た額

2 前条第二項第二号に掲げる自己保有普通出資等の額は、金庫又は連結子法人等が当該金庫又は連結子法人等の普通出資等(普通出資(同条第三項に規定する普通出資をいう。第四項及び第五項において同じ。)又は非累積的永久優先出資(同条第四項に規定する非累積的永久優先出資をいう。第四項及び第五項において同じ。)をいい、処分未済持分(法第二十一条第一項ただし書の規定に基づき金庫が取得した持分をいう。第十四条第一項において同じ。)又は自己優先出資に該当するものを除く。)を保有している場合(法人等(令第五条第一項第一号ロに規定する法人等をいう。以下同じ。)であって、連結自己資本比率の算出に当たり連結の範囲に含まれない者(以下この条において「連結範囲外の法人等」という。)に対する投資その他これに類する行為を通じて実質的に保有している場合に相当すると認められる場合その他これに準ずる場合を含む。)における当該普通出資等(次項及び第八条第二項第五号において「自己保有普通出資等」という。)の額とする。

3 前項に定める額を算出する場合において、金庫又は連結子法人等が自己保有普通出資等に係る一定のショート・ポジションを保有するときは、当該自己保有普通出資等と対応するショート・ポジションを相殺することができる。

4 前条第二項第三号に掲げる意図的に保有している他の金融機関等の対象資本調達手段の額は、金庫又は連結子法人等が金融機関若しくはこれに準ずる外国の者又は金融業、保険業その他の業種に属する事業を主たる事業として営む者(これに準ずる外国の者を含み、金融システムに影響を及ぼすおそれがないと認められる者その他の者を除く。)であって連結自己資本比率の算出に当たり連結の範囲に含まれないもの(以下この章において「他の金融機関等」という。)との間で相互に自己資本比率を向上させるため、意図的に当該他の金融機関等の対象資本調達手段(資本調達手段のうち、普通出資に相当するもの(みなし普通出資(普通出資、非累積的永久優先出資又はこれら以外の資本調達手段のうち連結自己資本比率(国際統一基準の連結自己資本比率を含む。)の算式の分子の額を構成するもの(以下この項において「その他資本調達手段」という。)のいずれにも相当しない資本調達手段をいう。次項において同じ。)を含む。)、非累積的永久優先出資に相当するもの又はその他資本調達手段に相当するものをいい、規制金融機関の資本調達手段にあっては、当該規制金融機関に適用される経営の健全性を判断するための基準又はこれと類似の基準において連結自己資本比率(国際統一基準の連結自己資本比率を含む。)の算式の分子の額を構成するものに相当するものに限る。以下この条及び第八条第二項第五号において同じ。)を保有していると認められ、かつ、当該他の金融機関等が意図的に当該金庫又は連結子法人等の普通出資又は非累積的永久優先出資を保有していると認められる場合(金庫若しくは連結子法人等又は他の金融機関等が連結範囲外の法人等に対する投資その他これに類する行為を通じて実質的に保有している場合に相当すると認められる場合その他これに準ずる場合を含む。)における当該他の金融機関等の対象資本調達手段(労働金庫又は連結子法人等が保有している労働金庫連合会の対象資本調達手段を除く。)の額とする。

5 前条第二項第四号に掲げる少数出資金融機関等の対象普通出資等の額は、少数出資金融機関等(金庫及び連結子法人等がその総株主等の議決権の百分の十を超える議決権を保有していない他の金融機関等をいう。第九項において同じ。)の対象普通出資等(対象資本調達手段のうち、普通出資又は非累積的永久優先出資に相当するもの(みなし普通出資を含む。)をいう。以下この条及び第八条第二項第五号において同じ。)を金庫又は連結子法人等が保有している場合(連結範囲外の法人等に対する投資その他これに類する行為を通じて当該金庫又は連結子法人等が実質的に保有している場合に相当すると認められる場合その他これに準ずる場合を含み、前項の場合を除く。)における当該対象普通出資等(労働金庫又は連結子法人等が保有している労働金庫連合会の対象普通出資等を除く。)の額の合計額から少数出資に係る十パーセント基準額(前条第一項各号に掲げる額の合計額から同条第二項第一号から第三号までに掲げる額の合計額を控除した額に十パーセントを乗じて得た額をいう。)を控除した額(当該額が零を下回る場合には、零とする。)とする。

6 前条第二項第五号に掲げる労働金庫連合会の対象普通出資等の額は、労働金庫連合会の対象普通出資等を労働金庫又は連結子法人等が保有している場合(連結範囲外の法人等に対する投資その他これに類する行為を通じて当該労働金庫又は連結子法人等が実質的に保有している場合に相当すると認められる場合その他これに準ずる場合を含む。)における当該対象普通出資等の額の合計額から連合会向け出資に係る二十パーセント基準額(前条第一項各号に掲げる額の合計額から同条第二項第一号から第三号までに掲げる額の合計額を控除した額に二十パーセントを乗じて得た額をいう。)を控除した額(当該額が零を下回る場合には、零とする。)とする。

7 前条第二項第六号に掲げる特定項目に係る十パーセント基準超過額は、次に掲げる額の合計額とする。

一 その他金融機関等(次に掲げる者をいう。以下この条において同じ。)の対象普通出資等(労働金庫又は連結子法人等が保有している労働金庫連合会の対象普通出資等を除く。以下この項及び次項第一号において同じ。)を金庫又は連結子法人等が保有している場合(連結範囲外の法人等に対する投資その他これに類する行為を通じて当該金庫又は連結子法人等が実質的に保有している場合に相当すると認められる場合その他これに準ずる場合を含み、第四項の場合を除く。)における当該対象普通出資等の額から特定項目に係る十パーセント基準額(前条第一項各号に掲げる額の合計額から同条第二項第一号から第五号までに掲げる額の合計額を控除した額に十パーセントを乗じて得た額をいう。次号及び第三号において同じ。)を控除した額(当該額が零を下回る場合には、零とする。)

イ 当該金庫及び連結子法人等がその総株主等の議決権の百分の十を超える議決権を保有している他の金融機関等

ロ 連結財務諸表規則第五条第一項各号に該当するため、連結自己資本比率の算出に当たり連結の範囲に含まれない金融子会社(イに掲げる者を除く。)

ハ 当該金庫が法第五十八条の三第一項第一号若しくは第六号又は法第五十八条の五第一項第一号から第六号まで若しくは第十一号に掲げる会社(法第五十八条の三第一項第一号に掲げる会社のうち同号イに掲げる業務を専ら営むもの及び法第五十八条の五第一項第六号に掲げる会社のうち従属業務を専ら営むものを除く。以下この号において「金融業務を営む会社」という。)を子法人等としている場合における当該子法人等であって、連結財務諸表規則第五条第一項各号又は第二項に該当するため、連結自己資本比率の算出に当たり連結の範囲に含まれないもの(イ及びロに掲げる者を除く。)

ニ 当該金庫が金融業務を営む会社を関連法人等としている場合における当該関連法人等(第七条において「金融業務を営む関連法人等」という。)(イに掲げる者を除く。)

二 モーゲージ・サービシング・ライツに係る無形固定資産の額から特定項目に係る十パーセント基準額を控除した額(当該額が零を下回る場合には、零とする。)

三 繰延税金資産(一時差異に係るものに限る。)の額から特定項目に係る十パーセント基準額を控除した額(当該額が零を下回る場合には、零とする。)

8 前条第二項第七号に掲げる特定項目に係る十五パーセント基準超過額は、次に掲げる額の合計額とする。

一 特定項目に係る調整対象額(特定項目に係る十パーセント基準対象額(特定項目(その他金融機関等の対象普通出資等、モーゲージ・サービシング・ライツに係る無形固定資産及び繰延税金資産(一時差異に係るものに限る。第三号において同じ。)をいう。以下この号において同じ。)の額から前条第二項第六号に掲げる額を控除した額をいう。以下この項において同じ。)から特定項目に係る十五パーセント基準額(同条第一項各号に掲げる額の合計額から同条第二項第一号から第五号までに掲げる額及び特定項目の額の合計額を控除した額に十五パーセントを乗じ、これを八十五パーセントで除して得た額をいう。)を控除した額(当該額が零を下回る場合には、零とする。)をいう。次号及び第三号において同じ。)に、その他金融機関等の対象普通出資等の額から前項第一号に掲げる額を控除した額を特定項目に係る十パーセント基準対象額で除して得た割合を乗じて得た額

二 特定項目に係る調整対象額に、モーゲージ・サービシング・ライツに係る無形固定資産の額から前項第二号に掲げる額を控除した額を特定項目に係る十パーセント基準対象額で除して得た割合を乗じて得た額

三 特定項目に係る調整対象額に、繰延税金資産の額から前項第三号に掲げる額を控除した額を特定項目に係る十パーセント基準対象額で除して得た割合を乗じて得た額

9 第五項及び第六項に定める額並びに第七項第一号及び前項第一号に掲げる額を算出する場合において、金庫又は連結子法人等が少数出資金融機関等又はその他金融機関等の対象普通出資等に係る一定のショート・ポジションを保有するときは、これらの対象普通出資等と対応するショート・ポジションを相殺することができる。

10 第五項及び第六項に定める額並びに第七項第一号及び第八項第一号に掲げる額を算出する場合において、次に掲げる資本調達手段に該当する対象普通出資等があるときは、当該対象普通出資等を算出の対象から除外することができる。ただし、第一号及び第二号に掲げる資本調達手段については、当該資本調達手段の保有に係る特殊事情その他の事情を勘案して金融庁長官及び厚生労働大臣が承認した場合に限り、当該承認において認められた期間に限るものとする。

一 その存続が極めて困難であると認められる者の救済又は処理のための資金の援助を行うことを目的として保有することとなった資本調達手段

二 その存続が極めて困難となるおそれがあると認められる者に対する資金の援助その他の経営改善のための支援を行うことを目的として保有することとなった資本調達手段

三 引受け(金融商品取引法第二条第八項第六号に規定する有価証券の引受けをいう。第十四条第九項第三号において同じ。)により取得し、かつ、保有期間が五営業日以内の資本調達手段

11 第七項第三号及び第八項各号並びに前条第二項第一号ロに掲げる額を算出する場合において、繰延税金資産の額及びこれに関連する繰延税金負債の額(同条第五項の規定により相殺された額を除く。以下この項において同じ。)があるときは、次の各号に掲げる繰延税金資産の額の区分に応じ、当該額と当該各号に定める額を相殺することができる。

一 繰延税金資産(一時差異に係るものに限る。)の額 繰延税金負債の額のうち当該額に繰延税金資産(一時差異に係るものに限る。)の額を繰延税金資産の額で除して得た割合を乗じて得た額

二 繰延税金資産(一時差異に係るものを除く。)の額 繰延税金負債の額のうち前号に定める額を控除した額

12 第七項第三号及び第八項各号に掲げる額を算出する場合並びに前項の規定により繰延税金資産の額と繰延税金負債の額を相殺する場合には、繰延税金資産の額及び同項の規定により繰延税金資産の額と相殺される繰延税金負債の額は、その他有価証券評価差額金、繰延ヘッジ損益及び土地再評価差額金に係るものが含まれないものとした場合の額とする。

13 第四項から第六項までに定める額並びに第七項第一号及び第八項第一号に掲げる額を算出する場合において、その時価評価差額がその他の包括利益累計額又は評価・換算差額等の項目として計上される他の金融機関等又はその他金融機関等の対象普通出資等又は対象資本調達手段については、時価による評価替えを行わない場合の額をもって当該他の金融機関等又はその他金融機関等の対象普通出資等又は対象資本調達手段の額とする。

 

第六条 削除

 

(比例連結)

第七条 金融業務を営む関連法人等(保険会社等を除く。以下この条において同じ。)について、次に掲げる要件の全てを満たす場合には、第四条第二項、第五条第四項から第十項まで及び次条第二項の規定にかかわらず、第二条の算式において当該金融業務を営む関連法人等を比例連結の方法(会社の資産、負債、収益及び費用のうち当該会社に投資している金庫及び連結子法人等に帰属する部分を連結の範囲に含める方法をいう。次項において同じ。)により連結の範囲に含めて連結自己資本比率を算出することができる。この場合においては、当該金融業務を営む関連法人等に対する投資については、連結財務諸表規則第十条第一項本文の規定にかかわらず、持分法を適用しないものとし、当該金融業務を営む関連法人等は連結子法人等とみなす。

一 当該金融業務を営む関連法人等に投資を行う二以上の法人等(以下この項において「共同支配会社」という。)が共同でその事業の支配を行うために投資及び事業に関する契約を締結していること。

二 共同支配会社が前号に規定する投資及び事業に関する契約に基づき、当該共同支配会社の当該金融業務を営む関連法人等に対する保有議決権割合(法人等の保有する他の法人等の議決権の数が当該他の法人等の総株主等の議決権又は出資の総額に占める割合をいう。以下同じ。)に応じて共同でその事業の支配及び運営を行っていること。

三 共同支配会社の当該金融業務を営む関連法人等に対する保有議決権割合がいずれも百分の二十以上であること。

四 当該金融業務を営む関連法人等を関連法人等とする金庫が当該金庫の当該金融業務を営む関連法人等に対する保有議決権割合を超えてその事業に関して責任を負うべきことを約する契約その他これに類するものがないこと。

2 前項の規定により金融業務を営む関連法人等を比例連結の方法により連結の範囲に含めて連結自己資本比率を算出したときは、その算出方法の使用を中断する旨をあらかじめ金融庁長官及び厚生労働大臣に届け出た場合を除き、これを継続して用いるものとする。

 

(信用リスク・アセットの額の合計額)

第八条 第二条の算式において信用リスク・アセットの額の合計額は、標準的手法採用金庫にあっては第十九条第一項に定めるものを、内部格付手法採用金庫にあっては第百二十六条に定めるものをいう。

2 前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものについては、信用リスク・アセットの額を算出することを要しない。

一 第二条の算式にマーケット・リスク相当額に係る額を算入しない場合 次に定めるもの

イ 個別貸倒引当金(内部格付手法採用金庫が第百二十六条第一号に規定する信用リスク・アセットの額の合計額を算出する場合にあっては、次に掲げるエクスポージャーに対して計上されているものに限る。)

(1) 株式等エクスポージャー

(2) 第五章第三節第九款において信用リスク・アセットの額の算出方法が規定されているその他資産等

ロ 債務保証見返勘定

ハ 派生商品取引に係る資産

ニ 有価証券、コモディティ又は外国通貨(以下「有価証券等」という。)及びその対価の受渡し又は決済を行う取引に係る未収金

ホ 自己保有普通出資等、対象資本調達手段、対象普通出資等、無形固定資産(のれん相当差額を含む。)、繰延税金資産及び退職給付に係る資産のうち、第四条第二項の規定によりコア資本に係る調整項目の額とされたものの額に相当する部分

ヘ 第四条第五項の規定により繰延税金負債の額と相殺された額に相当する部分

ト 繰延税金資産(一時差異に係るものに限る。)のうち第五条第十二項の規定により同条第七項第三号又は第八項第三号に掲げる額の算出の対象に含まれなかった部分

二 第二条の算式にマーケット・リスク相当額に係る額を算入する場合 前号に定めるもの及び第八条の三から第八条の五までの規定によりトレーディング勘定に分類された商品(証券化取引を目的として保有している資産、第八条の四第三項第四号に掲げるもの及び第二百四十六条の三の三第一項、第二百四十六条の三の四又は第二百四十六条の四の七第一項に規定するCVAリスク相当額の算出に反映された取引を除く。)

3 第一項の規定にかかわらず、次の各号に掲げるものについては、信用リスク・アセットの額を算出することを要しない。

一 中央清算機関に対するエクスポージャー又は間接清算参加者の直接清算参加者に対するエクスポージャーのうち、信用取引その他これに類する海外の取引及び現物・直物取引により生ずるもの

二 直接清算参加者の適格中央清算機関への担保の差入れ又は間接清算参加者の直接清算参加者を通じた適格中央清算機関への担保の差入れにより生ずるエクスポージャーのうち、適格中央清算機関以外の第三者において分別管理されており、かつ、適格中央清算機関に係る倒産手続又は外国における倒産手続と同種類の手続に伴う当該担保に対する損失の発生を防ぐために必要な方策が講ぜられているもの

三 資金清算機関等(資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)第二条第二十一項に規定する資金清算機関その他これに類する者をいう。以下同じ。)に対するエクスポージャーのうち、資金清算機関等への預託金又は担保の差入れにより生ずるもの

 

(マーケット・リスク相当額の合計額)

第八条の二 第二条の算式においてマーケット・リスク相当額の合計額は、第六章の四に定めるところにより算出するものの合計額とする。ただし、現金預け金、預金及びコール資金(主たる事務所とそれ以外の事務所との間の取引を含む。)のうち、トレーディングを行う部署においてリスク管理上トレーディングとして管理及び評価をしているものについては対象に含めることができる。

 

(トレーディング勘定及びバンキング勘定の設置)

第八条の三 金庫は、その保有する商品を分類するためにトレーディング勘定及びバンキング勘定を設け、次条及び第八条の五に定めるところにより、その保有する商品をいずれかの勘定に分類するものとする。

 

(トレーディング勘定への分類基準等)

第八条の四 商品の保有の目的が次に掲げる目的(以下「トレーディング目的」という。)のいずれかに該当する商品は、トレーディング勘定に分類するものとする。

一 短期間の再売却目的

二 相場その他の指標に係る短期の価格変動からの利益の獲得目的

三 市場間の裁定取引による利益の獲得目的

四 前三号に掲げる目的のいずれかで保有している商品から生ずるリスクのヘッジ目的

2 商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定の資産又は負債として保有している商品のうち、次に掲げるもの以外のものは、トレーディング勘定に分類するものとする。

一 非上場株式

二 証券化のための裏付資産にする予定の商品

三 直接に保有する不動産

四 個人又は中堅中小企業(事業法人のうち、当該事業法人の売上高(当該事業法人が連結財務諸表を作成している場合及び金庫が同一のグループに属するものとして管理している場合にあっては、連結の売上高。以下この号において同じ。)が五十億円未満のものをいう。ただし、当該事業法人が卸売業を営む場合その他の当該事業法人の事業規模を判断するに当たって当該事業法人の売上高を用いることが適切でない場合には、当該事業法人の総資産が五十億円未満のものをこれに含めることができる。次章において同じ。)に対する信用供与

五 ファンドへの出資(次項第二号に掲げるものを除く。)

六 前各号に掲げる商品のいずれかを原資産とする派生商品取引又はファンド

七 前各号に掲げる商品のリスクをヘッジする目的で保有する商品

3 商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定の資産又は負債として保有している商品でない商品のうち、次に掲げるものは、トレーディング勘定に分類するものとする。

一 マーケット・メイクに係る業務のために保有する商品

二 ファンドへの出資(次に掲げる要件のいずれかに該当するものに限る。)

イ 当該ファンドの構成銘柄について、金庫が、ルックスルー(個々のエクスポージャーに関する情報について直接保有するものと同様に把握することをいう。以下この章、次章及び第六章の四において同じ。)ができ、かつ、独立した第三者により検証された十分な情報を取得していること。

ロ 金庫が、当該ファンドの市場価額を日次で入手しており、かつ、当該ファンドの運用基準及びマーケット・リスク相当額に関する情報を取得していること。

三 上場株式

四 トレーディング業務に係るレポ形式の取引

五 オプション

4 商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定の資産又は負債として保有している商品でない商品(前項各号に掲げるものを除く。)のうち、次に掲げるものは、トレーディング勘定に分類するものとする。

一 コリレーション・トレーディングのポートフォリオに含まれる商品

二 信用リスク又は株式リスクを有する商品のうち、次に掲げるポジションのいずれかを構成するもの

イ ヘッジ対象となるロング・ポジションが存在せず、個別の商品又は複数の商品の組合せにより、ネット・ショート・ポジションとなっているポジション

ロ ヘッジ対象となるロング・ポジションに対して、ヘッジ手段として利用される商品のショート・ポジションがオーバーヘッジとなっているポジション

三 引受け業務から生ずる商品

5 金庫は、商品を売却すること及び商品のリスクをヘッジすることに関して法令に別段の定めがない限り、当該商品をトレーディング勘定に分類することができる。

6 金庫は、トレーディング勘定に分類する商品のうち、会計上で公正価値評価が求められているものについては、公正価値を日次で計測し、評価損益を認識するものとする。

 

(バンキング勘定への分類基準)

第八条の五 前条の規定によりトレーディング勘定に分類する商品以外の商品は、バンキング勘定に分類するものとする。

2 商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定の資産又は負債として保有している商品並びに前条第三項の規定によりトレーディング勘定に分類することとされる商品のうち、トレーディング目的以外の目的で保有するものについては、あらかじめ金融庁長官及び厚生労働大臣に届け出た場合に限り、バンキング勘定に分類することができる。

3 前条の規定にかかわらず、次に掲げる場合のいずれかに該当する金庫は、全ての商品をバンキング勘定に分類するものとする。

一 第三条の二の規定によりマーケット・リスク相当額に係る額を算入しない場合

二 簡易的方式採用金庫であって、第三条の二第一号及び第三号に掲げる条件を満たす場合

 

(商品分類に係る方針等)

第八条の六 金庫は、トレーディング勘定に分類する商品の範囲を定めるための方針及び手続に係る文書を作成するとともにその遵守態勢を確立するものとする。

2 金庫のフロント・オフィス部門から独立したマーケット・リスクの管理に責任を負う部署(以下「マーケット・リスク管理部署」という。)は、前項の商品の分類が適切に実施されたかどうかの検証をする体制を整備するものとする。

3 金庫の内部監査部署は、第一項の商品の分類に係る内部監査を一年に一回以上実施し、その結果を金融庁長官及び厚生労働大臣の求めに応じて提出することができるように整備するものとする。

 

(勘定間の振替の制限)

第八条の七 金庫は、次に掲げる行為(以下この条から第八条の九までにおいて「勘定間の振替」という。)を行ってはならない。

一 トレーディング勘定に分類した商品をバンキング勘定に移し替えること。

二 バンキング勘定に分類した商品をトレーディング勘定に移し替えること。

2 前項の規定にかかわらず、金庫は、次に掲げる要件の全てを満たす場合には、勘定間の振替を行うことができる。

一 当該勘定間の振替について理事等の承認を受けていること。

二 当該勘定間の振替について内部監査が行われていること。

三 当該勘定間の振替について開示すること。

3 金庫は、前項の規定により勘定間の振替を行う場合には、あらかじめ、その旨及び次に掲げる事項を記載した届出書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

一 勘定間の振替を行う商品の種類(当該商品が第八条の四第三項第一号から第三号までに掲げる商品のいずれかに該当するときは、その旨を含む。)

二 前項各号に掲げる要件の全てを満たしている旨の説明

三 勘定間の振替を行う商品の保有の目的の変更に係る説明

四 その他参考となるべき事項

 

(勘定間の振替に係る所要自己資本の額の計上)

第八条の八 金庫は、勘定間の振替を行った場合において、所要自己資本の額が減少したときは、その減少分と同額を当該勘定間の振替を行った日以後の算出基準日における所要自己資本の額に加算するものとする。

2 金庫は、勘定間の振替を行った商品が満期を迎えた場合には、金融庁長官及び厚生労働大臣が承認した場合に限り、前項の規定を適用しないことができる。

(令六金庁厚労告一・追加)

(勘定間の振替に係る方針等)

第八条の九 金庫は、勘定間の振替について、次に掲げる事項その他必要な事項を定めた方針を策定するものとする。

一 勘定間の振替に係る制限の内容及び当該制限に係る変更の要件

二 当該方針に係る理事会の承認手続

三 例外的事象を特定する方法

四 勘定間の振替に係る開示方法

2 金庫は、前項の方針を一年に一回以上見直すものとする。

 

(内部取引の取扱い)

第八条の十 内部取引(金庫内部の組織間又は勘定間におけるデリバティブ取引をいう。以下同じ。)によるトレーディング勘定からバンキング勘定へのリスク移転については、マーケット・リスク相当額の計測対象に含まないものとする。

2 内部取引によるバンキング勘定からトレーディング勘定へのリスク移転については、次条から第八条の十三までに定めるところによる。

 

(信用リスク及び株式リスクの内部取引)

第八条の十一 内部取引によるバンキング勘定からトレーディング勘定への信用リスク及び株式リスクのリスク移転については、次の各号に掲げるリスクの区分に応じ、当該各号に定める要件を満たす場合に限り、ヘッジ効果を反映することができる。

一 信用リスク トレーディング勘定において、金庫が第三者である適格プロテクション提供者との間で外部ヘッジ取引(第九十三条各号及び第九十五条各号に掲げる条件の全てを満たすヘッジ取引をいう。以下同じ。)を行い、内部取引のポジションを完全に相殺していること。

二 株式リスク 次に掲げる要件の全てを満たすものであること。

イ トレーディング勘定において、金庫が第三者である適格プロテクション提供者との間で外部ヘッジ取引を行い、内部取引のポジションを完全に相殺していること。

ロ その外部ヘッジ取引が、バンキング勘定の株式リスクのヘッジとして認識されていること。

2 前項第一号の外部ヘッジ取引において、内部取引のポジションを完全に相殺する場合には、当該外部ヘッジ取引を複数の取引相手方との複数の取引により構成することができる。

3 第一項のリスク移転におけるマーケット・リスク相当額の計測対象は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるところによる。

一 第一項各号に定める要件を満たす場合 トレーディング勘定における内部取引及び外部ヘッジ取引を含むものとする。

二 第一項各号に定める要件を満たさない場合 トレーディング勘定における外部ヘッジ取引を含み、トレーディング勘定における内部取引を含まないものとする。

三 バンキング勘定においてオーバーヘッジとなったポジションが生じた場合 当該ポジションを含むものとする。

 

(一般金利リスクの内部取引)

第八条の十二 内部取引によるバンキング勘定からトレーディング勘定への一般金利リスクのリスク移転については、次に掲げる要件の全てを満たす場合に限り、ヘッジ効果を反映することができる。

一 内部取引によりバンキング勘定の一般金利リスクがヘッジされている旨及び当該一般金利リスクの発生源に係る文書が作成されていること。

二 内部取引は、内部取引担当デスク(トレーディング・デスクのうち、他のトレーディング・デスクから独立してマーケット・リスク相当額を計測するデスクをいう。以下同じ。)との間で行われること。

2 内部取引担当デスクは、バンキング勘定との内部取引のポジションに対する外部ヘッジ取引を第三者との間で直接に行うことができる。

3 第一項のリスク移転において、内部取引担当デスク以外のトレーディング・デスクを通じた第三者との間の外部ヘッジ取引は、内部取引担当デスクが内部取引担当デスク以外のトレーディング・デスクと行う一般金利リスクに係る内部取引のポジションにより第三者との外部ヘッジのポジションと完全に相殺されるときに限り、行うことができる。この場合において、内部取引担当デスク及び内部取引担当デスク以外のトレーディング・デスクが保有する内部取引のポジションは、マーケット・リスク相当額の計測対象に含むものとする。

 

(マーケット・リスク相当額の計測対象となる内部取引)

第八条の十三 マーケット・リスク相当額の計測対象であるトレーディング・デスク間の内部取引は、マーケット・リスク相当額の計測範囲に含むものとする。

2 内部取引担当デスクと内部取引担当デスク以外のトレーディング・デスクとの間の内部取引は、前条第一項各号に掲げる要件を満たす場合に限り、マーケット・リスク相当額の計測対象に含むものとする。

3 トレーディング・デスクが保有する内部取引のポジションは、第三者と取引するトレーディング勘定の商品と同様にマーケット・リスク相当額の計測対象に含むものとする。

 

(CVAリスクにおける内部取引等)

第八条の十四 第八条の十から前条までの規定にかかわらず、金庫のCVAリスクに係る第三者とのヘッジ取引(以下「外部CVAヘッジ取引」という。)及びCVAリスクに係る内部取引によるトレーディング・デスクとCVAデスクとのヘッジ取引(以下「内部CVAヘッジ取引」という。)におけるマーケット・リスク相当額の計測対象は、次項及び第三項に定めるところによる。

2 外部CVAヘッジ取引のうち、適格CVAヘッジ取引(第二百四十六条の三の二に規定する適格BA―CVAヘッジ取引又は第二百四十六条の四の十三第一項に規定する適格SA―CVAヘッジ取引をいう。以下この章及び次章において同じ。)に該当するものについてはマーケット・リスク相当額の計測対象に含まないものとし、適格CVAヘッジ取引に該当しないものについては第六章の四に定めるところによりマーケット・リスク相当額の計測対象に含むものとする。

3 内部CVAヘッジ取引は、互いに完全に相殺するCVAデスクのポジション及びトレーディング・デスクのポジションから構成されなければならず、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるところによりマーケット・リスク相当額を計測するものとする。

一 内部CVAヘッジ取引が適格CVAヘッジ取引に該当しない場合 CVAデスクのポジション及びトレーディング・デスクのポジションは、いずれもマーケット・リスク相当額の計測対象となるポジションとし、双方のポジションを相殺することにより、マーケット・リスク相当額の計測対象に含まないものとする。

二 内部CVAヘッジ取引が適格CVAヘッジ取引に該当する場合 トレーディング・デスクのポジションは、第六章の四に定めるところによりマーケット・リスク相当額の計測対象に含むものとする。

4 標準的方式に係る要件に定めるカーベチャー・リスク、デフォルト・リスク又は残余リスクに対する資本賦課の対象となるポジションに係るCVAリスクの内部取引は、トレーディング勘定において、金庫が第三者であるプロテクション提供者との間で行う外部ヘッジ取引が当該内部取引のポジションを完全に相殺する場合に限り、マーケット・リスク相当額の計測において勘案することができる。

5 CVAデスクとトレーディング・デスクとの間の内部取引は、第八条の十一第一項各号に定める要件を満たす場合には、第五十条第一項に規定する派生商品取引の与信相当額のヘッジ手段として利用することができる。

 

(バンキング勘定とトレーディング勘定の境界に係る届出)

第八条の十五 トレーディング勘定を設ける金庫は、あらかじめ、その旨を記載した届出書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

2 前項の届出書には、次に掲げる事項を記載した書類を添付するものとする。

一 第八条の五第二項の規定によりバンキング勘定に分類する商品

二 第八条の九第一項の方針

3 金庫は、第一項の届出書に記載すべき事項又は前項各号に掲げる事項に変更があったときは、遅滞なく、その旨及びその内容を記載した変更届出書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

 

(オペレーショナル・リスク相当額の合計額)

第九条 第二条の算式においてオペレーショナル・リスク相当額の合計額は、第七章に定めるところにより算出するものとする。

(資本フロアの算出方法)

第十条 金庫は、次の各号のいずれかに該当する場合であって、標準的な手法により算出した所要自己資本の額に七十二・五パーセントを乗じて得た額が承認を受けた計算方法により算出した所要自己資本の額を上回るときは、当該乗じて得た額から当該承認を受けた計算方法により算出した所要自己資本の額を控除した額に十二・五を乗じて得た額を第二条の算式の分母に加えるものとする。

一 内部格付手法採用金庫

二 内部モデル方式採用金庫

三 第五十二条第一項の承認を受けた標準的手法採用金庫(次章において「期待エクスポージャー方式採用金庫」という。)

2 前項の規定にかかわらず、内部格付手法採用金庫は、内部格付手法の使用を開始した日(先進的内部格付手法採用金庫が基礎的内部格付手法採用金庫としての承認を受けた日後に先進的内部格付手法採用金庫としての承認を受けた場合にあっては、基礎的内部格付手法採用金庫としての承認を受けて基礎的内部格付手法の使用を開始した日。以下この章及び次章において同じ。)から二年を経過する日までの間は、次の各号に掲げる期間において、標準的な手法により算出した所要自己資本の額に当該各号に定める率を乗じて得た額が承認を受けた計算方法により算出した所要自己資本の額を上回る場合には、当該乗じて得た額から当該承認を受けた計算方法により算出した所要自己資本の額を控除した額に十二・五を乗じて得た額を第二条の算式の分母に加えるものとする。

一 内部格付手法の使用を開始した日以後一年間 九十パーセント

二 前号に掲げる期間を経過した日以後一年間 八十パーセント

3 前二項の「標準的な手法により算出した所要自己資本の額」とは、第二条の算式の分母の額に八パーセントを乗じて得た額を計算する場合において、次の各号に掲げるリスクの区分に応じ、当該各号に定める手法により算出した額の合計額から第四条第一項第四号イに掲げる額につき当該手法により算出した額を控除した額をいう。

一 信用リスクに係る部分のうち証券化エクスポージャー、CVAリスク及び第二百四十六条の五各号に掲げるエクスポージャー(以下「中央清算機関関連エクスポージャー」という。)に係る部分以外の部分 標準的手法(第四章第四節に定める派生商品取引及び長期決済期間取引の与信相当額の算出にあってはSA―CCR(第五十一条に定めるところにより与信相当額を算出することをいう。以下同じ。)、レポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引の与信相当額の算出にあっては包括的手法)

二 信用リスクに係る部分のうち証券化エクスポージャーに係る部分 全ての裏付資産のプールをSAプールとみなして第六章に定めるところにより判定された手法(内部評価方式(同章第二節第二款第四目に定めるところにより第二百三十七条に規定する証券化エクスポージャーのリスク・ウェイトを算出することをいう。以下同じ。)を除く。)

三 信用リスクに係る部分のうちCVAリスクに係る部分 第六章の二に定めるところによりCVAリスク相当額の算出に適用した手法

四 信用リスクに係る部分のうち中央清算機関関連エクスポージャーに係る部分 第六章の三に定める手法(第二百四十六条の六第一項において準用する第四章第四節に定める派生商品取引及び長期決済期間取引の与信相当額の算出にあってはSA―CCR、レポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引の与信相当額の算出にあっては包括的手法)

五 マーケット・リスクに係る部分 標準的方式又は簡易的方式(内部モデル方式採用金庫がマーケット・リスク相当額の算出において内部モデル方式を適用する部分にあっては、標準的方式)

六 オペレーショナル・リスクに係る部分 第二百四十八条に規定する標準的計測手法

4 第一項及び第二項の「承認を受けた計算方法により算出した所要自己資本の額」とは、第二条の算式の分母の額に八パーセントを乗じて得た額及び第四条第二項第一号ハに掲げる額の合計額から同条第一項第四号イ及びロに掲げる額の合計額を控除した額をいう。

 

第三章 単体自己資本比率

(単体自己資本比率の計算方法)

第十一条 金庫の自己資本比率基準のうち法第九十四条第一項において準用する銀行法第十四条の二第一号に定める基準(以下この章において「単体自己資本比率」という。)は、次の算式により得られる比率について、四パーセント以上とする。

 (自己資本の額(コア資本に係る基礎項目の額-コア資本に係る調整項目の額))/(信用リスク・アセットの額の合計額+マーケット・リスク相当額の合計額を八パーセントで除して得た額+オペレーショナル・リスク相当額の合計額を八パーセントで除して得た額)

 

(算出の方法等)

第十二条 単体自己資本比率は、金庫の財務諸表に基づき算出するものとする。この場合において、財務諸表については、財務諸表等規則に準じて作成することとする。

 

(マーケット・リスク相当額不算入の特例)

第十二条の二 金庫は、次に掲げる条件の全てを満たす場合には、第十一条の算式にマーケット・リスク相当額に係る額を算入しないことができる。

一 直近の期末から算出基準日までの間における商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定の合計額のうち最も大きい額が、千億円未満であり、かつ、直近の期末の総資産の十パーセントに相当する額未満であること。

二 直近の期末から算出基準日までの間における外国為替リスク・カテゴリーの全体のネット・ポジションの額のうち最も大きい額(ハにおいて「最大額」という。)が、千億円未満であり、かつ、次に掲げる額の合計額の十パーセントに相当する額未満であること。

イ 直近の期末の信用リスク・アセットの額

ロ 直近の期末のオペレーショナル・リスク相当額の合計額を八パーセントで除して得た額

ハ 最大額

三 算出基準日が期末である場合には、当該算出基準日における商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定の合計額が、千億円未満であり、かつ、当該算出基準日における総資産の十パーセントに相当する額未満であること。

四 算出基準日が期末である場合には、当該算出基準日における外国為替リスク・カテゴリーの全体のネット・ポジションの額が、千億円未満であり、かつ、当該算出基準日における次に掲げる額の合計額の十パーセントに相当する額未満であること。

イ 信用リスク・アセットの額

ロ オペレーショナル・リスク相当額の合計額を八パーセントで除して得た額

ハ 外国為替リスク・カテゴリーの全体のネット・ポジションの額

五 直近の算出基準日において第十一条の算式にマーケット・リスク相当額に係る額を算入していないこと。

 

(自己資本の額)

第十三条 第十一条の算式において、コア資本に係る基礎項目の額は、次に掲げる額の合計額とする。

一 普通出資又は非累積的永久優先出資に係る会員勘定の額(外部流出予定額を除く。)

二 次に掲げる額の合計額

イ 一般貸倒引当金の額(当該額が第十一条の算式における信用リスク・アセットの額の合計額(内部格付手法採用金庫にあっては、第百二十六条第二号に掲げる額及び証券化エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額の合計額とする。)に一・二五パーセントを乗じて得た額を上回る場合にあっては、当該乗じて得た額とする。)

ロ 内部格付手法採用金庫において、適格引当金の合計額が事業法人等向けエクスポージャー及びリテール向けエクスポージャーの期待損失額の合計額を上回る場合における当該適格引当金の合計額から当該期待損失額の合計額を控除した額(当該額が第百二十六条第一号に掲げる額に〇・六パーセントを乗じて得た額を上回る場合にあっては、当該乗じて得た額とする。)

2 第十一条の算式において、コア資本に係る調整項目の額は、次に掲げる額の合計額とする。

一 次に掲げる額の合計額

イ 次に掲げる無形固定資産の額の合計額

(1) 無形固定資産(のれんに係るものに限る。)の額

(2) 無形固定資産(のれん及びモーゲージ・サービシング・ライツに係るものを除く。)の額

ロ 繰延税金資産(一時差異に係るものを除く。)の額

ハ 内部格付手法採用金庫において、事業法人等向けエクスポージャー及びリテール向けエクスポージャーの期待損失額の合計額が適格引当金の合計額を上回る場合における当該期待損失額の合計額から当該適格引当金の合計額を控除した額

ニ 証券化取引に伴い増加した自己資本に相当する額

ホ 負債の時価評価(金庫の信用リスクの変動に基づくものに限る。)により生じた時価評価差額であって自己資本に算入される額

ヘ 前払年金費用の額

二 自己保有普通出資等の額

三 意図的に保有している他の金融機関等の対象資本調達手段の額

四 少数出資金融機関等の対象普通出資等の額

五 労働金庫連合会の対象普通出資等の額

六 特定項目に係る十パーセント基準超過額

七 特定項目に係る十五パーセント基準超過額

3 第一項第一号の「普通出資」とは、次に掲げる要件の全てを満たす出資をいう。

一 残余財産の分配について、金庫の会員が法に基づいて払込みを行った出資と同等の劣後的内容を有するものであること。

二 残余財産の分配について、他の優先的内容を有する資本調達手段に対する分配が行われた後に、出資者の保有する出資の口数その他の事情に応じて公平に割当てを受けるものであること。

三 払戻し又は償還の期限が定められておらず、かつ、法令に基づく場合を除き、払戻し又は償還されるものでないこと。

四 発行者(出資を受けた者を含む。以下この項及び次項において同じ。)が発行時又は払込みを受けた時に将来にわたり買戻しを行う期待を生じさせておらず、かつ、当該期待を生じさせる内容が定められていないこと。

五 剰余金の配当が法令の規定に基づき算定された限度額を超えない範囲内で行われ、法に基づく場合を除きその額が出資の払込金額を基礎として算定されるものでなく、かつ、剰余金の配当の限度額に関する法令の規定により制限される場合を除き、剰余金の配当について上限額が定められていないこと。

六 剰余金の配当について、発行者の完全な裁量により決定することができ、これを行わないことが発行者の債務不履行となるものでないこと。

七 剰余金の配当について、他の資本調達手段に対して優先的内容を有するものでないこと。

八 他の資本調達手段に先立ち、発行者が業務を継続しながら、当該発行者に生じる損失を公平に負担するものであること。

九 発行者の倒産手続に関し当該発行者が債務超過にあるかどうかを判断するに当たり、当該発行者の債務として認識されるものでないこと。

十 払込金額が適用される企業会計の基準において会員勘定として計上されるものであること。

十一 現に払込済みであり、かつ、取得又は払込みに必要な資金が発行者により直接又は間接に融通されたものでないこと。

十二 担保権により担保されておらず、かつ、発行者又は当該発行者と密接な関係を有する者による保証に係る特約その他の法的又は経済的に他の資本調達手段に対して優先的内容を有するものとするための特約が定められていないこと。

十三 総会、理事会その他の法令に基づく権限を有する機関の決議又は決定に基づくものであること。

十四 発行者の事業年度に係る説明書類において他の資本調達手段と明確に区別して記載されるものであること。

4 第一項第一号の「非累積的永久優先出資」とは、次に掲げる要件の全てを満たす出資をいう。

一 発行者により現に発行され、かつ、払込済みのものであること。

二 残余財産の分配について、発行者の他の債務に対して劣後的内容を有するものであること。

三 担保権により担保されておらず、かつ、発行者又は当該発行者と密接な関係を有する者による保証に係る特約その他の法的又は経済的に他の同順位の資本調達手段に対して優先的内容を有するものとするための特約が定められていないこと。

四 償還期限が定められておらず、ステップ・アップ金利等に係る特約その他の償還を行う蓋然性を高める特約が定められていないこと。

五 償還を行う場合には、発行後五年を経過した日以後(発行の目的に照らして償還を行うことについてやむを得ない事由があると認められる場合にあっては、発行後)に発行者の任意によるときに限り償還を行うことが可能であり、かつ、償還又は買戻しに関する次に掲げる要件の全てを満たすものであること。

イ 償還又は買戻しに際し、自己資本の充実について、あらかじめ金融庁長官及び厚生労働大臣の確認を受けるものとなっていること。

ロ 償還又は買戻しについて期待を生じさせる行為を発行者が行っていないこと。

ハ その他次に掲げる要件のいずれかを満たすこと。

(1) 償還又は買戻しが行われる場合には、発行者の収益性に照らして適切と認められる条件により、当該償還又は買戻しのための資本調達(当該償還又は買戻しが行われるものと同等以上の質が確保されるものに限る。)が当該償還又は買戻しの時以前に行われること。

(2) 償還又は買戻しの後においても発行者が十分な水準の単体自己資本比率を維持することが見込まれること。

六 発行者が前号イの確認が得られることを前提としておらず、当該発行者により当該確認について期待を生じさせる行為が行われていないこと。

七 剰余金の配当の停止について、次に掲げる要件の全てを満たすものであること。

イ 剰余金の配当の停止を発行者の完全な裁量により常に決定することができること。

ロ 剰余金の配当の停止を決定することが発行者の債務不履行とならないこと。

ハ 剰余金の配当の停止により流出しなかった資金を発行者が完全に利用可能であること。

ニ 剰余金の配当の停止を行った場合における発行者に対する一切の制約(同等以上の質の資本調達手段に係る剰余金の配当に関するものを除く。)がないこと。

八 剰余金の配当が、法令の規定に基づき算定された剰余金の配当の限度額を超えない範囲内で行われるものであること。

九 剰余金の配当額が、発行後の発行者の信用状態を基礎として算定されるものでないこと。

十 発行者の倒産手続に関し当該発行者が債務超過にあるかどうかを判断するに当たり、当該発行者の債務として認識されるものでないこと。

十一 発行者又は当該発行者の子法人等若しくは関連法人等により取得されておらず、かつ、取得に必要な資金が発行者により直接又は間接に融通されたものでないこと。

十二 ある特定の期間において他の資本調達手段が発行価格に関して有利な条件で発行された場合には補償が行われる特約その他の発行者の資本の増強を妨げる特約が定められていないこと。

5 第二項第一号イ又はヘに掲げる額を算出する場合において、これらの規定に掲げる額に関連する繰延税金負債の額があるときは、これらの規定に掲げる額と当該関連する繰延税金負債の額を相殺することができる。

 

(調整項目の額の算出方法)

第十四条 前条第二項第二号に掲げる自己保有普通出資等の額は、金庫が当該金庫の普通出資等(普通出資(同条第三項に規定する普通出資をいう。第三項及び第四項において同じ。)又は非累積的永久優先出資(同条第四項に規定する非累積的永久優先出資をいう。第三項及び第四項において同じ。)をいい、処分未済持分又は自己優先出資に該当するものを除く。)を保有している場合(他の法人等に対する投資その他これに類する行為を通じて実質的に保有している場合に相当すると認められる場合その他これに準ずる場合を含む。)における当該普通出資等(次項及び第十六条第二項第五号において「自己保有普通出資等」という。)の額とする。

2 前項に定める額を算出する場合において、金庫が自己保有普通出資等に係る一定のショート・ポジションを保有するときは、当該自己保有普通出資等と対応するショート・ポジションを相殺することができる。

3 前条第二項第三号に掲げる意図的に保有している他の金融機関等の対象資本調達手段の額は、金庫が金融機関若しくはこれに準ずる外国の者又は金融業、保険業その他の業種に属する事業を主たる事業として営む者(これに準ずる外国の者を含み、金融システムに影響を及ぼすおそれがないと認められる者その他の者を除く。)(以下この章において「他の金融機関等」といい、連結自己資本比率(第二条に規定する連結自己資本比率をいう。)を算出する金庫にあっては、連結の範囲に含まれる者を除く。以下この章において同じ。)との間で相互に自己資本比率を向上させるため、意図的に当該他の金融機関等の対象資本調達手段(資本調達手段のうち、普通出資に相当するもの(みなし普通出資(普通出資、非累積的永久優先出資又はこれら以外の資本調達手段のうち単体自己資本比率(国際統一基準の単体自己資本比率を含む。)の算式の分子の額を構成するもの(以下この項において「その他資本調達手段」という。)のいずれにも相当しない資本調達手段をいう。次項において同じ。)を含む。)、非累積的永久優先出資に相当するもの又はその他資本調達手段に相当するものをいい、規制金融機関の資本調達手段にあっては、当該規制金融機関に適用される経営の健全性を判断するための基準又はこれと類似の基準において単体自己資本比率(国際統一基準の単体自己資本比率を含む。)の算式の分子の額を構成するものに相当するものに限る。以下この条及び第十六条第二項第五号において同じ。)を保有していると認められ、かつ、当該他の金融機関等が意図的に当該金庫の普通出資又は非累積的永久優先出資を保有していると認められる場合(金庫又は他の金融機関等が他の法人等に対する投資その他これに類する行為を通じて実質的に保有している場合に相当すると認められる場合その他これに準ずる場合を含む。)における当該他の金融機関等の対象資本調達手段(労働金庫が保有している労働金庫連合会の対象資本調達手段を除く。)の額とする。

4 前条第二項第四号に掲げる少数出資金融機関等の対象普通出資等の額は、少数出資金融機関等(金庫がその総株主等の議決権の百分の十を超える議決権を保有していない他の金融機関等をいう。第八項において同じ。)の対象普通出資等(対象資本調達手段のうち、普通出資又は非累積的永久優先出資に相当するもの(みなし普通出資を含む。)をいう。以下この条及び第十六条第二項第五号において同じ。)を金庫が保有している場合(他の法人等に対する投資その他これに類する行為を通じて当該金庫が実質的に保有している場合に相当すると認められる場合その他これに準ずる場合を含み、前項の場合を除く。)における当該対象普通出資等(労働金庫が保有している労働金庫連合会の対象普通出資等を除く。)の額の合計額から少数出資に係る十パーセント基準額(前条第一項各号に掲げる額の合計額から同条第二項第一号から第三号までに掲げる額の合計額を控除した額に十パーセントを乗じて得た額をいう。)を控除した額(当該額が零を下回る場合には、零とする。)とする。

5 前条第二項第五号に掲げる労働金庫連合会の対象普通出資等の額は、労働金庫連合会の対象普通出資等を労働金庫が保有している場合(他の法人等に対する投資その他これに類する行為を通じて当該労働金庫が実質的に保有している場合に相当すると認められる場合その他これに準ずる場合を含む。)における当該対象普通出資等の額の合計額から連合会向け出資に係る二十パーセント基準額(前条第一項各号に掲げる額の合計額から同条第二項第一号から第三号までに掲げる額の合計額を控除した額に二十パーセントを乗じて得た額をいう。)を控除した額(当該額が零を下回る場合には、零とする。)とする。

6 前条第二項第六号に掲げる特定項目に係る十パーセント基準超過額は、次に掲げる額の合計額とする。

一 その他金融機関等(金庫がその総株主等の議決権の百分の十を超える議決権を保有している他の金融機関等をいう。以下この条において同じ。)の対象普通出資等(労働金庫が保有している労働金庫連合会の対象普通出資等を除く。以下この項及び次項第一号において同じ。)を金庫が保有している場合(他の法人等に対する投資その他これに類する行為を通じて当該金庫が実質的に保有している場合に相当すると認められる場合その他これに準ずる場合を含み、第三項の場合を除く。)における当該対象普通出資等の額から特定項目に係る十パーセント基準額(前条第一項各号に掲げる額の合計額から同条第二項第一号から第五号までに掲げる額の合計額を控除した額に十パーセントを乗じて得た額をいう。次号及び第三号において同じ。)を控除した額(当該額が零を下回る場合には、零とする。)

二 モーゲージ・サービシング・ライツに係る無形固定資産の額から特定項目に係る十パーセント基準額を控除した額(当該額が零を下回る場合には、零とする。)

三 繰延税金資産(一時差異に係るものに限る。)の額から特定項目に係る十パーセント基準額を控除した額(当該額が零を下回る場合には、零とする。)

7 前条第二項第七号に掲げる特定項目に係る十五パーセント基準超過額は、次に掲げる額の合計額とする。

一 特定項目に係る調整対象額(特定項目に係る十パーセント基準対象額(特定項目(その他金融機関等の対象普通出資等、モーゲージ・サービシング・ライツに係る無形固定資産及び繰延税金資産(一時差異に係るものに限る。第三号において同じ。)をいう。以下この号において同じ。)の額から前条第二項第六号に掲げる額を控除した額をいう。以下この項において同じ。)から特定項目に係る十五パーセント基準額(同条第一項各号に掲げる額の合計額から同条第二項第一号から第五号までに掲げる額及び特定項目の額の合計額を控除した額に十五パーセントを乗じ、これを八十五パーセントで除して得た額をいう。)を控除した額(当該額が零を下回る場合には、零とする。)をいう。次号及び第三号において同じ。)に、その他金融機関等の対象普通出資等の額から前項第一号に掲げる額を控除した額を特定項目に係る十パーセント基準対象額で除して得た割合を乗じて得た額

二 特定項目に係る調整対象額に、モーゲージ・サービシング・ライツに係る無形固定資産の額から前項第二号に掲げる額を控除した額を特定項目に係る十パーセント基準対象額で除して得た割合を乗じて得た額

三 特定項目に係る調整対象額に、繰延税金資産の額から前項第三号に掲げる額を控除した額を特定項目に係る十パーセント基準対象額で除して得た割合を乗じて得た額

8 第四項及び第五項に定める額並びに第六項第一号及び前項第一号に掲げる額を算出する場合において、金庫が少数出資金融機関等又はその他金融機関等の対象普通出資等に係る一定のショート・ポジションを保有するときは、これらの対象普通出資等と対応するショート・ポジションを相殺することができる。

9 第四項及び第五項に定める額並びに第六項第一号及び第七項第一号に掲げる額を算出する場合において、次に掲げる資本調達手段に該当する対象普通出資等があるときは、当該対象普通出資等を算出の対象から除外することができる。ただし、第一号及び第二号に掲げる資本調達手段については、当該資本調達手段の保有に係る特殊事情その他の事情を勘案して金融庁長官及び厚生労働大臣が承認した場合に限り、当該承認において認められた期間に限るものとする。

一 その存続が極めて困難であると認められる者の救済又は処理のための資金の援助を行うことを目的として保有することとなった資本調達手段

二 その存続が極めて困難となるおそれがあると認められる者に対する資金の援助その他の経営改善のための支援を行うことを目的として保有することとなった資本調達手段

三 引受けにより取得し、かつ、保有期間が五営業日以内の資本調達手段

10 第六項第三号及び第七項各号並びに前条第二項第一号ロに掲げる額を算出する場合において、繰延税金資産の額及びこれに関連する繰延税金負債の額(同条第五項の規定により相殺された額を除く。以下この項において同じ。)があるときは、次の各号に掲げる繰延税金資産の額の区分に応じ、当該額と当該各号に定める額を相殺することができる。

一 繰延税金資産(一時差異に係るものに限る。)の額 繰延税金負債の額のうち当該額に繰延税金資産(一時差異に係るものに限る。)の額を繰延税金資産の額で除して得た割合を乗じて得た額

二 繰延税金資産(一時差異に係るものを除く。)の額 繰延税金負債の額のうち前号に定める額を控除した額

11 第六項第三号及び第七項各号に掲げる額を算出する場合並びに前項の規定により繰延税金資産の額と繰延税金負債の額を相殺する場合には、繰延税金資産の額及び同項の規定により繰延税金資産の額と相殺される繰延税金負債の額は、評価・換算差額等に計上される項目に係るものが含まれないものとした場合の額とする。

12 第三項から第五項までに定める額並びに第六項第一号及び第七項第一号に掲げる額を算出する場合において、その時価評価差額が評価・換算差額等の項目として計上される他の金融機関等の対象普通出資等又は対象資本調達手段については、時価による評価替えを行わない場合の額をもって当該他の金融機関等の対象普通出資等又は対象資本調達手段の額とする。

 

第十五条 削除

 

(信用リスク・アセットの額の合計額)

第十六条 第十一条の算式において信用リスク・アセットの額の合計額は、標準的手法採用金庫にあっては第十九条第一項に定めるものを、内部格付手法採用金庫にあっては第百二十六条に定めるものをいう。

2 前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものについては、信用リスク・アセットの額を算出することを要しない。

一 第十一条の算式にマーケット・リスク相当額に係る額を算入しない場合 次に定めるもの

イ 個別貸倒引当金(内部格付手法採用金庫が第百二十六条第一号に規定する信用リスク・アセットの額の合計額を算出する場合にあっては、次に掲げるエクスポージャーに対して計上されているものに限る。)

(1) 株式等エクスポージャー

(2) 第五章第三節第九款において信用リスク・アセットの額の算出方法が規定されているその他資産等

ロ 債務保証見返勘定

ハ 派生商品取引に係る資産

ニ 有価証券等及びその対価の受渡し又は決済を行う取引に係る未収金

ホ 自己保有普通出資等、対象資本調達手段、対象普通出資等、無形固定資産、繰延税金資産及び前払年金費用のうち、第十三条第二項の規定によりコア資本に係る調整項目の額とされたものの額に相当する部分

ヘ 第十三条第五項の規定により繰延税金負債の額と相殺された額に相当する部分

ト 繰延税金資産(一時差異に係るものに限る。)のうち第十四条第十一項の規定により同条第六項第三号又は第七項第三号に掲げる額の算出の対象に含まれなかった部分

二 第十一条の算式にマーケット・リスク相当額に係る額を算入する場合 前号に定めるもの及び第十六条の三から第十六条の五までの規定によりトレーディング勘定に分類された商品(証券化取引を目的として保有している資産、第十六条の四第三項第四号に掲げるもの及び第二百四十六条の三の三第一項、第二百四十六条の三の四又は第二百四十六条の四の七第一項に規定するCVAリスク相当額の算出に反映された取引を除く。)

3 第一項の規定にかかわらず、次の各号に掲げるものについては、信用リスク・アセットの額を算出することを要しない。

一 中央清算機関に対するエクスポージャー又は間接清算参加者の直接清算参加者に対するエクスポージャーのうち、信用取引その他これに類する海外の取引及び現物・直物取引により生ずるもの

二 直接清算参加者の適格中央清算機関への担保の差入れ又は間接清算参加者の直接清算参加者を通じた適格中央清算機関への担保の差入れにより生ずるエクスポージャーのうち、適格中央清算機関以外の第三者において分別管理されており、かつ、適格中央清算機関に係る倒産手続又は外国における倒産手続と同種類の手続に伴う当該担保に対する損失の発生を防ぐために必要な方策が講ぜられているもの

三 資金清算機関等に対するエクスポージャーのうち、資金清算機関等への預託金又は担保の差入れにより生ずるもの

 

(マーケット・リスク相当額の合計額)

第十六条の二 第十一条の算式においてマーケット・リスク相当額の合計額は、第六章の四に定めるところにより算出するものの合計額とする。ただし、現金預け金、預金及びコール資金(主たる事務所とそれ以外の事務所との間の取引を含む。)のうち、トレーディングを行う部署においてリスク管理上トレーディングとして管理及び評価をしているものについては対象に含めることができる。

 

(トレーディング勘定及びバンキング勘定の設置)

第十六条の三 金庫は、その保有する商品を分類するためにトレーディング勘定及びバンキング勘定を設け、次条及び第十六条の五に定めるところにより、その保有する商品をいずれかの勘定に分類するものとする。

 

(トレーディング勘定への分類基準等)

第十六条の四 商品の保有の目的が次に掲げるトレーディング目的のいずれかに該当する商品は、トレーディング勘定に分類するものとする。

一 短期間の再売却目的

二 相場その他の指標に係る短期の価格変動からの利益の獲得目的

三 市場間の裁定取引による利益の獲得目的

四 前三号に掲げる目的のいずれかで保有している商品から生ずるリスクのヘッジ目的

2 商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定の資産又は負債として保有している商品のうち、次に掲げるもの以外のものは、トレーディング勘定に分類するものとする。

一 非上場株式

二 証券化のための裏付資産にする予定の商品

三 直接に保有する不動産

四 個人又は中堅中小企業に対する信用供与

五 ファンドへの出資(次項第二号に掲げるものを除く。)

六 前各号に掲げる商品のいずれかを原資産とする派生商品取引又はファンド

七 前各号に掲げる商品のリスクをヘッジする目的で保有する商品

3 商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定の資産又は負債として保有している商品でない商品のうち、次に掲げるものは、トレーディング勘定に分類するものとする。

一 マーケット・メイクに係る業務のために保有する商品

二 ファンドへの出資(次に掲げる要件のいずれかに該当するものに限る。)

イ 当該ファンドの構成銘柄について、金庫が、ルックスルーができ、かつ、独立した第三者により検証された十分な情報を取得していること。

ロ 金庫が、当該ファンドの市場価額を日次で入手しており、かつ、当該ファンドの運用基準及びマーケット・リスク相当額に関する情報を取得していること。

三 上場株式

四 トレーディング業務に係るレポ形式の取引

五 オプション

4 商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定の資産又は負債として保有している商品でない商品(前項各号に掲げるものを除く。)のうち、次に掲げるものは、トレーディング勘定に分類するものとする。

一 コリレーション・トレーディングのポートフォリオに含まれる商品

二 信用リスク又は株式リスクを有する商品のうち、次に掲げるポジションのいずれかを構成するもの

イ ヘッジ対象となるロング・ポジションが存在せず、個別の商品又は複数の商品の組合せにより、ネット・ショート・ポジションとなっているポジション

ロ ヘッジ対象となるロング・ポジションに対して、ヘッジ手段として利用される商品のショート・ポジションがオーバーヘッジとなっているポジション

三 引受け業務から生ずる商品

5 金庫は、商品を売却すること及び商品のリスクをヘッジすることに関して法令に別段の定めがない限り、当該商品をトレーディング勘定に分類することができる。

6 金庫は、トレーディング勘定に分類する商品のうち、会計上で公正価値評価が求められているものについては、公正価値を日次で計測し、評価損益を認識するものとする。

 

(バンキング勘定への分類基準)

第十六条の五 前条の規定によりトレーディング勘定に分類する商品以外の商品は、バンキング勘定に分類するものとする。

2 商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定の資産又は負債として保有している商品並びに前条第三項の規定によりトレーディング勘定に分類することとされる商品のうち、トレーディング目的以外の目的で保有するものについては、あらかじめ金融庁長官及び厚生労働大臣に届け出た場合に限り、バンキング勘定に分類することができる。

3 前条の規定にかかわらず、次に掲げる場合のいずれかに該当する金庫は、全ての商品をバンキング勘定に分類するものとする。

一 第十二条の二の規定によりマーケット・リスク相当額に係る額を算入しない場合

二 簡易的方式採用金庫であって、第十二条の二第一号及び第三号に掲げる条件を満たす場合

 

(商品分類に係る方針等)

第十六条の六 金庫は、トレーディング勘定に分類する商品の範囲を定めるための方針及び手続に係る文書を作成するとともにその遵守態勢を確立するものとする。

2 金庫のマーケット・リスク管理部署は、前項の商品の分類が適切に実施されたかどうかの検証をする体制を整備するものとする。

3 金庫の内部監査部署は、第一項の商品の分類に係る内部監査を一年に一回以上実施し、その結果を金融庁長官及び厚生労働大臣の求めに応じて提出することができるように整備するものとする。

 

(勘定間の振替の制限)

第十六条の七 金庫は、次に掲げる行為(以下この条から第十六条の九までにおいて「勘定間の振替」という。)を行ってはならない。

一 トレーディング勘定に分類した商品をバンキング勘定に移し替えること。

二 バンキング勘定に分類した商品をトレーディング勘定に移し替えること。

2 前項の規定にかかわらず、金庫は、次に掲げる要件の全てを満たす場合には、勘定間の振替を行うことができる。

一 当該勘定間の振替について理事等の承認を受けていること。

二 当該勘定間の振替について内部監査が行われていること。

三 当該勘定間の振替について開示すること。

3 金庫は、前項の規定により勘定間の振替を行う場合には、あらかじめ、その旨及び次に掲げる事項を記載した届出書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

一 勘定間の振替を行う商品の種類(当該商品が第十六条の四第三項第一号から第三号までに掲げる商品のいずれかに該当するときは、その旨を含む。)

二 前項各号に掲げる要件の全てを満たしている旨の説明

三 勘定間の振替を行う商品の保有の目的の変更に係る説明

四 その他参考となるべき事項

 

(勘定間の振替に係る所要自己資本の額の計上)

第十六条の八 金庫は、勘定間の振替を行った場合において、所要自己資本の額が減少したときは、その減少分と同額を当該勘定間の振替を行った日以後の算出基準日における所要自己資本の額に加算するものとする。

2 金庫は、勘定間の振替を行った商品が満期を迎えた場合には、金融庁長官及び厚生労働大臣が承認した場合に限り、前項の規定を適用しないことができる。

(令六金庁厚労告一・追加)

(勘定間の振替に係る方針等)

第十六条の九 金庫は、勘定間の振替について、次に掲げる事項その他必要な事項を定めた方針を策定するものとする。

一 勘定間の振替に係る制限の内容及び当該制限に係る変更の要件

二 当該方針に係る理事会の承認手続

三 例外的事象を特定する方法

四 勘定間の振替に係る開示方法

2 金庫は、前項の方針を一年に一回以上見直すものとする。

 

(内部取引の取扱い)

第十六条の十 内部取引によるトレーディング勘定からバンキング勘定へのリスク移転については、マーケット・リスク相当額の計測対象に含まないものとする。

2 内部取引によるバンキング勘定からトレーディング勘定へのリスク移転については、次条から第十六条の十三までに定めるところによる。

 

(信用リスク及び株式リスクの内部取引)

第十六条の十一 内部取引によるバンキング勘定からトレーディング勘定への信用リスク及び株式リスクのリスク移転については、次の各号に掲げるリスクの区分に応じ、当該各号に定める要件を満たす場合に限り、ヘッジ効果を反映することができる。

一 信用リスク トレーディング勘定において、金庫が第三者である適格プロテクション提供者との間で外部ヘッジ取引を行い、内部取引のポジションを完全に相殺していること。

二 株式リスク 次に掲げる要件の全てを満たすものであること。

イ トレーディング勘定において、金庫が第三者である適格プロテクション提供者との間で外部ヘッジ取引を行い、内部取引のポジションを完全に相殺していること。

ロ その外部ヘッジ取引が、バンキング勘定の株式リスクのヘッジとして認識されていること。

2 前項第一号の外部ヘッジ取引において、内部取引のポジションを完全に相殺する場合には、当該外部ヘッジ取引を複数の取引相手方との複数の取引により構成することができる。

3 第一項のリスク移転におけるマーケット・リスク相当額の計測対象は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるところによる。

一 第一項各号に定める要件を満たす場合 トレーディング勘定における内部取引及び外部ヘッジ取引を含むものとする。

二 第一項各号に定める要件を満たさない場合 トレーディング勘定における外部ヘッジ取引を含み、トレーディング勘定における内部取引を含まないものとする。

三 バンキング勘定においてオーバーヘッジとなったポジションが生じた場合 当該ポジションを含むものとする。

 

(一般金利リスクの内部取引)

第十六条の十二 内部取引によるバンキング勘定からトレーディング勘定への一般金利リスクのリスク移転については、次に掲げる要件の全てを満たす場合に限り、ヘッジ効果を反映することができる。

一 内部取引によりバンキング勘定の一般金利リスクがヘッジされている旨及び当該一般金利リスクの発生源に係る文書が作成されていること。

二 内部取引は、内部取引担当デスクとの間で行われること。

2 内部取引担当デスクは、バンキング勘定との内部取引のポジションに対する外部ヘッジ取引を第三者との間で直接に行うことができる。

3 第一項のリスク移転において、内部取引担当デスク以外のトレーディング・デスクを通じた第三者との間の外部ヘッジ取引は、内部取引担当デスクが内部取引担当デスク以外のトレーディング・デスクと行う一般金利リスクに係る内部取引のポジションにより第三者との外部ヘッジのポジションと完全に相殺されるときに限り、行うことができる。この場合において、内部取引担当デスク及び内部取引担当デスク以外のトレーディング・デスクが保有する内部取引のポジションは、マーケット・リスク相当額の計測対象に含むものとする。

 

(マーケット・リスク相当額の計測対象となる内部取引)

第十六条の十三 マーケット・リスク相当額の計測対象であるトレーディング・デスク間の内部取引は、マーケット・リスク相当額の計測範囲に含むものとする。

2 内部取引担当デスクと内部取引担当デスク以外のトレーディング・デスクとの間の内部取引は、前条第一項各号に掲げる要件を満たす場合に限り、マーケット・リスク相当額の計測対象に含むものとする。

3 トレーディング・デスクが保有する内部取引のポジションは、第三者と取引するトレーディング勘定の商品と同様にマーケット・リスク相当額の計測対象に含むものとする。

 

(CVAリスクにおける内部取引等)

第十六条の十四 第十六条の十から前条までの規定にかかわらず、外部CVAヘッジ取引及び内部CVAヘッジ取引におけるマーケット・リスク相当額の計測対象は、次項及び第三項に定めるところによる。

2 外部CVAヘッジ取引のうち、適格CVAヘッジ取引に該当するものについてはマーケット・リスク相当額の計測対象に含まないものとし、適格CVAヘッジ取引に該当しないものについては第六章の四に定めるところによりマーケット・リスク相当額の計測対象に含むものとする。

3 内部CVAヘッジ取引は、互いに完全に相殺するCVAデスクのポジション及びトレーディング・デスクのポジションから構成されなければならず、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるところによりマーケット・リスク相当額を計測するものとする。

一 内部CVAヘッジ取引が適格CVAヘッジ取引に該当しない場合 CVAデスクのポジション及びトレーディング・デスクのポジションは、いずれもマーケット・リスク相当額の計測対象となるポジションとし、双方のポジションを相殺することにより、マーケット・リスク相当額の計測対象に含まないものとする。

二 内部CVAヘッジ取引が適格CVAヘッジ取引に該当する場合 トレーディング・デスクのポジションは、第六章の四に定めるところによりマーケット・リスク相当額の計測対象に含むものとする。

4 標準的方式に係る要件に定めるカーベチャー・リスク、デフォルト・リスク又は残余リスクに対する資本賦課の対象となるポジションに係るCVAリスクの内部取引は、トレーディング勘定において、金庫が第三者であるプロテクション提供者との間で行う外部ヘッジ取引が当該内部取引のポジションを完全に相殺する場合に限り、マーケット・リスク相当額の計測において勘案することができる。

5 CVAデスクとトレーディング・デスクとの間の内部取引は、第十六条の十一第一項各号に定める要件を満たす場合には、第五十条第一項に規定する派生商品取引の与信相当額のヘッジ手段として利用することができる。

 

(バンキング勘定とトレーディング勘定の境界に係る届出)

第十六条の十五 トレーディング勘定を設ける金庫は、あらかじめ、その旨を記載した届出書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

2 前項の届出書には、次に掲げる事項を記載した書類を添付するものとする。

一 第十六条の五第二項の規定によりバンキング勘定に分類する商品

二 第十六条の九第一項の方針

3 金庫は、第一項の届出書に記載すべき事項又は前項各号に掲げる事項に変更があったときは、遅滞なく、その旨及びその内容を記載した変更届出書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

 

(オペレーショナル・リスク相当額の合計額)

第十七条 第十一条の算式においてオペレーショナル・リスク相当額の合計額は、第七章に定めるところにより算出するものとする。

 

(資本フロアの算出方法)

第十八条 金庫は、次の各号のいずれかに該当する場合であって、標準的な手法により算出した所要自己資本の額に七十二・五パーセントを乗じて得た額が承認を受けた計算方法により算出した所要自己資本の額を上回るときは、当該乗じて得た額から当該承認を受けた計算方法により算出した所要自己資本の額を控除した額に十二・五を乗じて得た額を第十一条の算式の分母に加えるものとする。

一 内部格付手法採用金庫

二 内部モデル方式採用金庫

三 期待エクスポージャー方式採用金庫

2 前項の規定にかかわらず、内部格付手法採用金庫は、内部格付手法の使用を開始した日から二年を経過する日までの間は、次の各号に掲げる期間において、標準的な手法により算出した所要自己資本の額に当該各号に定める率を乗じて得た額が承認を受けた計算方法により算出した所要自己資本の額を上回る場合には、当該乗じて得た額から当該承認を受けた計算方法により算出した所要自己資本の額を控除した額に十二・五を乗じて得た額を第十一条の算式の分母に加えるものとする。

一 内部格付手法の使用を開始した日以後一年間 九十パーセント

二 前号に掲げる期間を経過した日以後一年間 八十パーセント

3 前二項の「標準的な手法により算出した所要自己資本の額」とは、第十一条の算式の分母の額に八パーセントを乗じて得た額を計算する場合において、次の各号に掲げるリスクの区分に応じ、当該各号に定める手法により算出した額の合計額から第十三条第一項第二号イに掲げる額につき当該手法により算出した額を控除した額をいう。

一 信用リスクに係る部分のうち証券化エクスポージャー、CVAリスク及び中央清算機関関連エクスポージャーに係る部分以外の部分 標準的手法(第四章第四節に定める派生商品取引及び長期決済期間取引の与信相当額の算出にあってはSA―CCR、レポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引の与信相当額の算出にあっては包括的手法)

二 信用リスクに係る部分のうち証券化エクスポージャーに係る部分 全ての裏付資産のプールをSAプールとみなして第六章に定めるところにより判定された手法(内部評価方式を除く。)

三 信用リスクに係る部分のうちCVAリスクに係る部分 第六章の二に定めるところによりCVAリスク相当額の算出に適用した手法

四 信用リスクに係る部分のうち中央清算機関関連エクスポージャーに係る部分 第六章の三に定める手法(第二百四十六条の六第一項において準用する第四章第四節に定める派生商品取引及び長期決済期間取引の与信相当額の算出にあってはSA―CCR、レポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引の与信相当額の算出にあっては包括的手法)

五 マーケット・リスクに係る部分 標準的方式又は簡易的方式(内部モデル方式採用金庫がマーケット・リスク相当額の算出において内部モデル方式を適用する部分にあっては、標準的方式)

六 オペレーショナル・リスクに係る部分 第二百四十八条に規定する標準的計測手法

4 第一項及び第二項の「承認を受けた計算方法により算出した所要自己資本の額」とは、第十一条の算式の分母の額に八パーセントを乗じて得た額及び第十三条第二項第一号ハに掲げる額の合計額から同条第一項第二号イ及びロに掲げる額の合計額を控除した額をいう。

 

第四章 信用リスクの標準的手法

第一節 総則

(標準的手法採用金庫における信用リスク・アセットの額の合計額)

第十九条 標準的手法採用金庫の信用リスク・アセットの額の合計額とは、次に掲げる額の合計額をいう。ただし、第六節においてリスク・ウェイト又は与信相当額の算出方法が定められている場合には、同節の規定により算出した額とする。

一 次節に規定するリスク・ウェイトを資産の額(その損益又は評価差額がその他の包括利益累計額又は評価・換算差額等の項目として計上される資産については、時価による評価替え又は再評価を行わない場合の額とする。)並びに第三節のオフ・バランス取引並びに第四節の派生商品取引及び長期決済期間取引の与信相当額に乗じて得た額並びに第五十四条の規定により算出された信用リスク・アセットの額の合計額

二 第六章に定めるところにより算出した証券化エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額

三 第六章の二に定めるところにより算出したCVAリスク相当額を八パーセントで除して得た額

四 第六章の三に定めるところにより算出した中央清算機関関連エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額

2 標準的手法採用金庫が直接清算参加者として、間接清算参加者の適格中央清算機関に対するトレード・エクスポージャーに係る金融商品取引法第二条第二十七項に規定する有価証券等清算取次ぎ、間接清算参加者の適格中央清算機関に対するトレード・エクスポージャーに係る商品先物取引法第二条第二十項に規定する商品清算取引その他間接清算参加者の適格中央清算機関に対するトレード・エクスポージャーに係る取次ぎ又はこれらに類する海外の取引(以下「清算取次ぎ等」という。)を行うことにより生ずる間接清算参加者に対するトレード・エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額について、第百十三条の二の規定により算出する場合には、前項第一号の合計額の算出に当たって、当該トレード・エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額として、同条の規定により算出された信用リスク・アセットの額を用いるものとする。

 

(標準的手法のデュー・ディリジェンス)

第十九条の二 標準的手法採用金庫は、債務者又はエクスポージャーに係る評価であって、次に掲げる要件の全てを満たすもの(次節において「デュー・ディリジェンス分析」という。)を行うものとする。

一 内部の信用分析若しくは第三者による分析又はこれらを併用した分析を用いて信用リスクを評価するための必要な体制が整備されていること。

二 評価に係る情報を適時に把握するための必要な体制が整備されていること。

三 債務者が連結財務諸表を作成している場合又は債務者を同一のグループに属するものとして管理している場合において、グループに属する会社による資金援助、これらの会社に問題が生じた場合の返済能力への影響その他のグループからの影響が当該債務者の評価において必要であるときは、当該影響が評価されていること。

四 エクスポージャーに応じた適切なリスク・ウェイトを判定できるように、内部方針、評価プロセス、システム及び内部統制が整備されていること。

五 債務者又はエクスポージャーの評価の結果について、金融庁長官及び厚生労働大臣の求めに応じて提出できるよう整備されていること。

六 債務者又はエクスポージャーの評価を信用供与の実行時点及び年一回以上の頻度で実施していること。

 

(非依頼格付の使用禁止)

第二十条 標準的手法採用金庫は、リスク・ウェイトの判定に当たり、非依頼格付を使用しないものとする。ただし、中央政府に付与されたものである場合は、この限りでない。

 

(格付等の使用基準の設定)

第二十一条 標準的手法採用金庫は、リスク・ウェイトの判定に当たり、あらかじめ、適格格付機関の格付又は経済協力開発機構若しくは輸出信用機関のカントリー・リスク・スコアの使用の基準を設けるものとする。

2 標準的手法採用金庫は、前項に規定する基準を設けるに当たっては、信用リスク・アセットの額を意図的に小さくすることを目的としないものとする。

3 標準的手法採用金庫は、適格格付機関の格付又は経済協力開発機構若しくは輸出信用機関のカントリー・リスク・スコアを内部管理において用いている場合には、第一項に規定する基準を当該内部管理における使用方法と整合的なものとする。

4 以下この章において格付、個別格付(特定の債務に付与された格付をいう。以下同じ。)、債務者信用力格付(債務者の一般的な債務返済能力に関する格付をいう。以下同じ。)、短期格付(以下この項において「格付」と総称する。)又はカントリー・リスク・スコアとあるのは、それぞれ標準的手法採用金庫が設ける第一項に規定する基準において当該標準的手法採用金庫が用いることが可能な格付又はカントリー・リスク・スコアをいい、当該基準において用いることができる格付又はカントリー・リスク・スコアがない場合には、無格付とする。

 

(個別格付が付与されていないエクスポージャーの取扱い)

第二十二条 標準的手法採用金庫の保有するエクスポージャーに対して個別格付が付与されていない場合であって、次の各号に掲げるときは、当該エクスポージャーは、当該各号に掲げる格付が付与されているものとみなすことができる。

一 当該エクスポージャーの債務者が負っている他の債務が無担保かつ個別格付が付与されている場合であって、当該個別格付(短期格付を除く。以下この条において同じ。)に対応するリスク・ウェイトが、当該エクスポージャーを無格付とした際のリスク・ウェイトよりも小さく、かつ、当該エクスポージャーが当該無担保の債務に劣後しないとき。 当該個別格付

二 当該エクスポージャーの債務者に債務者信用力格付がある場合であって、当該エクスポージャーが当該債務者の他の債務に劣後しないとき。 当該債務者信用力格付

2 前項に規定する場合において、債務者信用力格付又は標準的手法採用金庫の保有するエクスポージャーに劣後しない債務の個別格付が、当該エクスポージャーを無格付とした場合のリスク・ウェイトよりも大きいリスク・ウェイトに対応するものであるときは、当該債務者信用力格付又は個別格付が付与されているものとみなす。

 

(現地通貨建て格付及び非現地通貨建て格付)

第二十三条 前条の規定において、標準的手法採用金庫は、個別格付又は債務者信用力格付が当該標準的手法採用金庫の保有するエクスポージャーと同一通貨建てのエクスポージャーに係るものでない場合には、当該個別格付又は債務者信用力格付を用いないものとする。ただし、金庫の保有する現地通貨建てのエクスポージャーが国際開発銀行(第三十一条第三項の規定において零パーセントのリスク・ウェイトを適用することが認められているものに限る。)との協調融資に係るものである場合は、この限りでない。

 

(複数の格付がある場合のリスク・ウェイト)

第二十四条 標準的手法採用金庫は、その保有するエクスポージャーについて、適格格付機関の格付又は経済協力開発機構若しくは輸出信用機関のカントリー・リスク・スコアが二以上ある場合であって、それらに対応するリスク・ウェイトが異なるときは、最も小さいリスク・ウェイトから数えて二番目に小さいリスク・ウェイトを用いるものとする。ただし、最も小さいリスク・ウェイトが複数の格付又はカントリー・リスク・スコアに対応するものであるときは、当該最も小さいリスク・ウェイトを用いるものとする。

 

(信用リスクの評価の対象が異なる格付の取扱い)

第二十五条 標準的手法採用金庫は、次の各号に掲げる場合その他の格付における評価の対象が標準的手法採用金庫の保有するエクスポージャーと異なることにより、当該格付を用いるとリスク・アセットの額が過小に評価されるおそれがある場合には、当該格付を用いないものとする。

一 格付における評価の対象が元本又は利息のみである場合であって、当該標準的手法採用金庫のエクスポージャーが元本及び利息に及ぶとき。

二 個別格付が担保又は保証その他の信用リスクを削減する措置(第六節に規定する信用リスク削減手法として適格でないものを含む。以下この号において同じ。)を反映している場合であって、当該標準的手法採用金庫の保有するエクスポージャーに対して取られている信用リスクを削減する措置がこれと異なるとき又はそうした措置が取られていないとき。

 

第二節 リスク・ウェイト

(現金)

第二十六条 現金(外国通貨及び金を含む。)のリスク・ウェイトは、零パーセントとする。

 

(中央政府及び中央銀行向けエクスポージャー)

第二十七条 中央政府及び中央銀行向けエクスポージャーのリスク・ウェイトは、格付又はカントリー・リスク・スコアに対応する信用リスク区分に応じ、それぞれ次の各号の表の左欄に定めるものとする。ただし、無格付の場合には、百パーセントとする。

一 適格格付機関の付与する格付の場合

信用リスク区分

1―1

1―2

1―3

1―4

1―5

1―6

リスク・ウェイト(パーセント)

二十

五十

百五十

二 カントリー・リスク・スコアの場合

信用リスク区分(カントリー・リスク・スコア)

0

1

2

3

4

5

6

7

リスク・ウェイト(パーセント)

二十

五十

百五十

2 前項の規定にかかわらず、日本国政府及び日本銀行向けの円建てのエクスポージャーのうち円建てで調達されたもののリスク・ウェイトは、零パーセントとする。

 

(国際決済銀行等向けエクスポージャー)

第二十八条 国際決済銀行、国際通貨基金、欧州中央銀行、欧州連合、欧州安定メカニズム及び欧州金融安定ファシリティ向けエクスポージャーのリスク・ウェイトは、零パーセントとする。

 

(我が国の地方公共団体向けエクスポージャー)

第二十九条 我が国の地方公共団体向けの円建てのエクスポージャー(特定の事業からの収入のみをもって返済されることとなっているものを除く。)のうち円建てで調達されたもののリスク・ウェイトは、零パーセントとする。

2 前項の場合を除き、我が国の地方公共団体向けのエクスポージャー(特定の事業からの収入のみをもって返済されることとなっているものを除く。)のリスク・ウェイトは、日本国政府に付与された格付又はカントリー・リスク・スコアに対応する信用リスク区分に応じ、第二十七条第一項各号の表の左欄に定めるものとする。

 

(外国の中央政府等以外の公共部門向けエクスポージャー)

第三十条 外国の中央政府及び中央銀行以外の公共部門(当該国による公共部門の定義によるものとする。)向けエクスポージャー(特定の事業からの収入のみをもって返済されることとなっているものを除く。)のリスク・ウェイトは、当該公共部門の所在する国の中央政府に付与された格付又はカントリー・リスク・スコアに対応する信用リスク区分に応じ、次の各号の表の左欄に定めるものとする。ただし、無格付の場合には、百パーセントとする。

一 適格格付機関の付与する格付の場合

信用リスク区分

1の2―1

1の2―2

1の2―3

1の2―4

1の2―5

リスク・ウェイト

(パーセント)

二十

五十

百五十

二 カントリー・リスク・スコアの場合

信用リスク区分

(カントリー・リスク・スコア)

0

1

2

3

4

5

6

7

リスク・ウェイト

(パーセント)

二十

二十

五十

百五十

 

(国際開発銀行向けエクスポージャー)

第三十一条 国際開発銀行向けエクスポージャーのリスク・ウェイトは、格付に対応する信用リスク区分に応じ、次の表の左欄に定めるものとする。ただし、無格付の場合には、五十パーセントとする。

信用リスク区分

2―1

2―2

2―3

2―4

2―5

2―6

リスク・ウェイト(パーセント)

二十

三十

五十

百五十

2 前項において、標準的手法採用金庫によるデュー・ディリジェンス分析の結果、国際開発銀行の信用状態が格付に対応する信用リスク区分の示す信用状態よりも高いリスクを有すると評価されるときは、当該格付に対応する信用リスク区分よりも一段階以上下位の信用リスク区分に応じたリスク・ウェイトを用いるものとする。ただし、当該格付に対応する信用リスク区分よりも上位の信用リスク区分に応じたリスク・ウェイトは、用いないものとする。

3 前二項の規定にかかわらず、国際復興開発銀行、国際金融公社、多数国間投資保証機関、国際開発協会、アジア開発銀行、アフリカ開発銀行、欧州復興開発銀行、米州開発銀行、欧州投資銀行、欧州投資基金、北欧投資銀行、カリブ開発銀行、イスラム開発銀行、予防接種のための国際金融ファシリティ、欧州評議会開発銀行及びアジアインフラ投資銀行向けエクスポージャーのリスク・ウェイトは、零パーセントとする。

 

(地方公共団体金融機構向けエクスポージャー)

第三十一条の二 地方公共団体金融機構向けの円建てのエクスポージャーのうち円建てで調達されたもののリスク・ウェイトは、十パーセントとする。

2 前項の場合を除き、地方公共団体金融機構向けのエクスポージャーのリスク・ウェイトは、日本国政府に付与された格付又はカントリー・リスク・スコアに対応する信用リスク区分に応じ、第三十条各号の表の左欄に定めるものとする。

(平二〇金庁厚労告四・追加、平二一金庁厚労告四・令六金庁厚労告一・一部改正)

(我が国の政府関係機関向けエクスポージャー)

第三十二条 我が国の政府関係機関(特別の法律に基づき設立された法人(業として預金又は貯金の受入れを行う法人を除く。)であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。以下同じ。)向けの円建てのエクスポージャーのうち円建てで調達されたもののリスク・ウェイトは、十パーセントとする。

一 政府が過半を出資している法人(株式会社を除く。)

二 政府が出資している法人(株式会社を除く。)で、かつ、法律の定めるところにより、当該法人の予算及び決算について、国会の議決(承認を含む。次号において同じ。)を得、又は主務大臣(内閣総理大臣を含む。以下この項において同じ。)の認可(承認を含む。以下この項において同じ。)を受けなければならない法人

三 政府が過半を出資している法人(株式会社に限る。次号において同じ。)で、かつ、法律の定めるところにより、当該法人の予算について、国会の議決を得、又は主務大臣の認可を受け、及び当該法人の決算報告書を国会に提出しなければならない法人

四 政府が過半を出資している法人で、かつ、法律の定めるところにより、当該法人の債券及び借入金の償還計画について、主務大臣の認可を受けなければならない法人

2 前項の場合を除き、我が国の政府関係機関向けのエクスポージャーのリスク・ウェイトは、日本国政府に付与された格付又はカントリー・リスク・スコアに対応する信用リスク区分に応じ、第三十条各号の表の左欄に定めるものとする。

 

(地方三公社向けエクスポージャー)

第三十三条 土地開発公社、地方住宅供給公社及び地方道路公社向けの円建てエクスポージャーのうち円建てで調達されたもののリスク・ウェイトは、二十パーセントとする。

2 前項の場合を除き、土地開発公社、地方住宅供給公社及び地方道路公社向けのエクスポージャーのリスク・ウェイトは、日本国政府に付与された格付又はカントリー・リスク・スコアに対応する信用リスク区分に応じ、第三十条各号の表の左欄に定めるものとする。

 

(金融機関向けエクスポージャー)

第三十四条 自己資本比率規制金融機関(バーゼル銀行監督委員会の定める自己資本比率の基準又はこれと類似の基準の適用を受ける金融機関(第一条第七号ロに掲げる者を除く。)、外国銀行、銀行持株会社又は銀行持株会社に準ずる外国の会社をいう。以下この節において同じ。)に対するエクスポージャー(以下この条並びに第三十七条第一項及び第四項において「金融機関向けエクスポージャー」という。)について、格付がある場合のリスク・ウェイトは、当該格付に対応する信用リスク区分に応じ、次の表の左欄に定めるものとする。

信用リスク区分

3―1

3―2

3―3

3―4

3―5

リスク・ウェイト

(パーセント)

二十

三十

五十

百五十

2 前項の規定により三十パーセント、五十パーセント又は百パーセントのリスク・ウェイトが適用されるエクスポージャーのうち次の各号のいずれかに該当するもののリスク・ウェイトは、同項の規定により適用されるリスク・ウェイトの区分に応じ、次の表の左欄に定めるものとすることができる。この場合において、参照する金融機関向けエクスポージャーのリスク・ウェイトは、第四項に規定するデュー・ディリジェンス分析の結果を踏まえた値とするものとする。

リスク・ウェイト

(パーセント)

三十

五十

リスク・ウェイト

(パーセント)

二十

二十

五十

一 信用供与を行った日から満期までの期間が三月以内の金融機関向けエクスポージャー

二 前号に規定する期間が六月以内の貿易取引に係る金融機関向けエクスポージャー(流動性の高い貿易関連偶発債務を含み、同号に掲げるものを除く。)

3 標準的手法採用金庫は、第一項において格付を用いる場合には、暗黙の政府支援(国又は地域の信用秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがある場合において法令(外国の法令を含む。)に基づき金融機関に講ぜられる措置その他これに類する措置(当該金融機関の株主又は債権者のみに損失を負担させる措置を除く。)を自己資本比率規制金融機関に対して講じ得ることをいう。)を勘案していない格付を用いるものとする。

4 第一項において、標準的手法採用金庫によるデュー・ディリジェンス分析の結果、自己資本比率規制金融機関の信用状態が格付に対応する信用リスク区分の示す信用状態よりも高いリスクを有すると評価されるときは、当該格付に対応する信用リスク区分よりも一段階以上下位の信用リスク区分に応じたリスク・ウェイトを用いるものとする。ただし、当該格付に対応する信用リスク区分よりも上位の信用リスク区分に応じたリスク・ウェイトは、用いないものとする。

5 金融機関向けエクスポージャーが無格付の場合には、そのリスク・ウェイトは、第七項、第九項及び第十項の規定により判定される自己資本比率規制金融機関のグレード区分(自己資本比率規制金融機関が無格付の場合の金融機関向けエクスポージャーにおける信用リスク評価の区分をいう。以下この条において同じ。)に応じ、次の表の左欄に定めるものとする。

グレード区分

A

B

C

リスク・ウェイト

(パーセント)

四十

七十五

百五十

6 前項の規定により四十パーセント又は七十五パーセントのリスク・ウェイトが適用されるエクスポージャーのうち第二項各号のいずれかに該当するもののリスク・ウェイトは、前項の規定により適用されるリスク・ウェイトの区分に応じ、次の表の左欄に定めるものとすることができる。

リスク・ウェイト

(パーセント)

四十

七十五

リスク・ウェイト

(パーセント)

二十

五十

7 標準的手法採用金庫は、次に掲げる要件の全てを満たす自己資本比率規制金融機関のグレード区分をAと判定するものとする。

一 契約に従って債務を履行する能力を有しており、かつ、経済状況又は事業環境が悪化した場合においても当該能力を継続して維持することが見込まれること。

二 次のイからタまでに掲げる自己資本比率規制金融機関の区分に応じ、当該イからタまでに定める要件を満たしていること。

イ 銀行法第十四条の二の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成十八年金融庁告示第十九号)第一条第十号の二に規定する国際統一基準行 次に掲げる基準の全てを満たしていること。

(1) 銀行法第十四条の二の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準第二条及び第十四条に定める最低基準並びに同告示第二条の二第一項及び第十四条の二第一項に定める当該最低基準以外の基準

(2) 銀行法第十四条の二の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準(平成三十一年金融庁告示第十一号)第二条第一項(同告示第五条第一項において準用する場合を含む。)に定める最低基準及び同告示第二条第二項(同告示第五条第一項において準用する場合を含む。)に定める当該最低基準以外の基準

ロ 銀行法第五十二条の二十五の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成十八年金融庁告示第二十号)第一条第十号の二に規定する国際統一基準行 次に掲げる基準の全てを満たしていること。

(1) 銀行法第五十二条の二十五の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準第二条に定める最低基準及び同告示第二条の二第一項に定める当該最低基準以外の基準

(2) 銀行法第五十二条の二十五の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準(平成三十一年金融庁告示第十二号)第二条第一項に定める最低基準及び同条第二項に定める当該最低基準以外の基準

ハ 信用金庫法第八十九条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、信用金庫及び信用金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成十八年金融庁告示第二十一号)第一条第九号の三に規定する国際統一基準金庫 次に掲げる基準の全てを満たしていること。

(1) 信用金庫法第八十九条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、信用金庫及び信用金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準第十九条及び第三十一条に定める最低基準並びに同告示第十九条の二第一項及び第三十一条の二第一項に定める当該最低基準以外の基準

(2) 信用金庫法第八十九条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、信用金庫及び信用金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準(平成三十一年金融庁告示第十四号)第二条第一項(同告示第五条第一項において準用する場合を含む。)に定める最低基準及び同告示第二条第二項(同告示第五条第一項において準用する場合を含む。)に定める当該最低基準以外の基準

ニ 農林中央金庫 次に掲げる基準の全てを満たしていること。

(1) 農林中央金庫がその経営の健全性を判断するための基準(平成十八年/金融庁/農林水産省/告示第四号)第二条及び第十四条に定める最低基準並びに同告示第二条の二第一項及び第十四条の二第一項に定める当該最低基準以外の基準

(2) 農林中央金庫がその経営の健全性を判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準(平成三十一年/金融庁/農林水産省/告示第四号)第二条第一項(同告示第五条第一項において準用する場合を含む。)に定める最低基準及び同告示第二条第二項(同告示第五条第一項において準用する場合を含む。)に定める当該最低基準以外の基準

ホ 株式会社商工組合中央金庫 次に掲げる基準の全てを満たしていること。

(1) 株式会社商工組合中央金庫法第二十三条第一項の規定に基づき、株式会社商工組合中央金庫がその経営の健全性を判断するための基準(平成二十年/金融庁/財務省/経済産業省/告示第二号)第二条及び第十四条に定める最低基準並びに同告示第二条の二第一項及び第十四条の二第一項に定める当該最低基準以外の基準

(2) 株式会社商工組合中央金庫法第二十三条第一項の規定に基づき、株式会社商工組合中央金庫がその経営の健全性を判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準(平成三十一年/金融庁/財務省/経済産業省/告示第三号)第二条第一項(同告示第五条第一項において準用する場合を含む。)に定める最低基準及び同告示第二条第二項(同告示第五条第一項において準用する場合を含む。)に定める当該最低基準以外の基準

ヘ 外国銀行(イに規定する国際統一基準行に準ずる者に限る。) イ(1)及び(2)に掲げる基準と類似の基準(各国が定めた当該外国銀行に対する固有の基準(公表されているものに限る。)を含む。)を満たしていること。

ト 銀行持株会社に準ずる外国の会社(ロに規定する国際統一基準行に準ずる者に限る。) ロ(1)及び(2)に掲げる基準と類似の基準(各国が定めた当該銀行持株会社に準ずる外国の会社に対する固有の基準(公表されているものに限る。)を含む。)を満たしていること。

チ 銀行法第十四条の二の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準第一条第十号の三に規定する国内基準行 同告示第二十五条及び第三十七条に定める基準を満たしていること。

リ 銀行法第五十二条の二十五の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準第一条第十号の三に規定する国内基準行 同告示第十四条に定める基準を満たしていること。

ヌ 信用金庫法第八十九条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、信用金庫及び信用金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準第一条第九号の二に規定する国内基準金庫 同告示第二条及び第十一条に定める基準を満たしていること。

ル 協同組合による金融事業に関する法律第六条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、信用協同組合及び信用協同組合連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成十八年金融庁告示第二十二号)第一条第二号に規定する信用協同組合等 同告示第二条及び第十一条に定める基準を満たしていること。

ヲ 第一条第七号の三に規定する金庫 第二条及び第十一条に定める基準を満たしていること。

ワ 農業協同組合等がその経営の健全性を判断するための基準(平成十八年/金融庁/農林水産省/告示第二号)第一条第七号ニに規定する組合 同告示第二条及び第十条に定める基準を満たしていること。

カ 漁業協同組合等がその経営の健全性を判断するための基準(平成十八年/金融庁/農林水産省/告示第三号)第一条第七号ホに規定する組合 同告示第二条及び第十条に定める基準を満たしていること。

ヨ 外国銀行(チに規定する国内基準行に準ずる者に限る。) チに規定する基準と類似の基準(各国が定めた当該外国銀行に対する固有の基準(公表されているものに限る。)を含む。)を満たしていること。

タ 銀行持株会社に準ずる外国の会社(リに規定する国内基準行に準ずる者に限る。) リに規定する基準と類似の基準(各国が定めた当該銀行持株会社に準ずる外国の会社に対する固有の基準(公表されているものに限る。)を含む。)を満たしていること。

三 前号に掲げる要件を当該自己資本比率規制金融機関が満たしていることを標準的手法採用金庫が確認するために必要な情報が公表されていること、又は当該情報が標準的手法採用金庫に適切に提供されていること。

8 第五項の規定にかかわらず、自己資本比率規制金融機関(前項第二号イからトまでのいずれかに該当するものに限る。)が、前項の規定によりそのグレード区分がAと判定される場合において、次の各号に掲げる自己資本比率規制金融機関の区分に応じ当該各号に定める要件を満たすときは、当該自己資本比率規制金融機関に対するエクスポージャーのリスク・ウェイトを三十パーセントとすることができる。

一 前項第二号イに規定する国際統一基準行 銀行法第十四条の二の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準第二条第一号及び第十四条第一号の算式により得られる比率(第六号において「普通株式等Tier1比率」という。)が十四パーセント以上であり、かつ、銀行法第十四条の二の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準第二条第一項(同告示第五条第一項において読み替えて準用する場合を含む。)の算式により得られる比率(第六号において「レバレッジ比率」という。)が五パーセント以上であること。

二 前項第二号ロに規定する国際統一基準行 銀行法第五十二条の二十五の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準第二条第一号の算式により得られる比率(第七号において「普通株式等Tier1比率」という。)が十四パーセント以上であり、かつ、銀行法第五十二条の二十五の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準第二条第一項の算式により得られる比率(第七号において「レバレッジ比率」という。)が五パーセント以上であること。

三 前項第二号ハに規定する国際統一基準金庫 信用金庫法第八十九条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、信用金庫及び信用金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準第十九条第一号及び第三十一条第一号の算式により得られる比率が十四パーセント以上であり、かつ、信用金庫法第八十九条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、信用金庫及び信用金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準第二条第一項(同告示第五条第一項において読み替えて準用する場合を含む。)の算式により得られる比率が五パーセント以上であること。

四 農林中央金庫 農林中央金庫がその経営の健全性を判断するための基準第二条第一号及び第十四条第一号の算式により得られる比率が十四パーセント以上であり、かつ、農林中央金庫がその経営の健全性を判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準第二条第一項(同告示第五条第一項において読み替えて準用する場合を含む。)の算式により得られる比率が五パーセント以上であること。

五 株式会社商工組合中央金庫 株式会社商工組合中央金庫法第二十三条第一項の規定に基づき、株式会社商工組合中央金庫がその経営の健全性を判断するための基準第二条第一号及び第十四条第一号の算式により得られる比率が十四パーセント以上であり、かつ、株式会社商工組合中央金庫法第二十三条第一項の規定に基づき、株式会社商工組合中央金庫がその経営の健全性を判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準第二条第一項(同告示第五条第一項において読み替えて準用する場合を含む。)の算式により得られる比率が五パーセント以上であること。

六 外国銀行(前項第二号イに規定する国際統一基準行に準ずる者に限る。) バーゼル銀行監督委員会の定める自己資本比率の基準又はこれと類似の基準により算出された普通株式等Tier1比率に類する比率が十四パーセント以上であり、かつ、バーゼル銀行監督委員会の定めるレバレッジ比率の基準又はこれと類似の基準により算出されたレバレッジ比率に類する比率が五パーセント以上であること。

七 銀行持株会社に準ずる外国の会社(前項第二号ロに規定する国際統一基準行に準ずる者に限る。) バーゼル銀行監督委員会の定める自己資本比率の基準又はこれと類似の基準により算出された普通株式等Tier1比率に類する比率が十四パーセント以上であり、かつ、バーゼル銀行監督委員会の定めるレバレッジ比率の基準又はこれと類似の基準により算出されたレバレッジ比率に類する比率が五パーセント以上であること。

9 標準的手法採用金庫は、次に掲げる要件の全てを満たす自己資本比率規制金融機関(第七項の規定によりそのグレード区分がAと判定されたもの及び同項第二号チからタまでに掲げるものを除く。)のグレード区分をBと判定するものとする。

一 算出基準日において債務を履行する能力に疑義が生じていないこと。

二 次のイからトまでに掲げる自己資本比率規制金融機関の区分に応じ、当該イからトまでに定める要件を満たしていること。

イ 銀行法第十四条の二の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準第一条第十号の二に規定する国際統一基準行 次に掲げる基準の全てを満たしていること。

(1) 銀行法第十四条の二の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準第二条及び第十四条に定める最低基準

(2) 銀行法第十四条の二の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準第二条第一項(同告示第五条第一項において準用する場合を含む。)に定める最低基準

ロ 銀行法第五十二条の二十五の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準第一条第十号の二に規定する国際統一基準行 次に掲げる基準の全てを満たしていること。

(1) 銀行法第五十二条の二十五の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準第二条に定める最低基準

(2) 銀行法第五十二条の二十五の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準第二条第一項に定める最低基準

ハ 信用金庫法第八十九条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、信用金庫及び信用金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準第一条第九号の三に規定する国際統一基準金庫 次に掲げる基準の全てを満たしていること。

(1) 信用金庫法第八十九条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、信用金庫及び信用金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準第十九条及び第三十一条に定める最低基準

(2) 信用金庫法第八十九条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、信用金庫及び信用金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準第二条第一項(同告示第五条第一項において準用する場合を含む。)に定める最低基準

ニ 農林中央金庫 次に掲げる基準の全てを満たしていること。

(1) 農林中央金庫がその経営の健全性を判断するための基準第二条及び第十四条に定める最低基準

(2) 農林中央金庫がその経営の健全性を判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準第二条第一項(同告示第五条第一項において準用する場合を含む。)に定める最低基準

ホ 株式会社商工組合中央金庫 次に掲げる基準の全てを満たしていること。

(1) 株式会社商工組合中央金庫法第二十三条第一項の規定に基づき、株式会社商工組合中央金庫がその経営の健全性を判断するための基準第二条及び第十四条に定める最低基準

(2) 株式会社商工組合中央金庫法第二十三条第一項の規定に基づき、株式会社商工組合中央金庫がその経営の健全性を判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準第二条第一項(同告示第五条第一項において準用する場合を含む。)に定める最低基準

ヘ 外国銀行(イに規定する国際統一基準行に準ずる者に限る。) イ(1)及び(2)に掲げる基準と類似の基準を満たしていること。

ト 銀行持株会社に準ずる外国の会社(ロに規定する国際統一基準行に準ずる者に限る。) ロ(1)及び(2)に掲げる基準と類似の基準を満たしていること。

三 前号に掲げる要件を当該自己資本比率規制金融機関が満たしていることを標準的手法採用金庫が確認するために必要な情報が公表されていること、又は当該情報が標準的手法採用金庫に適切に提供されていること。

10 標準的手法採用金庫は、次の各号のいずれかに該当する自己資本比率規制金融機関(第七項の規定によりそのグレード区分がAと判定されたもの及び前項の規定によりそのグレード区分がBと判定されたものを除く。)のグレード区分をCと判定するものとする。

一 算出基準日において、債務を履行する能力に疑義がある場合又は既に債務を履行することができない状態にある場合

二 自己資本比率規制金融機関に適用されるバーゼル銀行監督委員会の定める自己資本比率の基準又はこれと類似の基準が当該自己資本比率規制金融機関が設立された国又は地域の金融当局によって定められていない場合

三 自己資本比率規制金融機関に適用されるバーゼル銀行監督委員会の定める自己資本比率の基準又はこれと類似の基準が当該自己資本比率規制金融機関が設立された国又は地域の金融当局によって定められており、かつ、これらの基準を当該自己資本比率規制金融機関が満たしていない場合

四 自己資本比率規制金融機関に適用されるバーゼル銀行監督委員会の定める自己資本比率の基準又はこれと類似の基準が当該自己資本比率規制金融機関の設立された国又は地域の金融当局によって定められている場合において、これらの基準を当該自己資本比率規制金融機関が満たしていることを標準的手法採用金庫が確認するために必要な情報が公表されておらず、かつ、当該情報が標準的手法採用金庫に適切に提供されていないとき。

五 当該自己資本比率規制金融機関が所在する国又は地域の法令に基づき、当該自己資本比率規制金融機関に対する外部監査人の会計監査が義務付けられている場合において、過去十二月以内に次のいずれかに該当しているとき。

イ 財務諸表に対する監査報告書において外部監査人による不適正意見が表明されていること。

ロ 財務諸表における継続企業の前提に対して外部監査人による重大な疑義が表明されていること(財務諸表において、継続企業の前提に関する注記がされていることを含む。)。

六 第七項の規定によりそのグレード区分がAと判定されず、かつ、前項の規定によりそのグレード区分がBと判定されない場合

11 第五項、第六項及び第八項に規定するグレード区分に応じたリスク・ウェイトを用いる場合における金融機関向けエクスポージャーのリスク・ウェイトは、当該金融機関向けエクスポージャーが次に掲げる要件の全てに該当するときは、当該金融機関向けエクスポージャーの相手方である自己資本比率規制金融機関が設立された国又は地域の中央政府に係る第二十七条に規定するリスク・ウェイトを下回らないものとする。ただし、当該自己資本比率規制金融機関が信用供与を受けた日から満期までの期間が一年未満であり、かつ、流動性の高い貿易関連偶発債務に係る金融機関向けエクスポージャーについては、この限りでない。

一 当該自己資本比率規制金融機関が設立された国又は地域の現地通貨と異なる通貨建てであること。

二 当該自己資本比率規制金融機関が設立された国又は地域と異なる拠点の勘定に計上されるものであり、かつ、当該拠点の所在する国又は地域の現地通貨と異なる通貨建てであること。

12 前各項の規定にかかわらず、金庫に対するエクスポージャーのリスク・ウェイトは、二十パーセントとする。

 

(カバード・ボンド向けエクスポージャー)

第三十四条の二 カバード・ボンド向けエクスポージャー(自己資本比率規制金融機関により発行されたカバード・ボンドであって、適格資産要件を満たし、かつ、開示要件を満たすものに対するエクスポージャーをいう。次項において同じ。)のリスク・ウェイトは、当該カバード・ボンド向けエクスポージャーに付与された個別格付に対応する信用リスク区分に応じ、次の表の左欄に定めるものとする。

信用リスク区分

3の2―1

3の2―2

3の2―3

3の2―4

3の2―5

リスク・ウェイト

(パーセント)

二十

二十

五十

2 個別格付がないカバード・ボンド向けエクスポージャーのリスク・ウェイトは、当該カバード・ボンド向けエクスポージャーの発行体である自己資本比率規制金融機関(以下この条において「カバード・ボンド発行体」という。)のリスク・ウェイトの区分に応じ、次の表の左欄に定めるものとする。この場合において、参照するカバード・ボンド発行体のリスク・ウェイトは、前条第四項に規定するデュー・ディリジェンス分析の結果を踏まえた値とするものとする。

カバード・ボンド発行体のリスク・ウェイト

(パーセント)

二十

三十

四十

五十

七十五

百五十

リスク・ウェイト

(パーセント)

十五

二十

二十五

三十五

五十

3 第一項の「適格資産要件」とは、次に掲げる要件の全てを満たすことをいう。

一 カバー・プール(カバード・ボンドの原資産の集合をいう。以下この条において同じ。)に含まれる資産が次に掲げる要件のいずれかを満たすこと。ただし、カバード・ボンド発行体が当該カバー・プールに代替資産(カバー・プール内の資産の毀損に備えて追加される当該資産の代わりに保有される現金又は短期かつ流動性の高い資産をいう。)又はカバー・プール内の資産が毀損するリスクをヘッジするための派生商品取引を含めることを妨げない。

イ 中央政府、中央銀行、国際決済銀行、国際通貨基金、欧州中央銀行、欧州連合、欧州安定メカニズム、欧州金融安定ファシリティ、国際開発銀行、我が国の地方公共団体、地方公共団体金融機構、我が国の政府関係機関及び外国の中央政府等以外の公共部門に対する貸出債権、社債その他の債権(以下この号において「貸出債権等」という。)又はそれらにより保証された貸出債権等であること。

ロ 健全な審査及び保全の要件に服する居住の用に供する目的の不動産(居住施設であり、かつ、当該不動産を居住の用に供するための法令(外国の法令を含む。)に照らして有効であるものをいう。ハ及び第四十一条の四第一項第一号において同じ。)が担保に付されている貸出債権等であり、かつ、ローン・トゥ・バリュー(貸出債権等の額を担保に付されている物件の価値で除して得た値をいう。ハにおいて同じ。)が八十パーセント以下であること。

ハ 健全な審査及び保全の要件に服する居住の用に供する目的の不動産以外の不動産が担保に付されている貸出債権等であり、かつ、ローン・トゥ・バリューが六十パーセント以下であること。

ニ 自己資本比率規制金融機関のうち前条第一項又は第八項の規定により三十パーセント以下のリスク・ウェイトが適用されるものに対する貸出債権等又は当該自己資本比率規制金融機関により保証された貸出債権等であって、これらの貸出債権等の額のカバード・ボンドの発行時の価格に対する割合が十五パーセントを上回らないこと。

二 カバード・ボンド発行体がカバード・ボンドに対して割り当てるカバー・プールの名目額(カバー・プールに含まれる貸出債権等の合計額をいう。次項第一号イにおいて同じ。)の当該カバード・ボンドの残高に対する割合が、百十パーセントを下回らないこと(当該割合を規制する法的枠組みがないときは、当該カバード・ボンド発行体が、当該割合が百十パーセントを下回らないことを定期的に開示するものであることを含む。)。

三 前二号に掲げる要件がカバード・ボンドの組成時から満期までの期間において満たされること。

4 第一項の「開示要件」とは、標準的手法採用金庫が次に掲げる事項の全てを金融庁長官及び厚生労働大臣の求めに応じて提出することができるように整備していることをいう。

一 カバード・ボンドに係る次に掲げる情報

イ カバー・プールの名目額及び当該カバード・ボンドの残高

ロ カバー・プールに含まれる資産の種類及び地理的分布並びにカバー・プールに含まれる貸出債権等の数

ハ 当該カバード・ボンドの発行により、カバード・ボンド発行体に発生し得る金利及び為替リスク

ニ カバー・プールの構成資産及びカバード・ボンドのマチュリティ

ホ カバー・プールのうち、九十日超又は三月以上延滞している貸出金の割合

二 標準的手法採用金庫が発行体から前号イからホまでに掲げる情報を半年に一回以上の頻度で受領していること。

5 第一項において、標準的手法採用金庫によるデュー・ディリジェンス分析の結果、カバード・ボンドの信用状態が当該カバード・ボンドに付与された個別格付に対応した信用リスク区分の示す信用状態よりも高いリスクを有すると評価されるときは、当該個別格付に対応する信用リスク区分よりも一段階以上下位の信用リスク区分に応じたリスク・ウェイトを用いるものとする。ただし、当該個別格付に対応する信用リスク区分よりも上位の信用リスク区分に応じたリスク・ウェイトは、用いないものとする。

6 第一項及び前三項の「カバード・ボンド」とは、次に掲げる要件の全てを満たす債券をいう。

一 法令(外国の法令を含む。)に基づき、その保有者を保護するために中央政府、中央銀行等又は中央政府以外の公共部門の監督に服していること。

二 法令(外国の法令を含む。)に基づき、その発行代り金を次に掲げる要件の全てを満たす資産に投資することが求められるものであること。

イ 当該債券が有効に存在している間、これに付随する請求権を補填することが可能であること。

ロ 当該債券の発行者に債務不履行が生じた場合には、当該債券の元本及び利息を優先的に返済するために用いることが可能であること。

 

(第一種金融商品取引業者向けエクスポージャー)

第三十五条 第一種金融商品取引業者向けエクスポージャーのリスク・ウェイトは、その第一種金融商品取引業者がバーゼル銀行監督委員会の定める自己資本比率の基準又はこれと類似の基準の適用を受ける場合に限り、第三十四条の規定に従うものとする。経営管理会社についても、同様とする。

2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる要件の全てに該当する第一種金融商品取引業者及び経営管理会社に対するエクスポージャーのリスク・ウェイトは、第三十四条の規定によることができる。

一 外国の法令に準拠して設立され、かつ、本邦以外の国又は地域において同種類の業務を行う者であること。

二 設立された国又は地域の金融当局の定めるところにより自己資本比率規制金融機関に準ずる者と認められた者であること。

(平一九金庁厚労告一二・平二五金庁厚労告一・令六金庁厚労告一・一部改正)

(保険会社向けエクスポージャー)

第三十五条の二 保険会社又は保険持株会社に対するエクスポージャー(第三十七条第一項において「保険会社向けエクスポージャー」という。)のリスク・ウェイトは、第三十四条の規定に従うものとする。

2 次に掲げる要件の全てに該当する保険会社に準ずる外国の者及び保険持株会社に準ずる外国の者に対するエクスポージャーのリスク・ウェイトは、第三十四条の規定によることができる。

一 外国の法令に準拠して設立され、かつ、本邦以外の国又は地域において同種類の業務を行う者であること。

二 設立された国又は地域の金融当局の定めるところにより自己資本比率規制金融機関に準ずる者と認められた者であること。

 

(法人等向けエクスポージャー)

第三十六条 法人等向けエクスポージャー(法人等(会社、組合、信託、基金、事業者たる個人その他これらに準ずる事業体をいい、外国におけるこれらに相当するものを含み、第二十七条から前条までに規定するものを除く。第四項、次条第四項第六号及び第四十九条第三項第一号において同じ。)に対するエクスポージャーをいう。以下同じ。)に格付がある場合のリスク・ウェイトは、当該格付に対応する信用リスク区分に応じ、次の表の左欄に定めるものとする。

信用リスク区分

4―1

4―2

4―3

4―4

4―5

リスク・ウェイト(パーセント)

二十

五十

七十五

百五十

2 前項において、標準的手法採用金庫によるデュー・ディリジェンス分析の結果、債務者の信用状態が格付に対応する信用リスク区分の示す信用状態よりも高いリスクを有すると評価されるときは、当該格付に対応する信用リスク区分よりも一段階以上下位の信用リスク区分に応じたリスク・ウェイトを用いるものとする。ただし、当該格付に対応する信用リスク区分よりも上位の信用リスク区分に応じたリスク・ウェイトは、用いないものとする。

3 法人等向けエクスポージャーが無格付の場合には、そのリスク・ウェイトは、百パーセントとする。ただし、その債務者が中堅中小企業等に該当する場合には、八十五パーセントとすることができる。

4 前項の「中堅中小企業等」とは、法人等のうち、当該法人等の売上高(連結財務諸表を作成している場合及び標準的手法採用金庫が同一のグループに属するものとして管理している場合にあっては、連結の売上高。以下この項において同じ。)が五十億円未満のものをいう。ただし、当該法人等が卸売業を営む場合その他の当該法人等の事業規模を判断するに当たって当該法人等の売上高を用いることが適切でない場合には、総資産が五十億円未満のものをこれに含めることができる。

 

(特定貸付債権向けエクスポージャー)

第三十六条の二 前条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる事業に対する法人等向けエクスポージャー(以下この条及び次条第一項において「特定貸付債権向けエクスポージャー」という。)のリスク・ウェイトは、当該特定貸付債権向けエクスポージャーに対して付与された個別格付に対応する信用リスク区分に応じ、前条第一項の表の左欄に定めるものとする。この場合において、当該特定貸付債権向けエクスポージャーの債務者に債務者信用力格付があるときは、当該債務者信用力格付をリスク・ウェイトの判定に用いないものとする。

一 発電プラント、化学プラント、鉱山事業、交通インフラ、環境インフラ、通信インフラその他の特定の事業に対する信用供与のうち、利払い及び返済の原資を主として当該事業からの収益に限定し、かつ、信用供与の条件を通じて信用供与を行った者が当該事業の有形資産及び当該有形資産からの収益について相当程度の支配権を有しているもの(第三項第三号及び第四号並びに第四項において「プロジェクト・ファイナンス向けエクスポージャー」という。)

二 船舶、航空機、衛星、鉄道、車両その他の有形資産の取得のための信用供与のうち、利払い及び返済の原資を主として当該有形資産からの収益に限定し、かつ、当該有形資産を担保の目的とするものであって、信用供与の条件を通じて信用供与を行った者が当該有形資産及び当該有形資産からの収益について相当程度の支配権を有しているもの(第三項第一号において「オブジェクト・ファイナンス向けエクスポージャー」という。)

三 原油、金属、穀物その他の商品取引所の上場商品の支払準備金、在庫又は売掛債権の資金調達のための短期の信用供与のうち、利払い及び返済の原資を主として当該上場商品の売却代金に限定し、かつ、信用供与の条件を通じて信用供与を行った者が当該上場商品及び当該上場商品からの収益について相当程度の支配権を有しているもの(第三項第二号において「コモディティ・ファイナンス向けエクスポージャー」という。)

2 特定貸付債権向けエクスポージャーに係るデュー・ディリジェンス分析の結果、当該特定貸付債権向けエクスポージャーに係る事業の信用状態が個別格付に対応する信用リスク区分の示す信用状態よりも高いリスクを有すると評価されるときは、当該個別格付に対応する信用リスク区分よりも一段階以上下位の信用リスク区分に応じたリスク・ウェイトを用いるものとする。ただし、当該個別格付に対応する信用リスク区分よりも上位の信用リスク区分に応じたリスク・ウェイトは、用いないものとする。

3 特定貸付債権向けエクスポージャーが無格付である場合には、次の各号に掲げるエクスポージャーの区分に応じ、当該各号に定めるリスク・ウェイトを適用するものとする。

一 オブジェクト・ファイナンス向けエクスポージャー 百パーセント

二 コモディティ・ファイナンス向けエクスポージャー 百パーセント

三 運用段階前のプロジェクト・ファイナンス向けエクスポージャー 百三十パーセント

四 運用段階のプロジェクト・ファイナンス向けエクスポージャー 百パーセント

4 前項第四号の規定にかかわらず、標準的手法採用金庫は、運用段階のプロジェクト・ファイナンス向けエクスポージャーのうち、次に掲げる要件の全てを満たすもののリスク・ウェイトを八十パーセントとすることができる。

一 当該プロジェクト・ファイナンス向けエクスポージャーの債務者が、その負担している金銭債務を返済計画に従って履行する能力を有していること。

二 当該標準的手法採用金庫が、前号に規定する能力について景気循環や事業環境の変化の影響を受けにくいと判断していること。

三 当該標準的手法採用金庫の不利益となる行為を債務者が行うことが制限されていること。

四 当該プロジェクト・ファイナンス向けエクスポージャーに係る事業における偶発的な支出への対応及び運転資本要件の充足のため、十分な財務上の措置が行われていること。

五 次に掲げる要件のいずれかを満たすこと。

イ 次に掲げる要件の全てを満たす契約がオフテイカー(当該プロジェクト・ファイナンス向けエクスポージャーに係る事業の目的たる物及びサービス等の購入者をいう。以下この項において同じ。)と締結されていること。

(1) 当該事業に用いられる施設等の建設が完了している場合において、当該事業の運営に要する運営費、修繕費、債務の弁済に係る費用及び配当金に充てる安定的かつ十分な額がオフテイカーから支払われること。

(2) 当該事業に用いられる施設等があらかじめ定められた性能を欠く場合又は当該施設等の利用が行えない場合を除き、支払額が当該事業の目的たる物及びサービス等の需要に影響されず、減額されないこと。

ロ 当該プロジェクト・ファイナンス向けエクスポージャーに係る事業の収入が、当該事業の実行される法域における公正報酬率規制(当該法域における規制当局が当該事業につき適正と判断する利益率等を定める規制をいう。)に従うものであること。

ハ 当該プロジェクト・ファイナンス向けエクスポージャーに係る事業の収入について、オフテイカーとテイク・オア・ペイ契約(事業の目的たる物及びサービス等の受領の有無にかかわらず、定められた条件に基づき一定額を対価として債務者に支払う旨を約する契約をいう。)が締結されていること。

六 当該プロジェクト・ファイナンス向けエクスポージャーに係る利払い及び返済の原資を主として信用力の高いオフテイカー(中央政府、中央銀行、国際決済銀行、国際通貨基金、欧州中央銀行、欧州連合、欧州安定メカニズム、欧州金融安定ファシリティ、国際開発銀行、我が国の地方公共団体、地方公共団体金融機構、土地開発公社、地方住宅供給公社、地方道路公社、我が国の政府関係機関、外国の中央政府及び中央銀行以外の公共部門並びに法人等(前条の規定により八十パーセント以下のリスク・ウェイトが適用されるものに限る。)に該当するオフテイカーをいう。第八号において同じ。)からの収入に依存していること。

七 当該プロジェクト・ファイナンス向けエクスポージャーに係る信用供与に関する契約に、債務不履行事由が生じた場合における実効性のある債権者の保護に関する規定が設けられていること。

八 信用力の高いオフテイカーが当該プロジェクト・ファイナンス向けエクスポージャーに係る事業に関わる契約を解除する場合において、当該信用力の高いオフテイカーが当該事業に損失を生じさせないための必要な措置を講ずることが予定されていること。

九 当該プロジェクト・ファイナンス向けエクスポージャーに係る事業の運営に必要となる資産及び当該プロジェクト・ファイナンス向けエクスポージャーの債務者の有する契約上の権利が、当該事業に適用される法令(外国の法令を含む。)の規定に基づき認められる範囲において担保に供されていること。

十 債務不履行事由が生じた場合に、債権者(当該標準的手法採用金庫を含む。)が当該プロジェクト・ファイナンス向けエクスポージャーに係る事業に対する支配権を取得できること。

5 第三項第三号及び第四号並びに前項の「運用段階」とは、プロジェクトを運営する事業体が、次に掲げる要件の全てを満たす段階をいう。

一 契約上の残存債務を負うのに十分な正のネット・キャッシュ・フローを有していること。

二 長期債務が減少していること。

 

(短期格付による例外)

第三十七条 金融機関向けエクスポージャー、第一種金融商品取引業者向けエクスポージャー、保険会社向けエクスポージャー又は法人等向けエクスポージャー(特定貸付債権向けエクスポージャーを含む。)に対して短期格付が付与されている場合には、第三十四条から前条までの規定にかかわらず、これらのエクスポージャーのリスク・ウェイトは、当該短期格付に対応する信用リスク区分に応じ、次の表の左欄に定めるものとする。

信用リスク区分

5―1

5―2

5―3

5―4

リスク・ウェイト(パーセント)

二十

五十

百五十

2 前項の規定により五十パーセント又は百パーセントのリスク・ウェイトが適用されるエクスポージャーの債務者に対して標準的手法採用金庫が短期かつ無格付のエクスポージャーを有する場合、当該短期かつ無格付のエクスポージャーのリスク・ウェイトは、百パーセントを下回らないものとする。

3 標準的手法採用金庫は、第一項の規定により百五十パーセントのリスク・ウェイトが適用されるエクスポージャーの債務者について、他の無格付のエクスポージャーについても百五十パーセントのリスク・ウェイトを適用するものとする。

4 第一項の規定が適用される金融機関向けエクスポージャー(第三十四条の規定による第一種金融商品取引業者向けエクスポージャー及び保険会社向けエクスポージャーを含む。以下この項において同じ。)の債務者に対して標準的手法採用金庫が当該金融機関向けエクスポージャー以外の短期エクスポージャー(短期格付が付与されておらず、かつ、同条第二項第二号に該当するものをいう。)を有する場合には、当該短期エクスポージャーのリスク・ウェイトは、同条第一項又は第二項及び第四項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。ただし、同条第一項及び第四項の規定により三十パーセント、五十パーセント又は百パーセントと判定されたリスク・ウェイトを当該短期エクスポージャーに適用する場合は、この限りでない。

一 当該金融機関向けエクスポージャーのリスク・ウェイトが、第三十四条第一項又は第二項及び第四項の規定による当該短期エクスポージャーのリスク・ウェイトを上回る場合 当該金融機関向けエクスポージャーのリスク・ウェイト

二 前号に掲げる場合以外の場合 第三十四条第一項又は第二項及び第四項の規定により判定されたリスク・ウェイト

 

(適格中堅中小企業等向けエクスポージャー及び個人向けエクスポージャー)

第三十八条 標準的手法採用金庫は、中堅中小企業等向けエクスポージャー又は個人向けエクスポージャーであり、かつ、次に掲げる要件の全てを満たすもの(第三項及び第四十二条第二項において「適格中堅中小企業等向けエクスポージャー又は適格個人向けエクスポージャー」という。)のリスク・ウェイトは、七十五パーセントとすることができる。ただし、債券及び第四節に定めるところにより与信相当額の算出を行うものについては、この限りでない。

一 一の債務者(中堅中小企業等(第三十六条第四項に規定する中堅中小企業等をいう。次項において同じ。)及び個人に限る。次号及び同項において同じ。)に対するエクスポージャー(次に掲げるものを除く。)の額(次節に規定するオフ・バランス取引の与信相当額を含み、かつ、第四節に定めるところにより算出した与信相当額を含まないものであって、第六節に規定する信用リスク削減手法を適用する前のものとする。同号において同じ。)を合計した額から信用保証協会等により保証されたエクスポージャーの額を控除した額が、一億円以下であること。

イ 債券に対するエクスポージャー

ロ 次条から第四十条の二まで、第四十一条の二及び第四十七条に規定するエクスポージャー(第四十一条の二に規定するエクスポージャーにあっては、居住用不動産を担保に設定しているものに限る。)

二 一の債務者に対するエクスポージャーの額を合計した額から信用保証協会等により保証されたエクスポージャーの額を控除した額が、前号に掲げる要件を満たすエクスポージャーの額(第四十二条に規定するエクスポージャーの額を除く。)を合計した額の〇・二パーセントを超えないこと。

2 前項各号において、標準的手法採用金庫が複数の中堅中小企業等又は個人に対する信用の供与に際し、当該複数の中堅中小企業等又は個人の間に密接不可分な関係があると判断していた場合には、それらを一体として一の債務者とみなす。

3 適格中堅中小企業等向けエクスポージャー又は適格個人向けエクスポージャーのうち、次の各号に掲げるエクスポージャーの区分に応じ当該各号に定める要件を満たすもののリスク・ウェイトは、四十五パーセントとすることができる。

一 クレジット・カードの利用に係るエクスポージャー(当該クレジット・カードを提示して、特定の販売業者から商品若しくは権利を購入し、又は特定の役務の提供の事業を営む者から有償で役務の提供を受けることにより発生する債務に係るエクスポージャーに限る。) 過去十二月にわたり、遅滞なく、定められた時期に返済が履行されていること。

二 前号に該当しないエクスポージャーであり、かつ、リボルビング型エクスポージャーに該当するもののうち、第四十九条第一項の表の第三号に規定するコミットメント以外のエクスポージャー 過去十二月にわたり債務の残高が零であること。

4 第一項各号に掲げる要件のいずれかを満たさない個人向けエクスポージャーのリスク・ウェイトは、百パーセントとする。

 

(自己居住用不動産等向けエクスポージャー)

第三十九条 前条の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する住宅の取得等に係るエクスポージャー(以下「自己居住用不動産等向けエクスポージャー」という。)であって、適格性の要件の全てを満たすもののリスク・ウェイトは、次の表に掲げる当該自己居住用不動産等向けエクスポージャーのLTV比率の区分に応じ、同表の左欄に定めるものとする。

LTV比率

五十以下

五十超六十以下

六十超八十以下

八十超九十以下

九十超百以下

百超

リスク・ウェイト

(パーセント)

二十

二十五

三十

四十

五十

七十

一 次に掲げる要件の全てを満たす住宅ローン

イ 個人向けの貸付けであること。

ロ 抵当権が設定されている住宅が、債務者による自己居住目的(別荘その他これに類するものを除く。)であること。

ハ 資金使途が住宅の建設、取得、増改築その他の住宅関連費用に限定されていること。

二 次に掲げる要件の全てを満たすエクスポージャー

イ 個人向けの貸付けであること。

ロ 資金使途が住宅の建設、取得、増改築その他の住宅関連費用に限定されており、当該住宅に抵当権が設定されていること。

ハ 次に掲げる要件のいずれかに該当すること。

(1) 賃貸に供する目的でないこと。

(2) 賃貸に供する目的である場合には、返済が専ら資金使途の目的である住宅からの賃料その他の収入に依存していないこと。

ニ 一の債務者に対するエクスポージャーの額(第六節に規定する信用リスク削減手法を適用する前のものであり、かつ、資金使途が住宅の建設、取得、増改築その他の住宅関連費用に限定されているもの(返済が専ら当該住宅からの賃料その他の収入に依存しているものを除く。)とする。)が一億円以下であること。

2 自己居住用不動産等向けエクスポージャーが適格性の要件を満たさない場合のリスク・ウェイトは、七十五パーセントとする。

3 前二項の「適格性の要件」とは、次に掲げる要件をいう。

一 抵当権が設定された物件の建設が完了していること。ただし、第一項第一号に該当する自己居住用不動産等向けエクスポージャーについては、この限りでない。

二 抵当権が第一順位であること。ただし、抵当権が第二順位以下である場合において、LTV比率が百以下であるときは、この限りでない。

三 債務者の返済能力が、適切な審査基準(債務者の返済能力を評価するために、当該返済能力を測定するための指標が定義されており、かつ、当該返済能力を評価するための当該指標の水準が定められているものをいう。第四十条第三項第三号において同じ。)に基づいて適当であると評価されていること。

四 信用供与の担保に付されている物件の価値の評価が、次に掲げる要件の全てを満たしていること。

イ 健全かつ保守的な算定基準が設けられていること。

ロ 信用供与に関する一連の手続から独立していること。

ハ 債務者の返済能力又は業績に大きく依存するものでないこと。

ニ 将来において生ずることが見込まれる物件の価値の上昇が反映されていないこと。

ホ 現在の物件の価値が、信用供与の期間にわたり継続することが見込まれる物件の価値に比して過大に評価されている可能性がある場合には、適切な調整が行われていること。

ヘ 物件の市場価値を取得できる場合には、当該市場価値を上回るものでないこと。

五 信用供与の期間にわたり継続的に信用リスクの監視を行うために必要な情報(第三号に規定する債務者の返済能力及び前号に規定する物件の価値の評価に関する情報を含む。)に関する文書が適切に作成されていること。

4 第一項及び前項の「LTV比率」とは、第一号に定める額を第二号に定める額で除して得た割合を百分率で表した値をいう。

一 第一項に定めるリスク・ウェイトを適用する算出基準日時点のエクスポージャーの額(第六節に規定する信用リスク削減手法を適用する前のものとする。以下この条から第四十一条の五までにおいて同じ。)。ただし、抵当権が第二順位以下である場合には、当該エクスポージャーの額に先順位及び同順位の抵当権設定者(標準的手法採用金庫自らを除く。)の担保に付された物件により保全された算出基準日時点のエクスポージャーの額を加えた額とする。

二 信用供与の実行時点における担保に付された物件の価値を前項第四号に掲げる要件を満たす方法により算出した額。この場合において、イに掲げる場合に該当するときは当該額を下方修正するものとし、ロに掲げる場合に該当するときは当該額を上方修正することができるものとする。

イ 固有の事象により物件価値の永続的な減少が明らかな場合

ロ 増改築により物件価値が上昇する場合

5 第三項に規定する適格性の要件の全てを満たす自己居住用不動産等向けエクスポージャーのうち、当該自己居住用不動産等向けエクスポージャーに対する標準的手法採用金庫の抵当権が第二順位以下であるもののリスク・ウェイトは、第一項に定めるリスク・ウェイトに一・二五を乗じて得た値とする。ただし、前項に規定するLTV比率が五十以下である場合には、一・二五を乗じることを要しない。

 

(自己居住用不動産等向けエクスポージャーの例外)

第三十九条の二 標準的手法採用金庫は、適格性の要件の全てを満たす自己居住用不動産等向けエクスポージャーに対して、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるリスク・ウェイトを適用することができる。ただし、内部格付手法採用金庫が第十条第三項及び第十八条第三項に規定する標準的な手法により算出した所要自己資本の額を算出する場合は、この限りでない。

一 当該自己居住用不動産等向けエクスポージャーが抵当権により完全に保全されている場合 三十五パーセント

二 当該自己居住用不動産等向けエクスポージャーが抵当権により完全に保全されていない場合 七十五パーセント

2 前項の規定を適用する場合において、自己居住用不動産等向けエクスポージャーが適格性の要件を満たさない場合のリスク・ウェイトは、七十五パーセントとする。

3 前条第三項の規定は、標準的手法採用金庫が前二項の規定により自己居住用不動産等向けエクスポージャーのリスク・ウェイトを判定する場合について準用する。この場合において、同条第三項中「前二項」とあるのは「第三十九条の二第一項及び第二項」と、同項第二号中「LTV比率が百以下である」とあるのは「当該自己居住用不動産等向けエクスポージャーが抵当権により完全に保全されている」と読み替えるものとする。

 

(賃貸用不動産向けエクスポージャー)

第四十条 第三十六条及び第三十八条の規定にかかわらず、次に掲げる要件の全てを満たす住宅の取得等に係るエクスポージャー(以下「賃貸用不動産向けエクスポージャー」という。)であって、適格性の要件の全てを満たすもののリスク・ウェイトは、次の表に掲げる当該賃貸用不動産向けエクスポージャーのLTV比率の区分に応じ、同表の左欄に定めるものとする。

LTV比率

五十以下

五十超六十以下

六十超八十以下

八十超九十以下

九十超百以下

百超

リスク・ウェイト

(パーセント)

三十

三十五

四十五

六十

七十五

百五

一 抵当権が設定されている住宅が、賃貸に供する目的であり、かつ、資金使途が当該住宅の建設、取得、増改築その他の住宅関連費用に限定されていること。

二 次のいずれにも該当しないこと。

イ 住宅建設又は宅地開発を主たる業務として行っている事業者に対するエクスポージャー

ロ 資金使途が社宅等の建設、取得又は増改築であるエクスポージャー

三 返済が専ら当該住宅からの賃料その他の収入に依存していること(返済が専ら当該住宅からの賃料その他の収入に依存していないことを標準的手法採用金庫が説明することができない場合を含む。)。

2 賃貸用不動産向けエクスポージャーが適格性の要件を満たさない場合のリスク・ウェイトは、百五十パーセントとする。

3 前二項の「適格性の要件」とは、次に掲げる要件をいう。

一 抵当権が設定された物件の建設が完了していること。

二 抵当権が第一順位であること。ただし、抵当権が第二順位以下である場合において、LTV比率が百以下であるときは、この限りでない。

三 債務者の返済能力が、適切な審査基準に基づいて適当であると評価されていること。

四 信用供与の担保に付されている物件の価値の評価が、第三十九条第三項第四号イからヘまでに掲げる要件の全てを満たしていること。

五 信用供与の期間にわたり継続的に信用リスクの監視を行うために必要な情報(第三号に規定する債務者の返済能力及び前号に規定する物件の価値の評価に関する情報を含む。)に関する文書が適切に作成されていること。

4 第一項及び前項の「LTV比率」とは、第一号に定める額を第二号に定める額で除して得た割合を百分率で表した値をいう。

一 第一項に定めるリスク・ウェイトを適用する算出基準日時点のエクスポージャーの額。ただし、抵当権が第二順位以下である場合には、当該エクスポージャーの額に先順位及び同順位の抵当権設定者(標準的手法採用金庫自らを除く。)の担保に付された物件により保全された算出基準日時点のエクスポージャーの額を加えた額とする。

二 信用供与の実行時点における担保に付された物件の価値を前項第四号に掲げる要件を満たす方法により算出した額。この場合において、イに掲げる場合に該当するときは当該額を下方修正するものとし、ロに掲げる場合に該当するときは当該額を上方修正することができるものとする。

イ 固有の事象により物件価値の永続的な減少が明らかな場合

ロ 増改築により物件価値が上昇する場合

5 第三項に規定する適格性の要件の全てを満たす賃貸用不動産向けエクスポージャーのうち、当該賃貸用不動産向けエクスポージャーに対する標準的手法採用金庫の抵当権が第二順位以下であるもののリスク・ウェイトは、第一項に定めるリスク・ウェイトに一・二五を乗じて得た値とする。ただし、前項に規定するLTV比率が五十以下である場合には、一・二五を乗じることを要しない。

 

(賃貸用不動産向けエクスポージャーの例外)

第四十条の二 標準的手法採用金庫は、適格性の要件の全てを満たす賃貸用不動産向けエクスポージャーに対して、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるリスク・ウェイトを適用することができる。ただし、内部格付手法採用金庫が第十条第三項及び第十八条第三項に規定する標準的な手法により算出した所要自己資本の額を算出する場合は、この限りでない。

一 当該賃貸用不動産向けエクスポージャーが抵当権により完全に保全されている場合 六十パーセント

二 当該賃貸用不動産向けエクスポージャーが抵当権により完全に保全されていない場合 百五パーセント

2 前項の規定を適用する場合において、賃貸用不動産向けエクスポージャーが適格性の要件を満たさない場合のリスク・ウェイトは、百五十パーセントとする。

3 前条第三項の規定は、標準的手法採用金庫が前二項の規定により賃貸用不動産向けエクスポージャーのリスク・ウェイトを判定する場合について準用する。この場合において、同条第三項中「前二項」とあるのは「第四十条の二第一項及び第二項」と、同項第二号中「LTV比率が百以下である」とあるのは「当該賃貸用不動産向けエクスポージャーが抵当権により完全に保全されている」と読み替えるものとする。

 

(事業用不動産関連エクスポージャー)

第四十一条 第三十四条及び第三十五条から第三十八条までの規定にかかわらず、次に掲げる要件の全てを満たす不動産の建設、取得、増改築その他の不動産関連費用又は運用を目的とした事業向けのエクスポージャー(以下「事業用不動産関連エクスポージャー」という。)であって、適格性の要件の全てを満たすもののリスク・ウェイトは、次の表に掲げる当該事業用不動産関連エクスポージャーのLTV比率の区分に応じ、同表の左欄に定めるものとする。

LTV比率

六十以下

六十超八十以下

八十超

リスク・ウェイト

(パーセント)

七十

九十

百十

一 信用供与の目的とする不動産に抵当権その他の担保権が設定されていること。

二 返済が専ら当該不動産からの賃料その他の収入に依存していること(返済が専ら当該不動産からの賃料その他の収入に依存していないことを標準的手法採用金庫が説明することができない場合を含む。)。

2 事業用不動産関連エクスポージャーが適格性の要件を満たさない場合のリスク・ウェイトは、百五十パーセントとする。

3 第四十条第三項の規定は、標準的手法採用金庫が前二項の規定により事業用不動産関連エクスポージャーのリスク・ウェイトを判定する場合について準用する。この場合において、同条第三項中「前二項」とあるのは「第四十一条第一項及び第二項」と、同項第一号中「抵当権」とあるのは「抵当権その他の担保権」と、同項第二号中「抵当権」とあるのは「抵当権その他の担保権」と、「百」とあるのは「八十」と読み替えるものとする。

4 第一項及び前項において準用する第四十条第三項の「LTV比率」とは、第一号に定める額を第二号に定める額で除して得た割合を百分率で表した値をいう。

一 第一項に定めるリスク・ウェイトを適用する算出基準日時点のエクスポージャーの額。ただし、抵当権その他の担保権が第二順位以下である場合には、当該エクスポージャーの額に先順位及び同順位の抵当権その他の担保権の設定者(標準的手法採用金庫自らを除く。)の担保に付された物件により保全された算出基準日時点のエクスポージャーの額を加えた額とする。

二 信用供与の実行時点における担保に付された物件の価値を前項において準用する第四十条第三項第四号に掲げる要件を満たす方法により算出した額。この場合において、イに掲げる場合に該当するときは当該額を下方修正するものとし、ロに掲げる場合に該当するときは当該額を上方修正することができるものとする。

イ 固有の事象により物件価値の永続的な減少が明らかな場合

ロ 増改築により物件価値が上昇する場合

5 第三項において準用する第四十条第三項に規定する適格性の要件の全てを満たす事業用不動産関連エクスポージャーのうち、当該事業用不動産関連エクスポージャーに対する標準的手法採用金庫の抵当権その他の担保権が第二順位以下であるもののリスク・ウェイトは、第一項に定めるリスク・ウェイトに一・二五を乗じて得た値とする。ただし、前項に規定するLTV比率が六十以下である場合には、一・二五を乗じることを要しない。

 

(その他不動産関連エクスポージャー)

第四十一条の二 第三十四条及び第三十五条から第三十八条までの規定にかかわらず、次に掲げる要件の全てを満たす不動産の建設、取得、増改築その他の不動産関連費用又は運用を目的とするエクスポージャーであって、適格性の要件の全てを満たすもの(次項において「その他不動産関連エクスポージャー」という。)のリスク・ウェイトは、六十パーセントとすることができる。

一 自己居住用不動産等向けエクスポージャー、賃貸用不動産向けエクスポージャー又は事業用不動産関連エクスポージャーでないこと。

二 信用供与の目的とする不動産に抵当権その他の担保権が設定されていること。

三 LTV比率が六十以下であること。

2 第四十条第三項(第二号を除く。)の規定は、標準的手法採用金庫が前項の規定によりその他不動産関連エクスポージャーのリスク・ウェイトを判定する場合について準用する。この場合において、同条第三項中「前二項」とあるのは「第四十一条の二第一項」と、同項第一号中「抵当権」とあるのは「抵当権その他の担保権」と読み替えるものとする。

3 第一項第三号の「LTV比率」とは、第一号に定める額を第二号に定める額で除して得た割合を百分率で表した値をいう。

一 第一項に定めるリスク・ウェイトを適用する算出基準日時点のエクスポージャーの額。ただし、抵当権その他の担保権が第二順位以下である場合には、当該エクスポージャーの額に先順位及び同順位の抵当権その他の担保権の設定者(標準的手法採用金庫自らを除く。)の担保に付された物件により保全された算出基準日時点のエクスポージャーの額を加えた額とする。

二 信用供与の実行時点における担保に付された物件の価値を前項において準用する第四十条第三項第四号に掲げる要件を満たす方法により算出した額。この場合において、イに掲げる場合に該当するときは当該額を下方修正するものとし、ロに掲げる場合に該当するときは当該額を上方修正することができるものとする。

イ 固有の事象により物件価値の永続的な減少が明らかな場合

ロ 増改築により物件価値が上昇する場合

 

(ADC向けエクスポージャー)

第四十一条の三 第三十六条、第三十六条の二及び第四十一条の規定にかかわらず、法人等向けエクスポージャーのうち、土地の取得、開発及び建物の建築のための信用供与であって、信用供与の実行日において当該信用供与の返済原資が当該不動産の不確実な売却又は相当程度不確実なキャッシュ・フローに基づいているもの(当該不動産の所在地における同様の不動産の使用割合に満たない場合を含む。次条において「ADC向けエクスポージャー」という。)のリスク・ウェイトは、百五十パーセントとする。ただし、計画の承認が得られていない又は計画の承認の申請を行う予定がない林地及び立木並びに農地の取得のための信用供与である場合は、この限りでない。

(令六金庁厚労告一・追加)

(ADC向けエクスポージャーの例外)

第四十一条の四 前条の規定にかかわらず、次に掲げる要件の全てを満たすADC向けエクスポージャーであって、適格性の要件の全てを満たすもののリスク・ウェイトは、百パーセントとすることができる。

一 信用供与の目的とする不動産が居住の用に供する目的の不動産であること。

二 信用供与の目的とする不動産について、法的に有効な事前の販売契約又は賃貸契約が締結されていること。

三 信用供与の目的とする不動産に係る事前の販売契約又は賃貸契約に基づく払込額が契約金の総額の大半に達していること。

四 前号の払込額について、契約が解除された場合において返金を要しないこと。

2 第四十条第三項(第一号及び第二号ただし書を除く。)の規定は、標準的手法採用金庫が前項の規定によりADC向けエクスポージャーのリスク・ウェイトを適用する場合について準用する。この場合において、同条第三項中「前二項」とあるのは、「第四十一条の四第一項」と読み替えるものとする。

 

(LTV比率算出の特例)

第四十一条の五 第三十九条第四項及び第四十条第四項の規定にかかわらず、標準的手法採用金庫は、第三十九条第一項、第三項及び第五項並びに第四十条第一項、第三項及び第五項のLTV比率に代えて、第一号に定める額を第二号に定める額で除して得た割合を百分率で表した値を用いることができる。ただし、内部格付手法採用金庫が第十条第三項及び第十八条第三項に規定する標準的な手法により算出した所要自己資本の額を算出する場合は、この限りでない。

一 第三十九条第一項又は第四十条第一項に定めるリスク・ウェイトを適用する算出基準日時点のエクスポージャーの額。ただし、抵当権が第二順位以下である場合には、当該エクスポージャーの額に先順位及び同順位の抵当権設定者(標準的手法採用金庫自らを除く。)の担保に付された物件により保全された算出基準日時点のエクスポージャーの額を加えた額とする。

二 担保に付された物件の価値を第三十九条第三項第四号又は第四十条第三項第四号に掲げる要件を満たす方法により算出した額。この場合において、イに掲げる場合に該当するときは当該額を下方修正するものとし、ロに掲げる場合に該当するときは当該額を上方修正することができるものとする。

イ 固有の事象により物件価値の永続的な減少が明らかな場合

ロ 増改築により物件価値が上昇する場合

2 第四十一条第四項及び第四十一条の二第三項の規定にかかわらず、標準的手法採用金庫は、第四十一条第一項、同条第三項において準用する第四十条第三項及び第四十一条第五項並びに第四十一条の二第一項第三号のLTV比率に代えて、第一号に定める額を第二号に定める額で除して得た割合を百分率で表した値を用いることができる。ただし、内部格付手法採用金庫が第十条第三項及び第十八条第三項に規定する標準的な手法により算出した所要自己資本の額を算出する場合は、この限りでない。

一 第四十一条第一項又は第四十一条の二第一項に定めるリスク・ウェイトを適用する算出基準日時点のエクスポージャーの額。ただし、抵当権その他の担保権が第二順位以下である場合には、当該エクスポージャーの額に先順位及び同順位の抵当権その他の担保権の設定者(標準的手法採用金庫自らを除く。)の担保に付された物件により保全された算出基準日時点のエクスポージャーの額を加えた額とする。

二 担保に付された物件の価値を第四十条第三項第四号に掲げる要件を満たす方法により算出した額。この場合において、イに掲げる場合に該当するときは当該額を下方修正するものとし、ロに掲げる場合に該当するときは当該額を上方修正することができるものとする。

イ 固有の事象により物件価値の永続的な減少が明らかな場合

ロ 増改築により物件価値が上昇する場合

 

(劣後債権その他資本性証券のエクスポージャー)

第四十一条の六 第二十七条から前条までの規定にかかわらず、次条から第四十七条の四の二までの規定のいずれにも該当しないエクスポージャーであって、劣後債権その他資本性証券に係るもののリスク・ウェイトは、百五十パーセントとする。

 

(延滞エクスポージャー)

第四十二条 第二十七条から前条まで(第三十九条を除く。)の規定にかかわらず、次の各号に掲げる事由が生じたエクスポージャー(次項、第四項及び次条第一項において「延滞エクスポージャー」という。)のうち、適格金融資産担保によって信用リスクが削減されていない部分、保証を用いている場合の被保証でない部分及びクレジット・デリバティブを用いている場合のプロテクションが提供されていない部分に適用するリスク・ウェイトは、当該延滞エクスポージャーの額及び部分直接償却の額の合計額に対する個別貸倒引当金等の額(個別貸倒引当金の額及び部分直接償却の額の合計額をいう。)の割合の区分に応じ、次の表の下欄に定めるものとする。

当該延滞エクスポージャーの額及び部分直接償却の額の合計額に対する個別貸倒引当金等の額(個別貸倒引当金の額及び部分直接償却の額の合計額をいう。)の割合

リスク・ウェイト(パーセント)

二十パーセント未満

百五十

二十パーセント以上五十パーセント未満

五十パーセント以上

五十

一 標準的手法採用金庫が、債務者に対するエクスポージャーを金融機能の再生のための緊急措置に関する法律施行規則(平成十年金融再生委員会規則第二号。以下「金融再生法施行規則」という。)第四条第二項に規定する破産更生債権及びこれらに準ずる債権、同条第三項に規定する危険債権又は同条第四項に規定する要管理債権に該当するものと査定する事由が生ずること。

二 標準的手法採用金庫が、当該債務者に対するエクスポージャーについて、重大な経済的損失を伴う売却を行うこと。

三 当該債務者に対する当座貸越については、約定の限度額(設定されていない場合は零とみなす。)を超過した日又は現時点の貸越額より低い限度額を通知した日の翌日を起算日として三月以上当該限度額を超過すること。

2 一のエクスポージャーについて前項各号に掲げる事由が生じた場合は、当該エクスポージャーの債務者に対する他のエクスポージャーについても延滞エクスポージャーとする。ただし、適格中堅中小企業等向けエクスポージャー又は適格個人向けエクスポージャー及び個人向けエクスポージャー(第三十八条第四項の規定により百パーセントのリスク・ウェイトが適用されるものに限る。)については、この限りでない。

3 延滞エクスポージャーについて第一項各号に掲げる事由が解消されたと認められる場合には、標準的手法採用金庫は、そのエクスポージャーを延滞エクスポージャーとして取り扱わないものとする。

4 前項のエクスポージャーについて再度第一項各号に掲げる事由が生じた場合には、標準的手法採用金庫は、当該エクスポージャーを延滞エクスポージャーとして取り扱うものとする。

5 第一項において、標準的手法採用金庫は、金融再生法施行規則第四条第四項に規定する三月以上延滞債権に該当する事由が生じた場合に係る判定の基準として、三月以上に代えて九十日超を用いることができる。

 

(自己居住用不動産等向けエクスポージャーに係る延滞エクスポージャー)

第四十三条 自己居住用不動産等向けエクスポージャーに該当するエクスポージャーが延滞エクスポージャーである場合には、第三十九条、第三十九条の二及び前条の規定にかかわらず、当該エクスポージャーのリスク・ウェイトは、百パーセントとする。

2 前条第三項から第五項までの規定は、自己居住用不動産等向けエクスポージャーに係る延滞エクスポージャーの判定について準用する。この場合において、前条第三項及び第四項中「第一項各号」とあるのは「第四十二条第一項各号」と、同条第五項中「第一項」とあるのは「第四十三条第一項」と読み替えるものとする。

 

(取立未済手形)

第四十四条 第二十七条から前条までの規定にかかわらず、取立未済手形のリスク・ウェイトは、二十パーセントとする。

 

(信用保証協会等により保証されたエクスポージャー)

第四十五条 第二十七条から前条までの規定にかかわらず、信用保証協会等により保証されたエクスポージャーのリスク・ウェイトは、十パーセントとする。

2 前項の規定にかかわらず、中小企業信用保険法(昭和二十五年法律第二百六十四号)第二条第五項に規定する特定中小企業者に対する同法第十二条に規定する経営安定関連保証(信用保証協会(第一条第三十五号リに規定する信用保証協会をいう。)により債務の全額が保証されたものに限る。)であって国により当該保証に係る必要な財政上の措置が講じられているものその他これに類する保証に係るエクスポージャーのリスク・ウェイトは、零パーセントとする。

3 前二項に規定する保証については、第九十八条及び第百三条の規定は適用しないものとする。

(平二〇金庁厚労告八・平二一金庁厚労告一・平三〇金庁厚労告一・一部改正)

(株式会社地域経済活性化支援機構及び株式会社東日本大震災事業者再生支援機構により保証されたエクスポージャー)

第四十六条 第二十七条から前条までの規定にかかわらず、次に掲げる者により保証されたエクスポージャーのリスク・ウェイトは、十パーセントとする。

一 株式会社地域経済活性化支援機構

二 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構

2 前項に規定する保証については、第九十八条及び第百三条の規定は適用しないものとする。

 

(株式及び株式と同等の性質を有するものに対するエクスポージャー)

第四十七条 第二十七条から前条までの規定にかかわらず、株式及び株式と同等の性質を有するものに対するエクスポージャー(第四十七条の五の規定によりリスク・ウェイトを判定するエクスポージャーを除く。)のリスク・ウェイトは、次の各号に掲げる投資の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。

一 投機的な非上場株式に対する投資 四百パーセント

二 前号に掲げる投資以外の投資 二百五十パーセント

2 前項の「株式と同等の性質を有するもの」とは、次に掲げるものをいう。

一 次に掲げる性質の全てを有するもの

イ 償還されないこと。

ロ 発行体の債務を構成するものでないこと。

ハ 発行体に対する残余財産分配請求権又は剰余金配当請求権を付与するものであること。

二 金融機関のコア資本に係る基礎項目の額(第二条又は第十一条の算式におけるコア資本に係る基礎項目の額をいう。)又はTier1資本の額(銀行法第十四条の二の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準第二条第二号又は同告示第十四条第二号の算式におけるTier1資本の額をいう。)に算入される資本調達手段と同様の仕組みの金融商品

三 発行体の債務を構成する金融商品であって、次に掲げる性質のいずれかを有するもの

イ 発行体が当該債務の支払を無期限に繰り延べることができること。

ロ 発行体による一定数の前二号に掲げる金融商品の発行により債務を支払うことが条件とされていること、又は発行体が一定数の前二号に掲げる金融商品の発行により債務の支払に充当することができること。

ハ 発行体による不特定数の前二号に掲げる金融商品の発行により債務を支払うことが条件とされており、かつ、他の条件が同じ場合は債務額の変動が一定数の前二号に掲げる金融商品の額に連動するものであること、又は発行体の裁量でその支払方法を選択できること。

ニ 当該金融商品の保有者が前二号に掲げる金融商品による弁済を要求する選択権を有すること。ただし、当該金融商品が債務と同様の性質を有するものとして取引されている場合又は債務として扱うことが適当であると認められる場合を除く。

四 返済額が株式からの収益に連動する債務、株式の保有と同様の経済的効果をもたらす意図の下に組成された債務、有価証券、派生商品取引その他の金融商品

3 第一項第一号の「投機的な非上場株式に対する投資」とは、次に掲げる非上場株式投資のいずれかをいう。ただし、当該非上場株式投資が長期的な関係の構築に資する場合又は企業再生を目的とするものである場合は、この限りでない。

一 短期的な売買により譲渡益を取得することを期待する非上場株式投資

二 金融市場における相場その他の指標に係る価格変動を伴い、かつ、長期的にトレンド以上の多額の譲渡益又は利益を取得することを想定する非上場株式投資

 

(重要な出資のエクスポージャー)

第四十七条の二 第二十七条から前条までの規定にかかわらず、総株主等の議決権の百分の十を超える議決権を保有している法人等(営利を目的とする者に限り、その他金融機関等(連結自己資本比率(第二条に規定する連結自己資本比率をいう。以下この条及び次条において同じ。)を算出する場合にあっては第五条第七項第一号に規定するその他金融機関等をいい、単体自己資本比率(第十一条に規定する単体自己資本比率をいう。以下この条及び次条において同じ。)を算出する場合にあっては第十四条第六項第一号に規定するその他金融機関等をいう。)を除く。)に係る出資(前条第一項に規定する株式及び株式と同等の性質を有するものに対するエクスポージャーをいう。)(次項及び第百五十四条の二において「対象出資」という。)のうち重要な出資に係る十五パーセント基準額(連結自己資本比率を算出する場合にあっては第二条の算式における自己資本の額(この条及び第百五十四条の二の規定の適用がないものとして算出した額とする。次項において同じ。)に十五パーセントを乗じて得た額をいい、単体自己資本比率を算出する場合にあっては第十一条の算式における自己資本の額(この条及び第百五十四条の二の規定の適用がないものとして算出した額とする。次項において同じ。)に十五パーセントを乗じて得た額をいう。第百五十四条の二第一項において同じ。)を上回る部分に係るエクスポージャーのリスク・ウェイトは、千二百五十パーセントとする。

2 前項の場合において、対象出資のうち同項の規定により千二百五十パーセントのリスク・ウェイトが適用される額に対応する部分以外の部分の額の合計額が重要な出資に係る六十パーセント基準額(連結自己資本比率を算出する場合にあっては第二条の算式における自己資本の額に六十パーセントを乗じて得た額をいい、単体自己資本比率を算出する場合にあっては第十一条の算式における自己資本の額に六十パーセントを乗じて得た額をいう。第百五十四条の二第二項において同じ。)を上回るときは、その上回る部分に係るエクスポージャーのリスク・ウェイトは、千二百五十パーセントとする。

 

(他の金融機関等の対象資本等調達手段に係るエクスポージャー)

第四十七条の三 第二十七条から前条までの規定にかかわらず、他の金融機関等(連結自己資本比率を算出する場合にあっては第五条第四項に規定する他の金融機関等をいい、単体自己資本比率を算出する場合にあっては第十四条第三項に規定する他の金融機関等(連結自己資本比率を算出する金庫にあっては、連結の範囲に含まれる者を除く。)をいう。以下同じ。)の対象資本等調達手段(連結自己資本比率を算出する場合にあっては第五条第四項に規定する対象資本調達手段又はその他外部TLAC関連調達手段をいい、単体自己資本比率を算出する場合にあっては第十四条第三項に規定する対象資本調達手段又はその他外部TLAC関連調達手段をいう。以下この条及び第百五十四条の三において同じ。)のうち、対象普通出資等(連結自己資本比率を算出する場合にあっては第五条第五項に規定する対象普通出資等をいい、単体自己資本比率を算出する場合にあっては第十四条第四項に規定する対象普通出資等をいう。以下この条及び第百五十四条の三において同じ。)及びその他外部TLAC関連調達手段に該当するもの以外のものに係るエクスポージャーのリスク・ウェイトは、二百五十パーセント(第四十七条第三項に規定する投機的な非上場株式に対する投資に係るエクスポージャーにあっては、四百パーセント)とする。

2 標準的手法採用金庫が労働金庫である場合にあっては、第二十七条から前条までの規定にかかわらず、他の金融機関等の対象資本等調達手段のうち労働金庫連合会の対象普通出資等であって第二条又は第十一条の算式におけるコア資本に係る調整項目の額に算入されなかった部分に係るエクスポージャーのリスク・ウェイトについては、当該エクスポージャーの額の合計額のうち連合会向け出資に係る十パーセント基準額(連結自己資本比率を算出する場合にあっては第四条第一項各号に掲げる額の合計額から同条第二項第一号から第三号までに掲げる額の合計額を控除した額に十パーセントを乗じて得た額をいい、単体自己資本比率を算出する場合にあっては第十三条第一項各号に掲げる額の合計額から同条第二項第一号から第三号までに掲げる額の合計額を控除した額に十パーセントを乗じて得た額をいう。第百五十四条の三第二項において同じ。)に相当する部分に係るエクスポージャーのリスク・ウェイトは、百パーセントとし、それ以外の部分に係るエクスポージャーのリスク・ウェイトは、二百五十パーセントとする。

 

(特定項目のうち調整項目に算入されない部分に係るエクスポージャー)

第四十七条の四 第二十七条から前条までの規定にかかわらず、特定項目(第五条第八項第一号又は第十四条第七項第一号に規定する特定項目をいう。第百五十四条の四において同じ。)のうち第二条又は第十一条の算式におけるコア資本に係る調整項目の額に算入されなかった部分に係るエクスポージャーのリスク・ウェイトは、二百五十パーセントとする。

 

(その他外部TLAC関連調達手段に係るエクスポージャー)

第四十七条の四の二 第二十七条から前条までの規定にかかわらず、総株主等の議決権の百分の十を超える議決権を保有している他の金融機関等に係るその他外部TLAC関連調達手段(特例外部TLAC調達手段にあっては、当該特例外部TLAC調達手段を発行する者(以下この項において「発行者」という。)が当該特例外部TLAC調達手段の額のうち自己のその他外部TLAC調達手段に相当するものに算入している額が当該発行者の特例外部TLAC調達手段の額の合計額に占める割合を、金庫が保有している当該発行者の特例外部TLAC調達手段の額に乗じて得られた額に係る部分に限る。次項及び第百五十四条の四の二において同じ。)に関するエクスポージャーのリスク・ウェイトは、二百五十パーセントとする。

2 第二十七条から前条までの規定にかかわらず、総株主等の議決権の百分の十を超える議決権を保有していない他の金融機関等に係るその他外部TLAC関連調達手段に関するエクスポージャーのリスク・ウェイトは、百五十パーセントとする。

 

(リスク・ウェイトのみなし計算)

第四十七条の五 標準的手法採用金庫は、保有するエクスポージャー(出資の性質を有するものに限る。以下この条、第百二十四条第八項及び第百四十二条において「保有エクスポージャー」という。)のリスク・ウェイトを直接に判定することができないときには、当該リスク・ウェイトをこの条に規定するところにより算出するものとする。

2 標準的手法採用金庫は、保有エクスポージャーの裏付けとなる個々の資産及び取引(以下この条、第百二十四条第七項及び第百四十二条において「裏付けとなる資産等」という。)のエクスポージャーに関する情報が、次に掲げる要件の全てを満たすときには、当該裏付けとなる資産等の信用リスク・アセットの総額を当該裏付けとなる資産等を実際に保有する会社、組合その他これらに準ずる事業体(以下この条及び第百四十二条において「事業体」と総称する。)の総資産の額で除して得た割合を、当該保有エクスポージャーのリスク・ウェイトとして用いるものとする。

一 当該標準的手法採用金庫により十分かつ頻繁に取得されていること。

二 独立した第三者により検証されていること。

3 前項の場合において、標準的手法採用金庫が保有エクスポージャーの裏付けとなる資産等の信用リスク・アセットの総額を算出するに当たっては、当該標準的手法採用金庫を当該裏付けとなる資産等を直接保有する者とみなして、第十九条第一項の規定を準用する。この場合において、同項中「掲げる額の合計額」とあるのは「掲げる額(第三号に掲げる額を除く。)の合計額」と、同項第一号中「与信相当額」とあるのは「与信相当額(当該派生商品取引に第二百四十六条の二第二項各号に掲げる者以外の者を取引相手方とする派生商品取引が含まれている場合にあっては、オフ・バランス取引の与信相当額、当該派生商品取引の与信相当額に一・五を乗じて得た額及び当該派生商品取引以外の派生商品取引の与信相当額並びに長期決済期間取引の与信相当額)」と読み替えるものとする。

4 標準的手法採用金庫は、第二項の場合において、保有エクスポージャーの裏付けとなる資産等の信用リスク・アセットの総額を算出しようとしたにもかかわらず、同項第一号に掲げる要件のみを満たすことができず、かつ、当該裏付けとなる資産等のエクスポージャーに関する情報が第三者により十分かつ頻繁に取得されているときには、当該エクスポージャーについて当該第三者により判定されたリスク・ウェイトを用いることができる。

5 前項の場合において、同項の第三者が判定したリスク・ウェイトを用いて保有エクスポージャーの裏付けとなる資産等の信用リスク・アセットの総額を算出するに当たっては、当該第三者を当該裏付けとなる資産等を直接保有する標準的手法採用金庫とみなして、第十九条第一項の規定を準用する。この場合において、同項中「額の合計額をいう」とあるのは「額(第三号に掲げる額を除く。)の合計額とし、当該合計額の算出に当たっては、個々の資産及び取引に適用するリスク・ウェイトに一・二を乗じる調整を行うものとする」と、「同節」とあるのは「当該リスク・ウェイトに一・二を乗じて得た値をリスク・ウェイトとして用いた上で、同節」と、同項第一号中「与信相当額」とあるのは「与信相当額(当該派生商品取引に第二百四十六条の二第二項各号に掲げる者以外の者を取引相手方とする派生商品取引が含まれている場合にあっては、オフ・バランス取引の与信相当額、当該派生商品取引の与信相当額に一・五を乗じて得た額及び当該派生商品取引以外の派生商品取引の与信相当額並びに長期決済期間取引の与信相当額)」と読み替えるものとする。

6 標準的手法採用金庫は、第二項各号に掲げる要件を満たすことができないときであって、裏付けとなる資産等の運用に関する基準(以下この条及び第百四十二条において「資産運用基準」という。)が明示されているときには、当該資産運用基準に基づき最大となるように算出した保有エクスポージャーの裏付けとなる資産等の信用リスク・アセットの総額を当該裏付けとなる資産等を実際に保有する事業体の総資産の額で除して得た割合を、保有エクスポージャーのリスク・ウェイトとして用いることができる。

7 前項の場合において、標準的手法採用金庫が保有エクスポージャーの裏付けとなる資産等の信用リスク・アセットの総額を算出するに当たっては、同項の資産運用基準に基づき当該信用リスク・アセットの総額が最大となる裏付けとなる資産等の構成を想定するものとし、かつ、当該標準的手法採用金庫を当該構成による裏付けとなる資産等を直接保有する者とみなして、第十九条第一項の規定を準用する。この場合において、同項中「掲げる額の合計額」とあるのは「掲げる額(第三号に掲げる額を除く。)の合計額」と、同項第一号中「与信相当額」とあるのは「与信相当額(当該派生商品取引に第二百四十六条の二第二項各号に掲げる者以外の者を取引相手方とする派生商品取引が含まれている場合にあっては、オフ・バランス取引の与信相当額、当該派生商品取引の与信相当額に一・五を乗じて得た額及び当該派生商品取引以外の派生商品取引の与信相当額並びに長期決済期間取引の与信相当額)」と読み替えるものとする。

8 標準的手法採用金庫が、第二項又は第六項の規定により保有エクスポージャーのリスク・ウェイトを算出するときには、次の各号に掲げるリスク・ウェイトに当該各号に定める値を乗じる調整を行ってリスク・ウェイトを算出するものとする。ただし、当該調整の結果として得られるリスク・ウェイトが千二百五十パーセントを超える場合には、千二百五十パーセントとする。

一 第二項のリスク・ウェイト 事業体の総資産の額を純資産の額で除して得た値

二 第六項のリスク・ウェイト 前号に定める値であって、資産運用基準において許容される最大のもの

9 標準的手法採用金庫は、第二項各号に掲げる要件を満たすことができず、かつ、第六項の適用を受けることができないときであって、保有エクスポージャーのリスク・ウェイトについて、次の各号に掲げる比率である蓋然性が高いことを疎明したときには、当該各号に定める比率を当該リスク・ウェイトとして用いることができる。

一 二百五十パーセント以下 二百五十パーセント

二 二百五十パーセントを超え四百パーセント以下 四百パーセント

10 標準的手法採用金庫は、第二項各号に掲げる要件を満たすことができず、かつ、第六項及び前項の適用を受けることができないときには、保有エクスポージャーに千二百五十パーセントのリスク・ウェイトを用いるものとする。

 

(右記以外のエクスポージャー)

第四十八条 第二十六条から前条までの規定に該当しないエクスポージャーのリスク・ウェイトは、百パーセントとする。

 

(通貨ミスマッチのあるエクスポージャー)

第四十八条の二 第三十八条から第四十条の二までの規定にかかわらず、貸出金の通貨と債務者の収入の通貨が異なる個人向けエクスポージャー(第三十八条第一項各号に掲げる要件の全てを満たすもの及び同条第四項の規定により百パーセントのリスク・ウェイトが適用されるものに限る。)、自己居住用不動産等向けエクスポージャー又は賃貸用不動産向けエクスポージャー(個人向けのものに限る。)であって、その為替リスクの九割以上がヘッジされていないもののリスク・ウェイトは、第三十八条から第四十条の二までに規定するリスク・ウェイトに一・五を乗じて得た値とする。ただし、当該値が百五十パーセントを超えるときは、百五十パーセントとする。

 

第三節 オフ・バランス取引

(オフ・バランス取引の与信相当額)

第四十九条 標準的手法採用金庫が次の表の中欄に掲げるオフ・バランス取引を行う場合には、当該オフ・バランス取引の相手方に対する信用リスクに係る与信相当額は、当該オフ・バランス取引に係る想定元本額(見かけの額ではなく、その取引の経済効果を反映した額であることを要する。以下同じ。)に次の表の上欄に掲げる掛目を乗じて得た額とする。

掛目

(パーセント)

オフ・バランス取引の種類

備考

一 任意の時期に無条件で取消し可能なコミットメント(第五号に該当するものを除く。以下この条において同じ。)又は相手方の信用状態が悪化した場合に自動的に取消し可能なコミットメント


二十

二 短期かつ流動性の高い貿易関連偶発債務

短期かつ流動性の高い貿易関連偶発債務とは、契約期限までの満期が一年未満である船荷により担保された商業信用状の発行又は確認によるものをいい、金庫が発行及び確認したものに適用する。

四十

三 コミットメント(第一号に規定するコミットメントを除く。)


五十

四 特定の取引に係る偶発債務(第二号に該当するものを除く。)

特定の取引に係る偶発債務とは、契約履行保証(保証には当該保証を行うために行うスタンドバイ信用状の発行を含む。)、入札保証、品質保証等をいう。


五 NIF(Note Issuance Facilities)又はRUF(Revolving Underwriting Facilities)

NIF又はRUFとは、一定期間一定の枠内で証券を反復的に発行することにより資金を調達する仕組みにおいて、発行された証券が予定された条件の範囲内で消化できない場合には、標準的手法採用金庫が一定の条件の範囲内で当該証券の買取り又は金銭の貸付け等を行うことを約する取引をいう。

六 信用供与に直接的に代替する偶発債務

信用供与に直接的に代替する偶発債務とは、一般的な債務の保証、手形の引受け(手形の引受けの性格を持つ裏書を含む。)及び元本補填信託契約等をいう。


七 有価証券の貸付、現金若しくは有価証券による担保の提供(SA―CCRを用いて派生商品取引若しくは長期決済期間取引に係る与信相当額を算出し、又は期待エクスポージャー方式(第五十二条に定めるところにより与信相当額を算出することをいう。以下同じ。)を用いて派生商品取引、長期決済期間取引若しくはレポ形式の取引若しくは信用取引その他これに類する海外の取引に係る与信相当額を算出する場合において、これらの取引における担保の提供で与信相当額が算出されるものを除く。)又は有価証券の買戻条件付売却若しくは売戻条件付購入



八 前各号のいずれにも該当しない信用供与に代替するオフ・バランス取引


(注1) 将来においてオフ・バランス取引を実行する約束を行っている場合であって、適用可能な複数の掛目があるときは、当該複数の掛目のうち最も低いものを適用するものとする。

(注2) 標準的手法採用金庫が顧客と第三者との間のレポ形式の取引において、当該顧客に対して第三者の債務の履行を保証する場合、当該取引は当該標準的手法採用金庫が行ったものとみなし、第七号又は第八号に従って取り扱うものとする。

2 標準的手法採用金庫が次の表の中欄に掲げるオフ・バランス取引を行う場合、当該取引の対象資産に係る与信相当額は、当該取引の想定元本額に次の表の上欄に掲げる掛目を乗じて得た額とする。この場合において、当該与信相当額に適用するリスク・ウェイトは、取引される資産のリスク・ウェイトとする。

掛目(パーセント)

オフ・バランス取引の種類

備考

一 買戻条件付又は求償権付の資産売却(当該資産の貸借対照表への計上が継続される場合を除く。)

買戻条件付の資産売却とは、金銭債権、証券又は固定資産等の売却のうち、一定期間後又は一定の条件が発生した場合には売却した資産を買い戻すという特約の付されたものをいう。以下同じ。

求償権付の資産売却とは、金銭債権、証券又は固定資産等の売却のうち、原債務者の債務不履行又は資産価値の低下につき、売却を行った標準的手法採用金庫が損失の全部又は一部を負担することとなるものをいう(ただし、証券化エクスポージャー及びレポ形式の取引に該当するものを除く。)。以下同じ。

 

二 先物資産購入、先渡預金、部分払込株式の購入又は部分払込債券の購入(当該取引時点において取引対象資産が貸借対照表に計上される場合を除く。)

先物資産購入とは、将来の一定期日において一定の条件により金銭債権又は証券等の購入を行う契約(外国為替関連取引又は金利関連取引に該当するものを除く。)をいう。以下同じ。

先渡預金とは、将来の一定期日において一定の条件により預入を行う契約をいう。以下同じ。

部分払込株式の購入又は部分払込債券の購入とは、株式又は債券の発行時に発行価格又は額面金額の一部が払い込まれ、発行後の一定の時期又は発行者の指定する時期において追加的な払込みの行われる株式又は債券の購入をいう。以下同じ。

(注) 第一号に規定する求償権付の資産売却について、原債務者の債務不履行又は資産価値の低下につき当該標準的手法採用金庫が損失の一部を負担することとなる場合であって、当該負担することとなる最大の額が、当該売却資産の与信相当額にリスク・ウェイトを乗じて得た額(以下この注において「換算額」という。)の八パーセントに相当する額を下回るときは、当該下回る額を八パーセントで除して得た額を換算額から控除して得た額を当該取引に係る信用リスク・アセットの額とする。

3 第一項の規定にかかわらず、次に掲げる要件の全てを満たすオフ・バランス取引(同項の表の第一号に掲げるものに限る。)については、その与信相当額を算出することを要しない。

一 取引の相手方が法人等であること。ただし、事業者たる個人が取引の相手方である場合には、当該オフ・バランス取引が事業性のものであるときに限る。

二 取引の契約の締結及び維持に当たって、手数料その他これらに類する経費を受領していないこと。

三 取引の相手方が信用供与枠の引出しをするときは、その都度、当該相手方からの申請が行われること。

四 取引の相手方による信用供与枠の引出しに係る全ての権限を標準的手法採用金庫が有していること。

五 取引の相手方による信用供与枠の引出しの承認に当たっては、第三号に規定する申請の都度、当該相手方の信用力の評価を標準的手法採用金庫が行っていること。

 

第四節 派生商品取引及び長期決済期間取引

(与信相当額の算出)

第五十条 先渡、スワップ、オプションその他の派生商品取引(次項及び第三項において「派生商品取引」という。)の与信相当額は、次条から第五十二条の六までに定めるところによりSA―CCR又は期待エクスポージャー方式を用いて算出する。ただし、原契約期間が五営業日以内の外国為替関連取引については、与信相当額の算出対象から除くことができる。

2 前項本文の規定にかかわらず、標準的手法採用金庫は、次の各号に掲げる金庫のいずれにも該当しない場合にあっては、カレント・エクスポージャー方式(第五十三条に定めるところにより与信相当額を算出することをいう。以下同じ。)を用いて、派生商品取引の与信相当額を算出することができる。この場合において、当該標準的手法採用金庫は、全ての派生商品取引について、SA―CCRを用いて与信相当額を算出することができない。

一 内部モデル方式採用金庫

二 第五十二条第一項の承認を受けた金庫

三 SA―CVA採用金庫

3 前項の規定にかかわらず、標準的手法採用金庫は、前項各号に掲げる金庫のいずれにも該当しない場合において、直近の算出基準日においてSA―CCRを用いて派生商品取引の与信相当額を算出しているときは、あらかじめ、やむを得ない理由によりその使用を継続することができない旨を金融庁長官及び厚生労働大臣に届け出たとき又は第五十二条第一項の承認を受けたときを除き、これを継続して用いるものとする。

4 前三項の規定は、長期決済期間取引(有価証券等及びその対価の受渡し又は決済を行う取引(派生商品取引に該当するものを除く。)であって、約定日から受渡し又は決済の期日までの期間が五営業日又は市場慣行による期間を超えることが約定され、かつ、次の各号に掲げるものに該当する場合において、当該各号に定める要件を満たすものをいう。以下同じ。)の与信相当額の算出について準用する。この場合において、標準的手法採用金庫は、派生商品取引と長期決済期間取引について異なる方式を用いることができる。

一 同時決済取引(有価証券等と資金を同時に決済する取引(レポ形式の取引に係るものを除く。)をいう。以下同じ。) 約定上の決済期日前の取引及び約定上の決済期日の経過後において支払又は引渡しが行われていない営業日数(以下「経過営業日数」という。)が四日以内の取引

二 非同時決済取引(有価証券等と資金が同時決済でない取引(レポ形式の取引に係るものを除く。)をいう。以下同じ。)のうち、取引の相手方に対して有価証券等の引渡し又は資金の支払を反対取引に先立って行うもの 当該取引の相手方に対して有価証券等の引渡し又は資金の支払を行っていない取引

5 標準的手法採用金庫が第五十二条から第五十二条の六までに定めるところにより期待エクスポージャー方式を用いる場合には、レポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引についても期待エクスポージャー方式を用いて与信相当額を算出することができる。

6 標準的手法採用金庫は、次の各号に定める場合には、クレジット・デリバティブについてこの条から第五十三条までの規定により与信相当額を算出することを要しない。

一 クレジット・デリバティブを当該標準的手法採用金庫の保有するエクスポージャー(マーケット・リスク相当額の算出対象であるものを除く。)に対する信用リスク削減手法として用いる場合

二 標準的手法採用金庫がクレジット・デリバティブのプロテクション提供者として前条第一項の表の第六号、第百十条、第百十二条又は第百十三条の規定を適用する場合

7 標準的手法採用金庫は、この節における与信相当額の算出においては、ネッティング・セット(法的に有効な相対ネッティング契約下にある取引にあっては当該取引の集合をいい、それ以外の取引にあっては個別取引をいう。以下同じ。)ごとに算出した与信相当額から財務会計において認識されたCVAの額を控除するものとする。ただし、零を下回る場合は零とする。

 

(SA―CCR)

第五十一条 標準的手法採用金庫がSA―CCRを用いる場合には、ネッティング・セットごとに、次の算式により与信相当額を算出する。ただし、ネッティング・セット(法的に有効な相対ネッティング契約下にある取引の集合に限る。)において、複数のマージン・アグリーメント(取引相手方に係るエクスポージャーの額が指定された額を超えたときに、当該取引相手方に対して担保の提供を求めることができる旨の契約をいう。以下同じ。)が締結されている場合には、個々の当該マージン・アグリーメントの下にある取引の集合ごとに、与信相当額を算出するものとする。

 与信相当額=1.4×(RC+PFE)

 RCは、再構築コスト(以下この条において同じ。)

 PFEは、将来の潜在的なエクスポージャー額(以下この条において同じ。)

2 前項のRCは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める算式を用いて算出するものとする。

一 マージン・アグリーメントを締結していない場合

  RC=max{V-C,0}

  C=Ccollect×(1-Hccollect-Hfxcollect)-Cpost×(1+Hcpost+Hfxpost)

  Vは、ネッティング・セットに含まれる取引の時価の合計額(次号及び第六項において同じ。)

  Cは、ヘアカット調整後のネット担保額(次号及び第六項において同じ。)

  Ccollectは、取引相手方から受け入れた適格金融資産担保の額

 Hccollectは、適格金融資産担保を受け入れる場合において適用するボラティリティ調整率(担保の価格変動リスクを勘案して担保の額を調整するための値をいう。以下この条において同じ。)

 Hfxcollectは、適格金融資産担保を受け入れる場合においてエクスポージャーと適格金融資産担保の通貨が異なるときに適用するボラティリティ調整率

 Cpostは、取引相手方へ差し入れた担保(取引相手方以外の第三者によって分別管理されており、かつ、取引相手方に係る倒産手続又は外国における倒産手続と同種類の手続に伴う当該担保に対する損失の発生を防ぐために必要な方策が講ぜられているものを除く。)の額

 Hcpostは、担保を差し入れる場合において、取引相手方に引き渡した資産の種類に応じて適用するボラティリティ調整率

 Hfxpostは、担保を差し入れる場合においてエクスポージャーと担保の通貨が異なるときに適用するボラティリティ調整率

二 マージン・アグリーメントを締結している場合

  RC=max{V-C,TH+MTA-NICA,0}

  THは、信用極度額(取引相手方からの変動証拠金の徴求を要しない額としてあらかじめ定めた額)

  MTAは、最低引渡担保額(取引相手方から徴求する変動証拠金の額の最低単位としてあらかじめ定めた額)

  NICAは、前号に規定するCと同じ。ただし、変動証拠金は除く。

3 前項のボラティリティ調整率(H)は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める算式を用いて算出する。

一 マージン・アグリーメントを締結していない場合

  画像

  画像

  H10は、第六節第三款第二目に規定する標準的ボラティリティ調整率(次号において同じ。)

 NRは、ネッティング・セットに含まれる取引の残存期間(当該取引の原資産が派生商品取引であり、かつ、当該原資産を受け渡すこととなっている場合には、原資産である派生商品取引の満期日と算出基準日の間の営業日数をいう。)のうち最も長い営業日数。ただし、十営業日未満であるときは、十営業日とする。

  TMは、第七十五条第二項第一号に定める最低保有期間

二 マージン・アグリーメントを締結している場合

  画像

 MPORは、次項に規定するリスクのマージン期間(マージン・アグリーメントに基づき取引相手方から担保の提供を受けた時点から当該取引相手方のデフォルトに伴い発生した当該取引相手方との取引に係るマーケット・リスクに対するヘッジが完了する時点までの期間をいう。以下同じ。)

4 前項第二号のリスクのマージン期間は、次の各号に掲げるネッティング・セットの区分に応じ、当該各号に定める営業日数とする。

一 流動性の低い担保又は再構築の困難な派生商品取引を含むネッティング・セット 二十営業日

二 日々の値洗いにより変動証拠金の額が調整され、かつ、算出基準日の属する四半期の一期前の四半期内のいずれかの時点で取引件数が五千件を超えたネッティング・セット 二十営業日

三 日々の値洗いにより変動証拠金の額が調整され、かつ、直接清算参加者として間接清算参加者の適格中央清算機関向け取引に係る清算取次ぎ等を行うことにより間接清算参加者に対して生ずるネッティング・セット 五営業日

四 日々の値洗いにより変動証拠金の額が調整されるネッティング・セット(前三号に該当するものを除く。) 十営業日

五 N(二以上の整数とする。)日ごとの値洗いにより変動証拠金の額が調整されるネッティング・セット F+N-1

  Fは、前四号の規定により定まるリスクのマージン期間

5 前項の規定にかかわらず、算出基準日を含む四半期の前の直近の連続する二の四半期の間に、ネッティング・セットについて、担保額調整(エクスポージャーと担保の価格変動に伴う信用供与額の変化を担保額によって調整する仕組みをいう。以下同じ。)に係る係争により、前項各号に定めるリスクのマージン期間を超える清算期間を要する場合が三回以上生じた場合には、次の連続する二の四半期の間は、当該ネッティング・セットについては、前項各号に定めるリスクのマージン期間の少なくとも二倍以上の期間をリスクのマージン期間とする。

6 第一項のPFEは、次の算式を用いて算出する。

 PFE=multiplier×AddOnaggregate

 画像

 AddOnaggregate=AddOn(IR)+AddOn(FX)+AddOn(Credit)+AddOn(Equity)+AddOn(Com)

 AddOn(IR)は、金利デリバティブに係るアドオン

 AddOn(FX)は、外国為替デリバティブに係るアドオン

 AddOn(Credit)は、信用デリバティブに係るアドオン

 AddOn(Equity)は、エクイティ・デリバティブに係るアドオン

 AddOn(Com)は、コモディティ・デリバティブに係るアドオン

7 前項の規定により第一項のPFEを算出する場合において、ネッティング・セットに含まれる取引は、次の各号に掲げる当該取引のリスク・ドライバー(当該取引の時価に影響を及ぼす主な要因をいう。以下この項において同じ。)に応じ、当該各号に定める取引に割り当てるものとする。ただし、当該取引が複数のリスク・ドライバーを有する場合には、当該各号に定める複数の取引に同時に割り当てることができる。

一 金利の変動等 金利デリバティブ

二 外国為替の変動等 外国為替デリバティブ

三 原債務者に係る信用状態の変動 信用デリバティブ

四 株価の変動等 エクイティ・デリバティブ

五 コモディティ価格の変動等その他前四号に掲げるリスク・ドライバー以外の変動等 コモディティ・デリバティブ

8 前項各号に定める取引に割り当てた取引は、次の各号に掲げる取引の区分に応じ、当該各号に定めるヘッジセットに割り当てるものとする。

一 金利デリバティブ 同一通貨の金利を参照する金利デリバティブごとに設けられたヘッジセット

二 外国為替デリバティブ 同一の異種通貨間の為替レートを参照する外国為替デリバティブごとに設けられたヘッジセット

三 信用デリバティブ 一の区分のヘッジセット

四 エクイティ・デリバティブ 一の区分のヘッジセット

五 コモディティ・デリバティブ エネルギー、金属、農産物その他のコモディティ等を参照するコモディティ・デリバティブごとに設けられたヘッジセット

9 前項の規定にかかわらず、ベーシス(同一通貨の異なるリスク・ファクター(当該取引の時価に影響を及ぼす要因をいう。以下この項及び第五十二条の三において同じ。)間の差異をいう。)を参照する取引については、前項に掲げる取引の区分ごと及びリスク・ファクターの同一の組合せごとに設けられたヘッジセットに、当該取引を割り当てるものとする。

10 前二項の規定にかかわらず、ボラティリティを参照する取引については、第八項各号に掲げる取引の区分ごとに、同項各号に定めるヘッジセットと別に設けられたヘッジセットに当該取引を割り当てるものとする。

11 第六項の算式中AddOn(IR)は、次に掲げるところに従い、算出する。

一 算出に用いる算式は、次のとおりとする。

  画像

 画像 は、通貨j建ての金利デリバティブのヘッジセットに係るアドオンの額の合計額

 画像 は、次の表の上欄に掲げるヘッジセットの区分に応じ、同表の下欄に定める掛目を当該ヘッジセットに係る実効想定元本額に乗じて得た額の合計額とする。

ヘッジセットの区分

掛目(パーセント)

第八項各号に定めるヘッジセット

〇・五〇

第九項に規定するヘッジセット

〇・二五

第十項に規定する別に設けられたヘッジセット

二・五〇

三 前号に規定するヘッジセットに係る実効想定元本額を算出する場合には、次のイ又はロのいずれかの算式を用いて算出する。

  画像

 画像は、通貨j建てであり、かつ、Ei(第五号に規定するEiをいう。以下この号において同じ。)が一年未満である金利デリバティブに係る実効想定元本額の合計額(ロにおいて同じ。)

 画像 は、通貨j建てであり、かつ、Eiが一年以上五年以下である金利デリバティブに係る実効想定元本額の合計額(ロにおいて同じ。)

 画像 は、通貨j建てであり、かつ、Eiが五年超である金利デリバティブに係る実効想定元本額の合計額(ロにおいて同じ。)

  画像

四 前号の算式中金利デリバティブに係る実効想定元本額は、当該金利デリバティブに係るデュレーション調整後想定元本額にデルタ調整値及びマージン期間調整値を乗じて得た額とする。

五 前号のデュレーション調整後想定元本額は、金利デリバティブに係る想定元本額に、次の算式により得られるデュレーション調整値を乗じて得た額とする。ただし、当該デュレーション調整値が十営業日を年換算した値未満となるときは、デュレーション調整値は十営業日を年換算した値とする。

  画像

 Siは、同号の金利デリバティブiが参照する金利契約の計算期間の最も早い日と算出基準日の間の営業日数を年換算で表した値をいい、当該金利デリバティブの原資産が金利デリバティブ又は負債性商品の場合には、原資産である金利デリバティブが参照する金利等又は負債性商品の金利等の計算期間の開始日と算出基準日の間の営業日数を年換算で表した値をいう。ただし、既に当該金利等又は負債性商品の金利等の計算期間の開始日が経過している場合には、零とする。

 Eiは、同号の金利デリバティブiが参照する金利契約の計算期間の最も遅い日と算出基準日の間の営業日数を年換算で表した値をいい、当該金利デリバティブの原資産が金利デリバティブ又は負債性商品の場合には、原資産である金利デリバティブが参照する金利等又は負債性商品の金利等の計算期間の終了日と算出基準日の間の営業日数を年換算で表した値をいう。

六 第四号のデルタ調整値は、次のイからハまでに掲げる取引の区分に応じ、当該イからハまでに定める値とする。

イ オプション 次の表の上欄に掲げる取引の区分に応じ、同表の下欄に定める算式を用いて算出した値

取引の区分

算式

コール・オプションの買い

 画像

コール・オプションの売り

 画像

プット・オプションの買い

 画像

プット・オプションの売り

 画像

(注1) Piは、当該オプションiが参照する金利等の水準

(注2) Kiは、当該オプションiの行使価格

(注3) σiは、〇・五

(注4) Tiは、当該オプションiにおける最も遅い権利行使日と現時点の間の営業日数を年換算で表した値

(注5) Φ(x)は、標準正規分布の累積分布関数

(注6) この表において「コール・オプション」とは、当該オプションが参照する金利等が上昇する場合に、当該オプションの時価が上昇するものをいう。

(注7) この表において「プット・オプション」とは、当該オプションが参照する金利等が上昇する場合に、当該オプションの時価が下落するものをいう。

ロ イに掲げる取引に該当しない金利デリバティブのうち、当該金利デリバティブが参照する金利等が上昇する場合に、当該金利デリバティブの時価が上昇するもの 一

ハ イに掲げる取引に該当しない金利デリバティブのうち、当該金利デリバティブが参照する金利等が上昇する場合に、当該金利デリバティブの時価が下落するもの マイナス一

七 第四号のマージン期間調整値は、次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める算式を用いて算出する。

イ マージン・アグリーメントを締結していない場合

   画像

 Miは、当該金利デリバティブiの残存期間をいい、当該金利デリバティブの原資産が金利デリバティブであり、かつ、当該原資産を受け渡すこととなっている場合にあっては、原資産である金利デリバティブの満期日と算出基準日の間の営業日数(十営業日未満であるときは、十営業日)をいう。

ロ マージン・アグリーメントを締結している場合

   画像

 MPORiは、当該金利デリバティブiを含むネッティング・セットのリスクのマージン期間

八 第四項の規定は、前号ロのリスクのマージン期間の算出について準用する。この場合において、「前項第二号」とあるのは、「第十一項第七号ロ」と読み替えるものとする。

九 第五項の規定は、担保額調整に係る係争がある場合における第七号ロのリスクのマージン期間の算出について準用する。この場合において、「前項の」とあるのは「第十一項第八号において読み替えて準用する前項の」と、「前項各号」とあるのは「第十一項第八号において読み替えて準用する前項各号」と読み替えるものとする。

12 第六項の算式中AddOn(FX)は、次に掲げるところに従い、算出する。

一 算出に用いる算式は、次のとおりとする。

  画像

 画像 は、ヘッジセットjに係るアドオンの額

 画像 は、次の表の上欄に掲げるヘッジセットの区分に応じ、同表の下欄に定める掛目を当該ヘッジセットに係る実効想定元本額の絶対値に乗じて得た額とする。

ヘッジセットの区分

掛目(パーセント)

第八項各号に定めるヘッジセット

第十項に規定する別に設けられたヘッジセット

二十

三 前号に規定するヘッジセットに係る実効想定元本額は、ヘッジセットに含まれる外国為替デリバティブごとに、当該外国為替デリバティブに係る想定元本額にデルタ調整値及びマージン期間調整値を乗じて得た額の合計額とする。

四 前号のデルタ調整値は、次のイからハまでに掲げる取引の区分に応じ、当該イからハまでに定める値とする。ただし、同一の異種通貨間の為替レートを参照する外国為替デリバティブがネッティング・セットに複数含まれる場合には、為替レートの方向をそろえて、当該異種通貨間の為替レートの上昇及び下落を表すものとする。

イ オプション 値の算出については、前項第六号(イに係る部分に限る。)の規定を準用する。この場合において、「第四号のデルタ調整値」とあるのは「次項第三号のデルタ調整値(同項第四号イに掲げる取引の区分に係るものに限る。)」と、「イからハまで」とあるのは「イ」と、「金利等」とあるのは「為替レート等」と、「σiは、〇・五」とあるのは「σiは、〇・一五」と読み替えるものとする。

ロ イに掲げる取引以外の取引のうち、当該外国為替デリバティブが参照する為替レート等が上昇する場合に、当該外国為替デリバティブの時価が上昇するもの 一

ハ イに掲げる取引以外の取引のうち、当該外国為替デリバティブが参照する為替レート等が上昇する場合に、当該外国為替デリバティブの時価が下落するもの マイナス一

五 前項第七号から第九号までの規定は、第三号のマージン期間調整値の算出について準用する。この場合において、同項第七号中「第四号」とあるのは「次項第三号」と、「金利デリバティブ」とあるのは「外国為替デリバティブ」と、同項第八号中「第十一項第七号ロ」とあるのは「第十二項第五号において読み替えて準用する第十一項第七号ロ」と、同項第九号中「第十一項第八号において読み替えて準用する前項の」とあるのは「第十二項第五号において読み替えて準用する第十一項第八号において読み替えて準用する前項の」と、「第十一項第八号において読み替えて準用する前項各号」とあるのは「第十二項第五号において読み替えて準用する第十一項第八号において読み替えて準用する前項各号」と読み替えるものとする。

13 第六項の算式中AddOn(Credit)は、次に掲げるところに従い、算出する。

一 算出に用いる算式は、次のとおりとする。

  画像

 AddOn(Entityk)は、Entitykを参照する信用デリバティブに係るアドオンの額の合計額

 Entitykは、当該信用デリバティブが参照する事業法人等。ただし、当該信用デリバティブがインデックス・クレジット・デフォルト・スワップの場合には、当該インデックス。

 画像 は、Entitykに係る相関係数

二 前号の算式中AddOn(Entityk)は、次のイ又はロに掲げる信用デリバティブの区分に応じ、当該イ又はロに定める掛目をそれぞれ信用デリバティブに係る実効想定元本額に乗じて得た額の合計額とする。

イ 事業法人等を参照する信用デリバティブ 次の表の上欄に掲げる適格格付機関により付与された事業法人等の格付に対応する信用リスク区分に応じ、同表の下欄に定める掛目

適格格付機関により付与された事業法人等の格付に対応する信用リスク区分

掛目(パーセント)

1―1

〇・三八

1―2

〇・四二

1―3

〇・五四

1―4

一・〇六

1―5

一・六〇

1―6

六・〇〇

(注) 第二十七条第一項に掲げる主体以外の主体の信用リスク区分についても、同項第一号の表を準用するものとする。

ロ インデックスを参照する信用デリバティブ 次の表の上欄に掲げる適格格付機関により付与された格付に対応する信用リスク区分に応じ、同表の下欄に定める掛目

適格格付機関により付与された格付に対応する信用リスク区分

掛目(パーセント)

4―3又は5―3以上

〇・三八

4―3又は5―3未満

一・〇六

  画像  は、次のイ又はロに掲げる信用デリバティブの区分に応じ、当該イ又はロに定める値とする。

イ 事業法人等を参照する信用デリバティブ 〇・五

ロ インデックスを参照する信用デリバティブ 〇・八

四 第二号の信用デリバティブに係る実効想定元本額は、当該信用デリバティブに係るデュレーション調整後想定元本額にデルタ調整値及びマージン期間調整値を乗じて得た額とする。

五 前号のデュレーション調整後想定元本額の算出については、第十一項第五号の規定を準用する。この場合において、「前号」とあるのは「第十三項第四号」と、「金利デリバティブに」とあるのは「信用デリバティブに」と、「金利デリバティブi」とあるのは「信用デリバティブi」と、「金利契約」とあるのは「原債務者に係る契約」と、「金利デリバティブの」とあるのは「信用デリバティブの」と、「金利デリバティブ又は負債性商品」とあるのは「信用デリバティブ」と、「金利デリバティブが」とあるのは「信用デリバティブが」と、「金利等又は負債性商品の金利等」とあるのは「原債務者に係る契約」と読み替えるものとする。

六 第四号のデルタ調整値は、次のイからニまでに掲げる取引の区分に応じ、当該イからニまでに定める値とする。

イ オプション 値の算出については、第十一項第六号(イに係る部分に限る。)の規定を準用する。この場合において、「第四号のデルタ調整値」とあるのは「第十三項第四号のデルタ調整値(同項第六号イに掲げる取引の区分に係るものに限る。)」と、「イからハまで」とあるのは「イ」と、「金利等」とあるのは「信用デリバティブが参照する事業法人等又はインデックスの信用状態」と、「σiは、〇・五」とあるのは「σiは、当該信用デリバティブが事業法人等を参照する場合にあっては一・〇、インデックスを参照する場合にあっては〇・八」と、「上昇する場合」とあるのは「悪化する場合」と読み替えるものとする。

ロ 合成型証券化取引 当該合成型証券化取引の階層ごとに、次の表の上欄に掲げる取引の区分に応じ、同表の下欄に定める算式を用いて算出した値

取引の区分

算式

プロテクションの購入

 画像

プロテクションの提供

 画像

(注1) Aiは、当該階層よりも劣後する全ての階層の額の合計額を合成型証券化取引の原資産の額で除した値

(注2) Diは、当該階層及び当該階層よりも劣後する全ての階層の額の合計額を合成型証券化取引の原資産の額で除した値

ハ イ及びロに掲げる取引に該当しない信用デリバティブのうち、当該信用デリバティブが参照する事業法人等又はインデックスの信用状態が悪化する場合に、当該信用デリバティブの時価が上昇するもの 一

ニ イ及びロに掲げる取引に該当しない信用デリバティブのうち、当該信用デリバティブが参照する事業法人等又はインデックスの信用状態が悪化する場合に、当該信用デリバティブの時価が下落するもの マイナス一

七 第十一項第七号から第九号までの規定は、第四号のマージン期間調整値の算出について準用する。この場合において、同項第七号中「第四号」とあるのは「第十三項第四号」と、「金利デリバティブ」とあるのは「信用デリバティブ」と、同項第八号中「第十一項第七号ロ」とあるのは「第十三項第七号において読み替えて準用する第十一項第七号ロ」と、同項第九号中「第十一項第八号において読み替えて準用する前項の」とあるのは「第十三項第七号において読み替えて準用する第十一項第八号において読み替えて準用する前項の」と、「第十一項第八号において読み替えて準用する前項各号」とあるのは「第十三項第七号において読み替えて準用する第十一項第八号において読み替えて準用する前項各号」と読み替えるものとする。

14 第六項の算式中AddOn(Equity)は、次に掲げるところに従い、算出する。

一 算出に用いる算式は、次のとおりとする。

  画像

 AddOn(Equityk)は、Equitykを参照するエクイティ・デリバティブに係るアドオンの額の合計額

 Equitykは、当該エクイティ・デリバティブが参照する株価又は株価指数

 画像 は、Equitykに係る相関係数

二 前号の算式中AddOn(Equityk)は、次の表の上欄に掲げるエクイティ・デリバティブの区分に応じ、同表の下欄に定める掛目を、エクイティ・デリバティブに係る実効想定元本額に乗じて得た額の合計額とする。

エクイティ・デリバティブの区分

掛目(パーセント)

第八項各号に定めるヘッジセットに含まれるエクイティ・デリバティブのうち、株価を参照するエクイティ・デリバティブ

三十二

第九項に規定するヘッジセットに含まれるエクイティ・デリバティブのうち、株価を参照するエクイティ・デリバティブ

十六

第十項に規定する別に設けられたヘッジセットに含まれるエクイティ・デリバティブのうち、株価を参照するエクイティ・デリバティブ

百六十

第八項各号に定めるヘッジセットに含まれるエクイティ・デリバティブのうち、株価指数を参照するエクイティ・デリバティブ

二十

第九項に規定するヘッジセットに含まれるエクイティ・デリバティブのうち、株価指数を参照するエクイティ・デリバティブ

第十項に規定する別に設けられたヘッジセットに含まれるエクイティ・デリバティブのうち、株価指数を参照するエクイティ・デリバティブ

 画像 は、次のイ又はロに掲げるエクイティ・デリバティブの区分に応じ、当該イ又はロに定める値とする。

イ 株価を参照するエクイティ・デリバティブ 〇・五

ロ 株価指数を参照するエクイティ・デリバティブ 〇・八

四 第二号に規定するエクイティ・デリバティブに係る実効想定元本額は、当該エクイティ・デリバティブに係る時価調整後想定元本額(原資産の単位数に算出基準日の株価又は株価指数等を乗じて得た額をいう。)にデルタ調整値及びマージン期間調整値を乗じて得た額とする。

五 前号のデルタ調整値は、次のイからハまでに掲げる取引の区分に応じ、当該イからハまでに定める値とする。

イ オプション 値の算出については、第十一項第六号(イに係る部分に限る。)の規定を準用する。この場合において、「第四号のデルタ調整値」とあるのは「第十四項第四号のデルタ調整値(同項第五号イに掲げる取引の区分に係るものに限る。)」と、「イからハまで」とあるのは「イ」と、「金利等」とあるのは「株価又は株価指数等」と、「σiは、〇・五」とあるのは「σiは、当該エクイティ・デリバティブが株価を参照する場合にあっては一・二〇、株価指数を参照する場合にあっては〇・七五」と読み替えるものとする。

ロ イに掲げる取引以外の取引のうち、当該エクイティ・デリバティブが参照する株価又は株価指数等が上昇する場合に、当該エクイティ・デリバティブの時価が上昇するもの 一

ハ イに掲げる取引以外の取引のうち、当該エクイティ・デリバティブが参照する株価又は株価指数等が上昇する場合に、当該エクイティ・デリバティブの時価が下落するもの マイナス一

六 第十一項第七号から第九号までの規定は、第四号のマージン期間調整値の算出について準用する。この場合において、同項第七号中「第四号」とあるのは「第十四項第四号」と、「金利デリバティブ」とあるのは「エクイティ・デリバティブ」と、同項第八号中「第十一項第七号ロ」とあるのは「第十四項第六号において読み替えて準用する第十一項第七号ロ」と、同項第九号中「第十一項第八号において読み替えて準用する前項の」とあるのは「第十四項第六号において読み替えて準用する第十一項第八号において読み替えて準用する前項の」と、「第十一項第八号において読み替えて準用する前項各号」とあるのは「第十四項第六号において読み替えて準用する第十一項第八号において読み替えて準用する前項各号」と読み替えるものとする。

15 第六項の算式中AddOn(Com)は、次に掲げるところに従い、算出する。

一 算出に用いる算式は、次のとおりとする。

  画像

  画像

 画像 は、ヘッジセットjに係るアドオンの額

 画像 は、ヘッジセットjにおいてコモディティkを参照するコモディティ・デリバティブに係るアドオンの額の合計額

 画像 は、0.4

 画像 は、次の表の上欄に掲げるコモディティ・デリバティブの区分に応じ、同表の下欄に定める掛目を、当該コモディティ・デリバティブに係る実効想定元本額に乗じて得た額の合計額とする。

コモディティ・デリバティブの区分

掛目(パーセント)

第八項各号に定めるヘッジセットに含まれるコモディティ・デリバティブのうち、電力を参照するコモディティ・デリバティブ

四十

第九項に規定するヘッジセットに含まれるコモディティ・デリバティブのうち、電力を参照するコモディティ・デリバティブ

二十

第十項に規定する別に設けられたヘッジセットに含まれるコモディティ・デリバティブのうち、電力を参照するコモディティ・デリバティブ

二百

第八項各号に定めるヘッジセットに含まれるコモディティ・デリバティブのうち、電力以外を参照するコモディティ・デリバティブ

十八

第九項に規定するヘッジセットに含まれるコモディティ・デリバティブのうち、電力以外を参照するコモディティ・デリバティブ

第十項に規定する別に設けられたヘッジセットに含まれるコモディティ・デリバティブのうち、電力以外を参照するコモディティ・デリバティブ

九十

三 前号に規定するコモディティ・デリバティブに係る実効想定元本額は、当該コモディティ・デリバティブに係る時価調整後想定元本額(原資産の単位数に算出基準日のコモディティ価格等を乗じて得た額をいう。)にデルタ調整値及びマージン期間調整値を乗じて得た額とする。

四 前号のデルタ調整値は、次のイからハまでに掲げる取引の区分に応じ、当該イからハまでに定める値とする。

イ オプション 値の算出については、第十一項第六号(イに係る部分に限る。)の規定を準用する。この場合において、「第四号のデルタ調整値」とあるのは「第十五項第三号のデルタ調整値(同項第四号イに掲げる取引の区分に係るものに限る。)」と、「イからハまで」とあるのは「イ」と、「金利等」とあるのは「コモディティ価格等」と、「σiは、〇・五」とあるのは「σiは、当該コモディティ・デリバティブが電力を参照する場合にあっては一・五、電力以外を参照する場合にあっては〇・七」と読み替えるものとする。

ロ イに掲げる取引以外の取引のうち、当該コモディティ・デリバティブが参照するコモディティ価格等が上昇する場合に、当該コモディティ・デリバティブの時価が上昇するもの 一

ハ イに掲げる取引以外の取引のうち、当該コモディティ・デリバティブが参照するコモディティ価格等が上昇する場合に、当該コモディティ・デリバティブの時価が下落するもの マイナス一

五 第十一項第七号から第九号までの規定は、第三号のマージン期間調整値の算出について準用する。この場合において、同項第七号中「第四号」とあるのは「第十五項第三号」と、「金利デリバティブ」とあるのは「コモディティ・デリバティブ」と、同項第八号中「第十一項第七号ロ」とあるのは「第十五項第五号において読み替えて準用する第十一項第七号ロ」と、同項第九号中「第十一項第八号において読み替えて準用する前項の」とあるのは「第十五項第五号において読み替えて準用する第十一項第八号において読み替えて準用する前項の」と、「第十一項第八号において読み替えて準用する前項各号」とあるのは「第十五項第五号において読み替えて準用する第十一項第八号において読み替えて準用する前項各号」と読み替えるものとする。

16 第一項ただし書の規定にかかわらず、単一のマージン・アグリーメントが複数のネッティング・セットを対象とする場合には、これらのネッティング・セットの集合ごとに与信相当額を算出する。

17 前項の規定により与信相当額を算出する場合において、RCは、次の算式を用いて算出する。

  画像

 CMA=CMA,collect×(1-HcMA,collect-HfxMA,collect)―CMA,post×(1+HcMA,post+HfxMA,post)

  NSは、ネッティング・セット(以下この項及び次項において同じ。)

  MAは、マージン・アグリーメント(以下この項及び次項において同じ。)

  VNSは、NSに含まれる取引の時価の合計額

  CMAは、MAの下におけるヘアカット調整後のネット担保額

  CMA,collectは、MAの下における取引相手方から受け入れた適格金融資産担保の額

  HcMA,collectは、MAの下において、適格金融資産担保を受け入れる場合において適用するボラティリティ調整率

 HfxMA,collectは、MAの下において、適格金融資産担保を受け入れる場合においてエクスポージャーと適格金融資産担保の通貨が異なるときに適用するボラティリティ調整率

 CMA,postは、MAの下における取引相手方へ差し入れた担保(取引相手方以外の第三者によって分別管理されており、かつ、取引相手方に係る倒産手続又は外国における倒産手続と同種類の手続に伴う当該担保に対する損失の発生を防ぐために必要な方策が講ぜられているものを除く。)の額

 HcMA,postは、MAの下において、担保を差し入れる場合において取引相手方に引き渡した資産の種類に応じて適用するボラティリティ調整率

 HfxMA,postは、MAの下において、担保を差し入れる場合においてエクスポージャーと担保の通貨が異なるときに適用するボラティリティ調整率

18 第十六項の規定により与信相当額を算出する場合において、PFEは、次の算式を用いて算出する。

  画像

 画像 は、NSに係るPFEについて、第六項のPFEに係る算式を準用して算出した額。ただし、マージン・アグリーメントを締結していないものとして算出することとする。

 

(期待エクスポージャー方式)

第五十二条 標準的手法採用金庫は、金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を受けた場合に、期待エクスポージャー方式を用いて与信相当額を算出することができる。

2 標準的手法採用金庫が期待エクスポージャー方式を用いる場合には、ネッティング・セット(当該ネッティング・セットに含まれる担保については適格金融資産担保に限る。以下同じ。)ごとに、与信相当額は第一号に掲げる算式により、同号に掲げる算式の算出に要する実効EPEは第二号に掲げる算式により、同号に掲げる実効EEtkは第三号に掲げる算式により算出される額とする。ただし、当該ネッティング・セットを構成する全ての取引における最も長い満期が一年未満である場合には、第二号に定める実効EPEの算出に当たって、当該満期までの間に同号のΔtkで加重平均した実効EPEを用いるものとする。

一 与信相当額=α×実効EPE

 αは、1.4(ただし、取引相手方の信用リスクに関する固有の特徴がある場合には、当該特徴に応じたより保守的なαを用いることとする。)

 画像 実効EEtk×Δtk

 nは、tnが一年となるようなn

  Δtkは、tk-tk-1

三 実効EEtk=max(実効EEtk-1,EEtk)

 EEtkは、将来の時点tkにおける正のエクスポージャーの額全ての平均(以下「期待エクスポージャー」という。)。ただし、実効EEt0は、カレント・エクスポージャー(期待エクスポージャーの算出の対象となるネッティング・セットに含まれる取引の時価に基づき算出される、当該ネッティング・セットに係る取引相手方のデフォルトによって発生する損失額と零のいずれか大きい額をいう。第百三十三条第六項において同じ。)とする。

3 標準的手法採用金庫は、前項第一号に掲げる与信相当額の算出に当たっては、次に掲げる要件の全てを満たすものとする。

一 現在の市場データを用いて算出したポートフォリオ全体の実効EPE又は適切なストレス期間を含むデータを用いて算出したポートフォリオ全体の実効EPEのうち、信用リスク・アセットの額(CVAリスク相当額を除く。)が大きくなる実効EPEを用いること。

二 取引条件(想定元本の額、満期、参照資産、担保額の閾値及び法的に有効な相対ネッティング契約の内容を含む。)が、データベース(期待エクスポージャー方式において与信相当額を算出するための情報の集合物であって、特定の取引相手方に関する情報を検索できるように体系的に構成されたものをいう。次号において同じ。)に適切に保存されており、期待エクスポージャーを計測するために構築されたシステム(以下「期待エクスポージャー計測モデル」という。)に適時に、かつ、網羅的及び保守的に反映されること。

三 取引条件が期待エクスポージャー計測モデルに適切に反映されていることを継続的に確認するために、期待エクスポージャー計測モデルとデータベースとの間に、照合プロセスが整備されていること。

四 ネッティング契約の法的有効性を適切に確認するプロセスが整備されていること。

五 第一号の現在の市場データを用いて算出したポートフォリオ全体の実効EPEの算出に当たっては、三月に一度以上の頻度で現在の市場データを用いてカレント・エクスポージャーを計測し、かつ、直近三年間以上の市場データを用いて期待エクスポージャー計測モデルのパラメーターを推計すること。ただし、期待エクスポージャー計測モデルのパラメーターを推計する場合には、マーケット・インプライドデータ(市場で観測される実際の取引価格等から逆算して導き出される市場データをいう。次号において同じ。)を用いることができる。

六 第一号の適切なストレス期間を含むデータを用いて算出したポートフォリオ全体の実効EPEの算出に当たっては、次に掲げる要件の全てを満たす三年間の市場データ(ストレス期間を含む。)又は適切なストレス期間から抽出するマーケット・インプライドデータを用いること。

イ ストレス期間は、代表的ポートフォリオ(主要なリスク・ファクター及び相関による影響度に基づき、自己のポートフォリオを代表するように構築された十分な数の取引相手方を有する取引の集合をいう。第五十二条の三第五号において同じ。)に係る市場で観測されるクレジット・スプレッドが拡大する期間と整合的であること。ただし、市場でクレジット・スプレッドが観測されない場合は、取引相手方ごとに地域、格付及び業種に基づき推計されたクレジット・スプレッドを用いることができる。

ロ 前号の実効EPEの算出において用いられる期待エクスポージャー計測モデルの調整方法と整合的であること。

ハ 主要なリスク・ファクターに対し脆弱なベンチマーク・ポートフォリオを構築し、当該ベンチマーク・ポートフォリオのエクスポージャーの額を計測することにより実効EPEの適切性を評価すること。

4 標準的手法採用金庫は、次に掲げる要件の全てを満たす場合には、第二項第一号の規定にかかわらず、同号に掲げる算式中α(以下この項及び次項において単に「α」という。)を推計することができる。ただし、推計したαが一・二を下回るときは、αは一・二とするものとする。

一 αが、全ての取引相手方に対するエクスポージャーに係る経済資本(リスク管理、資本配賦、業績評価その他の内部管理において利用されている資本をいう。以下この項において同じ。)の額をEPEを融資残高とみなした場合の経済資本の額で除した値として推計されていること。この場合において、EPEは次の算式により算出される値とする。ただし、ネッティング・セットを構成する全ての取引における最も長い満期が一年未満である場合には、EPEの算出に当たって、当該満期までの間にこの号のΔtkで加重平均したEPEを用いるものとする。

 画像 EEtk×Δtk

 nは、tnが一年となるようなn

  Δtkは、tk-tk-1

二 経済資本の額の計算において、全ての取引相手方に係る取引又は取引のポートフォリオの市場価値の分布に係る確率的な依存関係の主要な要因を把握していること。

三 経済資本の額の計算に係るモデルの使用の方法、パラメーターの特定及びポートフォリオの構成に合理性及び一貫性があること。

四 αが三月に一度以上の頻度で更新されていること。また、ポートフォリオの構成に大きな変動がみられた場合には、その都度、当該変動を反映するための更新が行われていること。

五 αはエクスポージャーの粒度(エクスポージャーに含まれる個々のネッティング・セットの分布の状況をいう。)を勘案していること。

六 経済資本の額の計算に係るモデルについて、開発から独立して、十分な能力を有する者により、検証されること。

七 経済資本の額の計算に係るモデルのモデル・リスクについて評価し、αの変化を評価すること。

八 経済資本の額の計算に係るモデルについて、マーケット・リスクと信用リスクとを合わせてシミュレーションする場合には、マーケット・リスク・ファクターのボラティリティと相関係数を信用リスク・ファクターに含めることにより、景気後退期のボラティリティ又は相関の上昇を勘案すること。

九 経済資本の額の計算方法が文書化されていること。

5 標準的手法採用金庫は、次のいずれかに該当する場合であって、金融庁長官及び厚生労働大臣がαの値を指定したときは、当該αの値を用いて与信相当額を算出するものとする。

一 取引相手方の信用リスクに過度な偏在がある場合

二 一般誤方向リスク(取引相手方のPDと一般的な市場のリスク・ファクターが正の相関を持つことによりエクスポージャーの額が増加するリスクをいう。第五十二条の三第三号ト及び第十三号において同じ。)を持つ過度なエクスポージャーが存在する場合

三 複数の取引相手方のエクスポージャーの相関が高い場合

四 取引相手方の信用リスクに係る固有の特徴がある場合又は第五十二条の三第四号に規定するモデル検証において重大な問題がある場合

6 標準的手法採用金庫は、ネッティング・セットに係る取引相手方に対するマージン・アグリーメントに基づき、期待エクスポージャー計測モデルにおいて当該担保による効果を反映している場合には、第二項第三号に規定する実効EEtkの算出において、当該担保による効果を勘案したEEtkを用いることにより同項第二号に規定する実効EPEを計測する方法を使用することができる。ただし、取引相手方の信用状態が悪化したときに当該取引相手方に担保の提供を求めることができるものとされているマージン・アグリーメントに基づく担保による効果は反映しないものとする。

7 標準的手法採用金庫は、マージン・アグリーメントに基づく担保による効果を期待エクスポージャー計測モデルに反映する場合には、第二項第一号に規定する与信相当額の算出に当たって、次に掲げる取引の要素を勘案するものとする。

一 マージン・アグリーメントの契約形態

二 第十一項に規定するリスクのマージン期間

三 取引相手方に担保提供を求める頻度

四 信用極度額

五 最低引渡担保額

8 標準的手法採用金庫は、第二項第一号に規定する与信相当額の算出に当たって、適格金融資産担保を信用リスク削減手法として用いる場合には、カレント・エクスポージャーを算出する過程において信用リスクの削減効果を反映するものとする。

9 標準的手法採用金庫は、期待エクスポージャー計測モデルにおいて、エクスポージャーの分布が正規分布でない可能性も勘案して、実効EPEを計測するものとする。

10 標準的手法採用金庫は、第六項に規定する方法を使用して実効EPEを計測する場合には、リスクのマージン期間内における取引相手方との取引の時価の変化額を勘案するものとする。

11 前項のリスクのマージン期間は、次の各号に掲げるネッティング・セットの区分に応じ、当該各号に定めるところによる。

一 日々の値洗いにより担保の額が調整されるネッティング・セット 次のイからニまでに掲げるネッティング・セットの区分に応じ、当該イからニまでに定める期間とする。

イ レポ形式の取引のみから構成されるネッティング・セット(ロ又はハに該当するものを除く。) 五営業日

ロ 流動性の低い担保又は再構築の困難な派生商品取引を含むネッティング・セット 二十営業日

ハ 算出基準日(自己資本比率の算出を行う日をいう。以下同じ。)を含む四半期の一期前の四半期内のいずれかの時点で取引件数が五千件を超えたネッティング・セット 二十営業日

ニ イからハまでに掲げるネッティング・セット以外のネッティング・セット 十営業日

二 N(二以上の整数とする。)日ごとの値洗いにより担保の額が調整されるネッティング・セット F+N-1

 Fは前号の規定により算出されるリスクのマージン期間

12 前項の規定にかかわらず、算出基準日を含む四半期の前の直近の連続する二の四半期の間に、同項第一号イからニまで又は第二号に掲げるいずれかのネッティング・セットについて、担保額調整に係る係争により、同項のリスクのマージン期間を超える清算期間を要する場合が三回以上生じた場合には、次の連続する二の四半期の間は、当該ネッティング・セットについては、同項のリスクのマージン期間の少なくとも二倍以上の期間をリスクのマージン期間とする。

13 標準的手法採用金庫は、ネッティング・セットを構成する取引において、取引相手方及び参照企業の間に法的な関係が存在し、かつ、個別誤方向リスク(特定の取引相手方に対する将来のエクスポージャーの額が、当該取引相手方のPDと高い相関を持って増減するリスクをいう。以下同じ。)が特定された場合には、当該取引を当該ネッティング・セットから除外するものとする。

14 標準的手法採用金庫は、取引相手方及び参照企業の間に法的な関係が存在し、かつ、個別誤方向リスクが特定された取引に係る信用リスク・アセットの額の算出においては、当該個別誤方向リスクの特性を勘案するものとする。

15 標準的手法採用金庫は、マージン・アグリーメントに基づき、現金以外の資産による担保の効果を反映する場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める条件を満たすものとする。

一 当該担保の効果をモデル化(期待エクスポージャー計測モデルに特定の契約条件及び市場の動向等の効果を計量的に反映するように当該モデルを構築及び調整することをいう。次号において同じ。)する場合 担保の効果並びにレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引のエクスポージャーを同時にモデル化すること。

二 当該担保の効果をモデル化しない場合 第六節第三款第二目に規定する標準的ボラティリティ調整率による包括的手法を用いること。

16 標準的手法採用金庫は、次に掲げる条件の全てを満たす場合に限り、派生商品取引並びにレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引をその対象とする法的に有効な相対ネッティング契約の効果を勘案することができる。

一 当事者の一方に取引を終了させることができる事由(取引相手が現金若しくは証券を引き渡す義務又は追加担保を提供する義務その他の義務を履行しないこと及び債務超過、破産手続開始の決定、再生手続開始の決定、更生手続開始の決定、特別清算開始の命令その他これらに類する事由の発生を含む。第五十二条の三第十四号及び第七十八条第一項第一号において同じ。)が生じた場合に、他方の当事者は、当該相対ネッティング契約下にある全ての取引を適時に終了させ、一の債権又は債務とすることができること。

二 当該相対ネッティング契約が、当該相対ネッティング契約に関係する全ての法令(外国の法令を含む。)に照らして有効であることを適切に確認していること。

三 当該相対ネッティング契約の効果を勘案した与信相当額が、通常のリスク管理手続に密接に組み込まれていること。

四 当該相対ネッティング契約に関する全ての文書が適切に保存されていること。

17 直接清算参加者として間接清算参加者の適格中央清算機関向けトレード・エクスポージャーに係る清算取次ぎ等を行うことにより生ずる間接清算参加者に対するトレード・エクスポージャーについては、第十一項第一号の定めにかかわらず、同号に掲げるネッティング・セットのリスクのマージン期間を五営業日とすることができる。

 

(承認申請書の提出)

第五十二条の二 期待エクスポージャー方式の使用について前条第一項の承認を受けようとする金庫は、次に掲げる事項を記載した承認申請書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

一 名称

二 自己資本比率を把握し管理する責任者の氏名及び役職名

2 前項の承認申請書には、次に掲げる書類を添付するものとする。

一 理由書

二 前項第二号に規定する責任者の履歴書

三 期待エクスポージャー計測モデルの構築及び利用その他の運用が承認の基準に適合していることを示す書類

四 期待エクスポージャー方式実施計画

五 その他参考となるべき事項を記載した書類

3 前項第四号に掲げる期待エクスポージャー方式実施計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。

一 期待エクスポージャー方式を適用する範囲及び同方式の適用を開始する日

二 期待エクスポージャー方式の適用を除外する予定の範囲

 

(承認の基準)

第五十二条の三 金融庁長官及び厚生労働大臣は、期待エクスポージャー方式の使用について第五十二条第一項の承認をしようとするときは、期待エクスポージャー計測モデルが当該承認に先立って一年以上にわたって内部管理において運用されており、かつ、期待エクスポージャー方式の使用を開始する日以降において、内部管理に関する体制が次に掲げる基準に適合することが見込まれるかどうかを審査するものとする。

一 カウンターパーティ信用リスク(派生商品取引、レポ形式の取引等の取引相手方に対する信用リスクをいう。以下この条において同じ。)の管理体制の設計及び運営に責任を負う部署(以下この条において「期待エクスポージャー管理部署」という。)が、信用リスク・アセットの額を算出する対象となる取引に関わる部署から独立して設置されていること。

二 期待エクスポージャー管理部署は、適切なストレス・テストを実施し、期待エクスポージャー計測モデルについて、将来のリスク・ファクターの変動に関する仮定を上回るリスク・ファクターの変動が生じた場合に発生する実際のエクスポージャーの額と期待エクスポージャーとの差異に関する分析を行うこと。

三 前号のストレス・テストの実施に当たっては、次に掲げる要件の全てを満たすこと。

イ 十分な期間にわたって、取引相手方ごとにカウンターパーティ信用リスクを有する全ての形態の取引を捕捉すること。

ロ 金利、外国為替、株価、コモディティ価格及びクレジット・スプレッド等の主要なマーケット・リスク・ファクターに起因するエクスポージャーの変動について、月次で分析し、感応度の偏りを特定すること。

ハ 複数の要素の影響(深刻な経済状況及び市場変動の発生、広範囲の市場流動性の低下並びに中核的な市場参加者のポジション手仕舞いの影響を含む。)を想定したエクスポージャーの変動について、三月に一回以上の頻度で分析し、ノン・ダイレクション・リスク(イールドカーブ・エクスポージャー及びベーシス・リスクをいう。)を評価すること。

ニ 経済状況等の悪化によって影響を受けるエクスポージャー変動及び取引相手方の信用力低下を同時に考慮したストレス・テストを、三月に一回以上の頻度で分析すること。

ホ ロからニまでに規定する要素を考慮するストレス・テストは、取引先の単位、取引先をグループ化した区分の単位又は全ての取引先を合算した単位で実施すること。

ヘ リスク・ファクターにおけるシナリオは、少なくとも次に掲げるものを含むものとすること。

(1) 過去において経験した市場環境の悪化を想定したシナリオ

(2) 合理的で過度のストレスを反映させたシナリオ

(3) 影響が限定されるが損失の発生の可能性がより高いシナリオ

ト 一般誤方向リスクを特定するために、取引相手方の信用力と正の相関があるリスク・ファクターを定めたストレス・シナリオを作成すること。

チ リバース・ストレス・テスト(経営に甚大な影響を及ぼす可能性が高く、かつ、蓋然性が認められるストレス・シナリオを特定するためのストレス・テストをいう。)を実施すること。

リ ストレス・テストの結果が信用リスクの管理手続に組み込まれており、かつ、理事への定期的な報告に基づき過度な偏在又は集中したリスクに対し適切な対応が講じられていること。

ヌ ストレス・テストの実施手続を記載した文書を作成していること。

四 期待エクスポージャー管理部署が、期待エクスポージャー計測モデルの開発から独立して、期待エクスポージャー計測モデル及び当該期待エクスポージャー計測モデルから生成されるリスク指標(実効EPE及び実効EPEの構成要素として計測される指標であってリスク管理上重要なものをいう。以下この条において同じ。)の正確性に関する検証(以下この条において「モデル検証」という。)を実施すること。

五 モデル検証の実施に当たっては、次に掲げる要件の全てを満たすこと。

イ 期待エクスポージャー計測モデルの開発時点及びその後定期的に実施すること。

ロ IMMバック・テスティング(期待エクスポージャー計測モデルにより算出したリスク指標と実際の計測値との比較及び固定したポジションに基づく仮想のリスク指標の変化と実際の計測値との比較をいう。チにおいて同じ。)その他適切な検証手法を用いること。

ハ モデル検証のプロセス及びリスク指標の計測方法についての文書を作成すること。

ニ 期待エクスポージャー計測モデルに係る正確性の評価基準及び改善のプロセスを定めること。

ホ モデル検証に用いる代表的ポートフォリオの構築方法を定義すること。

ヘ 予測分布を用いるエクスポージャー計測モデル及びリスク指標を検証する場合には、複数の統計的な分布を用いること。

ト 期待エクスポージャー計測モデルに用いる前提が不適切であることによりリスクを過小に評価していないかどうかを検証すること。

チ IMMバック・テスティングの実施に当たっては、次に掲げる要件の全てを満たすものとする。

(1) マーケット・リスクの変動に関する過去のデータを用いること。この場合において、当該データは、少なくとも一年を超える予測期間を可能な限り多く考慮し、かつ、初期設定日に幅を持たせるものとする。

(2) 期待エクスポージャー計測モデル及びリスク指標を対象とすること。この場合において、担保付取引については、予測期間は最低一年間であり、かつ、典型的なリスクのマージン期間を含むものとする。

(3) 代表的ポートフォリオを対象にポジションを固定する手法を用いること。

(4) 期待エクスポージャー計測モデルの重要な仮定とリスク指標を検証するように設計すること。

リ 時価評価モデルについて、適切なベンチマークをおいて定期的に検証すること。

ヌ 取引固有の情報を正確に捕捉し、取引が適切なネッティング・セットに割り当てられることを検証すること。

ル 金利、外国為替、株価、コモディティ価格その他の期待エクスポージャー計測モデルのリスク・ファクターが長期間にわたって予想され、かつ、ネッティング・セットに含まれる全ての取引の契約期間にわたって期待エクスポージャーが計測されていること。

ヲ 期待エクスポージャー計測モデル及びリスク指標の正確性に関する直近の状況を考慮して検証すること。

ワ 期待エクスポージャー計測モデルに用いるパラメーターの更新頻度の適切性を検証すること。

六 期待エクスポージャー管理部署が、期待エクスポージャー計測モデルの投入データの適切性を管理し、かつ、当該期待エクスポージャー計測モデルから出力される情報を分析(期待エクスポージャー計測モデルにより算出した取引のエクスポージャーと限度額との比較に基づく分析を含む。)すること。

七 理事が期待エクスポージャーに係るカウンターパーティ信用リスクの管理手続(モデル検証を含む。)に積極的に関与していること。

八 期待エクスポージャー計測モデル及びリスク指標が通常のリスク管理手続に密接に組み込まれており、かつ、金庫の信用供与の管理に利用されていること。

九 期待エクスポージャー計測モデル及びリスク指標の運営に関する内部の方針、管理及び手続(期待エクスポージャー計測モデルの評価の基準及び当該基準に抵触した場合の対応策を含む。)を記載した書類が作成され、それらが遵守されるための手段が講じられていること。

十 期待エクスポージャーに係るカウンターパーティ信用リスクの計測過程及びカウンターパーティ信用リスクの内部管理(期待エクスポージャー管理部署の運用内容を含む。)について、原則として一年に一回以上の頻度で内部監査が行われること。

十一 担保額調整の効果を捉えるため、取引固有の情報を入手していること。

十二 適切な担保管理(担保の再利用に係るものを含む。)に係る体制を整備するとともに、担保の計算及び徴求、担保に係る係争の管理並びに個別の担保額、当初証拠金及び追加証拠金の水準の正確な日次報告を行い、かつ、適切な担保管理に係る情報を理事に定期的に報告するための部門を設置していること。

十三 期待エクスポージャー管理部署は、一般誤方向リスク及び個別誤方向リスクの特定、モニタリング及び管理を行うための体制を整備していること。

十四 クロス・プロダクト・ネッティング(複数の異なる取引を合計し、一の債権又は債務とすることにより取引相手方のエクスポージャーをネットで計測することをいう。以下この号において同じ。)を一の取引相手方に対する複数のレポ形式の取引若しくは複数の信用取引その他これに類する海外の取引又は一の取引相手方に対する派生商品取引並びにレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引に適用する場合には、次に掲げる要件の全てを満たすこと。

イ 次に掲げる法的要件

(1) 当事者の一方に取引を終了させることができる事由が生じた場合において取引相手方から受領し、又は取引相手方へ支払う額は、法的に有効なネッティング契約に含まれるマスター・アグリーメントの清算価格及び当該ネッティング契約に含まれる全ての取引の時価の合計額であること。

(2) 当事者の一方に取引を終了させることができる事由が生じた場合に、他方の当事者は、クロス・プロダクト・ネッティングの対象となる全ての取引を適時に終了させ、一の債権又は債務とすることができること。

(3) クロス・プロダクト・ネッティングに係る契約が、当該契約に関係する全ての法令(外国の法令を含む。)に照らして有効であることを継続的に確認していること。

(4) 信用リスク削減手法の効果を反映する場合には、第六節の規定に従うこと。

(5) クロス・プロダクト・ネッティングに係る契約に関係する全ての文書が適切に保存されていること。

ロ 次に掲げる運用要件

(1) クロス・プロダクト・ネッティングの効果を勘案した与信相当額が、通常のリスク管理手続に組み込まれていること。

(2) 取引相手方の与信相当額を信用供与の管理及び経済資本の額の計算に反映すること。

十五 流動性リスク管理に関する方針において、担保の返還や追加担保の差入れの可能性を考慮していること。

十六 第五十二条第四項の規定によりαを推計しようとする場合には、同項各号に掲げる要件を満たしていること。

十七 派生商品取引並びにレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引をその対象とする法的に有効な相対ネッティング契約の効果を勘案している場合には、第五十二条第十六項各号に掲げる条件を満たしていること。

 

(変更に係る届出)

第五十二条の四 期待エクスポージャー方式の使用について承認を受けた標準的手法採用金庫は、次の各号のいずれかに該当する場合には、遅滞なく、その旨及びその内容を金融庁長官及び厚生労働大臣に届け出るものとする。

一 承認申請書の記載事項に変更がある場合

二 承認申請書の添付書類の記載事項に重要な変更がある場合

三 前条各号に規定する承認の基準を満たさない事由が生じた場合

2 前項第三号に基づく届出を行う場合には、標準的手法採用金庫は、当該標準的手法採用金庫が承認の基準を満たさない事項に関する改善計画を当該届出と併せて、又はその後速やかに提出するものとする。

 

(承認の取消し)

第五十二条の五 金融庁長官及び厚生労働大臣は、期待エクスポージャー方式の使用について承認を受けた標準的手法採用金庫が前条第一項第二号の届出を怠った場合又は同項第三号に該当する場合には、第五十二条第一項の承認を取り消すことができる。

 

(段階的適用等)

第五十二条の六 期待エクスポージャー方式の使用について承認を受けた標準的手法採用金庫は、全ての派生商品取引又は全てのレポ形式の取引について期待エクスポージャー方式を適用するものとする。ただし、期待エクスポージャー方式の適用を開始した後の一定の期間について、一部の取引の与信相当額について期待エクスポージャー方式を適用しない旨を第五十二条の二第二項第四号に掲げる期待エクスポージャー方式実施計画に定めている場合は、この限りでない。

2 前項の規定にかかわらず、期待エクスポージャー方式の使用について承認を受けた標準的手法採用金庫は、信用リスク・アセットの額を算出するに当たって重要でない派生商品取引又はレポ形式の取引に対して、期待エクスポージャー方式を適用しないことができる。

 

(カレント・エクスポージャー方式)

第五十三条 標準的手法採用金庫が第五十条第二項の規定によりカレント・エクスポージャー方式を用いる場合には、再構築コストの額及びアドオンの額を合計することにより与信相当額を算出するものとする。

2 前項の再構築コストの額は、次の各号に掲げるいずれかの額とする。ただし、第二号に掲げる額については、法的に有効な相対ネッティング契約下にある取引において用いる場合に限る。

一 派生商品取引を時価評価することにより算出した再構築コストの額(零を下回る場合には、零とする。)

二 ネット再構築コストの額(零を下回る場合には、零とする。)

3 第一項のアドオンの額は、次の各号に掲げるいずれかの額とする。ただし、第二号に掲げる額については、法的に有効な相対ネッティング契約下にある取引において用いる場合に限る。

一 次のイ又はロに掲げる額(以下「グロスのアドオン」という。)

イ 派生商品取引(クレジット・デリバティブを除く。)については、次の表の上欄に掲げる取引の区分及び同表の中欄に掲げる残存期間の区分に応じ、当該取引の想定元本額に同表の下欄に定める掛目(元本を複数回交換する取引にあっては、各掛目に残存交換回数を乗ずるものとする。)を乗じて得た額

取引の区分

残存期間の区分

掛目(パーセント)

外国為替関連取引及び金関連取引



一年以内

一・〇

一年超五年以内

五・〇

五年超

七・五

金利関連取引



一年以内

〇・〇

一年超五年以内

〇・五

五年超

一・五

株式関連取引



一年以内

六・〇

一年超五年以内

八・〇

五年超

十・〇

貴金属関連取引(金関連取引を除く。)



一年以内

七・〇

一年超五年以内

七・〇

五年超

八・〇

その他のコモディティ関連取引



一年以内

十・〇

一年超五年以内

十二・〇

五年超

十五・〇

(注1) 特定の支払期日においてその時点でのエクスポージャーを清算する構造で、かつ、当該特定の期日において市場価値が零になるように契約条件が再設定される契約については、残存期間を次の再設定日までの期間とみなすことができる。この基準を満たす残存期間が一年超の金利関連取引については、アドオン掛目は〇・五パーセントを下限とする。

(注2) 取引の区分欄に掲げられた各取引に当てはまらない派生商品取引(クレジット・デリバティブを除く。)は、「その他のコモディティ関連取引」として取り扱うこととする。

(注3) 同一通貨間かつ変動金利相互間の金利スワップについては、この項に係る額を与信相当額に加えることを要しない。

(注4) 外国為替関連取引とは、異種通貨間の金利スワップ、為替先渡取引(FXA)、先物外国為替取引、通貨先物取引及び通貨オプション(オプション権の取得に限る。)等をいう。

(注5) 金関連取引とは、金に基づく先渡、スワップ及びオプション(オプション権の取得に限る。)等をいう。

(注6) 金利関連取引とは、同一通貨間の金利スワップ、金利先渡取引(FRA)、金利先物取引及び金利オプション(オプション権の取得に限る。)等をいう。

(注7) 株式関連取引とは、個別の株式や株価指数に基づく先渡、スワップ及びオプション(オプション権の取得に限る。)等をいう。

(注8) 貴金属関連取引とは、貴金属に基づく先渡、スワップ及びオプション(オプション権の取得に限る。)等をいう。

(注9) その他のコモディティ関連取引とは、エネルギー取引、農産物取引及び卑金属その他の貴金属以外の金属のコモディティ取引に基づく先渡、スワップ及びオプション(オプション権の取得に限る。)等をいう。

ロ クレジット・デリバティブについては、次の表の上欄に掲げる取引の種類及び同表の中欄に掲げる原債務者の種類に応じ、当該取引の想定元本額に同表の下欄に定める掛目を乗じて得た額

取引の種類

原債務者の種類

掛目(パーセント)

トータル・リターン・スワップ又はクレジット・デフォルト・スワップ

優良債務者

五・〇

その他の債務者

十・〇

(注1) 標準的手法採用金庫がプロテクション提供者である場合の掛目とプロテクション購入者である場合の掛目は同一とする。ただし、標準的手法採用金庫がクレジット・デフォルト・スワップのプロテクション提供者である場合においては、プロテクション購入者が支払不能となった場合に、原債務者の信用事由(プロテクション提供者が支払を行うべき事由として当事者があらかじめ定めたものをいう。)の発生の有無にかかわらず、取引が清算されるものに限り与信相当額を算出するものとする。この場合において、標準的手法採用金庫は、この項の規定により算出される額について、取引の相手先から当該取引の約定に基づいて受け取ることとされていた額を上限とすることができる。

(注2) 優良債務者とは、次に掲げるものをいう。

① 第二十七条から第三十三条までの規定において、リスク・ウェイトが規定されている主体

② 金融機関(第一条第七号ロに掲げる者を除く。)、外国銀行、銀行持株会社、銀行持株会社に準ずる外国の会社、第一種金融商品取引業者、経営管理会社、保険会社及び保険持株会社のうち第三十四条、第三十五条又は第三十五条の二の基準に照らして二十パーセントのリスク・ウェイトとすることが認められている主体並びに適格格付機関により付与された格付に対応する信用リスク区分が4―3又は5―3以上である主体をいう。

(注3) ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブについては、プロテクションの対象とする複数の資産のうち最も信用リスクの高い資産に基づいて原債務者の種類を定めるものとする。セカンド・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブについては、プロテクションの対象とする複数の資産のうち二番目に信用リスクの高い資産に基づいて原債務者の種類を定めるものとする。これらの規定は、クレジット・デリバティブのうち、複数の資産をプロテクションの対象とし、当該プロテクションは当該複数の資産のうち、あらかじめ特定された順位において信用事由が発生した資産に対してのみ提供されるとともに契約が終了するものについて準用する。

二 次の算式により得られるネットのアドオンの額

 ネットのアドオン=0.4×グロスのアドオン+0.6×ネット再構築コスト/グロス再構築コスト×グロスのアドオン

 

第五節 未決済取引

(未決済取引)

第五十四条 標準的手法採用金庫は、同時決済取引について経過営業日数が五日以上となった場合は、次の表の上欄に掲げる経過営業日数に応じ、同表の下欄に定めるリスク・ウェイトを当該取引の再構築コスト(有価証券等の渡し方の場合は約定額から当該取引の有価証券等の時価を控除した額をいい、有価証券等の受け方の場合は当該取引の有価証券等の時価から約定額を控除した額をいう。ただし、いずれも零を下回らないものとする。以下この節及び第五章第三節第八款において同じ。)に乗じて得た額を信用リスク・アセットの額とする。

経過営業日数

リスク・ウェイト(パーセント)

五日以上十五日以内

十六日以上三十日以内

六百二十五

三十一日以上四十五日以内

九百三十七・五

四十六日以上

千二百五十

2 標準的手法採用金庫は、非同時決済取引について、当該取引の相手方に対して有価証券等の引渡し又は資金の支払を行った場合であって、反対取引の決済が行われていないときは、次に定めるところに従うものとする。

一 有価証券等の引渡し又は資金の支払を行った日から、反対取引の約定決済日の四営業日後までの期間は、当該非同時決済取引の約定額に、取引の相手方の種類に応じ、第二十七条から第三十八条までに規定するリスク・ウェイトを乗じて得た額を信用リスク・アセットの額とする。

二 反対取引の約定決済日の五営業日以後は、当該非同時決済取引の約定額(当該非同時決済取引の再構築コストが零を上回る場合には当該約定額及び再構築コストの合計額)に千二百五十パーセントのリスク・ウェイトを乗じて得た額を信用リスク・アセットの額とする。

3 標準的手法採用金庫は、前項第一号の場合において、非同時決済取引に係るエクスポージャーの合計額が重要でないと認められるときは、第二十七条から第三十八条までに規定するリスク・ウェイトに代えて、当該非同時決済取引の全てに百パーセントのリスク・ウェイトを用いることができる。

4 第一項の経過営業日数又は第二項の約定決済日以後の営業日数のうち、外部の決済システムの全体的な障害に起因するものがある場合、標準的手法採用金庫は、その日数を第一項の経過営業日数又は第二項の約定決済日以後の営業日数から除くことができる。

5 前各項の場合において、信用リスク・アセットの額を算出するときは、当該各項に規定する同時決済取引又は非同時決済取引に係るエクスポージャーに対して、百パーセントの掛目を適用するものとする。

 

第六節 信用リスク削減手法

第一款 総則

(信用リスク削減手法の適用)

第五十五条 この節において、信用リスク削減手法とは、第六十四条又は第六十五条に規定する適格金融資産担保、第九十二条の条件を満たす貸出金と自金庫預金の相殺、第九十三条、第九十四条及び第九十七条の条件を満たす保証並びに第九十三条及び第九十五条から第九十七条までの条件を満たすクレジット・デリバティブを総称していう。

2 標準的手法採用金庫は、信用リスク・アセットの額の算出において、信用リスク削減手法を適用することができる。

3 信用リスク削減手法を適用した場合の信用リスク・アセットの額が、信用リスク削減手法を適用しない場合の信用リスク・アセットの額を上回る場合には、標準的手法採用金庫は、信用リスク削減手法を適用することを要しない。

 

(格付の使用)

第五十六条 適格格付機関がエクスポージャーに付与する格付に信用リスク削減手法の利用による効果が既に反映されている場合には、標準的手法採用金庫は、当該エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額の算出において信用リスク削減手法を適用しないものとする。

2 標準的手法採用金庫は、信用リスク削減手法の適用において、元本のみの償還可能性を評価した格付を用いないものとする。

 

(開示)

第五十七条 標準的手法採用金庫は、信用リスク削減手法を適用するためには、金融庁長官及び厚生労働大臣が別に定める事項を開示するものとする。

 

(法的有効性の確保)

第五十八条 リスク・アセットの額の算出において信用リスク削減手法を適用する場合には、当該信用リスク削減手法の契約に係る文書は、取引に関係する全ての当事者を拘束するとともに、当該取引に関連する全ての法律に照らして有効なものとするものとする。

2 標準的手法採用金庫は、前項に規定する法的有効性を継続的に検証するものとする。

 

(信用リスク削減手法から生ずるリスクへの措置)

第五十八条の二 標準的手法採用金庫は、信用リスク削減手法を用いる場合と信用リスク削減手法を用いない場合とを比較し、信用リスク削減手法を用いる場合に発生し得るリスクについて、適切に対応するための措置を講ずるものとする。

 

第二款 適格金融資産担保付取引に共通する事項

(定義)

第五十九条 適格金融資産担保付取引とは、エクスポージャーの信用リスクの全部又は一部が、取引相手又は取引相手のために第三者が提供する適格金融資産担保によって削減されている取引をいう。

 

(手法の選択)

第六十条 標準的手法採用金庫は、次の各号に掲げる場合において、適格金融資産担保付取引について信用リスク削減手法を適用するために、当該各号に定める手法を用いるものとする。

一 マーケット・リスク相当額の算出を行っている標準的手法採用金庫が、マーケット・リスク相当額の算出の対象となっている資産に関するオフ・バランス取引又は派生商品取引の与信相当額について信用リスク削減手法を適用する場合 包括的手法

二 前号以外の場合 簡便手法又は包括的手法のうち、当該標準的手法採用金庫が前号以外の全ての適格金融資産担保付取引に用いるものとして選択した手法

 

(有価証券担保等のリスク・アセットの算出範囲)

第六十条の二 標準的手法採用金庫は、有価証券の貸付又は有価証券による担保を提供する場合には、当該有価証券に係るエクスポージャーの信用リスク・アセットの額又はマーケット・リスク相当額(マーケット・リスク相当額の算出を行っている場合に限る。)及び取引の相手方に対する信用リスク・アセットの額を算出するものとする。

 

(担保の管理)

第六十一条 標準的手法採用金庫は、適格金融資産担保を信用リスク削減手法として用いる場合には、次の各号の条件を満たすものとする。

一 当該標準的手法採用金庫は、適格金融資産担保に係る担保権を維持し、実行するために必要な全ての措置を講じていること。

二 当該標準的手法採用金庫は、担保権の実行を可能とする事由が発生した場合に、取引相手又は適格金融資産担保の管理の受託者に対して、適格金融資産担保を適時に処分又は取得する権利を有していること。

三 当該標準的手法採用金庫は、適格金融資産担保の適時の処分又は取得が可能となるよう、適切な内部手続を設けていること。

四 適格金融資産担保に係るマージン・アグリーメントが締結されている場合には、当該標準的手法採用金庫は、追加担保の管理を適切に実行するために必要となる体制を整備し、かつ、当該適格金融資産担保に係るリスク管理方針を策定するとともに、次に掲げる項目の全ての管理方針(定期的な管理、監視及び報告に係る方針を含む。)を整備していること。

イ 当該契約において担保として授受した有価証券の価格変動リスク及び流動性リスク

ロ 特定の種類の担保への集中リスク

ハ 受け入れた担保資産の再利用から生ずるリスク

ニ 取引相手方へ差し入れた担保の権利放棄

五 適格金融資産担保の管理が第三者に委託されている場合、当該標準的手法採用金庫は、受託者が当該適格金融資産担保と受託者自身の資産を分別管理していることを確認していること。

 

(担保の相関)

第六十二条 適格金融資産担保付取引の取引相手の信用リスクと当該適格金融資産担保の信用リスクが顕著な正の相関を有する場合には、標準的手法採用金庫は、これを信用リスク削減手法として用いないものとする。

 

(オフ・バランス取引の担保)

第六十三条 標準的手法採用金庫は、第四十九条第一項の表の第七号に規定する取引において、有価証券の貸付に際して受入れた担保資産、現金若しくは有価証券による担保の提供において担保提供の原因となっている借入資産(取引の相手方に信用事由が発生したときに、担保と同等の効果を提供する資産(以下この条において「担保としての機能を持つ資産」という。)である場合に限る。)、買戻条件付資産売却における売却代金又は売戻条件付資産購入における購入資産(担保としての機能を持つ資産である場合に限る。)が次条各号又は第六十五条各号に掲げるものである場合には、これを適格金融資産担保として扱うことができる。

 

(簡便手法を用いる場合の適格金融資産担保)

第六十四条 簡便手法を用いる場合の適格金融資産担保は、次に掲げるものとする。

一 現金及び自金庫預金(金庫がエクスポージャーについてクレジット・リンク債を発行している場合を含む。ただし、マーケット・リスク相当額の算出を行っている金庫において、マーケット・リスク相当額の算出の対象となっている資産についてクレジット・リンク債を発行している場合については、この限りでない。以下同じ。)

二 金

三 日本国政府若しくは我が国の地方公共団体が発行する円建ての債券又は国際決済銀行、国際通貨基金、欧州中央銀行、欧州連合、欧州安定メカニズム、欧州金融安定ファシリティ若しくは標準的手法で零パーセントのリスク・ウェイトが適用される国際開発銀行の発行する債券

四 適格格付機関が格付を付与している債券であって、次のイからハまでのいずれかに該当するもの。ただし、前号に該当するものを除く。

イ 中央政府、中央銀行、我が国の地方公共団体、地方公共団体金融機構及び我が国の政府関係機関が発行した債券であって、適格格付機関により付与された格付に対応する信用リスク区分が1―4以上であるもの

ロ イに掲げる債券以外の債券であって、適格格付機関により付与された格付に対応する信用リスク区分(第三十条に掲げる主体の発行する債券に付与された格付については、第三十六条第一項の表を準用するものとする。次号ニ(1)及びホ(1)において同じ。)が2―3、3―3、3の2―3、4―3又は6―10(再証券化エクスポージャーに該当するものを除く。)以上であるもの

ハ 適格格付機関により付与された格付に対応する信用リスク区分(第三十条に掲げる主体の発行する債券に付与された格付については、第三十七条第一項の表を準用するものとする。次号ニ(2)及びホ(2)において同じ。)が5―3又は7―3(再証券化エクスポージャーに該当するものを除く。)以上である短期の債券

五 適格格付機関が格付を付与していない債券であって、次に掲げる条件の全てを満たすもの

イ 発行者が第三十四条から第三十五条の二までに掲げる主体であること。

ロ 取引所金融商品市場、店頭売買有価証券市場又は外国金融商品市場において売買されていること。

ハ 劣後債権でないこと。

ニ 次の(1)又は(2)に掲げる発行者が負っている同順位の債務の区分に応じ、適格格付機関が当該同順位の債務に当該(1)又は(2)に定める格付を下回る格付を付与していないこと。

(1) 短期の債券以外の債券 3―3の信用リスク区分に対応する格付

(2) 短期の債券 5―3の信用リスク区分に対応する格付

ホ 標準的手法採用金庫が、当該債券の信用度が次の(1)又は(2)に掲げる債券の区分に応じ、当該(1)又は(2)に定める信用度を下回ると信ずるに足る情報を有しないこと。

(1) 短期の債券以外の債券 3―3の信用リスク区分に対応する格付

(2) 短期の債券 5―3の信用リスク区分に対応する格付

ヘ 当該債券に十分な流動性があること。

六 指定国(金融商品取引業者の市場リスク相当額、取引先リスク相当額及び基礎的リスク相当額の算出の基準等を定める件(平成十九年金融庁告示第五十九号)第一条第四十号に規定する指定国をいう。以下同じ。)の代表的な株価指数を構成する株式を発行する会社の株式等(株式及び株式に転換する権利を付された社債をいう。以下この節において同じ。)

七 投資信託その他これに類する商品(以下「投資信託等」という。)であって、次に掲げる条件の全てを満たすもの

イ 投資対象が簡便手法において担保適格となる資産に限定されていること。ただし、当該投資信託等が投資している資産のリスクをヘッジするために派生商品取引を用いることを妨げない。

ロ 当該投資信託等の市場における取引価格が毎取引日において公表されていること。

 

(包括的手法を用いる場合の適格金融資産担保)

第六十五条 包括的手法を用いる場合の適格金融資産担保は、前条各号に掲げるもの及び次に掲げるものとする。ただし、レポ形式の取引であって、取引対象の資産がマーケット・リスク相当額の算出の対象になっているもの(再証券化エクスポージャーに該当するものを除く。)については、適格金融資産担保の範囲を限定しない。

一 上場株式であって、指定国の代表的な株価指数を構成しない株式を発行している会社の株式等

二 次に掲げる条件の全てを満たす投資信託等

イ 投資対象が前条に掲げる資産及び前号の株式等に限定されていること。ただし、当該投資信託等が投資している資産のリスクをヘッジするために派生商品取引を用いることを妨げない。

ロ 当該投資信託等の市場における取引価格が毎取引日において公表されていること。

 

(適格金融資産担保の計算方法の例外)

第六十五条の二 標準的手法採用金庫は、適格金融資産担保が次に掲げる要件の全てに該当する場合には、包括的手法又は簡便手法を用いないものとする。この場合において、エクスポージャーの額のうち当該適格金融資産担保に相当する部分について、当該エクスポージャーの取引相手方のリスク・ウェイトに代えて、第二号に規定する第三者の金融機関に対する直接のエクスポージャーに適用されるリスク・ウェイトを適用することができる。

一 第六十四条第一号に該当するものであること。

二 第三者の金融機関(外国銀行を含み、第一条第七号ロに掲げる者を除く。)において管理されていること(ただし、分別管理されている場合を除く。)。

2 前項の場合において、エクスポージャーと担保の通貨が異なるときは、適格金融資産担保に相当する部分の額は、次の算式により算出するものとする。

 C*=C×(1-Hfx)

 C*は、エクスポージャーと担保の通貨が異なる場合における適格金融資産担保に相当する部分の額

 Cは、適格金融資産担保の額

 Hfxは、エクスポージャーと適格金融資産担保の通貨が異なる場合に適用するボラティリティ調整率(次款に定める方法により算出するものとする。)

 

第三款 包括的手法

第一目 総則

(所要自己資本の額の計算)

第六十六条 標準的手法採用金庫は、包括的手法を使用する場合には、信用リスク削減手法を適用した後のエクスポージャーの額(以下「信用リスク削減手法適用後エクスポージャー額」という。)を、ボラティリティ調整率(エクスポージャー又は適格金融資産担保の価格変動リスクを勘案してエクスポージャー又は適格金融資産担保の額を調整するための値をいう。以下同じ。)を用いて次の算式により算出するものとする。

 E*=E×(1+He)-C×(1-Hc-Hfx)

 E*は、信用リスク削減手法適用後エクスポージャー額(ただし、零を下回らない値とする。)

 Eは、エクスポージャーの額

 Heは、エクスポージャーが第四十九条第一項の表の第七号に規定する与信相当額である場合において、取引相手方に引き渡した資産の種類に応じて適用するボラティリティ調整率

 Cは、適格金融資産担保の額

 Hcは、適格金融資産担保に適用するボラティリティ調整率

 Hfxは、エクスポージャーと適格金融資産担保の通貨が異なる場合に適用するボラティリティ調整率

 

(複数の適格金融資産担保に対するボラティリティ調整率)

第六十七条 前条において、エクスポージャーに対し複数の適格金融資産担保が差し入れられている場合には、標準的手法採用金庫は、次の算式により算出したボラティリティ調整率を当該複数の適格金融資産担保の総額に対して適用することができる。

 H=画像  aiHi

 Hは、複数の適格金融資産担保の総額に対して適用するボラティリティ調整率

 aiは、各適格金融資産担保の額が複数の適格金融資産担保の総額に占める割合

 Hiは、各適格金融資産担保に対応するボラティリティ調整率

2 前項の規定は、標準的手法採用金庫が取引相手に対して複数の資産を担保として差し入れている場合に準用する。この場合において、前項中「適格金融資産担保」とあるのは「資産」と読み替えるものとする。

 

(ボラティリティ調整率の種類)

第六十八条 標準的手法採用金庫は、ボラティリティ調整率について、次目に定める標準的ボラティリティ調整率を用いるものとする。

 

第二目 標準的ボラティリティ調整率

(標準的ボラティリティ調整率)

第六十九条 標準的手法採用金庫が標準的ボラティリティ調整率を用いる場合において、包括的手法の計算の対象とする取引について毎営業日の時価評価又は担保額調整を行っており、かつ、保有期間(ボラティリティ調整率を計算する際に、当該資産を保有すると仮定する期間をいう。以下この目から第四目までにおいて同じ。)が十営業日のときに用いるボラティリティ調整率は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。

一 適格金融資産担保が債券である場合 適格格付機関が債券に付与した格付その他の条件、債券の残存期間及び発行体に応じ、次の表に定めるボラティリティ調整率

適格格付機関の格付に対応する信用リスク区分等

残存期間

ボラティリティ調整率

特定の発行体の場合(パーセント)

特定の発行体以外の発行体であって証券化エクスポージャー以外の場合(パーセント)

証券化エクスポージャーの場合(パーセント)

信用リスク区分(第五十三条に掲げる主体の発行する債券に付与された格付については、第五十九条第一項の表又は第六十条第一項の表を準用するものとする。以下この号において同じ。)が1―1、2―1、3―1、3の2―1、4―1、5―1、6―1、6―2、6―3、6―4若しくは7―1の場合又は第八十七条第三号に該当する場合

一年以下

〇・五

一年超三年以下

三年超五年以下



五年超十年以下

十六

十年超


十二


信用リスク区分が1―2、1―3、2―2、2―3、3―2、3―3、3の2―2、3の2―3、4―2、4―3、5―2、5―3、6―5、6―6、6―7、6―8、6―9、6―10、7―2若しくは7―3の場合又は第八十七条第五号の条件を満たす場合

一年以下

一年超三年以下

十二

三年超五年以下



五年超十年以下

十二

二十四

十年超


二十


信用リスク区分が1―4又は2―4の場合

全ての期間

十五

(注) 特定の発行体とは、中央政府等(中央政府、中央銀行、国際決済銀行、国際通貨基金、欧州中央銀行、欧州連合、欧州安定メカニズム、欧州金融安定ファシリティ及び零パーセントのリスク・ウェイトが適用される国際開発銀行をいう。以下この節において同じ。)、我が国の地方公共団体、地方公共団体金融機構及び我が国の政府関係機関をいう。

二 ボラティリティ調整率を適用する対象である資産が次の表に掲げる資産種別に該当する場合 その該当する資産種別に応じ、同表の下欄に定めるボラティリティ調整率

資産種別

ボラティリティ調整率

指定国の代表的な株価指数を構成する株式を発行する会社の株式等及び金

二十パーセント

上場株式(指定国の代表的な株価指数を構成する株式を発行する会社の株式等を除く。)

三十パーセント

投資信託等

投資信託等の投資対象に適用されるボラティリティ調整率のうち最も高いもの。この場合において、当該投資信託等の個々の資産及び取引を直接保有する者とみなすことができるときは、当該資産及び取引に適用されるボラティリティ調整率の加重平均値を用いることができる。

現金及び自金庫預金

零パーセント

適格金融資産担保以外の資産(当該資産について第四十九条第一項の表の第七号に定める与信相当額を算出する場合、SA―CCRを用いて派生商品取引若しくは長期決済期間取引に係る与信相当額を算出する場合においてこれらの取引に係る与信相当額が算出される担保の提供に用いるとき又は第六十五条ただし書の定めるところによりレポ形式の取引について第六十四条各号及び第六十五条各号に掲げるもの以外の資産を用いる場合に限る。以下同じ。)

三十パーセント

2 標準的ボラティリティ調整率を用いる標準的手法採用金庫が、エクスポージャーと担保の通貨が異なる場合に適用するボラティリティ調整率は、毎営業日の時価評価を行っており、かつ、保有期間が十営業日のとき、八パーセントとする。

 

第三目 削除

第七十条から第七十四条まで 削除

 

第四目 ボラティリティ調整率の調整

(ボラティリティ調整率の調整)

第七十五条 適格金融資産担保付取引に包括的手法を用いる場合には、標準的手法採用金庫は、最低保有期間によるボラティリティ調整率の調整及び担保額調整又は時価評価の頻度によるボラティリティ調整率の調整を行うものとする。

2 前項に定める「最低保有期間によるボラティリティ調整率の調整」は、当該適格金融資産担保付取引に用いようとするボラティリティ調整率が前提としている保有期間及び第一号イからホまでに掲げる適格金融資産担保付取引の種類に応じてそれぞれにおいて定める期間(以下「最低保有期間」という。)に基づき、第二号の算式を用いて行うものとする。ただし、当該ボラティリティ調整率が前提としている保有期間が最低保有期間を上回る場合には、最低保有期間によるボラティリティ調整率の調整を省略することができる。

一 最低保有期間は、次のイからホまでに掲げる取引及びネッティング・セットの区分に応じ、当該イからホまでに定める期間とする。

イ レポ形式の取引のうち担保額調整に服しているもの及び当該取引のみを含むネッティング・セット(ホに該当するものを除く。) 五営業日

ロ その他資本市場取引(適格金融資産担保付派生商品取引及び信用取引その他これに類する海外の取引をいう。以下同じ。)のうち担保額調整に服しているもの及び当該その他資本市場取引のみを含むネッティング・セット(ホに該当するものを除く。) 十営業日

ハ イ及びロに該当しない適格金融資産担保付取引 二十営業日

ニ レポ形式の取引のうち担保額調整に服しているもの及びその他資本市場取引に該当する取引を含むネッティング・セット(いずれか一方の取引のみを含むネッティング・セットを除く。) 十営業日

ホ 流動性の低い担保又は再構築の困難な派生商品取引を含むネッティング・セット及び算出基準日を含む四半期の一期前の四半期内のいずれかの時点で取引件数が五千件を超えたネッティング・セット 二十営業日

一の二 前号の規定にかかわらず、算出基準日を含む四半期の前の直近の連続する二の四半期の間に、ネッティング・セットについて、担保額調整に係る係争により、同号の最低保有期間を超える清算期間を要する場合が三回以上生じたときは、次の連続する二の四半期の間は、当該ネッティング・セットについては、同号に定める最低保有期間の少なくとも二倍以上の期間を最低保有期間とみなす。

二 「最低保有期間によるボラティリティ調整率の調整」を行うための式は、次に定めるものとする。

  HM=H10√(TM/10)

 HMは、当該取引に適用される最低保有期間の下で、毎営業日の時価評価又は担保額調整を行っている場合に適用されるボラティリティ調整率(以下同じ。)

  TMは、前号に定める最低保有期間(以下同じ。)

  H10は、調整対象となる第六十九条に規定するボラティリティ調整率

3 第一項に定める「担保額調整又は時価評価の頻度によるボラティリティ調整率の調整」は、次の式を用いて行うものとする。

 H=HM√((NR+(TM-1))/TM)

 Hは、当該取引に適用すべきボラティリティ調整率

 NRは、前項第一号イ若しくはロの取引の担保額調整又は同号ハの取引の時価評価の間隔(営業日数)

 

第五目 ボラティリティ調整率の適用除外

(ボラティリティ調整率の適用除外)

第七十六条 標準的手法採用金庫は、次に掲げる要件の全てを満たすレポ形式の取引については、第六十六条又は第七十九条の算式においてボラティリティ調整率を適用することを要しない。

一 当該レポ形式の取引が、中核的市場参加者を取引の相手方とする取引であること。

二 エクスポージャー及び適格金融資産担保の双方が、現金、自金庫預金又は中央政府等及び我が国の地方公共団体の発行する債券のうち標準的手法で零パーセントのリスク・ウェイトが適用されるものであること。

三 エクスポージャー及び適格金融資産担保が、同一の通貨建てであること。

四 当該レポ形式の取引が取引の実行日の翌営業日に終了すること、又は標準的手法採用金庫がエクスポージャーと適格金融資産担保の双方につき毎営業日に時価評価を行うとともに担保額調整に服していること。

五 取引相手が担保額調整に係る義務を履行せず、担保の処分を行う場合、当該担保額調整のために行った時価評価の日から担保の処分が可能となるまでの日数が四営業日以内であること。

六 当該取引の決済を処理するために用いている外部のシステムの信頼性が確保されていること。

七 当該取引が、中核的市場参加者間で同種の取引のために一般に用いられている約定形態を満たした取引となっていること。

八 取引相手が現金又は証券を引き渡す義務、追加担保を提供する義務その他の義務を履行しない場合に当該標準的手法採用金庫が当該取引を直ちに終了可能であることが、文書で明示されていること。

九 当該標準的手法採用金庫が取引を終了させることができる事由(取引相手が現金若しくは証券を引き渡す義務又は追加担保を提供する義務その他の義務を履行しないこと及び債務超過、破産手続開始の決定、再生手続開始の決定、更生手続開始の決定、特別清算開始の命令その他これらに類する事由の発生を含む。)が取引相手について発生した場合に、当該標準的手法採用金庫が、直ちに担保を処分する権利を有していること。

2 前項の「中核的市場参加者」とは、次に掲げるものをいう。

一 中央政府等、我が国の地方公共団体、地方公共団体金融機構、我が国の政府関係機関及び外国の中央政府以外の公共部門

二 金融機関(第一条第七号ロに掲げる者を除く。)、外国銀行、銀行持株会社、銀行持株会社に準ずる外国の会社、第三十五条においてリスク・ウェイトが規定されている第一種金融商品取引業者及び経営管理会社、金融商品取引法第二条第三十項に規定する証券金融会社、貸金業法施行令(昭和五十八年政令第百八十一号)第一条の二第三号に基づき金融庁長官が指定する短資会社並びに前号に該当しない国際開発銀行

三 銀行法第十六条の二第一項第五号、第五号の二及び第九号に規定するもののうち、標準的手法で二十パーセントのリスク・ウェイトが適用される会社

四 自己資本規制又は借入れ若しくは派生商品取引の利用による投資効果の拡大を制限する規制が適用されている投資信託等

五 存続厚生年金基金(公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成二十五年法律第六十三号)附則第三条第十一号に規定する存続厚生年金基金をいう。)及び企業年金連合会

六 金融商品取引法第二条第二十九項に規定する金融商品取引清算機関

 

(外国におけるレポ形式の取引)

第七十七条 標準的手法採用金庫が外国通貨建ての債券を用いてレポ形式の取引を行う場合、ボラティリティ調整率を適用不要とする範囲は、当該通貨の発行国における基準に従う。

 

第六目 法的に有効な相対ネッティング契約下にあるレポ形式の取引に対するボラティリティ調整率の使用

(レポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引に対する法的に有効な相対ネッティング契約の適用)

第七十八条 標準的手法採用金庫は、次の各号に定める全ての条件を満たす場合に限り、レポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引について法的に有効な相対ネッティング契約の効果を勘案することができる。

一 当事者の一方に取引を終了させることができる事由が生じた場合に、他方の当事者は、当該相対ネッティング契約下にある全てのレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引を適時に終了させ、一の債権又は債務とすることができること。

二 前号に規定する場合において、当該他方の当事者による担保の速やかな処分が認められること。

2 前項に規定する場合において、法的に有効な相対ネッティング契約の対象となる取引のうち一以上の取引がマーケット・リスク相当額の算出の対象に含まれるときは、当該標準的手法採用金庫は、次の各号に定める条件を満たすときに限り、当該相対ネッティング契約の効果を勘案することができる。

一 毎営業日において、当該相対ネッティング契約下にある全ての取引を時価評価していること。

二 当該相対ネッティング契約の対象となる取引のうちマーケット・リスク相当額の算出の対象である取引において用いられている担保が、包括的手法における適格金融資産担保であること。

 

(計算方法)

第七十九条 標準的手法採用金庫は、前条の条件を満たし、法的に有効な相対ネッティング契約下にある複数のレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引について相対ネッティング契約の効果を勘案する場合には、信用リスク削減手法適用後エクスポージャー額を次の算式により算出するものとする。

 E*=(ΣE-ΣC)+0.4×ネット・エクスポージャー+0.6×(グロス・エクスポージャー/√N)+Σ(Efx×Hfx)

 E*は、当該複数のレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引の信用リスクの削減手法適用後エクスポージャー額(ただし、零を下回らない値とする。)

 ΣEは、当該複数のレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引において相手方に提供している資産の時価の合計額

 ΣCは、当該複数のレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引において相手方から受領している資産の時価の合計額

 ネット・エクスポージャーは、Σ(Es×Hs)により算出される額の絶対値

 グロス・エクスポージャーは、Σ(Es×|Hs|)により算出される額

 √Nは、ネッティング・セットに含まれる証券の数を指すNの平方根(ただし、Esがネッティング・セット内の最大のEsの値の十パーセント未満の証券は、Nの数に含めない。)

 Esは、証券ごとのネット・ポジションの時価の絶対値

 Hsは、証券ごとのネット・ポジションの時価の符号が正の場合にあっては当該証券に適用すべきボラティリティ調整率、証券ごとのネット・ポジションの時価の符号が負の場合にあっては当該証券に適用すべきボラティリティ調整率にマイナス一を乗じた値

 |Hs|は、Hsの絶対値

 Efxは、通貨ごとのネット・ポジションのうち、決済通貨と異なる通貨によるポジションの額の絶対値

 Hfxは、エクスポージャーと適格金融資産担保の通貨が異なる場合に適用するボラティリティ調整率

 

第七目 レポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引におけるボラティリティ調整率の下限

(ボラティリティ調整率の下限の対象範囲)

第八十条 包括的手法を用いる標準的手法採用金庫が、特定の取引相手と行う次に掲げる取引(第八十二条第一項及び第八十三条第一項において「対象証券金融取引」という。)については、ボラティリティ調整率の下限(適格金融資産担保による信用リスク削減効果を勘案できない取引を判定するための基準をいう。以下同じ。)を適用するものとする。

一 次に掲げる要件の全てを満たすレポ形式の取引

イ 適格金融資産担保が中央政府等の債券以外であること。

ロ 証券の借入先となる取引の相手方に対して現金による担保の提供を行っていること、又は証券の売戻条件付購入を行っていること。

二 証券の貸借取引(取引の相手方に対して現金による担保の提供を行っているものを除く。)のうち、第八十二条第一項第二号ロに掲げる算式により算出される値が正の値である取引

三 適格金融資産担保付取引(取引の相手方が当該標準的手法採用金庫より借り入れた金銭を用いて購入する有価証券を当該標準的手法採用金庫に担保として供するものであり、取引の相手方が個人でないものに限る。)のうち、適格金融資産担保が中央政府等の債券以外である取引

四 前条の規定により信用リスク削減手法適用後のエクスポージャー額を算出する法的に有効な相対ネッティング契約下におけるレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引のネッティング・セットのうち、次に掲げるネッティング・セット(ただし、ネッティング・セットに含まれる全ての取引が現金又は中央政府等の債券に係るもの及び個人に対する法的に有効な相対ネッティング契約下にある前号に掲げる取引に係るものを除く。)

イ 現金のネット・ポジションが正のネッティング・セット

ロ 第八十三条第一項第二号に掲げる算式により算出される値が正の値であるネッティング・セット(イに該当するものを除く。)

2 前項の「特定の取引相手」とは、次に掲げる者以外の者をいう。

一 中央政府等、我が国の地方公共団体、地方公共団体金融機構、我が国の政府関係機関及び外国の中央政府以外の公共部門

二 金融機関(第一条第七号ロに掲げる者を除く。)、銀行持株会社、バーゼル銀行監督委員会の定める自己資本比率の基準及び流動性比率の基準又はこれらと類似の基準の適用を受ける外国銀行及び銀行持株会社に準ずる外国の会社、第三十五条第一項においてリスク・ウェイトが規定されている第一種金融商品取引業者(外国の者を除く。)及び経営管理会社(外国の者を除く。)、バーゼル銀行監督委員会の定める自己資本比率の基準及び流動性比率の基準又はこれらと類似の基準の適用を受ける第一種金融商品取引業者(外国の者に限る。)及び経営管理会社(外国の者に限る。)、第三十五条の二第一項においてリスク・ウェイトが規定されている保険会社及び保険持株会社、バーゼル銀行監督委員会の定める自己資本比率の基準及び流動性比率の基準又はこれらと類似の基準の適用を受ける保険会社に準ずる外国の者及び保険持株会社に準ずる外国の者、金融商品取引法第二条第三十項に規定する証券金融会社、貸金業法施行令第一条の二第三号に基づき金融庁長官が指定する短資会社並びに前号に該当しない国際開発銀行

三 中央清算機関

 

(ボラティリティ調整率の下限の適用除外)

第八十一条 前条の規定にかかわらず、次に掲げる取引については、ボラティリティ調整率の下限を適用することを要しない。

一 次のイ又はロに掲げる場合に該当する現金担保付証券貸借取引(証券を借り入れて、かつ、現金を担保として差し入れる取引をいう。)

イ 証券が長期のマチュリティで貸し付けられる場合であって、取引の相手方が担保として差し入れられた現金を同一又はより短いマチュリティにおいて再投資する場合

ロ 証券が短期のマチュリティで貸し付けられる場合であって、取引の相手方が金融安定理事会による提言を勘案した現金担保再投資の管理を行っていることについて疎明できる場合

二 前条第一項第二号に掲げる取引であって、取引の相手方に担保として差し入れた証券が次に掲げる要件のいずれかを満たすもの

イ 再利用することが法令等により禁止されていること。

ロ 再利用されないことを疎明できること。

 

(適格金融資産担保による信用リスク削減効果を勘案できない対象証券金融取引)

第八十二条 包括的手法を用いる標準的手法採用金庫は、ネッティング・セットに含まれない単一の証券(ポートフォリオ単位の取引を含む。)が取引される対象証券金融取引において、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める要件を満たす場合には、当該対象証券金融取引に適格金融資産担保を信用リスク削減手法として用いないものとする。

一 第八十条第一項第一号又は第三号に掲げる対象証券金融取引の場合 イに掲げる算式により算出される値がロに掲げる値を下回ること。

イ (C/E)-1

   Eは、エクスポージャーの額をいう。

   Cは、適格金融資産担保の額をいう。

ロ 次項に規定する借入証券、担保として差し入れられた証券又は売戻条件付購入した証券の種類に応じて適用されるボラティリティ調整率の標準的下限(複数の証券である場合には、証券の額で加重平均したボラティリティ調整率の標準的下限とする。)

二 第八十条第一項第二号に掲げる対象証券金融取引の場合 イに掲げる算式により算出される値がロに掲げる算式により算出される値を下回ること。

イ (CB/CA)-1

   CAは、貸出証券又は担保として差し入れた証券の額をいう。

   CBは、借入証券又は担保として差し入れられた証券の額をいう。

   画像

 fAは、貸出証券又は担保として差し入れた証券に適用されるボラティリティ調整率の標準的下限(ただし、中央政府等の債券の場合は零とし、複数の証券である場合は証券の額で加重平均したボラティリティ調整率の標準的下限とする。)をいう。

 fBは、借入証券又は担保として差し入れられた証券に適用されるボラティリティ調整率の標準的下限(ただし、中央政府等の債券の場合は零とし、複数の証券である場合は証券の額で加重平均したボラティリティ調整率の標準的下限とする。)をいう。

2 前項の「ボラティリティ調整率の標準的下限」とは、証券の種類に応じ、次の表に定めるものをいう。

証券の種類

ボラティリティ調整率の標準的下限


当該証券の発行体が中央政府等以外であって、当該証券が証券化エクスポージャー以外である場合(パーセント)

当該証券が証券化エクスポージャーである場合(パーセント)

残存期間が一年以下の債券及び変動金利債

〇・五

残存期間が一年超五年以下の債券

一・五

残存期間が五年超十年以下の債券

残存期間が十年超の債券

指定国の代表的な株価指数を構成する株式を発行する会社の株式等

その他の資産

3 取引の当事者(標準的手法採用金庫及び取引の相手方をいう。次条第二項において同じ。)によって担保の徴求が行われた場合は、決済までの期間によらず、当該担保を第一項第一号イ並びに第二号イ及びロに掲げる算式において勘案することができる。

 

(適格金融資産担保による信用リスク削減効果を勘案できない法的に有効な相対ネッティング契約下にある対象証券金融取引)

第八十三条 包括的手法を用いる標準的手法採用金庫は、相対ネッティング契約下にある対象証券金融取引において、ネッティング・セットごとに計算する第一号に掲げる算式により算出される値が第二号に掲げる算式により算出される値を下回る場合には、当該ネッティング・セットに対して適格金融資産担保(前条第二項の表に掲げるものに限る。)を信用リスク削減手法として用いないものとする。この場合において、当該対象証券金融取引に対して期待エクスポージャー方式を用いるときは、ネッティング・セットの与信相当額の算出に適格金融資産担保(同項の表に掲げるものに限る。)を勘案しないものとする。

 画像

 ΣtCtは、ネッティング・セットに含まれるレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引において、ネット・ポジションでは借入れとなる証券又は現金の取引額の合計額(次号において同じ。)

 ΣsEsは、ネッティング・セットに含まれるレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引において、ネット・ポジションでは貸付けとなる証券又は現金の取引額の合計額(次号において同じ。)

 画像

 ESは、ネッティング・セットに含まれるレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引において、ネット・ポジションでは貸付けとなる特定の証券又は現金の取引額

 fSは、ネッティング・セットに含まれるレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引において、ネット・ポジションでは貸付けとなる証券又は現金の前条第二項に規定するボラティリティ調整率の標準的下限(ただし、現金又は中央政府等の債券の場合は零とする。)をいう。

 Ctは、ネッティング・セットに含まれるレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引において、ネット・ポジションでは借入れとなる特定の証券又は現金の取引額

 ftは、ネッティング・セットに含まれるレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引において、ネット・ポジションでは借入れとなる証券又は現金の前条第二項に規定するボラティリティ調整率の標準的下限(ただし、現金の場合は零とする。)をいう。

2 取引の当事者によって担保の徴求が行われた場合には、決済までの期間によらず、当該担保を前項各号に掲げる算式において勘案することができる。

 

第八十四条から第八十七条まで 削除

 

第八目 包括的手法における担保付派生商品取引

(カレント・エクスポージャー方式による計算方法)

第八十八条 標準的手法採用金庫が包括的手法を適用する場合であって、第五十条第二項の規定により先渡、スワップ及びオプション等の派生商品取引についてカレント・エクスポージャー方式を使用し、かつ、適格金融資産担保を用いるときのエクスポージャーの額は、次の式により算出する。

 E*=(RC+アドオン)-CA

 E*は、信用リスク削減手法適用後エクスポージャー額(ただし、零を下回らない値とする。)

 RCは、第五十三条第二項第一号に定める再構築コスト

 アドオンは、同条第三項第一号に定めるグロスのアドオン

 CAは、Hc(適格金融資産担保に適用するボラティリティ調整率)及びHfx(エクスポージャーと適格金融資産担保の通貨が異なる場合に適用するボラティリティ調整率)を適用した後の担保額

2 法的に有効な相対ネッティング契約が存在する場合には、前項のRCは第五十三条第二項第二号に定めるネット再構築コストとし、アドオンは同条第三項第二号に定めるネットのアドオンとする。

3 前項に規定する場合において、第一項のHfxは、当該相対ネッティングが行われる場合の決済通貨と金融資産担保の通貨が異なるときに適用するものとする。

 

(SA―CCR等による計算方法)

第八十八条の二 標準的手法採用金庫が包括的手法を用いる場合であって、第五十条第一項の規定により先渡、スワップ、オプションその他の派生商品取引についてSA―CCRを使用し、かつ、適格金融資産担保を用いるときのエクスポージャーの額は、次の算式により算出するものとする。

 E*=α×(RC+PFE)

 E*は、信用リスク削減手法適用後のエクスポージャー額(ただし、零を下回る場合にあっては零とする。)

 αは、1.4

 RCは、第五十一条第一項に定める再構築コスト

 PFEは、第五十一条第一項に定める将来の潜在的なエクスポージャー額

2 前条及び前項の規定にかかわらず、標準的手法採用金庫が第五十二条第一項の承認を受けた場合には、信用リスク削減手法適用後のエクスポージャー額を期待エクスポージャー方式により算出することができる。

 

第四款 簡便手法

(前提条件)

第八十九条 標準的手法採用金庫は、適格金融資産担保について簡便手法を用いる場合には、次の条件を満たすものとする。

一 エクスポージャーの残存期間が、当該適格金融資産担保の残存期間を超えていないこと。

二 当該適格金融資産担保が、時価評価され、かつ、少なくとも六月に一回以上再評価されること。

 

(計算方法)

第九十条 簡便手法においては、標準的手法採用金庫は、エクスポージャーの額のうち信用リスク削減手法の適用されている部分について、取引相手に対するリスク・ウェイトに代えて、担保となる資産のリスク・ウェイトを適用する。ただし、次条に掲げる場合を除き、リスク・ウェイトは二十パーセントを下回らないものとする。

 

(二十パーセント・フロアの適用除外)

第九十一条 適格金融資産担保付取引が次の各号に掲げるものである場合には、前条の規定にかかわらず、当該各号に定めるリスク・ウェイトを適用することができる。

一 レポ形式の取引であって、第七十六条第一項各号に掲げる要件の全てを満たすとき。 零パーセント

二 レポ形式の取引であって、第七十六条第一項各号(第一号を除く。)に掲げる要件の全てを満たすとき。 十パーセント

三 派生商品取引に係るエクスポージャー(カレント・エクスポージャー方式を使用する場合に限る。)と担保が同一の通貨建てであり、かつ、標準的手法採用金庫が毎営業日に時価評価を行っている場合において、現金又は自金庫預金が担保であるとき。 零パーセント

四 前号に規定する場合において、中央政府等又は我が国の地方公共団体の発行する債券が担保であり、かつ、当該債券の標準的手法におけるリスク・ウェイトが零パーセントのとき。 十パーセント

五 エクスポージャーと担保が同一の通貨建てであり、かつ、次に掲げる要件のいずれかに該当するとき(前各号に該当する場合を除く。)。 零パーセント

イ 担保が現金又は自金庫預金であること。

ロ 担保が中央政府等又は我が国の地方公共団体の発行する債券であって、当該債券の標準的手法におけるリスク・ウェイトが零パーセントであり、かつ、担保価額を時価の八十パーセント以下としていること。

 

(担保付派生商品取引の計算方法等)

第九十一条の二 前款第七目(第八十三条を除く。)及び第八目の規定は、標準的手法採用金庫が、適格金融資産担保について簡便手法を用いる場合について準用する。この場合において、第八十条第一項、第八十二条第一項、第八十八条第一項及び第八十八条の二第一項中「包括的手法」とあるのは、「簡便手法」と読み替えるものとする。

(令六金庁厚労告一・追加)

(担保付派生商品取引の計算方法の例外)

第九十一条の三 前条において準用する第八十八条の規定にかかわらず、標準的手法採用金庫が、カレント・エクスポージャー方式を用いる場合には、第五十三条に規定する方法で適格金融資産担保を用いないときの与信相当額を計算し、第九十条及び第九十一条に規定する方法により当該適格金融資産担保による信用リスク削減効果を勘案することができる。

 

第五款 貸出金と自金庫預金の相殺

(貸出金と自金庫預金の相殺)

第九十二条 標準的手法採用金庫は、次に掲げる条件を全て満たす場合には、相殺契約下にある貸出金と自金庫預金の相殺後の額を信用リスク削減手法適用後エクスポージャー額とすることができる。ただし、貸出金と自金庫預金の通貨が同一でない場合には、第六十九条第二項に定めるところに従って、担保とエクスポージャーの通貨が異なる場合のボラティリティ調整率を預金の額に適用することを要する。

一 当該標準的手法採用金庫は、取引相手(相殺の対象となる自金庫預金の預金者をいう。以下この款において同じ。)の債務超過、破産手続開始の決定、再生手続開始の決定、更生手続開始の決定又は特別清算開始の命令その他これらに類する事由にかかわらず、当該取引に関連する国において貸出金と自金庫預金の相殺が法的に有効であることを示す十分な根拠を有していること。

二 当該標準的手法採用金庫が、同一の取引相手との間で相殺契約下にある貸出金と自金庫預金をいずれの時点においても特定することができること。

三 自金庫預金が継続されないリスクが、監視及び管理されていること。

四 関連するエクスポージャーについて、貸出金と自金庫預金の相殺後の額が、監視及び管理されていること。

2 前項に定めるボラティリティ調整率の計算に係る条件については、包括的手法に関する規定を準用する。ただし、最低保有期間は十営業日とする。

 

第六款 保証及びクレジット・デリバティブ

第一目 適格要件

(保証及びクレジット・デリバティブに共通の条件)

第九十三条 標準的手法採用金庫が保証又はクレジット・デリバティブを信用リスク削減手法として用いる場合には、当該保証又はクレジット・デリバティブは、次に掲げる条件の全てを満たすものとする。

一 保証又はクレジット・デリバティブが、保証人又はプロテクション提供者に対する直接的な債権となっていること。

二 被保証債権若しくは原債権又は保証若しくはクレジット・デリバティブの対象となしうる債権の範囲が明らかになっていること。

三 当該標準的手法採用金庫が保証若しくはクレジット・デリバティブによる信用リスク削減効果の提供を受けるために必要な支払を行わない場合又は第百四条第二号イに基づく取扱いを行う場合を除いて、信用リスク削減効果の提供が中止されないこと。

三の二 保証人又はプロテクション提供者が合意された残存期間を事後において変更できないこと。

四 被保証債権又は原債権の債務者の信用度が悪化した場合に継続して信用リスク削減効果を享受するために、保証人又はプロテクション提供者に対する支払を実質的に追加することが必要とされないこと。

五 保証又はクレジット・デリバティブ契約の文書が作成されていること。

六 保証又はクレジット・デリバティブは、被保証債務について支払不履行が生じた場合又はクレジット・デリバティブについて第九十五条第一号に規定する事由(第九十六条を適用する場合においては、第九十五条第一号イ又はロに規定する事由)が生じた場合に、保証人又はプロテクション提供者が適時に支払を行うことを妨げる条項を含まないこと。

 

(保証に関する条件)

第九十四条 標準的手法採用金庫が保証を信用リスク削減手法として用いる場合には、当該保証は、前条に定めるもののほか、次に掲げる条件の全てを満たすものとする。

一 保証債務を履行すべき事由が生じた場合、標準的手法採用金庫は被保証債権の債務者に対して訴訟による請求を行うことなしに、保証人に対して速やかに保証債務の履行(被保証債権の債務者が行うこととしていた支払予定に沿った支払の形態を取るものを含む。)を請求できること。

二 被保証債権の債務者が標準的手法採用金庫に支払うべき債務のうち、手数料、利息その他の元本以外のもの(以下「元本以外の関連債務」という。)も保証の対象としていること。

2 前項第二号の規定にかかわらず、被保証債務が元本のみである場合には、標準的手法採用金庫は、元本以外の関連債務は保証されていないものとして認識し、第百条の規定により取り扱うことができる。

 

(クレジット・デリバティブに関する条件)

第九十五条 標準的手法採用金庫がクレジット・デリバティブを信用リスク削減手法として用いる場合には、当該クレジット・デリバティブは、第九十三条に定めるもののほか、次に掲げる条件の全てを満たすものとする。

一 当該クレジット・デリバティブは、次に掲げる事由の発生に基づき、支払を受けられるものであること。

イ 原債権に係る支払義務の不履行(免責額の定めを設けることを妨げない。)

ロ 原債権の債務者に係る破産手続開始の決定、再生手続開始の決定、更生手続開始の決定、特別清算開始の命令若しくは支払不能又は原債権の弁済期の到来時に債務不履行となる可能性が極めて高いことを認定した文書の存在その他これらに類する事由

ハ 原債権の元本、利息又は手数料の支払に関する減免又は猶予の発生のうち、原債権の債務者の経営再建又は支援を図ることを目的として行われたもの

二 プロテクション提供者が前号に掲げる事由の発生に基づく支払額を原債権の債務者の特定の債務についての評価額に基づいて算定し、これを現金で支払うことで決済できる場合には、当該評価を適切に行うための手続(当該評価を行うまでの期間の定めを含む。)が確立していること。

三 第一号に掲げる事由の発生に基づく決済のために、当該標準的手法採用金庫がプロテクション提供者に対して原債権を譲渡することを義務付けられている場合であって、当該譲渡に際して原債権の債務者の同意を要するときは、当該同意は理由なく留保されないことが、原債権に係る文書で定められていること。

四 当該標準的手法採用金庫は、プロテクション提供者に第一号に掲げる事由の発生を通知する権利を有しており、かつ、当該事由の発生の有無を判断する者が、明確であること。ただし、当該判断はプロテクション提供者のみが行い得るものでないものとする。

五 原債権が決済のための参照債務に含まれていない場合には、決済のための参照債務が原債権と同一又はそれに劣後する支払順位にあり、原債権と決済のための参照債務の債務者が同一であり、かつ、決済のための参照債務が法的に有効なクロス・デフォルト条項等(原債権について第一号に掲げる事由が生じた場合に、参照債務について期限の利益を喪失させることを可能とする条項をいう。次号において同じ。)が設けられていること。

六 原債権が信用事由判断のための参照債務に含まれていない場合には、信用事由判断のための参照債務が原債権と同一又はそれに劣後する支払順位にあり、信用事由判断のための参照債務と原債権の債務者が同一であり、かつ、信用事由判断のための参照債務が法的に有効なクロス・デフォルト条項等が設けられていること。

七 当該クレジット・デリバティブが、保証と同等の信用リスク削減効果を提供するクレジット・デフォルト・スワップ又はトータル・リターン・スワップであること。ただし、当該標準的手法採用金庫が当該トータル・リターン・スワップにより受領した純受取額を収益として認識する場合には、原債権の価値の減少を帳簿価額の減額又は引当てを通じて認識していることを要する。

 

(条件の一部を満たさない場合)

第九十六条 クレジット・デリバティブが、前条第一号ハに掲げる事由の発生による支払を受けられないことを除き同条各号に掲げる条件の全てを満たす場合には、標準的手法採用金庫は、同条の規定にかかわらず、原債権のうち当該クレジット・デリバティブの想定元本額の六十パーセントに相当する額について信用リスク削減効果を勘案することができる。ただし、想定元本額が原債権の額を上回る場合には、信用リスク削減効果を勘案できる額は、原債権の額の六十パーセントを限度とする。

 

(保証人及びプロテクション提供者の適格性)

第九十七条 標準的手法採用金庫が保証又はクレジット・デリバティブを信用リスク削減手法として用いる場合には、保証人又はプロテクション提供者は、次に掲げるものとするものとする。

一 被保証債権又は原債権の債務者よりも低いリスク・ウェイトが適用される中央政府等、我が国の地方公共団体、地方公共団体金融機構、我が国の政府関係機関、外国の中央政府以外の公共部門、国際開発銀行及び第三十四条から第三十五条の二までに掲げる主体

二 前号に掲げる主体以外の主体であって、適格格付機関が格付を付与しているもの(被保証債権又は原債権の債務者の親会社、子会社及び関連会社を含む。)

 

(内部取引によるヘッジ効果の反映)

第九十七条の二 第八条の十一又は第十六条の十一の規定により標準的手法採用金庫の保有するエクスポージャー(マーケット・リスク相当額の算出対象であるものを除く。)にクレジット・デリバティブ(保証と同等の信用リスク削減効果を提供するクレジット・デフォルト・スワップ及びトータル・リターン・スワップに限る。)を用いた内部取引によるヘッジ効果を反映する場合には、当該クレジット・デリバティブによる信用リスク削減効果を当該エクスポージャーのうちヘッジ効果が反映される部分について勘案することができる。

2 第八条の十四第五項又は第十六条の十四第五項の規定により標準的手法採用金庫の第五十条第一項に規定する派生商品取引の与信相当額にクレジット・デリバティブ(保証と同等の信用リスク削減効果を提供するクレジット・デフォルト・スワップに限る。)を用いた内部取引をヘッジ手段として利用する場合には、当該クレジット・デリバティブによる信用リスク削減効果を当該与信相当額のうちヘッジ効果が反映される部分について勘案することができる。

 

第二目 計算方法等

(計算方法)

第九十八条 保証又はクレジット・デリバティブを用いた場合(前条に規定する場合を除く。)には、標準的手法採用金庫は、エクスポージャーの額のうち被保証部分又はプロテクションが提供されている部分(第九十六条に該当する場合は同条に定める額を限度とする。)について、被保証債権又は原債権のリスク・ウェイトに代えて、保証人又はプロテクション提供者のリスク・ウェイトを適用することができる。ただし、第二十七条第二項、第二十九条第一項、第三十一条の二第一項、第三十二条第一項及び第三十三条第一項に定めるリスク・ウェイトは、保証又はクレジット・デリバティブが円建てであり、かつ、当該標準的手法採用金庫の保有するエクスポージャーが円建てで調達されたものである場合に限り適用できるものとする。

2 前条に規定する場合には、標準的手法採用金庫は、ヘッジ効果が反映される部分の額と当該クレジット・デリバティブの想定元本の額とを相殺することができる。

 

(免責額の扱い)

第九十九条 標準的手法採用金庫が信用リスク削減手法として用いる保証又はクレジット・デリバティブが、被保証債権又は原債権に係る損失又は支払義務の不履行が発生したにもかかわらず、その額が一定の水準を下回る場合には保証人又はプロテクション提供者(第九十七条の二に規定する場合にあっては、第三者である適格プロテクション提供者。次条、第百一条及び第百四条第二号イにおいて同じ。)が支払を行わないことができるものであるときは、当該標準的手法採用金庫は、当該水準に相当する額に千二百五十パーセントのリスク・ウェイトを適用するものとする。

 

(比例的な保証又はクレジット・デリバティブ)

第百条 標準的手法採用金庫が信用リスク削減手法として用いる保証による被保証部分又はクレジット・デリバティブによってプロテクションが提供されている部分がエクスポージャーより小さい場合であって、当該標準的手法採用金庫と保証人又はプロテクション提供者が被保証債権又は原債権に係る損失をエクスポージャーの額に対する保証又はプロテクションの額の割合に比例する形で負担するときは、標準的手法採用金庫は、エクスポージャーのうち被保証部分又はプロテクションが提供されている部分についてのみ信用リスク削減効果を勘案することができるものとする。

 

(階層化された保証又はクレジット・デリバティブ)

第百一条 標準的手法採用金庫がエクスポージャーに係る信用リスクの一部を一又は複数の階層に分割して一又は複数の保証人又はプロテクション提供者に移転する場合において、当該標準的手法採用金庫が当該信用リスクの残部を留保し、かつ、移転されたリスクと留保されたリスクの優先度が異なるときは、当該標準的手法採用金庫は、当該留保した部分について第六章の規定を準用することにより定められるリスク・ウェイトを適用するものとする。

 

(エクスポージャーの通貨と保証又はクレジット・デリバティブの通貨の不一致)

第百二条 保証又はクレジット・デリバティブの通貨がエクスポージャーの通貨と一致しない場合における保証額又はクレジット・デリバティブの想定元本額は、次の式により算出された額とする。

 Ga=G×(1-Hfx)

 Gaは、調整後の保証額又はクレジット・デリバティブの想定元本額

 Gは、保証額又はクレジット・デリバティブの想定元本額

 Hfxは、保証又はクレジット・デリバティブの通貨とエクスポージャーの通貨が一致しない場合に適用するボラティリティ調整率

2 標準的手法採用金庫は、前項のボラティリティ調整率について第七十五条第二項及び第三項の規定によりボラティリティ調整率を調整するものとする。この場合において、最低保有期間は十営業日とし、同項の調整は、為替リスクに関する時価評価の間隔が一営業日よりも長い場合において行うものとする。

3 前項に定める事項を除き、ボラティリティ調整率の計算に係る条件については、包括的手法に関する規定を準用する。

 

(中央政府等又は我が国の地方公共団体による再保証等)

第百三条 エクスポージャーに対する保証について、中央政府等又は我が国の地方公共団体が再保証を行っている場合には、標準的手法採用金庫は、次の各号に掲げる条件を満たすときに限り、当該保証を中央政府等又は我が国の地方公共団体によるものとして扱うことができる。

一 中央政府等又は我が国の地方公共団体による再保証が、保証の対象である債務のうち元本以外の関連債務もその対象としていること。

二 エクスポージャーに対する保証及び中央政府等又は我が国の地方公共団体による再保証が、それぞれ保証の適格要件の全てを満たしていること。ただし、中央政府等又は我が国の地方公共団体による再保証は第九十三条第一号及び第二号の要件を満たすことを要しない。

三 中央政府等又は我が国の地方公共団体による再保証の履行の確実性に問題がなく、かつ、中央政府等又は我が国の地方公共団体が直接に保証した場合と比べて保証の提供範囲が狭いことを示すような過去の実績がないこと。

2 前項の規定は、中央政府等又は我が国の地方公共団体が再保証以外の形態で行う信用の補完を用いて信用リスク削減効果を勘案しようとする場合について準用する。この場合において、同項中「再保証」とあるのは「再保証以外の形態で行う信用の補完」と、同項第三号中「保証した」とあるのは「信用の補完を行った」と、「保証の提供範囲」とあるのは「信用の補完が行われる範囲」と読み替えるものとする。

 

第七款 信用リスク削減手法の残存期間がエクスポージャーの残存期間を下回る場合の取扱い

(残存期間の定義)

第百四条 標準的手法採用金庫は、信用リスク削減手法を使用する場合には、次の各号の規定に従い、エクスポージャーの残存期間及び信用リスク削減手法(第九十七条の二に規定する場合にあっては、内部取引のポジションを完全に相殺する外部ヘッジ取引又は外部CVAヘッジ取引。以下この款において同じ。)の残存期間をともに保守的な値とするものとする。

一 エクスポージャーの残存期間は、原則として、債務の履行がなされる期日として考え得るもののうち最も遅い期日に基づいて計算するものとし、猶予期間(支払義務の不履行が期限の利益を喪失させるまでに必要な期間をいう。以下同じ。)が設けられている場合にはこれを残存期間に含めるものとする。

二 信用リスク削減手法の残存期間(前号に規定する場合において、当該標準的手法採用金庫の利用する信用リスク削減手法が当該猶予期間の終了時点まで延長されるものであり、かつ、猶予期間を考慮しない場合のエクスポージャーの最終支払期日において当該延長を行い得るものであるときは、信用リスク削減手法の残存期間は、猶予期間を含むものとして扱うことができる。)は、原則として、イ及びロに定めるほか、信用リスク削減手法に組み込まれたオプションがその残存期間を短縮する可能性を考慮に入れたうえで最短の残存期間を用いるものとする。

イ 信用リスク削減効果(第九十七条の二に規定する場合にあっては、内部取引のポジションを完全に相殺する外部ヘッジ取引又は外部CVAヘッジ取引によるヘッジ効果。ロにおいて同じ。)を終了させる権利を保証人又はプロテクション提供者が持っている場合には、残存期間は当該終了が可能となる最初の期日までとする。

ロ 信用リスク削減効果を終了させる権利を当該標準的手法採用金庫が保有し、終了させない場合に当該標準的手法採用金庫が信用リスク削減効果を早期に終了させる相応の動機(信用リスク削減効果を維持するための費用が被保証人又は原債権の債務者の信用力の低下以外の要因により上昇するものを含む。)を持つときは、信用リスク削減手法の残存期間は当該終了が可能となる最初の期日までとする。

 

(信用リスク削減手法の残存期間の下限)

第百五条 標準的手法採用金庫は、信用リスク削減手法の残存期間がエクスポージャーの残存期間を下回り、かつ、次の各号のいずれかに該当する場合、当該信用リスク削減手法を適用することができない。

一 信用リスク削減手法を勘案する当初の時点において、信用リスク削減手法の残存期間が一年を下回るとき。

二 信用リスク削減手法の残存期間が三月以下となったとき。

 

(計算方法)

第百六条 標準的手法採用金庫は、信用リスク削減手法の残存期間がエクスポージャーの残存期間を下回る場合には、信用リスク削減手法の効果を、次の算式により調整するものとする。

 Pa=P×{(t-0.25)/(T-0.25)}

 Paは、残存期間調整後の信用リスク削減手法の額

 Pは、信用リスク削減手法の額(第百二条に定めるところによりボラティリティ調整率が適用される場合には、その調整後の額とする。)

 tは、信用リスク削減手法の残存期間を年数で表示した値。ただし、tがTよりも大きい場合にはTを用いる。

 Tは、エクスポージャーの残存期間を年数で表示した値。ただし、エクスポージャーの残存期間が五年を超える場合には、五を用いる。

 

第八款 信用リスク削減手法に関するその他の事項

第一目 複数の信用リスク削減手法の取扱い

(複数の信用リスク削減手法)

第百七条 標準的手法採用金庫は、一のエクスポージャーに複数の信用リスク削減手法の効果を勘案する場合には、エクスポージャーをそれぞれの信用リスク削減手法を適用する部分に任意に分割し、分割後のエクスポージャーごとに一の信用リスク削減手法を用いるものとする。

 

(同一提供者による通貨又は残存期間の異なる保証又はクレジット・デリバティブ)

第百八条 一の主体が一のエクスポージャーに対して複数の保証又はクレジット・デリバティブを提供している場合であって、それらの通貨又は残存期間が異なるときは、標準的手法採用金庫は、エクスポージャーをそれぞれの保証又はクレジット・デリバティブを適用する部分に分割するものとする。

 

第二目 ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブ

(プロテクションを取得した場合)

第百九条 標準的手法採用金庫は、信用リスク削減手法としてファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブを用いないものとする。

 

(プロテクションを提供した場合)

第百十条 標準的手法採用金庫がファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブによってプロテクションを提供する場合には、プロテクションの提供対象となり得る複数のエクスポージャーのリスク・ウェイトを千二百五十パーセントを上限として合計し、当該クレジット・デリバティブの与信相当額に当該リスク・ウェイトを乗ずることにより、信用リスク・アセットの額を算出するものとする。

 

第三目 セカンド・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブ等

(プロテクションを取得した場合)

第百十一条 標準的手法採用金庫は、信用リスク削減手法として特定順位参照型クレジット・デリバティブ(ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブを除く。)を用いないものとする。

 

(プロテクションを提供した場合)

第百十二条 第百十条の規定は、標準的手法採用金庫がセカンド・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブによってプロテクションを提供する場合について準用する。この場合において、同条中「ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブ」とあるのは「セカンド・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブ」と、「信用リスク・アセットの額を算出するものとする」とあるのは「信用リスク・アセットの額を算出するものとする。ただし、プロテクションの提供対象となり得る複数のエクスポージャーのうち、当該クレジット・デリバティブの想定元本額を限度としてプロテクション提供者のリスク・ウェイトを適用したときに信用リスク・アセットの額の削減効果が最も小さい一のエクスポージャーについて削減される信用リスク・アセットの額を控除することができる」と読み替えるものとする。

 

(特定順位参照型クレジット・デリバティブのプロテクションを提供した場合)

第百十三条 第百十条の規定は、標準的手法採用金庫が特定順位参照型クレジット・デリバティブ(ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブ及びセカンド・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブを除く。)によるプロテクションの提供における信用リスク・アセットの額を算出する場合について準用する。この場合において、同条中「ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブ」とあるのは「特定順位参照型クレジット・デリバティブ(ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブ及びセカンド・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブを除く。)」と、「信用リスク・アセットの額を算出するものとする」とあるのは「信用リスク・アセットの額を算出するものとする。ただし、プロテクションの提供対象となり得る複数のエクスポージャーのうち、当該クレジット・デリバティブの想定元本額を限度としてプロテクション提供者のリスク・ウェイトを適用したときに、信用リスク・アセットの額の削減効果において、最も小さい一のエクスポージャーから数えて当該特定順位参照型クレジット・デリバティブにおけるあらかじめ特定された順位から一を減じて得られる順位までのエクスポージャーについて削減される信用リスク・アセットの額の合計額を控除することができる」と読み替えるものとする。

 

第七節 間接清算参加者に対するトレード・エクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算出方法の特例

(間接清算参加者に対するトレード・エクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算出方法の特例)

第百十三条の二 標準的手法採用金庫が直接清算参加者として間接清算参加者の適格中央清算機関に対するトレード・エクスポージャーに係る清算取次ぎ等を行うことにより生ずる間接清算参加者に対するトレード・エクスポージャーについて、与信相当額の算出にカレント・エクスポージャー方式を用いている場合には、当該トレード・エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額は、次の算式により算出した額を当該信用リスク・アセットの額とみなすことができる。

 RWA*=RWA×√(Tm/10)

 RWA*は、この条の規定の適用後の信用リスク・アセットの額

 RWAは、前各節の規定により算出した当該トレード・エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額

 Tmは、第五十二条第十一項の規定により算出したリスクのマージン期間。この場合において、同項第一号の規定にかかわらず、日々の値洗いにより担保額が調整されるネッティング・セットに係るリスクのマージン期間は五営業日とすることができる。

 

第五章 信用リスクの内部格付手法

第一節 総則

第一款 承認手続等

(内部格付手法の承認)

第百十四条 金庫は、金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を受けた場合に、内部格付手法を用いることができる。

 

(承認申請書の提出)

第百十五条 内部格付手法の使用について前条の承認を受けようとする金庫は、次に掲げる事項を記載した承認申請書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

一 名称

二 自己資本比率を把握し管理する責任者の氏名及び役職名

2 前項の承認申請書には、次に掲げる書類を添付するものとする。

一 理由書

二 前項第二号に規定する責任者の履歴書

三 信用リスク管理指針

四 内部格付手法実施計画

五 先進的内部格付手法移行計画(基礎的内部格付手法採用金庫が新たに先進的内部格付手法採用金庫としての承認を申請する場合に限る。)

六 その他承認に係る審査において参考となるべき事項を記載した書類

3 前項第四号に掲げる内部格付手法実施計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。ただし、先進的内部格付手法採用金庫が一部の事業単位又は資産区分(同一の事業単位において保有する事業法人向けエクスポージャー、ソブリン向けエクスポージャー、金融機関等向けエクスポージャー、居住用不動産向けエクスポージャー、適格リボルビング型リテール向けエクスポージャー及びその他リテール向けエクスポージャーをいう。以下この章において同じ。)のうち第百二十一条第二項各号に掲げるエクスポージャーに該当しないものについてLGD及びEADの自金庫推計値を使用しないことを妨げない。

一 内部格付手法を適用する範囲及び同手法の適用を開始する日

二 内部格付手法の適用を除外する予定の事業単位又は資産区分

4 第二項第五号に掲げる先進的内部格付手法移行計画には、第百二十一条第二項各号に掲げるエクスポージャーに該当しない事業法人等向けエクスポージャーについて、LGD及びEADの自金庫推計値を使用する範囲及び使用を開始する時期に関する事項を記載するものとする。ただし、一部の事業単位又は資産区分についてLGD及びEADの自金庫推計値を使用しないことを妨げない。

 

(予備計算)

第百十六条 内部格付手法の使用について承認を受けようとする金庫は、内部格付手法の使用を開始しようとする日の属する事業年度の前事業年度以降において、承認を得ようとする内部格付手法に基づいて自己資本比率を予備的に計算し、当該前事業年度の中間予備計算報告書(事業年度開始の日から当該事業年度の九月三十日までの内部格付制度(第百五十五条第一項に規定する内部格付制度をいう。以下この款において同じ。)の運用状況及び当該事業年度の九月三十日の自己資本比率の状況に関する事項を記載した書類をいう。以下この条において同じ。)及び当該前事業年度の予備計算報告書(事業年度の内部格付制度の運用状況及び当該事業年度の末日の自己資本比率の状況に関する事項を記載した書類をいう。以下この条において同じ。)を作成するものとする。ただし、内部格付手法採用金庫、信用金庫法第八十九条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、信用金庫及び信用金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準第一条第二号に規定する内部格付手法採用金庫又は協同組合による金融事業に関する法律第六条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、信用協同組合及び信用協同組合連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準第一条第二号に規定する内部格付手法を採用する信用協同組合等が行う合併その他の組織再編成により新たに設立される金庫又は当該組織再編成後に存続する金庫が内部格付手法の使用について承認を受けようとする場合において、当該組織再編成が内部格付手法に基づく自己資本比率の計算の継続性に重要な影響を及ぼすものでなく、かつ、当該承認を受けようとする金庫が当該組織再編成前に内部格付手法を採用していた金融機関(預金保険法第二条第一項第三号から第八号までに掲げる者に限る。)における数値等に基づく中間予備計算報告書及び予備計算報告書に準ずる書類を作成することができるときは、この限りでない。

2 前項に定める自己資本比率の予備的な計算を行おうとする金庫は、前条第一項及び第二項の書類に準ずる書類を添付して、金融庁長官及び厚生労働大臣に届出を行うものとする。

3 金庫は、承認申請書の提出に先立って、第一項に掲げる中間予備計算報告書及び予備計算報告書に前条第一項及び第二項の書類に準ずる書類を添付して、それぞれ当該報告書の対象である期間の経過後三月以内に金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

4 内部格付手法の使用を開始しようとする日が十月一日以降である場合における前三項の規定の適用については、第一項中「当該前事業年度の中間予備計算報告書」とあるのは、「当該使用を開始しようとする日の属する事業年度の中間予備計算報告書」とする。

 

(承認の基準)

第百十七条 金融庁長官及び厚生労働大臣は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める基準に適合するかどうかを審査するものとする。

一 基礎的内部格付手法採用金庫として承認する場合は、第四節第一款から第六款までに規定する最低要件に沿った内部格付制度を、当該承認に先立って三年以上にわたり使用しており、同節第七款及び第八款に規定する最低要件を内部格付手法の使用を開始する日以降満たすことが見込まれ、かつ、内部格付手法実施計画が合理的なものであること。ただし、内部格付制度の改良を行うことを妨げない。

二 先進的内部格付手法採用金庫として承認する場合は、第四節第五款第四目から第六目までに規定するLGD及びEADの自金庫推計値を利用するための最低要件に沿った内部格付制度を、当該承認に先立って三年以上にわたり使用していること、内部格付手法実施計画又は先進的内部格付手法移行計画が合理的なものであること並びに前号の基準を満たすこと。ただし、内部格付制度の改良を行うことを妨げない。

 

(変更に係る届出)

第百十八条 内部格付手法採用金庫は、次の各号のいずれかに該当することとなった場合には、遅滞なく、その旨及びその内容を金融庁長官及び厚生労働大臣に届け出るものとする。

一 承認申請書の記載事項に変更がある場合

二 承認申請書の添付書類の記載事項に重要な変更がある場合

三 第四節第一款から第八款までに規定する最低要件を満たさない事由が生じた場合

2 前項第三号に掲げる事由が生じた場合には、内部格付手法採用金庫は、当該事由に関する改善計画を記載した書面又は当該事由が当該金庫のリスクの観点から重要でない旨の説明を記載した書面を速やかに提出するものとする。

(平二二金庁厚労告四・令六金庁厚労告一・一部改正)

(承認の取消し)

第百十九条 金融庁長官及び厚生労働大臣は、前条第一項第三号に規定する場合であって、内部格付手法を用いて信用リスク・アセットの額を算出することが不適当と判断したときは、第百十四条の承認を取り消すことができる。

 

第二款 段階的適用等

(内部格付手法の適用)

第百二十条 内部格付手法採用金庫は、全てのエクスポージャーに対して、内部格付手法を適用するものとする。ただし、内部格付手法の適用を開始した後の一定の期間について、事業単位ごと又は資産区分ごとに標準的手法を適用する旨を内部格付手法実施計画に定めている場合は、この限りでない。

2 前項の規定にかかわらず、アセット・クラス(次に掲げるエクスポージャーで構成されるポートフォリオの区分であって、信用リスク・アセットの額の算出において内部格付手法を適用する単位をいう。以下この項及び第百二十二条において同じ。)のうち、内部格付手法が適さないと判断されるアセット・クラスに対しては、内部格付手法を適用しないものとする。ただし、当該アセット・クラス内のポートフォリオ構成の大きな変化その他の事情が生じた場合は、この限りでない。

一 ソブリン向けエクスポージャー(購入債権を除く。)

二 金融機関等向けエクスポージャー(購入債権を除く。)

三 事業法人向けエクスポージャー(特定貸付債権及び購入債権を除く。)

四 特定貸付債権(購入債権を除く。)

五 購入事業法人等向けエクスポージャー

六 居住用不動産向けエクスポージャー(購入債権を除く。)

七 適格リボルビング型リテール向けエクスポージャー(購入債権を除く。)

八 その他リテール向けエクスポージャー(購入債権を除く。)

九 購入リテール向けエクスポージャー

3 前二項の規定にかかわらず、内部格付手法採用金庫は、自金庫の信用リスク・アセットに関連する事業の大部分にわたる会社分割その他の特段の事情がある場合には、金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を得たときに限り、内部格付手法に代えて標準的手法を用いることができる。

 

(先進的内部格付手法への移行)

第百二十一条 先進的内部格付手法採用金庫は、内部格付手法実施計画又は先進的内部格付手法移行計画に従って、事業法人等向けエクスポージャーのLGD及びEADを推計するものとする。

2 前項の規定にかかわらず、先進的内部格付手法採用金庫は、事業法人等向けエクスポージャー(ソブリン向けエクスポージャー及び特定貸付債権に該当するものを除く。)のうち、次に掲げるエクスポージャーについてLGD及びEADの自金庫推計値を用いないものとする。

一 事業法人の連結売上高(当該事業法人が連結財務諸表を作成している場合及び内部格付手法採用金庫が同一のグループに属するものとして管理している場合にあっては、連結の売上高であって直近三年間の平均値又は三年ごとに更新される直近の値)が五百億円を超える事業法人向けエクスポージャー

二 次のイ又はロに掲げるものに対するエクスポージャー(前号に該当するものを除く。)

イ 規制金融機関

ロ 金融業、保険業その他これらに類する業種に属する事業を主たる事業として営む者(これに準ずる外国の者を含む。)であって、イに該当しないもの(第百三十一条第二項第二号及び第三号において「非規制金融機関等」という。)

 

(適用除外)

第百二十二条 前二条の規定にかかわらず、内部格付手法採用金庫は、内部格付手法実施計画又は先進的内部格付手法移行計画に記載がある場合には、信用リスク・アセットの額を算出するに当たって重要でない事業単位又は資産区分に対して、標準的手法を適用することができる。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

一 内部格付手法を適用するアセット・クラス内の標準的手法を用いて算出する信用リスク・アセットの額の合計額の内部格付手法を適用するアセット・クラスの信用リスク・アセットの額の合計額(内部格付手法を適用するアセット・クラス内の標準的手法を用いて算出する信用リスク・アセットの額の合計額を含む。次号において同じ。)に占める割合が十パーセントを超える場合

二 内部格付手法を適用するアセット・クラス内の標準的手法を用いる一の事業単位又は資産区分に係る信用リスク・アセットの額の合計額の内部格付手法を適用するアセット・クラスの信用リスク・アセットの額の合計額に占める割合が二パーセントを超える場合

 

(スロッティング・クライテリアの利用)

第百二十三条 内部格付手法採用金庫は、第百二十七条第四項及び第六項の規定によりスロッティング・クライテリアを利用する場合には、プロジェクト・ファイナンス、オブジェクト・ファイナンス、コモディティ・ファイナンス及び事業用不動産向け貸付けの区分ごとに利用するものとする。

(平二五金庁厚労告一・令六金庁厚労告一・一部改正)

第二節 期待損失の取扱い

(期待損失額)

第百二十四条 事業法人等向けエクスポージャー(第百二十七条第四項及び第六項の規定によりスロッティング・クライテリアに割り当てられた特定貸付債権を除く。)及びリテール向けエクスポージャーの期待損失額は、当該エクスポージャーのPD、LGD及びEADを乗じた額とする。ただし、デフォルトした場合は、第百九十二条第六項に定めるELdefaultにEADを乗じた額とする。

2 第百二十七条第四項において、スロッティング・クライテリアに割り当てられたボラティリティの高い事業用不動産向け貸付けを除く特定貸付債権の期待損失額は、当該エクスポージャーのEADに次の表に掲げるリスク・ウェイト及び八パーセントを乗じた額とする。ただし、同項ただし書に従って、優に割り当てられ、かつ、五十パーセントのリスク・ウェイトの適用を受けたエクスポージャーについては零パーセント、良に割り当てられ、かつ、七十パーセントのリスク・ウェイトの適用を受けたエクスポージャーについては五パーセントのリスク・ウェイトを適用する。

 

弱い

デフォルト

リスク・ウェイト(パーセント)

三十五

六百二十五

3 第百二十七条第六項において、スロッティング・クライテリアに割り当てられたボラティリティの高い事業用不動産向け貸付けの期待損失額は、当該エクスポージャーのEADに次の表に掲げるリスク・ウェイト及び八パーセントを乗じた額とする。

 

弱い

デフォルト

リスク・ウェイト(パーセント)

三十五

六百二十五

4 第百十条の規定は、前三項の規定による期待損失額を算出する場合について準用する。この場合において、同条中「標準的手法採用金庫」とあるのは「内部格付手法採用金庫」と、「リスク・ウェイトを千二百五十パーセントを上限として合計し、当該クレジット・デリバティブの与信相当額に当該リスク・ウェイトを乗ずることにより、信用リスク・アセットの額を算出するものとする」とあるのは「PD及びLGDを乗じて得た額を百パーセントを上限として合計し、これに当該クレジット・デリバティブのEADを乗ずることにより、期待損失額を算出するものとする」と読み替えるものとする。

5 第百十二条の規定は、前各項の規定による期待損失額を算出する場合について準用する。この場合において、同条中「第百十条」とあるのは「第百二十四条第四項において読み替えて準用する第百十条」と、「標準的手法採用金庫」とあるのは「内部格付手法採用金庫」と、「信用リスク・アセットの額を算出するものとする」とあるのは「算出するものとする」と、「当該クレジット・デリバティブの想定元本額を限度としてプロテクション提供者のリスク・ウェイトを適用したときに信用リスク・アセットの額の削減効果が最も小さい一のエクスポージャーについて削減される信用リスク・アセットの額を控除することができる」とあるのは「当該クレジット・デリバティブのEADを限度としてプロテクション提供者の所要自己資本率を適用したときに信用リスク・アセットの額の削減効果が最も小さい一のエクスポージャーについて削減される期待損失額を控除することができる」と読み替えるものとする。

6 第百十三条の規定は、第一項から第四項までの規定による期待損失額を算出する場合について準用する。この場合において、同条中「第百十条」とあるのは「第百二十四条第四項において読み替えて準用する第百十条」と、「標準的手法採用金庫」とあるのは「内部格付手法採用金庫」と、「信用リスク・アセットの額を算出するものとする」とあるのは「算出するものとする」と、「当該クレジット・デリバティブの想定元本額を限度としてプロテクション提供者のリスク・ウェイトを適用したときに、信用リスク・アセットの額の削減効果において、最も小さい一のエクスポージャーから数えて当該特定順位参照型クレジット・デリバティブにおけるあらかじめ特定された順位から一を減じて得られる順位までのエクスポージャーについて削減される信用リスク・アセットの額の合計額を控除することができる」とあるのは「当該クレジット・デリバティブのEADを限度としてプロテクション提供者の所要自己資本率を適用したときに、信用リスク・アセットの額の削減効果において、最も小さい一のエクスポージャーから数えて当該特定順位参照型クレジット・デリバティブにおけるあらかじめ特定された順位から一を減じて得られる順位までのエクスポージャーについて削減される期待損失額を控除することができる」と読み替えるものとする。

7 前各項に定めのないエクスポージャーの期待損失額は零とする。

8 内部格付手法採用金庫が、第百四十二条の規定により保有エクスポージャーの信用リスク・アセットの額を算出するに当たり、同条第二項の場合において、保有エクスポージャーの裏付けとなる資産等の信用リスク・アセットの総額を算出するときに、当該裏付けとなる資産等に内部格付手法を適用するエクスポージャーが含まれるときは、当該エクスポージャー(同条第一項に規定する保有エクスポージャーに相当する部分に限る。)の期待損失額の算出については、前各項の規定を準用する。

 

(一般貸倒引当金の配分)

第百二十五条 内部格付手法採用金庫は、信用リスク・アセットの額の算出に当たり標準的手法と内部格付手法を併用する場合には、一般貸倒引当金の総額(証券化エクスポージャーに係るものを除く。)を標準的手法により算出される信用リスクに対応する部分と内部格付手法により算出される信用リスクに対応する部分に信用リスク・アセットの額(証券化エクスポージャーに係るものを除く。)の割合で区分するものとする。ただし、標準的手法のみを用いる標準的手法採用金庫又は当該標準的手法採用金庫の連結子法人等が計上する一般貸倒引当金は、標準的手法により算出される信用リスクに対応するものとし、内部格付手法のみを用いる内部格付手法採用金庫又は当該内部格付手法採用金庫の連結子法人等が計上する一般貸倒引当金(証券化エクスポージャーに係るものを除く。)は、内部格付手法により算出される信用リスクに対応するものとする。

2 内部格付手法採用金庫は、前項の規定にかかわらず、信用リスク管理指針に別段の定めがある場合には、当該信用リスク管理指針にのっとり、一般貸倒引当金(証券化エクスポージャーに係るものを除く。)を区分することができる。

 

第三節 信用リスク・アセットの額の算出

第一款 内部格付手法採用金庫における信用リスク・アセットの額の合計額

(内部格付手法採用金庫における信用リスク・アセットの額の合計額)

第百二十六条 内部格付手法採用金庫の信用リスク・アセットの額の合計額とは、次に掲げる額の合計額をいう。

一 内部格付手法採用金庫が内部格付手法により算出する次に掲げる信用リスク・アセットの額の合計額

イ 事業法人等向けエクスポージャー及びリテール向けエクスポージャーについて算出した信用リスク・アセットの額(購入債権、リース料(第百四十九条第一項に規定するリース料をいう。)、同時決済取引及び非同時決済取引に係る信用リスク・アセットの額を含む。)

ロ 第百四十二条の規定により算出される信用リスク・アセットの額

ハ 第百五十四条の二から第百五十四条の四の二までの規定により算出される信用リスク・アセットの額

ニ 株式等エクスポージャー、その他資産(第百五十四条第二項に規定する資産をいう。)及びリース取引における見積残存価額の信用リスク・アセットの額

二 内部格付手法採用金庫が標準的手法を適用する部分につき、第十九条第一項(第一号に係る部分に限る。)の規定を準用することにより標準的手法により算出した信用リスク・アセットの額の合計額。この場合において、同項中「標準的手法採用金庫」とあるのは「内部格付手法採用金庫」と読み替えるものとする。

三 次章に定めるところにより算出した証券化エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額

四 第六章の二に定めるところにより算出したCVAリスク相当額を八パーセントで除して得た額

五 第六章の三に定めるところにより算出した第十九条第一項第三号に規定する中央清算機関関連エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額

 

第二款 事業法人等向けエクスポージャー

(事業法人等向けエクスポージャーの信用リスク・アセットの額)

第百二十七条 事業法人等向けエクスポージャーの信用リスク・アセットの額は、第百三十条に定めるPD、第百三十一条に定めるLGD、第百三十二条に定めるEAD及び第百三十三条に定めるマチュリティ(M)(ただし、PDが百パーセントの場合は一とする。以下同じ。)を用いて、第一号に掲げる算式により、同号に掲げる算式の算出に要する所要自己資本率(K)は第二号に掲げる算式により、同号に掲げる算式の算出に要する相関係数(R)及びマチュリティ調整(b)は、それぞれ第三号及び第四号に掲げる算式により算出される額とする。

一 信用リスク・アセットの額=K×12.5×EAD

二 所要自己資本率(K)=[LGD×N{(1-R)-0.5×G(PD)+(R/(1-R))0.5×G(0.999)}-EL]×{1-1.5×b}-1×{1+(M-2.5)×b}

  ただし、零を下回る場合は零とする。

  N{x}は、標準正規分布の累積分布関数。ただし、PDが百パーセントの場合は一とする(以下同じ。)。

  G(x)は、N{x}の逆関数(以下同じ。)

 ELは、PDにLGDを乗じた率。ただし、PDが百パーセントの場合は第百九十二条第六項に定めるELdefaultとする(以下同じ。)。

三 相関関数(R)=0.12×((1-EXP(-50×PD))/(1-EXP(-50)))+0.24×{1-(1-EXP(-50×PD))/(1-EXP(-50))}

  EXP(x)は、自然対数の底をx乗した値(以下同じ。)

四 マチュリティ調整(b)={0.11852-0.05478×log(PD)}2

  log(x)は、自然対数を指す(以下同じ。)

2 内部格付手法採用金庫は、中堅中小企業向けエクスポージャーの信用リスク・アセットの額を算出する場合は、前項の規定にかかわらず、同項第三号に定める相関係数に代えて、次に定める相関係数を用いることができる。

 相関係数(R)=0.12×((1-EXP(-50×PD))/(1-EXP(-50)))+0.24×{1-((1-EXP(-50×PD))/(1-EXP(-50)))}-0.04×{1-((S-5)/45)}

 Sは、当該事業法人の売上高(第一条第五十号ただし書に定める場合は総資産)(単位:億円)。ただし、五億円に満たない場合には、五億円として算出する。

3 内部格付手法採用金庫は、大規模規制金融機関等向けエクスポージャー(中堅中小企業向けエクスポージャーに該当するものを含む。)の信用リスク・アセットの額を算出する場合は、前二項の規定にかかわらず、第一項第三号又は前項に定める相関係数に代えて、これらの規定に定める相関係数に一・二五を乗じて得た値を、それぞれ相関係数として用いるものとする。

4 内部格付手法採用金庫は、ボラティリティの高い事業用不動産向け貸付けを除く特定貸付債権のPDの推計について第百八十九条に定める要件を満たさない場合は、第一項の規定にかかわらず、当該内部格付手法採用金庫が付与する格付(以下「内部格付」という。)を次の表に掲げる五のリスク・ウェイトに対応したスロッティング・クライテリアに割り当て、エクスポージャーの額(EADをいう。)に当該リスク・ウェイトを乗じた額を信用リスク・アセットの額とすることができる。ただし、第一条第四十八号ロただし書の定めにより事業用不動産向け貸付けに区分されたものを除き、次の表において優又は良に割り当てられるエクスポージャーの満期までの残存期間が二年半未満である場合は、優に割り当てられるエクスポージャーについて五十パーセント、良に割り当てられるエクスポージャーについて七十パーセントのリスク・ウェイトを適用することができる。

 

弱い

デフォルト

リスク・ウェイト(パーセント)

七十

九十

百十五

二百五十

5 第一項の規定にかかわらず、ボラティリティの高い事業用不動産向け貸付けの信用リスク・アセットの額は、同項第三号に定める相関係数に代えて、次に定める相関係数を用いて算出した額とする。

 相関係数(R)=0.12×((1-EXP(-50×PD))/(1-EXP(-50)))+0.3×{1-((1-EXP(-50×PD))/(1-EXP(-50)))}

6 内部格付手法採用金庫は、ボラティリティの高い事業用不動産向け貸付けのPDの推計について第百八十九条に定める要件を満たさない場合は、第一項の規定にかかわらず、内部格付を次の表に掲げる五のリスク・ウェイトに対応したスロッティング・クライテリアに割り当て、エクスポージャーの額(EADをいう。)に当該リスク・ウェイトを乗じた額を信用リスク・アセットの額とすることができる。ただし、次の表において優又は良に割り当てられるエクスポージャーの満期までの残存期間が二年半未満である場合は、優に割り当てられるエクスポージャーについて七十パーセント、良に割り当てられるエクスポージャーについて九十五パーセントのリスク・ウェイトを適用することができる。

 

弱い

デフォルト

リスク・ウェイト(パーセント)

九十五

百二十

百四十

二百五十

7 第百十条の規定は、前各項の規定による信用リスク・アセットの額を算出する場合について準用する。この場合において、同条中「標準的手法採用金庫」とあるのは「内部格付手法採用金庫」と、第一項及び第四項において準用する場合に「リスク・ウェイトを千二百五十パーセントを上限として合計し、当該クレジット・デリバティブの与信相当額に当該リスク・ウェイトを乗ずることにより、信用リスク・アセットの額を算出するものとする」とあるのは「所要自己資本率を百パーセントを上限として合計し、これに当該クレジット・デリバティブのEAD及び千二百五十パーセントを乗ずることにより、信用リスク・アセットの額を算出するものとする。ただし、信用リスク・アセットの額及び期待損失額を八パーセントで除して得た額の合計額が、当該クレジット・デリバティブのEADに千二百五十パーセントを乗じて得た額を超える場合は、当該超える額を信用リスク・アセットの額から控除することができる」と読み替えるものとする。

8 第百十二条の規定は、第一項から第六項までの規定による信用リスク・アセットの額を算出する場合について準用する。この場合において、同条中「第百十条」とあるのは「第百二十七条第七項において読み替えて準用する第百十条」と、「標準的手法採用金庫」とあるのは「内部格付手法採用金庫」と、「「信用リスク・アセットの額を算出するものとする」」とあるのは「「控除することができる」」と、「信用リスク・アセットの額を算出するものとする。ただしプロテクションの提供対象となり得る複数のエクスポージャーのうち、当該クレジット・デリバティブの想定元本額を限度としてプロテクション提供者のリスク・ウェイトを適用したときに信用リスク・アセットの額の削減効果が最も小さい一のエクスポージャーについて削減される信用リスク・アセットの額を控除することができる」とあるのは「控除し、かつ、プロテクションの提供対象となり得る複数のエクスポージャーのうち、当該クレジット・デリバティブのEADを限度としてプロテクション提供者の所要自己資本率を適用したときに信用リスク・アセットの額の削減効果が最も小さい一のエクスポージャーについて削減される信用リスク・アセットの額を控除することができる」と読み替えるものとする。

9 第百十三条の規定は、第一項から第六項までの規定による信用リスク・アセットの額を算出する場合について準用する。この場合において、同条中「第百十条」とあるのは「第百二十七条第七項において読み替えて準用する第百十条」と、「標準的手法採用金庫」とあるのは「内部格付手法採用金庫」と、「「信用リスク・アセットの額を算出するものとする」」とあるのは「「控除することができる」」と、「信用リスク・アセットの額を算出するものとする。ただし、プロテクションの提供対象となり得る複数のエクスポージャーのうち、当該クレジット・デリバティブの想定元本額を限度としてプロテクション提供者のリスク・ウェイトを適用したときに、信用リスク・アセットの額の削減効果において、最も小さい一のエクスポージャーから数えて当該特定順位参照型クレジット・デリバティブにおけるあらかじめ特定された順位から一を減じて得られる順位までのエクスポージャーについて削減される信用リスク・アセットの額の合計額を控除することができる」とあるのは「控除し、かつ、プロテクションの提供対象となり得る複数のエクスポージャーのうち、当該クレジット・デリバティブのEADを限度としてプロテクション提供者の所要自己資本率を適用したときに、信用リスク・アセットの額の削減効果において、最も小さい一のエクスポージャーから数えて当該特定順位参照型クレジット・デリバティブにおけるあらかじめ特定された順位から一を減じて得られる順位までのエクスポージャーについて削減される信用リスク・アセットの額の合計額を控除することができる」と読み替えるものとする。

10 内部格付手法採用金庫は、BA―CVA又はSA―CVAを用いてCVAリスク相当額を計測するネッティング・セットに含まれるエクスポージャーに対し、第一項第二号に定める所要自己資本率(K)の算式を適用する場合にあっては、当該算式における{1-1.5×b}-1×{1+(M-2.5)×b}の部分について一を上限とすることができる。

 

(事業法人等向けエクスポージャーに保証又はクレジット・デリバティブが付された場合の取扱い)

第百二十八条 前条の規定にかかわらず、内部格付手法採用金庫は、事業法人等向けエクスポージャーに保証又はクレジット・デリバティブが付されている場合には、被保証債権の被保証部分又は原債権のプロテクションが提供されている部分に保証又はクレジット・デリバティブに対応する信用リスク・アセットの額の算式、PD及びLGDを適用することができる。ただし、保証人又はプロテクション提供者に対する直接のエクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算出において適用する方法が標準的手法である場合は、被保証債権の被保証部分又は原債権のプロテクションが提供されている部分について、当該保証人又はプロテクション提供者に対する直接のエクスポージャーとみなすことができる。

2 先進的内部格付手法採用金庫は、第百二十一条第二項各号に掲げるエクスポージャーに該当しない事業法人等向けエクスポージャー(以下「先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャー」という。)に保証又はクレジット・デリバティブが付されている場合には、次の各号に掲げる保証人又はプロテクション提供者に対する直接のエクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算出において適用される手法の区分に応じ、当該各号に定める方法により保証又はクレジット・デリバティブの信用リスク削減効果を勘案することができる。

一 先進的内部格付手法 被保証債権の被保証部分又は原債権のプロテクションが提供されている部分に保証又はクレジット・デリバティブを勘案したPD又はLGDのいずれかを適用する方法

二 基礎的内部格付手法 被保証債権の被保証部分又は原債権のプロテクションが提供されている部分に保証又はクレジット・デリバティブに対応する信用リスク・アセットの額の算式、PD及びLGDを適用する方法

三 標準的手法 被保証債権の被保証部分又は原債権のプロテクションが提供されている部分について、当該保証人又はプロテクション提供者に対する直接のエクスポージャーとみなす方法

3 先進的内部格付手法採用金庫は、自金庫推計LGDを適用する先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャーに対して、ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブの信用リスク削減効果を勘案することができる。

4 第五十八条、第九十三条から第九十六条まで、第九十九条から第百六条まで、第百九条及び第百十一条の規定は、内部格付手法採用金庫が第一項(ただし書を除く。)の規定を適用する場合について準用する。この場合において、これらの規定中「標準的手法採用金庫」とあるのは、「内部格付手法採用金庫」と読み替えるものとする。

5 第五十八条、第九十三条から第九十七条まで、第九十九条から第百六条まで、第百九条及び第百十一条の規定は、内部格付手法採用金庫が第一項ただし書又は第二項(第三号に係る部分に限る。)の規定を適用する場合について準用する。この場合において、これらの規定中「標準的手法採用金庫」とあるのは、「内部格付手法採用金庫」と読み替えるものとする。

 

第百二十九条 削除

 

(事業法人等向けエクスポージャーのPD)

第百三十条 事業法人等向けエクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算式及び期待損失の算出に用いるPDは、当該事業法人等向けエクスポージャーに付与された債務者格付に係る一年間のPDの推計値とする。

2 前項の規定にかかわらず、事業法人向けエクスポージャー及び金融機関等向けエクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算式及び期待損失の算出に用いるPDは、〇・〇五パーセントを下回らないものとする。

3 デフォルトに相当する格付を付与された事業法人等向けエクスポージャーのPDは、百パーセントとする。

 

(事業法人等向けエクスポージャーのLGD)

第百三十一条 先進的内部格付手法採用金庫が先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算式及び期待損失の算出に用いるLGDは、当該先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャーについてデフォルト時に生ずる経済的損失額のEADに対する割合を百分率で表した推計値とする。

2 基礎的内部格付手法採用金庫が事業法人等向けエクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算式及び期待損失の算出に用いるLGDは、次の各号に掲げるエクスポージャーの区分に応じ、当該各号に定める値とする。ただし、劣後債権の場合は、七十五パーセントとする。

一 ソブリン向けエクスポージャー 四十五パーセント

二 規制金融機関及び非規制金融機関等に対するエクスポージャー 四十五パーセント

三 事業法人向けエクスポージャー(規制金融機関及び非規制金融機関等に対するエクスポージャーを除く。) 四十パーセント

3 前項の規定にかかわらず、事業法人等向けエクスポージャー(劣後債権を除く。)に適格債権担保、適格不動産担保若しくは適格その他資産担保(以下「適格資産担保」という。)又は適格金融資産担保が設定されている場合には、基礎的内部格付手法採用金庫は、次の算式により信用リスク削減手法の効果を勘案することができる。ただし、当該事業法人等向けエクスポージャーがレポ形式の取引又は信用取引その他これに類する海外の取引であって、適格金融資産担保の信用リスク削減効果を勘案する場合は、次条第二項の規定によりEADを算出するものとし、LGDには前項第一号又は第二号に定める値を用いるものとする。

 画像

 LGD*は、信用リスク削減手法の効果を勘案したLGDをいう。

 LGDUは、前項各号に掲げるエクスポージャーの区分に応じて設定される値をいう。第六項において同じ。

 LGDSは、次項の表に掲げる担保資産の区分に応じ、同表において設定される値をいう。

 Eは、エクスポージャーの額をいう。第六項及び第八項並びに第百三十九条第三項において同じ。

 ESは、C・(1-HC-Hfx)により計算される値をいう(この場合において、ESの上限をE・(1+HE)とする。)。第六項及び第八項並びに第百三十九条第三項において同じ。

 Cは、受入担保の現在価値をいう。第六項において同じ。

 HCは、次項の表に掲げる担保資産の区分に応じ、同表において設定されるボラティリティ調整率をいう。第六項において同じ。

 Hfxは、エクスポージャーと適格資産担保の通貨が異なる場合において、前章第六節第三款の規定により適用するボラティリティ調整率をいう。第六項において同じ。

 HEは、エクスポージャーが第四十九条第一項の表の第七号に該当する場合において、取引の相手方に引き渡した資産の種類に応じて前章第六節第三款の規定により適用するボラティリティ調整率をいう。第六項及び第八項並びに第百三十九条第三項において同じ。

4 前項の算式を用いる場合において、基礎的内部格付手法採用金庫は、次の表に掲げる担保資産の区分に応じ、同表に定めるLGDS及びボラティリティ調整率を用いるものとする。

担保資産の区分

LGDS(パーセント)

ボラティリティ調整率(パーセント)

適格金融資産担保

担保の種類に応じて第九十二条第一項に定めるボラティリティ調整率を第九十八条の規定により調整した値

適格債権担保

二十

四十

適格不動産担保

二十

四十

適格その他資産担保

二十五

四十

5 基礎的内部格付手法採用金庫は、第三項の規定により信用リスク削減手法の効果を勘案するためには、事業法人等向けエクスポージャー(劣後債権を除く。)を被担保債権とする適格資産担保又は適格金融資産担保について、その担保の種類に応じて次に掲げる運用要件を満たすものとする。

一 適格債権担保の目的たる債権(以下この号において「適格債権」という。)の運用要件は、次に掲げる要件をいう。

イ 担保が提供される法的仕組みは強固なものであって、かつ、当該適格債権又はその売却代金に関する債権者の権利が確保されていること。

ロ 担保権の実行のために必要な措置が全て講じられていること。

ハ 担保の設定に関する契約が、その諸条項に従って当該担保に関連のある法域において強制執行を行うことを可能ならしめるものであって、適法かつ有効に契約当事者を拘束するものであること。

ニ ハに掲げる結論が、十分な法的調査及び法的論拠に基づいて導かれており、かつ、強制執行可能性が継続的に維持されていることを適時に確認していること。

ホ 担保権の設定が、適切に書類に記載されており、当該適格債権又はその代り金を適時に回収するための明確で強固な手続が設けられていること。

ヘ 担保の目的たる債権の信用リスクを判断するための堅固な手続が設けられていること。

ト 当該適格債権の債務者(以下この号において「第三債務者」という。)の信用リスクの判断を被担保債権の債務者に依存して行われている場合は、第三債務者の健全性及び信用度を確かめるに当たり、被担保債権の債務者の信用供与に関する方針の検証が行われていること。

チ 被担保債権の額と当該適格債権の額との差額には、回収費用、当該適格債権のプールにおける一の第三債務者の集中度合い、金庫のエクスポージャー全体の中の集中リスクその他の勘案すべき要素が全て織り込まれていること。

リ 被担保債権について、適切かつ継続的に監視を行っていること。

二 適格不動産担保の目的たる不動産(以下この号において「適格不動産」という。)の運用要件は、次に掲げるものをいう。

イ 担保権が、関連のある法域において適法かつ有効に成立し、当該担保の設定に関する契約の諸条項に従った強制執行が可能なものであって、適時かつ適切に登記されるものであること。

ロ 内部格付手法採用金庫が合理的な期間内に担保価値を実現し得るような担保の設定に関する契約及び当該契約を実行するための法的手続が設けられていること。

ハ 適格不動産の評価額が、評価日の公正な時価を上回るものではないこと。

ニ 年一回以上の頻度で適格不動産の担保価値が評価されており、かつ、適格不動産担保の担保価値が著しく低下したことを示す情報がある場合又はデフォルトその他の信用事由が発生した場合は、不動産鑑定士又は担保評価額の評価の精度が高いと認めるに足りる者により当該不動産が評価されること。

ホ 適格不動産の種別及び適格不動産を担保とする信用供与の方針(金利等の条件への勘案を含むが、これに限らない。)を明らかにした書類が整備されていること。

ヘ 適格不動産を損害や劣化から適切に保全するための措置が設けられていること。

ト 適格不動産について、内部格付手法採用金庫よりも優先される法的に有効な請求権(先順位の担保権を含む。)の設定額及びその内容が継続的に監視されていること。

チ 適格不動産に起因する環境保全に関する債務が発生するリスクを適切に監視していること。

リ イに掲げる要件を満たす劣後する担保権が設定されている場合は、ボラティリティ調整率を考慮した担保価値から全ての先順位の担保権を保有する者のエクスポージャーの額を控除した額(以下このリにおいて「先順位の担保権考慮後の担保価値」という。)を適格不動産の担保価値とすること。この場合において、同順位の担保権を保有する者がいるときは、先順位の担保権考慮後の担保価値を当該同順位の担保権を保有する者の担保権の設定額に応じて按分して得た額を適格不動産の担保価値とするものとする。

三 適格その他資産担保の目的たる資産(以下この号において「適格その他資産」という。)の運用要件は次に掲げる要件をいう。

イ 前号イからチまでに掲げる要件を満たすこと。この場合において、これらの規定中「適格不動産担保」とあるのは「適格その他資産担保」と、「不動産」とあるのは「資産」と、「適格不動産」とあるのは「適格その他資産」と、「登記」とあるのは「対抗要件が具備」と、「不動産鑑定士又は担保評価額の評価の精度が高いと認めるに足りる者により当該不動産」とあるのは「担保評価額の評価の精度が高いと認めるに足りる者により当該資産」と、「優先される法的に有効な請求権(先順位の担保権を含む。)」とあるのは「優先される法的に有効な請求権」と読み替えるものとする。

ロ 担保権の順位が第一順位であること。

ハ 適格その他資産担保の設定に関する契約において、担保の詳細、調査権及び内部格付手法採用金庫の求めに応じて担保価値が再評価されることについて記載されていること。

ニ 信用リスク管理指針において、内部格付手法採用金庫が評価の対象とする担保の種類並びにエクスポージャーの額に応じた適切な担保の額を定める方針及びその運用方法が記載されており、内部監査又は外部監査に利用できるように整備されていること。

ホ 適格その他資産を担保とする信用供与の方針が設けられており、かつ、当該方針において、エクスポージャーの額に応じて確保すべき担保の額、当該内部格付手法採用金庫が当該担保を迅速に処分する能力、処分可能価格又は市場価格を客観的に設定する能力、専門家による評価又は鑑定その他の評価額を速やかに入手できる頻度及び担保の評価額が変動する幅が考慮されていること。

ヘ 定期的な評価手続において、流行に左右されやすい特性を有する資産については、物理的な耐用年数の低下又は劣化のみならず、流行の変化又は旧式化に伴う資産価値の低下を考慮した下方修正が行われるように、特に注意が払われていること。

ト 原材料、仕掛品、完成品、自動車ディーラーの在庫品その他の在庫品又は機械設備を担保とする場合は、定期的な評価手続において、担保の実地調査が行われていること。

四 適格金融資産担保の目的たる資産の運用要件は、第五十八条、第六十一条から第六十三条まで、第六十五条及び第百四条から第百六条までに規定するものをいう。

6 第二項及び第三項の規定にかかわらず、担保資産の区分に応じて前項各号に規定する運用要件を満たす複数の担保が事業法人等向けエクスポージャーに設定されている場合は、次の算式により信用リスク削減手法の効果を勘案することができる。

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 LGD**は、複数の担保の信用リスク削減手法の効果を勘案したLGDをいう。

 iは、設定された担保の担保資産の区分をいい、適格金融資産担保、適格債権担保、適格不動産担保又は適格その他資産担保をいう。

 LGDSiは、設定された担保の担保資産の区分に応じ、第四項の規定により設定されるLGDSをいう。

 ESiは、設定された担保の担保資産の区分に応じ、C・(1-HC-Hfx)により計算される値をいう。ただし、ΣiESiがE・(1+HE)を上回る場合にあっては、ΣiESiがE・(1+HE)と等しくなるよう、当該担保の担保資産の区分に応じて算出されるC・(1-HC-Hfx)を上限として値を調整するものとする。

7 第一項の規定にかかわらず、先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャーに該当する事業法人向けエクスポージャー(以下この条及び次条において「先進的内部格付手法を適用できる事業法人向けエクスポージャー」という。)の信用リスク・アセットの額の算式及び期待損失の算出に用いる自金庫推計したLGDは、二十五パーセントを下回らないものとする。

8 前項の規定にかかわらず、先進的内部格付手法を適用できる事業法人向けエクスポージャーに適格金融資産担保又は適格資産担保が設定されている場合において、先進的内部格付手法採用金庫は、当該エクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算式及び期待損失の算出に用いる自金庫推計したLGDの下限を、次の算式により算出した信用リスク削減手法の効果を勘案した値とすることができる。

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 LGDfloorは、信用リスク削減手法の効果を勘案したLGDの自金庫推計値の下限をいう。

 LGDU floorは、二十五パーセント

 LGDS floorは、次項の表に掲げる担保資産の区分に応じ、同表において設定される値をいう。

9 前項の算式を用いる場合において、先進的内部格付手法採用金庫は、次の表に掲げる担保資産の区分に応じ、同表の下欄に定める値をLGDS floorとして用いるものとする。

担保資産の区分

LGDS floor(パーセント)

金融資産担保

債権担保

不動産担保

その他資産担保

十五

10 第五項の規定は、第八項の規定によりLGDの下限に信用リスク削減手法の効果を勘案する場合について準用する。この場合において、第五項中「基礎的内部格付手法採用金庫」とあるのは「先進的内部格付手法採用金庫」と、「事業法人等向けエクスポージャー(劣後債権を除く。)」とあるのは「先進的内部格付手法を適用できる事業法人向けエクスポージャー」と読み替えるものとする。

11 先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャーがレポ形式の取引又は信用取引その他これに類する海外の取引であって、適格金融資産担保の信用リスク削減効果を勘案する場合は、次条第二項の規定によりEADを算出するものとし、担保による信用リスク削減効果を勘案しないLGDを用いるものとする。

12 第二項から第五項までの規定は、先進的内部格付手法採用金庫が先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャーに該当しない事業法人等向けエクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算式及び期待損失の算出に用いるLGDを設定する場合について準用する。この場合において、これらの規定中「基礎的内部格付手法採用金庫」とあるのは「先進的内部格付手法採用金庫」と、「事業法人等向けエクスポージャー」とあるのは「事業法人等向けエクスポージャー(先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャーを除く。)」と、読み替えるものとする。

13 第二項から第五項までの規定は、先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャーのうち一部の事業単位又は資産区分において、LGDの推計に係る次節に定める最低要件を充足しない場合において、当該事業単位又は資産区分に含まれるエクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算式及び期待損失の算出に用いるLGDを設定する場合について準用する。この場合において、これらの規定中「基礎的内部格付手法採用金庫」とあるのは、「先進的内部格付手法採用金庫」と読み替えるものとする。

14 先進的内部格付手法採用金庫が、先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャーのうち、担保が設定されていないエクスポージャー(一部が担保により保全されているエクスポージャーのうち、担保により保全されていない部分を含む。)に適用するLGDの推計についてのみ、当該推計に係る次節に定める最低要件を充足する場合は、当該担保が設定されていないエクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算式及び期待損失の算出において自金庫推計したLGDを用いることができる。この場合において、LGDの推計には担保の効果を勘案してはならず、先進的内部格付手法を適用できる事業法人向けエクスポージャーのLGDは二十五パーセントを下回らないものとする。

15 第三項から第五項までの規定は、前項の場合において先進的内部格付手法採用金庫が適格金融資産担保又は適格資産担保が設定されている先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャーのLGDを推計する場合について準用する。この場合において、これらの規定中「基礎的内部格付手法採用金庫」とあるのは「先進的内部格付手法採用金庫」と、第三項中「前項各号に掲げるエクスポージャーの区分に応じて設定される値をいう。第六項において同じ。」とあるのは「担保が設定されていないエクスポージャー(一部が担保により保全されているエクスポージャーのうち、担保により保全されていない部分を含む。)に適用する自金庫推計したLGD」と読み替えるものとする。

16 内部格付手法採用金庫は、前章第六節第四款に規定する簡便手法を用いて信用リスク削減効果を勘案しないものとする。

 

(事業法人等向けエクスポージャーのEAD)

第百三十二条 事業法人等向けエクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算式及び期待損失の算出に用いるオン・バランス資産項目のEADは、当該エクスポージャーを全額償却した場合に減少する自己資本の額並びに個別貸倒引当金、部分直接償却額及びデフォルトした購入債権をディスカウントで購入した場合の当該ディスカウントの額(返金を要しないものに限る。)の合計額を下回らない額とする。

2 前項の規定にかかわらず、内部格付手法採用金庫は、第五十八条、第六十三条、第六十六条から第八十三条まで、第九十二条、第百二条及び第百四条から第百六条までの規定を準用し、次の各号に定める信用リスク削減手法の効果をEADで勘案することができる。この場合において、これらの規定中「標準的手法採用金庫」とあるのは、「内部格付手法採用金庫」と読み替えるものとする。

一 適格金融資産担保(レポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引に限る。)

二 貸出金と自金庫預金の相殺

3 先進的内部格付手法採用金庫が先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャーのうち、リボルビング型エクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算式及び期待損失の算出に用いるオフ・バランス資産項目のEADは、信用供与枠の未引出額に掛目の自金庫推計値を乗じた額又は信用供与枠から直接的に推計される額とする。ただし、基礎的内部格付手法採用金庫において百パーセントの掛目が適用される場合にあっては掛目として百パーセントを乗じた額とし、リボルビング型エクスポージャーに該当しない場合にあっては第五項に規定する方法により算出した額とする。

4 第一項及び前項の規定にかかわらず、先進的内部格付手法を適用できる事業法人向けエクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算式及び期待損失の算出に用いるオン・バランス資産項目及びオフ・バランス資産項目のEADの合計額は、オン・バランス資産項目のEADの合計額及び第四十九条に規定するオフ・バランス取引の与信相当額に五十パーセントを乗じて得た額の合計額を下限とする。

5 基礎的内部格付手法採用金庫が事業法人等向けエクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算式及び期待損失の算出に用いるオフ・バランス資産項目のEADは、信用供与枠の未引出額又は債務者の報告するキャッシュ・フローに応じた信用供与可能額の上限の存在その他の利用制限を勘案した額のいずれか低い方に第四十九条第一項の表の上欄に掲げる掛目を乗じて得た額をいう。ただし、信用供与枠を提供する約束がある場合には、内部格付手法採用金庫は、適用可能な掛目のうち低い方を適用するものとする。

6 事業法人等向けのリボルビング型エクスポージャーのオフ・バランス資産項目のうち、実行済みの信用供与のみが証券化取引の原資産として譲渡された場合には、内部格付手法採用金庫は、譲渡された当該実行済みの信用供与に対応する未実行部分の全てについて追加引出額の可能性を考慮してEADを推計し、当該EADを用いて信用リスク・アセットの額を算出するものとする。

7 第五十条(第二項及び第三項を除く。)から第五十二条の六までの規定は、事業法人等向けエクスポージャーのEADについて準用する。この場合において、これらの規定中「標準的手法採用金庫」とあるのは「内部格付手法採用金庫」と、第五十条第四項中「前三項」とあるのは「第一項」と読み替えるものとする。

8 第五項の規定は、先進的内部格付手法採用金庫が先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャーに該当しない事業法人等向けエクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算式及び期待損失の算出に用いるオフ・バランス資産項目のEADを推計する場合について準用する。この場合において、同項中「基礎的内部格付手法採用金庫」とあるのは「先進的内部格付手法採用金庫」と、「事業法人等向けエクスポージャー」とあるのは「事業法人等向けエクスポージャー(先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャーを除く。)」と読み替えるものとする。

9 第五項の規定は、先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャーのうち一部の事業単位又は資産区分がEADの推計に係る次節に定める最低要件を充足しない場合において、当該事業単位又は資産区分に含まれるエクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算式及び期待損失の算出に用いるEADを設定するときについて準用する。この場合において、同項中「基礎的内部格付手法採用金庫」とあるのは、「先進的内部格付手法採用金庫」と読み替えるものとする。

 

(有価証券担保等のリスク・アセットの算出範囲)

第百三十二条の二 第六十条の二の規定は、内部格付手法採用金庫が有価証券の貸付又は有価証券による担保を提供する場合について準用する。この場合において、同条中「標準的手法採用金庫」とあるのは、「内部格付手法採用金庫」と読み替えるものとする。

 

(マチュリティ)

第百三十三条 事業法人等向けエクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算式に用いるマチュリティは、次に掲げる算式により算出された実効マチュリティとする。ただし、一年に満たない場合は一年とし、五年を超える場合は五年とする。

 実効マチュリティ(M)=画像

 ×画像

 CFtは、期間tにおいて債務者が債権者に契約上支払いうるキャッシュ・フロー

2 内部格付手法採用金庫は、契約上の支払債務の実効マチュリティを算出することができない場合は、前項の算式に代えて、契約上定められた当該エクスポージャーの残存期間その他の保守的な値を用いることができる。

3 第一項ただし書の規定にかかわらず、次の各号に該当する短期のエクスポージャーのうち契約当初の満期が一年未満のものについては、一年の下限を適用しない。この場合において、マチュリティは、一日以上の実効マチュリティを用いるものとする。

一 レポ形式の取引(同種の取引のために一般に用いられている約定形態を満たすものに限る。)、コール取引その他の短期金融市場取引によるエクスポージャー

二 次に掲げる要件の全てを満たすその他資本市場取引によるエクスポージャー

イ 担保による十分な保全が継続されること。

ロ 毎営業日に時価評価を行うとともに担保額調整に服していることが、契約上定められていること。

ハ 相手方の期限の利益喪失時又は担保額調整に係る義務が履行されない場合に担保の速やかな処分又は相殺が可能であることが、契約上定められていること。

三 短期かつ流動性の高い貿易取引及び貿易関連の信用状取引その他これに類するもの

四 前号に含まれない短期かつ流動性の高い貿易関連偶発債務その他これに類するもの

五 有価証券等又は資金を決済するための取引(派生商品取引を除く。)によるエクスポージャー

4 前三項の規定にかかわらず、リボルビング型エクスポージャーに係る実効マチュリティは取引の契約が終了する日までの期間その他の保守的な値を用いるものとする。

5 派生商品取引又は第三項に規定する取引であって、法的に有効な相対ネッティング契約の適用を受けるものについては、第一項に定める実効マチュリティの算出に当たって、当該取引に係る想定元本額その他の名目額で加重平均したマチュリティを用いるものとする。

6 前項の規定にかかわらず、第三項に該当する取引のうち法的に有効な相対ネッティング契約の適用を受けるもののマチュリティは、第七十五条第二項第一号に規定する最低保有期間(当該相対ネッティング契約の適用対象に同号イからハまでに該当する個別取引のうち複数の最低保有期間に該当するものを含む場合にあっては、それらの個別取引の最低保有期間のうち最も長いものとする。)を下限とする。ただし、同号に定めのない場合には五日を下限とする。

7 内部格付手法採用金庫の事業法人等向けエクスポージャーのEADについて第五十二条から第五十二条の六までの規定を準用する場合には、事業法人等向けエクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算式に用いるマチュリティは、第一号に掲げる算式により算出された実効マチュリティとし、同号に掲げる実効EEtkは第二号に掲げる算式により算出された額とする。ただし、実効マチュリティが一年に満たない場合には一年とし、五年を超える場合には五年とする。

 画像

 実効EEtk×Δtk×dfk+画像

 EEtk×Δtk×dfk)/(画像)
 実効EEtk×Δtk×dfk)

 Δtkは、tk-tk-1

 dfkは、将来の期間tkにわたるリスクフリー・レートによる割引率

 EEtkは、将来の時点tkにおける期待エクスポージャー(ただし、EEt0はカレント・エクスポージャーとする。)

 mは、エクスポージャーの額を計測する将来の時点tkのうち、一年を超えない最後の時点をtmとしたときのm

 nは、エクスポージャーの額を計測する将来の時点tkのうち、満期の時点を超えない最後の時点をtnとしたときのn

二 実効EEtk=max(実効EEtk-1,EEtk)

 実効EEt0は、カレント・エクスポージャー

8 前項の規定にかかわらず、ネッティング・セットを構成する全ての取引における最も長い満期が一年未満であり、かつ、全ての取引が第三項各号に掲げるものに係る取引である場合には、当該ネッティング・セットを一のエクスポージャーとみなして、第一項から第六項までの規定を適用する。

 

第三款 リテール向けエクスポージャー

(居住用不動産向けエクスポージャーの信用リスク・アセットの額)

第百三十四条 居住用不動産向けエクスポージャーの信用リスク・アセットの額は、第百三十八条から第百四十条までに定めるPD、LGD及びEADを用いて、第一号に掲げる算式により、同号に掲げる算式に要する所要自己資本率(K)は、第二号に掲げる算式により算出する。

一 信用リスク・アセットの額=K×12.5×EAD

二 所要自己資本率(K)=[LGD×N{(1-R)-0.5×G(PD)+(R/(1-R))0.5×G(0.999)}-EL]

  (相関係数(R)=0.15)

 

(適格リボルビング型リテール向けエクスポージャー)

第百三十五条 適格リボルビング型リテール向けエクスポージャーの信用リスク・アセットの額は、第百三十八条から第百四十条までに定めるPD、LGD及びEADを用いて、第一号に掲げる算式により、同号に掲げる算式に要する所要自己資本率(K)は、第二号に掲げる算式により算出する。

一 信用リスク・アセットの額=K×12.5×EAD

二 所要自己資本率(K)=[LGD×N{(1-R)-0.5×G(PD)+(R/(1-R))0.5×G(0.999)}-EL]

  (相関係数(R)=0.04)

 

(その他リテール向けエクスポージャー)

第百三十六条 その他リテール向けエクスポージャーの信用リスク・アセットの額は、第百三十八条から第百四十条までに定めるPD、LGD及びEADを用いて、第一号に掲げる算式により、同号に掲げる算式に要する所要自己資本率(K)は、第二号に掲げる算式により、同号に掲げる算式に要する相関係数(R)は、第三号に掲げる算式により算出する。

一 信用リスク・アセットの額=K×12.5×EAD

二 所要自己資本率(K)=[LGD×N{(1-R)-0.5×G(PD)+(R/(1-R))0.5×G(0.999)}-EL]

三 相関係数(R)=0.03×((1-EXP(-35×PD))/(1-EXP(-35)))+0.16×{1-((1-EXP(-35×PD))/(1-EXP(-35)))}

 

(リテール向けエクスポージャーに保証又はクレジット・デリバティブが付された場合の取扱い)

第百三十七条 内部格付手法採用金庫は、リテール向けエクスポージャーに保証又はクレジット・デリバティブが付されている場合で、債務者の信用リスクが保証人又はプロテクション提供者に完全に代替されるときは、前三条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる保証人又はプロテクション提供者に対する直接のエクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算出において適用される手法の区分に応じ、当該各号に定める方法により保証又はクレジット・デリバティブの効果を勘案することができる。

一 内部格付手法 被保証債権の被保証部分又は原債権のプロテクションが提供されている部分について、保証又はクレジット・デリバティブを勘案したPD又はLGDのいずれかを適用する方法

二 標準的手法 被保証債権の被保証部分又は原債権のプロテクションが提供されている部分について、当該保証人又はプロテクション提供者に対する直接のエクスポージャーとみなす方法

2 第五十八条、第九十三条から第九十七条まで及び第百条から第百七条までの規定は、内部格付手法採用金庫が前項(第二号に係る部分に限る。)の規定を適用する場合について準用する。この場合において、これらの規定中「標準的手法採用金庫」とあるのは、「内部格付手法採用金庫」と読み替えるものとする。

 

(リテール向けエクスポージャーのPD)

第百三十八条 リテール向けエクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算式及び期待損失の算出に用いるPDは、当該リテール向けエクスポージャー又は当該リテール向けエクスポージャーの属するプールに対応する一年間のデフォルト確率を百分率で表した推計値とする。

2 前項のリテール向けエクスポージャーのPDは、次の各号に掲げるエクスポージャーの区分に応じ、当該各号に定める値を下回らないものとする。

一 トランザクターに対する適格リボルビング型リテール向けエクスポージャー以外の適格リボルビング型リテール向けエクスポージャー 〇・一パーセント

二 前号に掲げるエクスポージャー以外のリテール向けエクスポージャー 〇・〇五パーセント

 

(リテール向けエクスポージャーのLGD)

第百三十九条 リテール向けエクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算式及び期待損失の算出に用いるLGDは、当該リテール向けエクスポージャー又は当該リテール向けエクスポージャーの属するプールについて、デフォルト時に生ずる経済的損失額のEADに対する割合を百分率で表した推計値とする。

2 リテール向けエクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算式及び期待損失の算出に用いるLGDは、次の各号に掲げるエクスポージャーの区分に応じ、当該各号に定める値を下回らないものとする。

一 居住用不動産向けエクスポージャー 五パーセント

二 適格リボルビング型リテール向けエクスポージャー 五十パーセント

三 その他リテール向けエクスポージャー 三十パーセント

3 前項第三号の規定にかかわらず、その他リテール向けエクスポージャーに適格金融資産担保又は適格資産担保が設定されている場合において、内部格付手法採用金庫は、当該エクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算式及び期待損失の算出に用いる自金庫推計したLGDの下限を、次の算式により算出した信用リスク削減手法の効果を勘案した値とすることができる。

 画像

 LGDRfloorは、信用リスク削減手法の効果を勘案したその他リテール向けエクスポージャーに適用されるLGDの自金庫推計値の下限をいう。

 LGDRU floorは、三十パーセント

 LGDRS floorは、次項の表に掲げる担保資産の区分に応じ、同表において設定される値をいう。

4 前項の算式を用いる場合において、内部格付手法採用金庫は、次の表に掲げる担保資産の区分に応じ、同表の下欄に定める値をLGDRS floorとして用いるものとする。

担保資産の区分

LGDRS floor(パーセント)

金融資産担保

債権担保

不動産担保

その他資産担保

十五

5 第百三十一条第五項の規定は、内部格付手法採用金庫が第三項の規定によりLGDの下限に担保の信用リスク削減手法の効果を勘案する場合について準用する。この場合において、同条第五項中「基礎的内部格付手法採用金庫」とあるのは「内部格付手法採用金庫」と、「第三項」とあるのは「第百三十九条第三項」と、「事業法人等向けエクスポージャー」とあるのは「その他リテール向けエクスポージャー」と読み替えるものとする。

 

(リテール向けエクスポージャーのEAD)

第百四十条 リテール向けエクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算式及び期待損失の算出に用いるオン・バランス資産項目のEADは、当該リテール向けエクスポージャーを全額償却した場合に減少する自己資本の額並びに個別貸倒引当金、部分直接償却額及びデフォルトした購入債権をディスカウントで購入した場合の当該ディスカウントの額(返金を要しないものに限る。)の合計額を下回らない額とする。

2 リテール向けエクスポージャーのうち、リボルビング型エクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算式及び期待損失の算出に用いるオフ・バランス資産項目のEADは、信用供与枠の未引出額に掛目の自金庫推計値を乗じた額又は自金庫推計した追加的な引出が行われ得る額とする。ただし、第四十九条において百パーセントの掛目が適用されるオフ・バランス資産項目にあっては当該未引出額に掛目として百パーセントを乗じた額、リボルビング型エクスポージャーに該当しない場合にあっては当該未引出額に同条第一項の表の中欄に掲げるオフ・バランス取引の種類一から六までに応じた掛目を乗じた額とする。

3 前二項の規定にかかわらず、リテール向けエクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算式及び期待損失の算出に用いるオン・バランス資産項目及びオフ・バランス資産項目のEADの合計額は、オン・バランス資産項目のEADの合計額及び第四十九条に規定するオフ・バランス取引の与信相当額の合計額に五十パーセントを乗じて得た額の合計額を下限とする。

4 リテール向けのリボルビング型エクスポージャーのオフ・バランス資産項目のうち、実行済みの信用供与のみが証券化取引の原資産として譲渡された場合には、内部格付手法採用金庫は、譲渡された当該実行済みの信用供与に対応する未実行部分の全てについて追加引出額の可能性を考慮してEADを推計し、当該EADを用いて信用リスク・アセットの額を算出するものとする。

5 第五十条(第二項及び第三項を除く。)から第五十二条の六までの規定は、リテール向けエクスポージャーのEADについて準用する。この場合において、これらの規定中「標準的手法採用金庫」とあるのは「内部格付手法採用金庫」と、第五十条第四項中「前三項」とあるのは「第一項」と読み替えるものとする。

6 内部格付手法採用金庫は、リテール向けエクスポージャーのEADの推計において貸出金と自金庫預金との相殺の効果を勘案することができる。

7 第五十八条、第九十二条及び第百四条から第百六条までの規定は、内部格付手法採用金庫が前項の規定により貸出金と自金庫預金の相殺の効果を勘案する場合について準用する。この場合において、これらの規定中「標準的手法採用金庫」とあるのは、「内部格付手法採用金庫」と読み替えるものとする。

 

第四款 株式等エクスポージャー

(株式等エクスポージャーの信用リスク・アセットの額)

第百四十一条 第四十七条第一項及び第三項の規定は、内部格付手法採用金庫が株式等エクスポージャーの信用リスク・アセットの額を算出する場合について準用する。この場合において、同条第一項中「株式及び株式と同等の性質を有するものに対するエクスポージャー(第四十七条の五の規定によりリスク・ウェイトを判定するエクスポージャーを除く。)」とあるのは、「株式等エクスポージャー(第百四十二条の規定によりリスク・ウェイトを判定するエクスポージャーを除く。)」と読み替えるものとする。

 

第五款 信用リスク・アセットのみなし計算

(内部格付手法採用金庫における信用リスク・アセットのみなし計算)

第百四十二条 内部格付手法採用金庫は、保有エクスポージャーの信用リスク・アセットの額を直接に算出することができないときには、当該保有エクスポージャーの信用リスク・アセットの額をこの条に規定するところにより算出するものとする。

2 内部格付手法採用金庫は、保有エクスポージャーの裏付けとなる資産等のエクスポージャーに関する情報が、次に掲げる要件の全てを満たすときには、当該エクスポージャーの額に当該裏付けとなる資産等の信用リスク・アセットの総額を当該裏付けとなる資産等を実際に保有する事業体の総資産の額で除して得た割合を乗じて得た額を、当該保有エクスポージャーの信用リスク・アセットの額として用いるものとする。

一 当該内部格付手法採用金庫により十分かつ頻繁に取得されていること。

二 独立した第三者により検証されていること。

3 前項の場合において、内部格付手法採用金庫が保有エクスポージャーの裏付けとなる資産等の信用リスク・アセットの総額を算出するに当たっては、当該内部格付手法採用金庫を当該裏付けとなる資産等を直接保有する者とみなして、第百二十六条の規定を準用する。この場合において、同条中「掲げる額の合計額」とあるのは「掲げる額(第四号に掲げる額を除く。)の合計額」と、同条第一号中「信用リスク・アセットの額を含む」とあるのは「信用リスク・アセットの額を含むものとし、第二百四十六条の二第二項各号に掲げる者以外の者を取引相手方とする派生商品取引については、第百三十二条第七項又は第百四十条第五項の規定により算出されるEADに一・五を乗じて得た額を当該派生商品取引のEADとして算出した信用リスク・アセットの額とする」と、同条第二号中「と読み替える」とあるのは「と、同項第一号中「与信相当額」とあるのは「与信相当額(当該派生商品取引に第二百四十六条の二第二項各号に掲げる者以外の者を取引相手方とする派生商品取引が含まれている場合にあっては、オフ・バランス取引の与信相当額、当該派生商品取引の与信相当額に一・五を乗じて得た額及び当該派生商品取引以外の派生商品取引の与信相当額並びに長期決済期間取引の与信相当額)」と読み替える」と読み替えるものとする。

4 内部格付手法採用金庫が前項の規定により保有エクスポージャーの裏付けとなる資産等の信用リスク・アセットの総額を算出するに当たっては、当該保有エクスポージャーの裏付けとなる資産等に含まれる証券化エクスポージャーの信用リスク・アセットの額は次章第二節第二款第三目に規定する外部格付準拠方式により算出するものとする。

5 内部格付手法採用金庫は、第二項の場合において、保有エクスポージャーの裏付けとなる資産等の信用リスク・アセットの総額を算出しようとしたにもかかわらず、同項第一号に掲げる要件のみを満たすことができず、かつ、当該裏付けとなる資産等のエクスポージャーに関する情報が第三者により十分かつ頻繁に取得されているときには、当該第三者により判定されたリスク・ウェイトを当該エクスポージャーに適用して当該総額を算出することができる。

6 前項の規定により保有エクスポージャーの裏付けとなる資産等の信用リスク・アセットの総額を算出する場合にあっては、当該裏付けとなる資産等のエクスポージャーの信用リスク・アセットの額を、次の各号に掲げる当該エクスポージャーの区分に応じ、当該各号に定めるところにより算出するものとする。

一 株式等エクスポージャー 前項の第三者を当該株式等エクスポージャーを直接保有する内部格付手法採用金庫とみなして、第百二十六条の規定(第一号に係る部分に限る。)を準用する。この場合において、同条中「次に掲げる額の合計額」とあるのは、「第一号に掲げる額(当該額の算出に当たっては、個々の資産及び取引に適用するリスク・ウェイトに一・二を乗じる調整を行うものとする。)」と読み替えるものとする。

二 証券化エクスポージャー 前項の第三者を当該証券化エクスポージャーを直接保有する内部格付手法採用金庫とみなして、第百二十六条の規定(第三号に係る部分に限る。)を準用する。この場合において、同号中「信用リスク・アセットの額」とあるのは、「信用リスク・アセットの額(当該額の算出に当たっては、同章第二節第二款第三目に規定する外部格付準拠方式によりリスク・ウェイトを算出するものとし、当該リスク・ウェイトに一・二を乗じる調整を行うものとする。)」と読み替えるものとする。

三 前二号に掲げるエクスポージャー以外のエクスポージャー 前項の第三者を当該エクスポージャーを直接保有する標準的手法採用金庫とみなして、第十九条第一項の規定を準用する。この場合において、同項中「額の合計額をいう」とあるのは「額(第三号に掲げる額を除く。)の合計額とし、当該合計額の算出に当たっては、個々の資産及び取引に適用するリスク・ウェイトに一・二を乗じる調整を行うものとする」と、「同節」とあるのは「当該リスク・ウェイトに一・二を乗じて得た値をリスク・ウェイトとして用いた上で、同節」と、同項第一号中「与信相当額」とあるのは「与信相当額(当該派生商品取引に第二百四十六条の二第二項各号に掲げる者以外の者を取引相手方とする派生商品取引が含まれている場合にあっては、オフ・バランス取引の与信相当額、当該派生商品取引の与信相当額に一・五を乗じて得た額及び当該派生商品取引以外の派生商品取引の与信相当額並びに長期決済期間取引の与信相当額)」と読み替えるものとする。

7 内部格付手法採用金庫は、第二項各号に掲げる要件を満たすことができないときであって、資産運用基準が明示されているときには、保有エクスポージャーの額に、当該資産運用基準に基づき最大となるように算出した保有エクスポージャーの裏付けとなる資産等の信用リスク・アセットの総額を当該裏付けとなる資産等を実際に保有する事業体の総資産の額で除して得た割合を乗じて得た額を、当該保有エクスポージャーの信用リスク・アセットの額とすることができる。

8 前項の場合において、内部格付手法採用金庫が保有エクスポージャーの裏付けとなる資産等の信用リスク・アセットの総額を算出するに当たっては、同項の資産運用基準に基づき信用リスク・アセットの総額が最大となる裏付けとなる資産等の構成を想定するものとし、当該裏付けとなる資産等のエクスポージャーの信用リスク・アセットの額を、当該構成における次の各号に掲げる裏付けとなる資産等のエクスポージャーの区分に応じ、当該各号に定めるところにより算出するものとする。

一 株式等エクスポージャー 当該内部格付手法採用金庫を当該株式等エクスポージャーを直接保有する者とみなして、第百二十六条の規定(第一号に係る部分に限る。)を準用する。この場合において、同条中「次に掲げる額の合計額」とあるのは、「第一号に掲げる額」と読み替えるものとする。

二 証券化エクスポージャー 当該内部格付手法採用金庫を当該証券化エクスポージャーを直接保有する者とみなして、第百二十六条の規定(第三号に係る部分に限る。)を準用する。この場合において、同号中「信用リスク・アセットの額」とあるのは、「信用リスク・アセットの額(当該額の算出に当たっては、同章第二節第二款第三目に規定する外部格付準拠方式によりリスク・ウェイトを算出するものとする。)」と読み替えるものとする。

三 前二号に掲げるエクスポージャー以外のエクスポージャー 当該内部格付手法採用金庫を当該エクスポージャーを直接保有する標準的手法採用金庫とみなして、第十九条第一項の規定を準用する。この場合において、同項中「額の合計額をいう」とあるのは「額(第三号に掲げる額を除く。)の合計額をいう」と、同項第一号中「与信相当額」とあるのは「与信相当額(当該派生商品取引に第二百四十六条の二第二項各号に掲げる者以外の者を取引相手方とする派生商品取引が含まれている場合にあっては、オフ・バランス取引の与信相当額、当該派生商品取引の与信相当額に一・五を乗じて得た額及び当該派生商品取引以外の派生商品取引の与信相当額並びに長期決済期間取引の与信相当額)」と読み替えるものとする。

9 内部格付手法採用金庫が、第二項又は第七項の規定により保有エクスポージャーの信用リスク・アセットの額を算出するときには、次の各号に掲げる割合に当該各号に定める値を乗じる調整を行った上で信用リスク・アセットの額を算出するものとする。ただし、当該調整の結果として得られる割合が千二百五十パーセントを超える場合には、当該割合は、千二百五十パーセントとする。

一 第二項の割合 事業体の総資産の額を純資産の額で除して得た値

二 第七項の割合 前号に定める値であって、資産運用基準において許容される最大のもの

10 内部格付手法採用金庫は、第二項各号に掲げる要件を満たすことができず、かつ、第七項の適用を受けることができないときであって、保有エクスポージャーのリスク・ウェイトについて、次の各号に掲げる比率である蓋然性が高いことを疎明したときには、当該各号に定めるリスク・ウェイトを当該保有エクスポージャーに用いて信用リスク・アセットの額を算出することができる。

一 二百五十パーセント以下 二百五十パーセント

二 二百五十パーセントを超え四百パーセント以下 四百パーセント

11 内部格付手法採用金庫は、第二項各号に掲げる要件を満たすことができず、かつ、第七項及び前項の適用を受けることができないときには、保有エクスポージャーに千二百五十パーセントのリスク・ウェイトを用いて信用リスク・アセットの額を算出するものとする。

 

第六款 購入債権

(購入債権に関連する定義)

第百四十三条 この款において、ELとは、購入債権のプールに含まれるエクスポージャーの総額に対するデフォルト・リスク部分に相当する期待損失率をいう。

2 この款において、デフォルト・リスクとは、購入債権がデフォルトするリスクをいう。

 

(購入債権の信用リスク・アセットの額)

第百四十四条 購入債権の信用リスク・アセットの額は、第百二十七条から第百四十条までの規定にかかわらず、デフォルト・リスク相当部分の信用リスク・アセットの額と希薄化リスク相当部分の信用リスク・アセットの額の合計額とする。ただし、希薄化リスク相当部分が重要でない場合は、デフォルト・リスク相当部分の信用リスク・アセットの額とすることができる。

 

(適格購入事業法人等向けエクスポージャーのデフォルト・リスク相当部分の信用リスク・アセットの額)

第百四十五条 第百二十七条、第百三十条及び第百三十一条の規定は、購入事業法人等向けエクスポージャーのデフォルト・リスク相当部分の信用リスク・アセットの額の算出について準用する。この場合において、第百二十七条、第百三十条及び第百三十一条中「信用リスク・アセットの額」とあるのは「デフォルト・リスク相当部分の信用リスク・アセットの額」と読み替えるものとする。

2 基礎的内部格付手法採用金庫は、適格購入事業法人等向けエクスポージャーのPD推計が困難である場合で、かつ、当該エクスポージャーの属する適格購入事業法人等向けエクスポージャーのプールに劣後債権が含まれない場合には、当該適格購入事業法人等向けエクスポージャーのデフォルト・リスク相当部分の信用リスク・アセットの額を算出するに当たって、第百三十条に定めるPDに代えて、適格購入事業法人等向けエクスポージャープールに対応する一年間のデフォルト確率を百分率で表した推計値(ただし、〇・〇五パーセントを下回らないものとする。)又はELを四十パーセントで除した値をPDとし、LGDを四十パーセントとすることができる。

3 基礎的内部格付手法採用金庫は、適格購入事業法人等向けエクスポージャーのPD推計が困難である場合で、かつ、当該エクスポージャーの属するエクスポージャーのプールに劣後債権が含まれうる場合は、第百三十条の規定にかかわらず、当該適格購入事業法人等向けエクスポージャーのデフォルト・リスク相当部分の信用リスク・アセットの額を算出するに当たって、PDの自金庫推計値に代えてELをPDとし、LGDを百パーセントとすることができる。

4 先進的内部格付手法採用金庫は、第百三十一条の規定にかかわらず、適格購入事業法人等向けエクスポージャーのデフォルト・リスク相当部分の信用リスク・アセットの額を算出するに当たって、LGDの自金庫推計値に代えて適格購入事業法人等向けエクスポージャープールに対応する長期的な損失率(以下「長期的な損失率」という。)をPDで除した値を用いることができる。ただし、長期的な損失率をPDで除して得た値は、第百九十二条第一項に定める長期平均デフォルト時損失率を下回らないものとする。

5 先進的内部格付手法採用金庫は、第百三十条の規定にかかわらず、適格購入事業法人等向けエクスポージャーのデフォルト・リスク相当部分の信用リスク・アセットの額を算出するに当たって、PDの自金庫推計値に代えて長期的な損失率をLGDで除した値をPDとすることができる。

6 購入事業法人等向けエクスポージャーのデフォルト・リスクに係るEADは、第百三十二条に定める額(以下この節において「購入事業法人等向けエクスポージャーに係るEADdilution」という。)から希薄化リスク相当部分の信用リスク・アセットの額に八パーセントを乗じて得た額及び購入事業法人等向けエクスポージャーに係るEADdilutionにELdilutionを乗じた額の合計額(以下この条において「希薄化リスクに係る所要自己資本の額」という。)を除いた額とする。

7 リボルビング型購入債権に係る信用供与枠の未引出額に係るEADは、信用供与枠の未引出額に四十パーセントを乗じた額から希薄化リスクに係る所要自己資本の額を除いた額とする。ただし、零を下回る場合は零とする。

8 内部格付手法採用金庫が、トップ・ダウン・アプローチを用いて適格購入事業法人等向けエクスポージャーの信用リスク・アセットの額を算出する場合は、当該適格購入事業法人等向けエクスポージャーの実効マチュリティ(M*)は、当該適格購入事業法人等向けエクスポージャーの属する適格購入事業法人等向けエクスポージャープール内の個々の適格購入事業法人等向けエクスポージャーごとに第百三十三条に基づき算出された実効マチュリティ(M)を算出し、適格購入事業法人等向けエクスポージャーの残高で加重平均した期間とする。

9 前項及び第百三十三条の規定にかかわらず、リボルビング型購入債権に係る信用供与枠の未引出額に係る実効マチュリティは、コミットメントの残存期間にリボルビング型購入債権の売買契約において今後引き出され得る債権のうち譲り受け得る債権について考えられる最も長いマチュリティを有する債権のマチュリティと購入債権に係る信用供与枠のマチュリティを合計した期間とする。ただし、誓約条項、早期償還条項の設定、その他当該信用供与枠の設定期間にわたってリボルビング型購入債権の売買契約に基づき内部格付手法採用金庫が将来譲り受ける購入債権の質が重大に低下することを防止する措置が設けられている場合は、前項に規定する当該適格購入事業法人等向けエクスポージャーのマチュリティを当該信用供与枠の未引出額に係るマチュリティとすることができる。

 

(購入リテール向けエクスポージャーのデフォルト・リスク相当部分の信用リスク・アセットの額)

第百四十六条 第百三十四条から第百三十六条まで及び第百三十八条から第百四十条までの規定は、購入リテール向けエクスポージャーのデフォルト・リスク相当部分の信用リスク・アセットの額の算出について準用する。この場合において、第百三十四条から第百三十六条まで及び第百三十八条から第百四十条までの規定中「信用リスク・アセットの額」とあるのは「デフォルト・リスク相当部分の信用リスク・アセットの額」と読み替えるものとする。

2 購入リテール向けエクスポージャーのデフォルト・リスクに係るEADは、第百四十条に定める額(以下この節において「購入リテール向けエクスポージャーに係るEADdilution」という。)から希薄化リスク相当部分の信用リスク・アセットの額に八パーセントを乗じて得た額及び購入リテール向けエクスポージャーに係るEADdilutionにELdilutionを乗じて得た額の合計額を控除した額とする。

3 第一項において、購入リテール向けエクスポージャーのプールに複数の資産区分に該当する資産が含まれる場合、当該プールはデフォルト・リスク相当部分の信用リスク・アセットの額が最大となる資産区分(当該プールに含まれるものに限る。)のみで構成されているものとみなす。

 

(購入債権の希薄化リスク相当部分の信用リスク・アセットの額)

第百四十七条 第百二十七条第一項の規定は、購入債権に係る希薄化リスク相当部分の信用リスク・アセットの額の算出について準用する。この場合において、同項中「信用リスク・アセットの額」とあるのは「希薄化リスク相当部分の信用リスク・アセットの額」と読み替えるものとする。

2 前項の算出に用いるPDは、ELdilutionとする。

3 第一項の算出に用いるLGDは、百パーセントとする。

4 第一項の算出に用いるEADは、購入事業法人等向けエクスポージャーに係るEADdilution又は購入リテール向けエクスポージャーに係るEADdilutionとする。

5 第一項の算出に用いるマチュリティは、一年とする。

 

(購入債権における保証の取扱い)

第百四十八条 保証人が購入債権に係る希薄化リスク及びデフォルト・リスクの双方を全部又は一部保証している場合は、保証人に対する信用リスク・アセットを被保証部分に係る信用リスク・アセットとすることができる。

2 保証人が購入債権に係る希薄化リスク又はデフォルト・リスクのいずれか一方を全部又は一部保証している場合は、保証人に対するリスク・ウェイトを被保証部分に係るリスク・ウェイトとする。

3 第五十八条、第九十三条及び第九十四条の規定は、前二項の場合に準用する。この場合において、「標準的手法採用金庫」とあるのは「内部格付手法採用金庫」と読み替えるものとする。

4 購入債権の価額がディスカウントされている場合であって、次の各号に掲げる事由に該当するときは、当該各号に定める方法により信用リスク・アセットの額を算出することができる。

一 デフォルト・リスク又は希薄化リスクから生じる損失額について最劣後の信用補完を提供するために購入債権の価額がディスカウントされている場合で、ディスカウントされた額から当該損失額を差し引いた額(正の値をとる場合に限る。)を当該購入債権の譲渡人に対し返還することが約定されている 購入債権のディスカウント部分を証券化取引における最劣後部分として取り扱う方法

二 購入時点においてデフォルトしていた購入債権の価額がディスカウントされている場合で、ディスカウントされた額から当該債権から生じた損失額を差し引いた額(正の値をとる場合に限る。)を当該債権の譲渡人に対し返還することが約定されていないとき 当該債権の第百二十四条に定める期待損失額を超えない部分に限り、ディスカウント部分を適格引当金と認識する方法

5 購入債権のデフォルト・リスク又は希薄化リスクから生じる損失額について最劣後の信用補完を提供するために購入債権を被担保債権とする担保、部分的な保証その他の信用リスク削減手法が付されている場合には、内部格付手法採用金庫は、当該信用リスク削減手法が適用される資産の信用リスク・アセットの額を計算するに当たって、証券化取引が行われたものとみなし、最劣後部分に対して信用リスク削減手法が提供されたものとして取り扱うことができる。ただし、信用リスク削減手法がデフォルト・リスク及び希薄化リスクから生じる損失額について最劣後の信用補完を提供する場合で、証券化取引が行われたものとみなして信用リスク・アセットの額を算出する証券化エクスポージャーについて、次章第二節第二款第二目に規定する内部格付手法準拠方式を用いてリスク・ウェイトを算出するときは、第二百三十三条第五項の規定にかかわらず、裏付資産の加重平均LGD(LGD)は、次の算式により算出する値をいうものとする。

 LGD=(デフォルト・リスクに係る所要自己資本の額/購入債権に係る所要自己資本の額)×(デフォルト・リスクに係る第二百三十三条第五項に定めるLGD)+(希薄化リスクに係る所要自己資本の額/購入債権に係る所要自己資本の額)×(百パーセント)

6 購入債権に係る取引が第四項第一号に掲げる事由に該当する場合であって、内部格付手法採用金庫が同号に規定する譲渡人であるときは、当該内部格付手法採用金庫は、譲渡した債権のディスカウント部分を証券化取引における最劣後部分として取り扱うものとする。

 

第七款 リース取引

(リース取引に関連する定義)

第百四十九条 この章において、リース取引とは、特定の物件(以下この款において「リース物件」という。)の所有者たる貸主(以下この款において「レッサー」という。)が当該リース物件の借主(以下この款において「レッシー」という。)に対し合意された期間(以下この款において「リース期間」という。)にわたりこれを使用収益する権利を与え、レッシーが合意された使用料(以下この款において「リース料」という。)をレッサーに支払う取引をいう。

2 この章において、残価リスクとは、リース期間の終了日におけるリース物件の公正な市場価額が見積残存価額を下回ることにより、レッサーがその差額を損失として被るリスクをいう。

3 この章において、見積残存価額とは、リース期間終了時におけるリース物件の額としてレッサーがリース期間の開始日に見積もった額をいう。

 

(リース料に係る信用リスク・アセットの額)

第百五十条 リース料に係る信用リスク・アセットの額は、第二款及び第三款の規定にかかわらず、リース料からレッサーがリース期間の開始日に利息相当額として合理的に見積った額を控除した額をEAD、リース期間をマチュリティ(M)とし、レッシーに対応するPD、LGD及び売上高(第一条第五十号ただし書に掲げる場合は総資産。)(S)を用いて算出する。ただし、マチュリティ(M)については、リース期間に代えて、リース料から利息相当額を控除した額について、第百三十三条第一項に基づいて計算を行うことを妨げない。

 

(残価リスクが無い場合の取扱い)

第百五十一条 内部格付手法採用金庫は、リース取引において残価リスクが無い場合は、次に掲げる要件を満たすときに限り、レッシー向けのエクスポージャーにリース物件が担保に付されているものとして扱うことができる。

一 リース物件の所在、用途、経過年数及び陳腐化への対応策についてレッサーが堅固なリスク管理を行っていること。

二 レッサーをリース物件の所有者とし、レッサーが所有者としての権利を適時に行使できるようにするような強固な法的枠組みがあること。

三 リース物件の減価償却による価値の減少率とリース料の元本相当部分のリース料支払による減少率の差違は、当該リース物件による信用リスク削減手法の効果を過大に勘案するほど大きなものでないこと。

四 適格その他資産担保の運用要件を満たしていること。

 

(見積残存価額部分に係る信用リスク・アセットの額)

第百五十二条 リース取引においては、見積残存価額に係る信用リスク・アセットの額は、当該見積残存価額に百パーセントを乗じた額とする。

2 第百二十八条第一項の規定は、見積残存価額に係る信用リスク・アセットについて準用する。この場合において、「事業法人等向けエクスポージャー」とあり、「被保証債権」とあり、及び「原債権」とあるのは「見積残存価額」と読み替えるものとする。

 

第八款 未決済取引

(未決済取引)

第百五十三条 内部格付手法採用金庫は、同時決済取引について経過営業日数が五日以上となった場合は、当該取引の再構築コストをEADとして次の第一号に掲げる算式により算出した額を当該取引の信用リスク・アセットの額として計上するものとする。この場合において、同号に掲げる算式の算出に要する所要自己資本率(K)は第二号による率とする。

一 信用リスク・アセットの額=K×12.5×EAD

二 所要自己資本率(K)は次の表の上欄に掲げる経過営業日数に応じ同表の下欄に定めるものとする。

経過営業日数

所要自己資本率(K)(パーセント)

五日以上十五日以内

十六日以上三十日以内

五十

三十一日以上四十五日以内

七十五

四十六日以上

2 内部格付手法採用金庫は、非同時決済取引に係るエクスポージャーの取扱いについて、当該非同時決済取引の相手方に対して有価証券等の引渡し又は資金の支払を行った場合であって、反対取引の決済が行われていないときは、次に定めるところに従うものとする。

一 有価証券等の引渡し又は資金の支払を行った日から、反対取引の約定決済日の四営業日後までの期間は、当該非同時決済取引の約定額をEADとし、取引の相手方の種類に応じ、第百二十七条又は第百三十六条の規定により算出された額を信用リスク・アセットの額とする。

二 反対取引の約定決済日の五営業日以後は、当該非同時決済取引の約定額(当該非同時決済取引の再構築コストが零を上回る場合には当該約定額及び再構築コストの合計額)に千二百五十パーセントのリスク・ウェイトを乗じて得た額を信用リスク・アセットの額とする。

3 内部格付手法採用金庫は、前項第一号の場合において、同号の規定にかかわらず、非同時決済取引に係るエクスポージャーについて次の各号に定める取扱いを行うことができる。

一 当該非同時決済取引の相手方に内部格付が付与されていない場合において、適格格付機関が付与する格付に対応するPDを用いること。

二 当該非同時決済取引の約定額に第二十七条から第三十八条までに規定するリスク・ウェイトを乗じて得た額を信用リスク・アセットの額とすること。

三 非同時決済取引に係るエクスポージャーの合計額が重要でないと認められる場合において、当該非同時決済取引の全てについて、約定額に百パーセントのリスク・ウェイトを乗じて得た額を信用リスク・アセットの額とすること。

4 先進的内部格付手法採用金庫は、前項第一号の場合において、第百三十一条又は第百三十九条の規定にかかわらず、当該非同時決済取引に係るエクスポージャーのLGDを四十五パーセントとすることができる。

5 第一項の経過営業日数又は第二項の約定決済日以後の営業日数のうち、外部の決済システム全体の全体的な障害に起因するものがある場合、内部格付手法採用金庫は、その日数を第一項の経過営業日数又は第二項の約定決済日以後の営業日数から除くことができる。

 

第九款 その他資産等

(その他資産等の取扱い)

第百五十四条 第二十六条の規定は、内部格付手法の信用リスク・アセットの額の算出について準用する。

2 第百二十七条から前条まで及び前項のいずれにも該当しない資産の信用リスク・アセットの額は、各エクスポージャーの額(EADをいう。)に百パーセントのリスク・ウェイトを乗じた額とする。

 

(重要な出資のエクスポージャー)

第百五十四条の二 第百二十七条から前条までの規定にかかわらず、対象出資のうち重要な出資に係る十五パーセント基準額を上回る部分に係るエクスポージャーの信用リスク・アセットの額は、当該エクスポージャーの額(EADをいう。)に千二百五十パーセントのリスク・ウェイトを乗じた額とする。

2 前項の場合において、対象出資のうち同項の規定により千二百五十パーセントのリスク・ウェイトが適用される額に対応する部分以外の部分の額の合計額が重要な出資に係る六十パーセント基準額を上回るときは、その上回る部分に係るエクスポージャーの信用リスク・アセットの額は、当該エクスポージャーの額(EADをいう。)に千二百五十パーセントのリスク・ウェイトを乗じた額とする。

 

(他の金融機関等の対象資本等調達手段に係るエクスポージャー)

第百五十四条の三 第百二十七条から前条までの規定にかかわらず、他の金融機関等の対象資本等調達手段のうち、対象普通出資等及びその他外部TLAC関連調達手段に該当するもの以外のものに係るエクスポージャーの信用リスク・アセットの額は、当該エクスポージャーの額(EADをいう。)に二百五十パーセント(第四十七条第三項に規定する投機的な非上場株式に対する投資に係るエクスポージャーにあっては、四百パーセント)のリスク・ウェイトを乗じた額とする。

2 内部格付手法採用金庫が労働金庫である場合にあっては、第百二十七条から前条までの規定にかかわらず、他の金融機関等の対象資本調達手段のうち労働金庫連合会の対象普通出資等であって第二条又は第十一条の算式におけるコア資本に係る調整項目の額に算入されなかった部分に係るエクスポージャーの信用リスク・アセットの額については、当該エクスポージャーの額の合計額のうち少数出資に係る十パーセント基準額に相当する部分に係るエクスポージャーの信用リスク・アセットの額は、当該エクスポージャーの額(EADをいう。)に百パーセントのリスク・ウェイトを乗じた額とし、それ以外の部分に係るエクスポージャーの信用リスク・アセットの額は、当該エクスポージャーの額(EADをいう。)に二百五十パーセントのリスク・ウェイトを乗じた額とする。

 

(特定項目のうち調整項目に算入されない部分に係るエクスポージャー)

第百五十四条の四 第百二十七条から前条までの規定にかかわらず、特定項目のうち第二条又は第十一条の算式におけるコア資本に係る調整項目の額に算入されなかった部分に係るエクスポージャーの信用リスク・アセットの額は、当該エクスポージャーの額(EADをいう。)に二百五十パーセントのリスク・ウェイトを乗じた額とする。

(平二五金庁厚労告一・追加、平三一金庁厚労告二・一部改正)

(その他外部TLAC関連調達手段に係るエクスポージャー)

第百五十四条の四の二 第百二十七条から前条までの規定にかかわらず、総株主等の議決権の百分の十を超える議決権を保有している他の金融機関等に係るその他外部TLAC関連調達手段に関するエクスポージャーの信用リスク・アセットの額は、当該エクスポージャーの額(EADをいう。)に二百五十パーセントのリスク・ウェイトを乗じた額とする。

2 第百二十七条から前条までの規定にかかわらず、総株主等の議決権の百分の十を超える議決権を保有していない他の金融機関等に係るその他外部TLAC関連調達手段のうち、その他外部TLAC関連調達手段に係る五パーセント基準額(第二条に規定する連結自己資本比率を算出する場合にあっては同条の算式における自己資本の額に五パーセントを乗じて得た額をいい、第十一条に規定する単体自己資本比率を算出する場合にあっては同条の算式における自己資本の額に五パーセントを乗じて得た額をいう。)を上回る部分に関するエクスポージャーの信用リスク・アセットの額は、当該エクスポージャーの額(EADをいう。)に百五十パーセントのリスク・ウェイトを乗じた額とする。

 

(損益又は評価差額がその他の包括利益累計額又は評価・換算差額等の項目として計上される資産の信用リスク・アセットの額の算出)

第百五十四条の五 損益又は評価差額がその他の包括利益累計額又は評価・換算差額等の項目として計上される資産の信用リスク・アセットの額の算出に当たっては、時価による評価替え又は再評価を行わない場合の額を用いるものとする。

(平二五金庁厚労告一・追加、令六金庁厚労告一・一部改正)

(内部取引によるヘッジ効果の反映)

第百五十四条の六 第九十七条の二、第九十八条第二項、第九十九条から第百二条まで及び第百四条から第百六条までの規定は、内部格付手法採用金庫について準用する。この場合において、これらの規定中「標準的手法採用金庫」とあるのは「内部格付手法採用金庫」と、第九十七条の二第二項中「第五十条第一項」とあるのは「第百三十二条第七項又は第百四十条第五項において準用する第五十条第一項」と読み替えるものとする。

 

第四節 最低要件

第一款 内部格付制度の設計

第一目 内部格付制度

(内部格付制度)

第百五十五条 内部格付手法採用金庫は、信用リスクの評価、エクスポージャーに対する内部格付の付与並びにPD、LGD及びEADの推計(先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャーのLGD及びEADの推計については先進的内部格付手法採用金庫に限る。)を行う方法、手続、統制、データの収集及び情報システム(以下「内部格付制度」と総称する。)を設けるものとする。

2 内部格付手法採用金庫は、各資産区分の中の特定の業種又は市場ごとに異なる内部格付制度を設けることができる。

3 内部格付手法採用金庫は、前項に基づき複数の内部格付制度を設ける場合には、各債務者を当該債務者のリスクを判定するのに最もふさわしい内部格付制度に割り当てるための基準を作成し、当該基準を記載した書類を整備するものとする。

4 内部格付手法採用金庫は、第二項に基づき複数の内部格付制度を設ける場合には、自己資本比率を向上させるために、債務者を内部格付制度に対して恣意的に割り当てないものとする。

 

(事業法人等向けエクスポージャーの内部格付制度)

第百五十六条 内部格付手法採用金庫は、事業法人等向けエクスポージャーについて債務者格付と案件格付からなる内部格付制度を設けるものとする。ただし、内部格付手法採用金庫は、特定貸付債権についてスロッティング・クライテリアを適用している場合には、当該特定貸付債権については期待損失率に応じた内部格付制度を用いることができる。

2 債務者格付は、次に掲げる性質の全てを有するものとする。

一 債務者のPDに対応するものであること。

二 同一の債務者に対する複数の事業法人等向けエクスポージャーを有する場合は、これらに対して同一の債務者格付が付与されること。ただし、次のイ又はロに掲げる場合は、この限りでない。

イ トランスファー・リスクを考慮し、債務者の所在地国の通貨建て又はそれ以外の通貨建てであるかに応じて異なる債務者格付を付与する場合

ロ 当該エクスポージャーに関連する保証が、債務者格付において勘案されている場合

3 内部格付手法採用金庫は、信用リスク管理指針に次に掲げる性質の全てを満たすような事業法人等向けエクスポージャーの債務者格付に関する規定を記載するものとする。

一 個々の債務者格付の意味するリスクの水準に鑑み、各債務者格付の関係が明確に規定されていること。

二 債務者格付は、当該債務者格付が下がるごとにリスクの水準が高くなるよう規定されているものであること。

三 各債務者格付のリスクの水準は、当該債務者格付に対応する債務者の典型的なデフォルト確率及び当該信用リスクの水準を判断するために設けられている基準により規定されていること。

4 内部格付手法採用金庫は、事業法人等向けエクスポージャーについてLGDに対応した案件格付を設けるものとする。ただし、基礎的内部格付手法採用金庫は、事業法人等向けエクスポージャーの案件格付を設けるに当たっては、債務者及び取引に特有の要素を勘案することができる。

 

(リテール向けエクスポージャーの内部格付制度)

第百五十七条 内部格付手法採用金庫は、リテール向けエクスポージャーについて債務者及びエクスポージャーに係る取引のリスクに基づく、これらの特性を考慮した内部格付制度を設けるものとする。

2 内部格付手法採用金庫は、次に掲げる要件を満たすように、リテール向けエクスポージャーを各プールに割り当てるものとする。

一 当該割当てによって、リスクが適切に区分されること。

二 各プールが十分に類似性を持ったエクスポージャーによって構成されること。

三 当該割当てによって、プールごとに、損失の特性を正確かつ継続的に推計することが可能になること。

3 内部格付手法採用金庫は、前項に掲げる各プールへの割当てに当たっては、次の各号に掲げる要素その他のリスク特性を考慮するものとする。

一 債務者のリスク特性

二 取引のリスク特性(共同担保条項がある場合は、これを必ず考慮するものとする。)

三 エクスポージャーの延滞状況

4 内部格付手法採用金庫は、リテール向けエクスポージャーについてプールごとに、PD、LGD及びEADを推計するものとする。ただし、複数のプールのPD、LGD又はEADの推計値が同一となることを妨げない。

 

第二目 格付の構造

(事業法人等向けエクスポージャーの格付の構造)

第百五十八条 内部格付手法採用金庫は、事業法人等向けエクスポージャーを各債務者格付及び案件格付に過度に集中することのないよう適切に分布させるものとする。ただし、当該債務者格付に対応するPDの範囲及び当該債務者格付が付与される債務者のデフォルト・リスクが当該範囲に収まることが、十分な実証されたデータにより裏付けられている場合は、この限りでない。

2 内部格付手法採用金庫は、事業法人等向けエクスポージャーについて、少なくともデフォルトしていないエクスポージャーについて七以上の債務者格付を、デフォルトしたエクスポージャーについて一以上の債務者格付を設けるものとする。

3 内部格付手法採用金庫は、各債務者格付の定義を規定するに当たっては、当該債務者格付を付与される債務者に典型的なリスクの水準及び当該格付に相当する信用リスクの程度を判断するために使用する基準を設けるものとする。

4 先進的内部格付手法採用金庫は、LGDが大きく異なるエクスポージャーに対して同一の案件格付を付与することのないよう、十分な数の案件格付を設けるものとする。

5 先進的内部格付手法採用金庫が案件格付の定義付けに用いる基準は、実証されたデータに基づくものとする。

6 前各項の規定にかかわらず、特定貸付債権についてスロッティング・クライテリアを利用している内部格付手法採用金庫は、デフォルトしていない債権について四以上の格付を、デフォルトした債権について一以上の格付を設けるものとする。

 

(リテール向けエクスポージャーの格付の構造)

第百五十九条 内部格付手法採用金庫は、リテール向けエクスポージャーをプールに割り当てるに当たり、次に掲げる要件の全てを満たすものとする。

一 各プールのPD、LGD及びEADが定量化されていること。

二 各プールのエクスポージャーの数は、プールの単位でのPD、LGD及びEADの定量化及び検証を可能とする程度であること。

三 複数のプールを比較した場合、各プールに割り当てられている債務者及びエクスポージャーが適切であること。

四 エクスポージャーは、一のプールに不当に集中していないこと。

 

第三目 格付の基準

(格付の基準)

第百六十条 内部格付手法採用金庫は、エクスポージャーに対して格付の体系の中の各格付を付与し、又はエクスポージャーをプールに割り当てるために、明確な格付及びプールの定義、手続及び基準を設けるものとする。

2 内部格付手法採用金庫は、事業部門、各部署及び地理的位置にかかわらず、同様のリスクを有する債務者及びエクスポージャーに対して一貫して同一の格付を付与し、又は同一のプールに割り当てることを可能とするように、同一の格付及び同一のプールの定義及び基準を十分に詳細に規定するものとする。

3 内部格付手法採用金庫は、債務者及びエクスポージャーの種類により異なる格付の基準及びプールへの割当ての基準並びに格付の付与及びプールへの割当ての手続を適用する場合には、不整合な点がないか監視するとともに、一貫性を向上するよう適時に格付基準を変更するものとする。

4 内部格付手法採用金庫は、独立した機能を有する内部の監査部署その他の第三者が格付の付与を理解し、格付を付与する手続の再現を通して当該格付の付与及びプールへの割当てが適切であることを評価することができる程度に、格付及びプールの定義及び基準を明確かつ詳細に規定するものとする。

5 格付の付与及びプールへの割当ての基準は、内部格付手法採用金庫の信用供与の基準並びに問題の生じた債務者及びエクスポージャーの取扱方針と一貫したものとする。

 

(情報の利用)

第百六十一条 内部格付手法採用金庫は、エクスポージャーに対して債務者格付及び案件格付を付与し、又はエクスポージャーをプールに割り当てる場合には、入手可能であり、かつ、重要な関連する最新の情報を全て考慮に入れるものとする。

2 内部格付手法採用金庫は、保有する情報量が少ない場合には、債務者格付及び案件格付の付与又はプールへの割当てを、より保守的に行うものとする。

3 内部格付手法採用金庫は、エクスポージャーに対して格付を付与し、又はエクスポージャーをプールに割り当てる際の主要な要素として外部信用評価機関又はそれに類する機関(第百八十九条第三項第三号において「外部信用評価機関等」という。)が付与する格付(第百七十六条第二項第三号及び第百八十九条において「外部格付」という。)を用いる場合は、それ以外の関連する情報も考慮に入れるものとする。

 

(特定貸付債権の取扱い)

第百六十二条 内部格付手法採用金庫は、特定貸付債権にスロッティング・クライテリアを用いる場合には、当該特定貸付債権に対して、この節に定める最低要件に合致した自金庫の基準、格付の体系及び手続に基づき格付を付与するものとする。

2 内部格付手法採用金庫は、前項に掲げる格付を第百二十七条第四項及び第六項に定める区分に紐付けるものとする。

 

(格付の基準と格付付与手続の見直し等)

第百六十三条 内部格付手法採用金庫は、現在の自金庫の資産全体の構成と外部の状況に対して格付及びプールの基準並びに格付の付与及びプールへの割当ての手続が十分に適用可能であるかどうかを判断するために、当該基準及び当該手続を定期的に見直すものとする。

 

第四目 債務者格付等の格付付与時の評価対象期間

(格付付与及びプールへの割当てにおける評価対象期間)

第百六十四条 内部格付手法採用金庫は、事業法人等向けエクスポージャーに対する債務者格付及びリテール向けエクスポージャーのプールへの割当てについて、一年以上にわたる期間を評価の対象とするものとする。

 

(格付付与及びプールへの割当てにおける評価方法)

第百六十四条の二 内部格付手法採用金庫は、事業法人等向けエクスポージャーに対する債務者格付の付与及びリテール向けエクスポージャーのプールへの割当てに当たって、経済状況の悪化又は予期せぬ事態の発生にもかかわらず、債務者が契約に従って債務を履行する能力及び意思を評価するものとする。

2 前項に規定する評価に当たって、内部格付手法採用金庫は、次に掲げる要件の全てを満たすものとする。

一 評価において考慮する経済状況の範囲に、次に掲げる経済状況が含まれていること。

イ 現在の経済状況

ロ 債務者の属する業種別又は地域別の景気循環において発生し得る経済状況

二 格付及びプールの遷移が、次に掲げる変化のいずれかに起因して行われるよう設計されていること。

イ エクスポージャー又は債務者における固有の変化

ロ エクスポージャー又は債務者が属する事業環境における固有の変化

ハ 景気循環の中で生じ得る変化

三 債務者が高いレバレッジをかけている場合又は当該債務者の保有資産が特定取引等に係る資産である場合には、ストレスがかかった状況におけるボラティリティに基づく原資産のパフォーマンスに係る評価を反映したものであること。

四 将来の事象及び将来の事象が特定の債務者の財務状況に及ぼす影響を予測することが困難なことに鑑み、将来に関する予測情報が保守的に評価されていること。

五 入手可能な将来に関する情報が限定的である場合には、より保守的に分析が行われること。

 

第五目 モデルの利用

(モデルの利用)

第百六十五条 内部格付手法採用金庫は、債務者格付若しくは案件格付の付与又はPD、LGD及びEADの推計に統計的モデルその他の機械的な手法(以下「モデル」という。)を用いる場合には、次に掲げる要件の全てを満たすものとする。

一 モデル及び入力値は、次に掲げる全ての性質を有するものであること。

イ モデルの予測能力が高く、モデルの利用の結果、所要自己資本の額が不当に軽減されるものでないこと。

ロ モデルの入力値となる変数が結果に対する合理的な予測変数であること。

ハ モデルの出力値につき、これを適用する債務者及びエクスポージャーの額の観点で重大な偏りが認められないこと。

二 統計的なデフォルト又は損失を推計するモデルへ入力するデータについて、正確性、完全性及び適切性の評価その他の審査手続を実施していること。

三 モデルの構築に用いられたデータは、当該内部格付手法採用金庫の実際の債務者又はエクスポージャーの母集団を代表するものであること。

四 モデルを人的判断と組み合わせて用いている場合は、次に掲げる要件の全てを満たすものであること。

イ 人的判断は、モデルにおいて考慮されていない全ての関連する重要な情報を網羅したものであること。

ロ 人的判断とモデルによる予測結果をどのように組み合わせるかについて書面による指針が作成されていること。

五 モデルに基づく格付の付与について人による見直しの手続が設けられており、かつ、当該手続が当該モデルの既知の脆弱性に起因する誤りの発見及び防止に焦点を置いたものであって、かつ、モデルの機能の継続的な向上を促すものであること。

六 モデルの運用実績及び安定性の評価、モデルとモデルの前提となっている状況の関連性の見直し、実績値とモデルの予測値の対照その他のモデルの検証が定期的に行われること。

 

第六目 内部格付制度に関する書類

(内部格付制度及び運用に関する書類の作成)

第百六十六条 内部格付手法採用金庫は、信用リスク管理指針に内部格付制度の設計及び運用について詳細に記載するものとする。

2 前項に掲げる信用リスク管理指針は、内部格付手法採用金庫がこの節(第七款から第九款までを除く。)に掲げる最低要件を遵守していることを証明するものとする。

3 内部格付手法採用金庫は、信用リスク管理指針に次に掲げる事項その他の事項を記載するものとする。

一 ポートフォリオの分類

二 格付及びプールの基準並びに当該基準を選択した合理的理由(当該基準並びに当該基準に基づく格付の付与及びプールへの割当ての手続によって、リスクに応じた適切な格付が付与され、プールに割り当てられる蓋然性が高いことを示す分析を提供するもの)

三 格付の付与及びプールへの割当てを行う部署、格付の付与及びプールへの割当ての例外事項の定義並びに例外を承認する権限のある部署その他の格付の付与及びプールへの割当てに関する組織(格付の付与及びプールへの割当ての手続並びに内部統制の仕組みに関する記載を含む。)

四 格付の付与及びプールへの割当ての見直しの頻度並びに手続並びに格付の付与及びプールへの割当ての手続に対する理事会又は理事会の下部機関である会議体(以下「理事会等」という。)及び担当理事(信用リスク管理について業務執行権限を授権されたものをいう。第百七十七条において同じ。)による監督

五 格付の付与及びプールへの割当ての手続の主要な変更点の履歴

六 内部格付手法採用金庫で使用されるデフォルト及び損失の具体的な定義並びに当該定義と第百八十一条、第百八十二条及び第百九十一条に定める定義の整合性

 

(モデルに関する追加事項の記載)

第百六十七条 内部格付手法採用金庫は、格付の付与及びプールへの割当ての手続においてモデルを使用している場合には、信用リスク管理指針に次に掲げる事項を記載するものとする。

一 モデルの概要(格付、債務者、エクスポージャー又はプールに推計値を割り当てる際の理論、前提又は数学的及び実証的裏付け並びにモデルを作成するために用いられるデータ・ソースに関する詳細な概要)

二 モデルの作成に用いた評価対象期間及び標本以外のデータによるテストその他のモデルを検証するための厳格な統計的な手続

三 モデルが有効に機能しないと想定される状況

 

第二款 内部格付制度の運用

第一目 格付の対象

(事業法人等向けエクスポージャーに対する格付の付与)

第百六十八条 内部格付手法採用金庫は、事業法人等向けエクスポージャーについては、当該エクスポージャーの債務者及び保証人又はプロテクション提供者(当該保証人又はプロテクション提供者による保証又はクレジット・デリバティブにつき信用リスク削減効果を勘案する場合に限る。)に対して債務者格付を付与し、かつ、審査手続において案件の特性に応じて当該エクスポージャーを案件格付と関連付けるものとする。

2 内部格付手法採用金庫は、事業法人等向けエクスポージャーの債務者に債務者格付を付与する場合には、事業体等単位で個別に付与するものとする。ただし、内部格付手法採用金庫が当該事業体等の親法人等、子法人等及び関連法人等の一部又は全部に同一の債務者格付を付与する方針を定めている場合であって、当該方針に従い一括して同一の債務者格付を付与しているときは、この限りでない。

3 内部格付手法採用金庫が第五十二条第一項の承認を受けている場合には、個別誤方向リスクを特定する方法を定めるものとする。

 

(リテール向けエクスポージャーのプールへの割当て)

第百六十九条 内部格付手法採用金庫は、リテール向けエクスポージャーについては、各エクスポージャーを信用供与の審査手続においてプールに割り当てるものとする。

2 前項におけるプールへの割当てにおいて、保証又はクレジット・デリバティブによる信用リスク削減効果を勘案している場合は、前項に掲げる割当ての他に、保証又はクレジット・デリバティブがないと仮定した場合のプールへの割当て並びにそれに基づくPD、LGD及びEADの推計を行うものとする。

 

第二目 格付付与手続の健全性の維持

(事業法人等向けエクスポージャーに対する格付付与手続の健全性の維持)

第百七十条 内部格付手法採用金庫は、事業法人等向けエクスポージャーについては一年に一回以上、リスクの高い債務者や問題のあるエクスポージャーについてはより頻繁に、債務者格付及び案件格付を見直すものとする。

2 内部格付手法採用金庫は、事業法人等向けエクスポージャーの債務者又はエクスポージャーについて重要な情報が判明した場合には、速やかに債務者格付又は案件格付を見直すものとする。

3 最終的な格付の付与及び前二項に掲げる格付の見直しは、信用供与によって直接利益を受けることがない立場にある者が行うか又はその者の承諾を得るものとする。

4 内部格付手法採用金庫は、事業法人等向けエクスポージャーについて、PDに影響する債務者の特性並びにLGD及びEADに影響する案件の特性に関する重要な情報を収集し、債務者格付及び案件格付を更新する有効な手続を設けるものとする。

 

(リテール向けエクスポージャーのプールへの割当ての手続の健全性の維持)

第百七十一条 内部格付手法採用金庫は、リテール向けエクスポージャーについて、年一回以上の割合で各プールの損失特性及び延滞状況を見直すものとする。

2 内部格付手法採用金庫は、各リテール向けエクスポージャーが継続的に適切なプールに割り当てられていることを確認するために、当該プールに属するリテール向けエクスポージャーの代表的な標本の調査その他の方法により、年一回以上各プール内の個々の債務者の状況を見直すものとする。

 

第三目 格付の書換え

(格付の書換え)

第百七十二条 内部格付手法採用金庫は、人的判断に基づく内部格付制度の運用を行っている場合には、次に掲げる事項その他の格付及び推計値の変更に係る事項について明確な規定を設けるものとする。

一 変更の方法

二 変更可能な範囲

三 変更の責任者

2 内部格付手法採用金庫は、モデルに基づく内部格付制度の運用を行っている場合には、次に掲げる事項を監視するための手続及びガイドラインを設けるものとする。

一 人的判断によるモデルに基づく格付付与又は推計結果の変更

二 モデルに用いる変数の除外

三 モデルの入力値の変更

3 前項に掲げるガイドラインは、格付付与又は推計結果の変更に関する責任者を特定するものとする。

4 内部格付手法採用金庫は、格付及び推計値について変更を行った場合には、当該変更ごとに変更後の実績を記録するものとする。

 

第四目 データの維持管理

(事業法人等向けエクスポージャーに関するデータの維持管理)

第百七十三条 内部格付手法採用金庫は、事業法人等向けエクスポージャーについて次に掲げる情報を保存するものとする。

一 債務者及び保証人に初めて債務者格付を付与した日以降の、債務者格付を付与した日、当該債務者格付の付与に用いた方法及び主要なデータ、格付付与の責任者、推計に使用したモデルその他の債務者及び保証人に関する債務者格付の履歴に係る情報

二 デフォルトした債務者及びエクスポージャーの特定並びにデフォルトが発生した時期及びその状況に係る情報

三 格付に対応したPD、PDの実績値及び格付の推移に係るデータ

2 先進的内部格付手法採用金庫は、先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャーについて次に掲げる情報を保存するものとする。

一 各エクスポージャーに対するLGD及びEADの推計値に関するデータの完全な履歴、当該推計に使用した主要なデータ並びに格付付与の責任者及び推計に使用したモデルに係る情報

二 デフォルトしたエクスポージャーに関するLGD及びEADの推計値及び実績値

三 保証又はクレジット・デリバティブの効果を勘案する前及び勘案した後の当該エクスポージャーのLGDに関するデータ(保証又はクレジット・デリバティブの信用リスク削減効果をLGDの推計において勘案している場合に限る。)

四 回収額、担保、残余財産の分配又は保証その他の回収方法、回収に要した期間、回収費用その他のデフォルトした各エクスポージャーの損失又は回収に係るデータ

 

(リテール向けエクスポージャーに関するデータの維持管理)

第百七十四条 内部格付手法採用金庫は、リテール向けエクスポージャーについて次に掲げる情報を保存するものとする。

一 債務者及びエクスポージャーの特性に関するデータその他のエクスポージャーをプールに割り当てる過程で用いたデータ

二 延滞に関するデータ

三 プールに対応するPD、LGD及びEADの推計値に関するデータ

四 デフォルトしたエクスポージャーが、デフォルトする前一年間にわたって割り当てられていたプールに関するデータ並びにLGD及びEADの実績値

 

第五目 ストレス・テスト

(自己資本の充実度を評価するためのストレス・テスト)

第百七十五条 内部格付手法採用金庫は、自己資本の充実度を評価するために適切なストレス・テストを実施するものとする。

2 前項に掲げるストレス・テストは、経済状況の悪化、市場環境の悪化及び流動性の悪化その他の内部格付手法採用金庫の信用リスクに係るエクスポージャーに好ましくない効果を与える事態の発生又は経済状況の将来変化を識別するものであって、こうした好ましくない変化に対する内部格付手法採用金庫の対応能力の評価を含むものとする。

 

(信用リスクのストレス・テスト)

第百七十六条 内部格付手法採用金庫は、特定の条件が信用リスクに対する所要自己資本の額に及ぼす影響を評価するために、自金庫のエクスポージャーの大部分を占めるポートフォリオについて、少なくとも緩やかな景気後退シナリオの効果を考慮した有意義かつ適度に保守的な信用リスクのストレス・テストを定期的に実施するものとする。

2 内部格付手法採用金庫は、前項に定めるストレス・テストを実施するに当たっては、次に掲げる要件を満たすものとする。

一 内部のデータにより、少なくともいくつかのエクスポージャーについて格付の遷移を予測すること。

二 信用環境のわずかな劣化が自金庫の格付に及ぼす影響を考慮することにより、信用環境がより悪化した場合に生じうる影響について情報を得ること。

三 自金庫の格付を外部格付の区分に大まかに紐付けする方法その他の方法により外部格付の格付推移実績を考慮すること。

 

第三款 内部統制

(理事会等の関与)

第百七十七条 内部格付手法採用金庫は、内部統制について次に掲げる基準を満たすものとする。

一 格付付与手続(事業法人等向けエクスポージャーに対する格付付与及びリテール向けエクスポージャーのプールへの割当て並びに各エクスポージャーのPD、LGD及びEADの推計に関する一連の手続を総称していう。以下この款において同じ。)に関する全ての重要事項は、理事会等及び担当理事の承認を得ていること。

二 担当理事が当該内部格付手法採用金庫の内部格付制度の概要について理解しており、関連する報告書を細部にわたって理解していること。

三 担当理事が内部格付制度の運用に重大な影響を与えるような既存の方針の重要な変更及び例外について理事会等に報告していること。

四 担当理事が内部格付制度の設計及び運用を十分に理解しており、かつ、既存の過程と実務の重要な相違点について承認していること。

五 担当理事が内部格付制度の適切な運用を継続的に確保していること。

六 担当理事が次条第一項に定める信用リスク管理部署の担当者と格付付与手続の実績、改善すべき分野及び既に認識している問題点の改善状況を検討するため定期的に会合を行っていること。

七 理事会等又は担当理事に対する報告書において格付が不可欠な役割を果たしており、かつ、格付別の特性、格付の遷移、各格付に関連する変数の推計値、PD(先進的内部格付手法採用金庫の場合はPD、LGD及びEAD)の推計値と実績値との比較その他の格付に関する重要な事項が理事会等又は担当理事に対して報告されていること。

 

(信用リスク管理部署)

第百七十八条 内部格付手法採用金庫は、内部格付制度の設計又は選択、実施及び実績について責任を負い、独立して信用リスクを管理する部署(以下「信用リスク管理部署」という。)を設けるものとする。

2 信用リスク管理部署は、与信部門及び与信業務の担当者から機能的に独立したものとする。

3 信用リスク管理部署は、次に掲げる事項について責任を負うものとする。

一 内部格付制度の検証及び運用の監視

二 当該内部格付手法採用金庫の内部格付制度の概要についての報告書の作成及び分析(デフォルトした時期及びデフォルトする前一年間の格付及びプール別のデフォルトに関するデータ、格付の遷移の分析、格付及びプールの主要な基準の傾向の監視を含む。)

三 格付及びプールの定義が各部門及び各地域にわたって一貫して適用されていることを確認する手続(債務者又はエクスポージャーごとに異なる格付基準及び手続を適用することを妨げない。)

四 格付付与手続の変更に関する審査及び当該変更に係る書類の作成(変更の理由を含む。)

五 格付及びプールの基準がリスクを正確に予測しているか否かを評価するために行われる当該基準の見直し

六 格付付与手続、格付及びプールの基準又は各格付若しくはプールに関連する変数の変更に関する書類の作成及び備置き

4 信用リスク管理部署は、格付付与手続で使用するモデルの開発、選択、実施及び検証に積極的に参画するものとする。

5 信用リスク管理部署は、前項に掲げるモデルについて管理及び監督並びに当該モデルの継続的な見直し及び変更について責任を負うものとする。

 

(監査)

第百七十九条 独立した機能を有する内部の監査部署は、年一回以上の割合で信用リスク管理部署の管理状況、PD、LGD及びEADの推計値、該当する全ての最低要件の遵守状況等、内部格付制度及びその運用状況を見直し、その結果に関する監査報告書を作成するものとする。

 

第四款 格付の利用

(格付の利用)

第百八十条 格付並びにPD及びLGDは、内部格付手法採用金庫の与信審査、リスク管理、内部の資本配賦及び内部統制において、重要な役割を果たすものとする。

2 自己資本比率の算出のために使用するPD又はLGDと与信審査、リスク管理、内部の資本配賦及び内部統制のために用いる推計値が相違する場合には、内部格付手法採用金庫は、信用リスク管理指針に当該相違点及びその理由を記載するものとする。

 

第五款 リスクの定量化

第一目 デフォルト

(デフォルトの定義)

第百八十一条 この章においてデフォルトとは、債務者について次に掲げる事由(以下「デフォルト事由」という。)が生ずることをいう。

一 内部格付手法採用金庫が、債務者に対するエクスポージャーを金融再生法施行規則第四条第二項に規定する「破産更生債権及びこれらに準ずる債権」、同条第三項に規定する「危険債権」又は同条第四項に規定する「要管理債権」に該当するものと査定する事由が生ずること。ただし、リテール向けエクスポージャーについては、同項に規定する「三月以上延滞債権」に該当する事由が生じた場合であっても、元金又は利息の支払が約定日の翌日を起算日として延滞している期間が、六月を超えない範囲で信用リスク管理指針に記載された一定の日数を超えないときは、除くものとする。

二 内部格付手法採用金庫が、当該債務者に対するエクスポージャーについて、重大な経済的損失を伴う売却を行うこと。

三 当該債務者に対する当座貸越については、約定の限度額(設定されていない場合は零とみなす。)を超過した日又は現時点の貸越額より低い限度額を通知した日の翌日を起算日として三月以上当該限度額を超過すること。

2 一のエクスポージャーについてデフォルト事由が生じた場合、当該エクスポージャーの債務者に対する他のエクスポージャーについてもデフォルト事由が生じたものとする。ただし、リテール向けエクスポージャーについては、この限りでない。

3 デフォルト事由が生じたエクスポージャーについて、デフォルト事由が解消されたと認められる場合には、内部格付手法採用金庫は、当該エクスポージャーに対してデフォルトしていない債権としての債務者格付を付与し、先進的内部格付手法採用金庫は、LGD及びEADを推計するものとする。

4 前項のエクスポージャーについて再度デフォルト事由が生じた場合は、内部格付手法採用金庫は、新たにデフォルト事由が生じたものとして扱うものとする。

5 第一項の規定にかかわらず、内部格付手法採用金庫は、次の各号に掲げる延滞の月数の長さの区分に応じ、当該各号に定める日数をデフォルト事由の判定に用いることができる。

一 三月 九十日

二 六月 百八十日

 

(延滞日数の見直し等)

第百八十二条 内部格付手法採用金庫は、エクスポージャーの延滞日数の見直し並びに既存の債務に関する返済の猶予、繰延べ、契約内容の更改及び借換えの承認その他の延滞日数の計算に関する事項(以下この条において「延滞日数の見直し等」という。)について、次に掲げる事項を含む、明確かつ書面に記載された方針を有しているものとする。

一 延滞日数の見直し等の承認を行う権限を有する者及び報告に関する要件

二 延滞日数の見直し等に必要な最短の信用供与の期間

三 返済期限の見直し等が可能な延滞の程度

四 エクスポージャーごとの返済期限見直しの回数の上限

五 債務者の返済能力の再評価

2 内部格付手法採用金庫は、前項に掲げる方針を一貫して長期にわたって利用するものとする。

3 内部格付手法採用金庫は、延滞日数の見直し等を行ったエクスポージャーを金庫の内部のリスク管理においてデフォルトしたエクスポージャーと同様に取り扱っている場合には、当該エクスポージャーを内部格付手法の適用上デフォルトしたエクスポージャーとして取り扱うものとする。

 

(当座貸越)

第百八十三条 内部格付手法採用金庫は、当座貸越の供与の対象となる者の信用度を評価するための厳格な基準を設けるものとする。

 

第二目 推計の対象と共通要件等

(推計の対象)

第百八十四条 内部格付手法採用金庫は、別段の定めのある場合を除き、事業法人等向けエクスポージャーについて第三目の定めに従って各債務者格付に対応するPDを、第三目から第六目までの規定によりリテール向けエクスポージャーについて各プールに対応するPD、LGD及びEADを推計するものとする。

2 先進的内部格付手法採用金庫は、別段の定めのある場合を除き、先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャーについて第四目及び第五目の規定によりLGD並びに第六目の規定によりEADを推計するものとする。

 

(デフォルトの定義の参照)

第百八十五条 内部格付手法採用金庫は、デフォルト事由に基づき、内部格付手法の対象となる資産区分ごとにデフォルト事由の発生を記録し、PD並びに(関連があれば)LGD及びEADの推計を行うものとする。ただし、次に掲げる要件を満たす場合は、デフォルト事由と異なる定義に基づく内部データ及び外部データを用いることができる。

一 第百八十九条又は第百九十条の定めに従っていること。

二 内部データ及び外部データに対して、デフォルト事由を用いた場合とほぼ同等の結果となるようにデータに適切な調整を行っていること。

 

(推計の共通要件)

第百八十六条 内部格付手法採用金庫は、PD、LGD及びEADを推計するに当たり、推計に関連する全ての重要かつ入手可能なデータ、情報及び手法を用いるものとする。ただし、内部データ及び外部データ(プールされたデータを含む。)の利用は、当該データに基づく推計値が長期的な実績を表している場合に限る。

2 内部格付手法採用金庫は、格付の付与及びプールの評価対象期間中において信用供与実務及び回収の手続に変更があった場合には、当該変更を考慮に入れるものとする。

3 内部格付手法採用金庫は、技術的進歩及び新規データその他の情報を利用することが可能になり次第速やかに推計においてそれらを勘案するものとする。

4 内部格付手法採用金庫は、実績値及び実証的な根拠に基づいてPD、LGD及びEADを推計するものとする。

5 内部格付手法採用金庫は、一年に一回以上の頻度でPD、LGD及びEADの推計値を見直すものとする。

 

(データの抽出に関する要件)

第百八十七条 推計に用いるデータによって代表されるエクスポージャーの母集団、データが抽出された時の信用供与基準及びその他の重要な特性は、内部格付手法採用金庫のエクスポージャー全体のそれとほぼ同様であるか、少なくとも類するものとする。

2 データの前提となっている経済的条件又は市場環境は、現在及び予見可能な将来の経済的条件又は市場環境に対応したものとする。

3 抽出標本中のエクスポージャーの数及び定量化に用いるデータの期間は、当該推計が正確かつ頑健なものであると内部格付手法採用金庫が信頼するに足りる程度とする。

4 推計に用いる手法は、抽出標本以外のデータによるテストで良好な成績を収めたものとする。

 

(推計の誤差に応じた保守的な修正)

第百八十八条 内部格付手法採用金庫は、予測される推計に誤差が生ずることを考慮してPD、LGD及びEADの推計値を保守的に修正するものとする。

 

第三目 PDの推計

(事業法人等向けエクスポージャーのPD)

第百八十九条 内部格付手法採用金庫は、次の各号に掲げる手法又はこれに類するその他の長期の経験に合致した情報及び手法を一以上用いるものとする。この場合において、内部格付手法採用金庫は、債務者の数に基づく単純平均で計算された一年間のデフォルト確率の平均により、各格付のPDを推計するものとし、エクスポージャーの額の加重平均によるPDの推計は行わないものとする。

一 事業法人等向けエクスポージャーの債務者格付に対応する長期平均PDを推計するに当たって、デフォルトの実績に関する内部データから推計する手法

二 内部格付と外部格付を紐付け、外部格付に対応したPDを格付に割り当てることによりPDを推計する手法(以下この条において「マッピング」という。)

三 債務者格付に属する個々の債務者のデフォルト確率の推計値をモデルに基づいて算出し、当該推計値の単純平均をPDとする手法

2 内部格付手法採用金庫は、事業法人等向けエクスポージャーの債務者格付のPDを推計するに当たって、デフォルトの実績に関する内部データからPDを推計する手法を用いる場合には、次に掲げる要件を満たすものとする。

一 内部格付手法採用金庫は、信用供与の基準並びにデータ生成時の内部格付制度及び現在の内部格付制度の相違点を反映し、信用リスク管理指針に当該反映方法に関する分析を記載するものとする。

二 内部格付手法採用金庫は、入手可能なデータが限定されている場合又は信用供与の基準若しくは内部格付制度が変更された場合には、PDの推計を保守的に修正するものとする。

三 内部格付手法採用金庫が複数の金融機関でプールしたデータを使用する場合には、プールにデータを提供する他の金融機関の内部格付制度及び基準が、当該内部格付手法採用金庫の内部格付制度及び基準と著しく乖離するものでないものとする。

3 内部格付手法採用金庫は、事業法人等向けエクスポージャーの債務者格付のPDを推計するに当たって、マッピングを用いる場合には、次に掲げる要件を満たすものとする。

一 マッピングは、内部格付及び外部格付の基準の比較並びに共通の債務者に対する内部格付及び外部格付の比較に基づくものであること。

二 マッピングの手法又は定量化に用いるデータは、偏ったものではなく、一貫性に欠けるものでないこと。

三 定量化に用いるデータの基礎となる外部信用評価機関等の基準は、債務者のリスクに対するものであって、エクスポージャーに係る特性を勘案するものではないこと。

四 信用リスク管理指針に内部格付の基準及び外部格付の基準においてデフォルトとして扱われる事由に関する比較及び分析並びにマッピングの基準が記載されていること。

4 内部格付手法採用金庫は、事業法人等向けエクスポージャーのPDを推計するに当たって、五年以上の観測期間にわたる外部データ、内部データ又は複数の金融機関でプールしたデータを一以上利用するものとする。

5 内部格付手法採用金庫は、前項に掲げるデータの利用に当たって、最も長い観測期間にわたるデータをその対象に含めるものとし、かつ、当該データには代表的な好景気に当たる年度及び不景気に当たる年度を含めるものとする。ただし、PDを推計するに当たって関連性が低いもの又は重要でないものについては、この限りでない。

 

(リテール向けエクスポージャーのPD等)

第百九十条 内部格付手法採用金庫は、プールのPD、LGD及びEADを推計するに当たって、内部データを一次的な情報源とするものとする。ただし、全ての関連する重要なデータ・ソースに照らし、内部格付手法採用金庫がエクスポージャーを各プールに割り当てる基準と外部のデータ提供者が用いている基準及び内部データの構成と外部のデータの構成の間に、強い関連性がある場合には、内部格付手法採用金庫は、外部のデータ又はモデルを推計に用いることができる。

2 内部格付手法採用金庫は、リテール向けエクスポージャーの長期平均PDを推計するに当たって、次に掲げる要件の全てを満たすものとする。

一 五年以上の観測期間にわたる外部データ、内部データ又は複数の金融機関でプールしたデータを一以上利用すること。

二 前号に規定するデータには、当該内部格付手法採用金庫のポートフォリオに関連する景気循環期の代表的な好景気に当たる年度及び不景気に当たる年度を含むものとする。

三 一年間のデフォルト確率の平均に基づくこと。

3 内部格付手法採用金庫は、前項第一号及び第二号に規定するデータの利用に当たって、最も長い観測期間にわたるデータであって、関連性のあるものについては、その対象に含めるものとする。この場合において、PDを推計するに当たって関連性が低い観測期間のデータについては、関連性の高い観測期間のデータと同等に扱うことを要しない。

4 内部格付手法採用金庫は、リテール向けエクスポージャーのPD及びLGDを推計するに当たって、次の各号に掲げる推計値の区分に応じ、当該各号に定める影響を考慮し、保守的な修正を加えるものとする。

一 PD 債権に係る貸付が行われた時点又は取引を開始した時点からの経過年数の影響

二 LGD デフォルトが発生した時点からの経過年数の影響

 

第四目 LGDの推計

(損失の定義)

第百九十一条 内部格付手法採用金庫は、LGDを推計するに当たり、次に掲げる要件の全てを満たすものとする。

一 推計に用いる定義は、経済的損失であること。

二 前号に掲げる経済的損失を計測する場合は、回収までの期間に応じた重要な割引の効果(重要でない場合は除く。)、回収のための重要な直接的及び間接的な費用、その他の関連する要素が考慮されていること。

三 当該内部格付手法採用金庫の回収に関する能力が勘案されていること。ただし、回収率に及ぼす影響について実証的な裏付けが十分でない場合には、内部格付手法採用金庫は、回収の能力に基づくLGDの調整を保守的に行うものとする。

 

(LGDの推計)

第百九十二条 内部格付手法採用金庫は、LGDを推計するに当たっては、LGDが次に掲げる性質の全てを満たす景気後退期を勘案したものとなるように、エクスポージャーごとに推計するものとする。

一 当該エクスポージャーの種類のデータ・ソース内で生じた全てのデフォルト債権に伴う平均的な経済的損失に基づいて計算した長期平均デフォルト時損失率(以下この項において「長期平均デフォルト時損失率」という。)を下回るものでないこと。

二 信用リスクに伴う損失率が長期の平均的な損失率を上回る期間において、当該エクスポージャーのデフォルト時損失率が長期平均デフォルト時損失率を上回る可能性を考慮に入れたものであること。

2 内部格付手法採用金庫は、LGDの推計に当たり、債務者のリスクと担保又は担保提供者のリスクの相関を考慮し、顕著な正の相関がある場合には、保守的に取り扱うものとする。

3 内部格付手法採用金庫は、原債務と担保との表示通貨が異なる場合には、LGDの推計に当たり、これを保守的に考慮するものとする。

4 内部格付手法採用金庫は、LGDの推計に当たり、担保について推定される市場価値のみならず、回収の実績値を基礎とするものとする。

5 内部格付手法採用金庫は、LGDの推計に当たり、担保による信用リスク削減効果を勘案する場合には、標準的手法で必要となる基準ともおおむね合致するような、担保管理、運用手続、法的確実性及びリスク管理手続に関する内部基準を作るものとする。

6 内部格付手法採用金庫は、デフォルトしたエクスポージャーについては、経済状況及び当該エクスポージャーの状態に鑑みて当該エクスポージャーに生じ得る期待損失(ELdefault)を推計するものとする。ただし、第百三十一条及び第百三十九条に定めるLGDの自金庫推計値の下限を下回らないものとする。

 

(事業法人等向けエクスポージャーのLGD推計に係る最低所要観測期間)

第百九十三条 先進的内部格付手法採用金庫は、先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャーのLGDを推計するに当たって、七年以上の観測期間にわたる外部データ、内部データ又は複数の金融機関でプールしたデータを一以上利用するものとする。

2 先進的内部格付手法採用金庫は、前項に定める観測期間にわたるデータが複数ある場合には、最も長い観測期間にわたるデータを利用するものとする。ただし、LGDを推計するに当たって関連性が低いものについては、この限りでない。

 

(リテール向けエクスポージャーのLGD推計に係る最低所要観測期間)

第百九十四条 内部格付手法採用金庫は、リテール向けエクスポージャーのLGDを推計するに当たり、五年以上の観測期間にわたる外部データ、内部データ又は複数の金融機関でプールしたデータを一以上利用するものとする。

 

第五目 保証及びクレジット・デリバティブに関する最低要件

(保証による信用リスク削減効果の勘案)

第百九十五条 先進的内部格付手法採用金庫は、先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャーについて保証を信用リスク削減手法として用いる場合には、当該先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャーのPD又はLGDのいずれかを調整することができる。ただし、調整後のリスク・ウェイトは保証人に対する直接のエクスポージャーに適用されるリスク・ウェイトを下回らないものとする。

2 内部格付手法採用金庫は、リテール向けエクスポージャーについて保証を信用リスク削減手法として用いる場合には、当該リテール向けエクスポージャーのPD又はLGDのいずれかを調整することができる。ただし、当該調整後のリスク・ウェイトは保証人に対する直接のエクスポージャーに適用されるリスク・ウェイトを下回らないものとする。

3 内部格付手法採用金庫は、前二項の調整方法について、それぞれいずれか一を選択し、継続的に用いるものとする。

4 内部格付手法採用金庫は、規制上の最低所要自己資本を算定する上で、債務者のデフォルト事由と保証人のデフォルト事由との相関関係が不完全であることを想定して信用リスク削減効果を勘案しないものとする。

 

(保証人に対する債務者格付等の付与)

第百九十六条 先進的内部格付手法採用金庫は、前条第一項に従って先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャーについて保証を信用リスク削減手法として用いる場合には、次に掲げる要件を満たすものとする。

一 保証を信用リスク削減手法として用いる日以降から保証人に対して継続的に債務者格付を付与すること。

二 保証人の状況、債務履行能力及びその意思の定期的な監視その他の債務者格付の付与に関する最低要件を満たすこと。

三 保証がないと仮定した場合における債務者の情報及び保証人に関する全ての関連性のある情報を保有すること。

2 内部格付手法採用金庫は、前条第二項に従ってリテール向けエクスポージャーについて保証を信用リスク削減手法として用いる場合には、次に掲げる要件の全てを満たすものとする。

一 保証による信用リスク削減効果を勘案する日から継続的にプールへの割当てにおいて当該保証を信用リスク削減手法として用いること。

二 保証人の状況、債務履行能力、その意思の定期的な監視その他のPD推計及び債務者格付の付与又はプールの割当てに関する最低要件を満たすこと。

三 保証がないと仮定した場合における債務者の情報及び保証人に関する全ての関連性のある情報を保有すること。

 

(適格保証)

第百九十七条 内部格付手法採用金庫は、第百九十五条第一項及び第二項に基づき、保証を信用リスク削減手法として用いる場合には、当該手法に基づく信用リスク・アセットの額の算出で用いる保証人の種類について特定された基準を設けるものとする。

2 内部格付手法採用金庫が、第百九十五条第一項及び第二項に基づき、保証を信用リスク削減手法として用いる場合には、当該保証は、次に掲げる性質の全てを有するものとする。

一 当該保証について契約書が作成されていること。

二 保証人の側からは一方的な解約が不可能であること。

三 保証人の債務が(保証の額及び趣旨の範囲内で)完全に履行されるまで有効であること。

四 保証人の資産の所在地において、当該保証人に対する強制執行が可能であること。

3 内部格付手法採用金庫は、保証が第九十三条第六号の条件を満たしていない場合には、信用リスク削減手法として用いないものとする。ただし、保証が付されたエクスポージャーが次の各号のいずれかに該当する場合において、債権回収完了後に残存する損失のみが保証されているときは、被保証部分について第百九十五条第一項及び第二項の規定により保証を信用リスク削減手法として用いることができる。

一 自金庫推計LGDを適用する先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャー

二 内部格付手法を適用するリテール向けエクスポージャー

 

(調整に関する基準)

第百九十八条 第百九十五条第一項又は第二項に基づき信用リスク削減効果を勘案する場合には、内部格付手法採用金庫は、次に掲げる性質の全てを満たす明確な基準を設けるものとする。

一 信頼に足るものであり、かつ、理解しやすいものであること。

二 保証債務を履行する保証人の能力及び意思を勘案したものとなっていること。

三 予想される支払のタイミング及び保証に基づく債務を履行する保証人の能力が、債務者の返済能力とどの程度の相関を有するかを勘案したものであること。

四 保証と被保証債権の通貨の不一致及びその他これに類する事由により債務者に残存するリスクの度合いを考慮したものであること。

 

(クレジット・デリバティブについての取扱い)

第百九十九条 第百九十五条から前条までの規定は、シングルネームのクレジット・デリバティブについて準用する。この場合において、「保証」とあるのは「クレジット・デリバティブ」と、「保証人」とあるのは「プロテクション提供者」と、「被保証債権」とあるのは「原債権」と読み替えるものとする。

2 第九十三条から第九十六条までの規定は、内部格付手法採用金庫がクレジット・デリバティブによる信用リスク削減効果を勘案する場合に準用する。この場合において、「標準的手法採用金庫」とあるのは「内部格付手法採用金庫」と読み替えるものとする。

3 内部格付手法採用金庫は、シングルネームのクレジット・デリバティブによる信用リスク削減効果を勘案する場合には、次に掲げる性質の全てを満たす基準を設けるものとする。

一 クレジット・デリバティブによる信用リスク削減効果を勘案する場合をプロテクションの参照債務が原債権と同一である場合に限定していること。ただし、原債権に係る支払義務の不履行(免責額の定めを設けることを妨げない。)が発生した場合に、金庫がクレジット・デリバティブに基づく支払を受けることができ、かつ、第九十五条第五号に定める法的に有効なクロス・デフォルト条項等を設けている場合は、この限りでない。

二 クレジット・デリバティブによる信用リスク削減効果の勘案方法は、決済その他の仕組み(支払の程度及び当該支払に要する期間に係る規定を含む。)に起因するリスクを保守的に考慮したものであること。

 

第六目 EADの推計

(EADの推計方法)

第二百条 内部格付手法採用金庫は、オン・バランスシート項目に係るEADの推計を行うに当たり、現在において実行済の信用供与の額を下回る値を用いないものとする。ただし、第百三十二条第二項並びに第百四十条第六項及び第七項の規定により信用リスク削減手法の効果を勘案する場合は、この限りでない。

2 内部格付手法採用金庫は、オフ・バランスシート項目に係るEADの推計を行うに当たり、エクスポージャーの種類ごとに次に掲げる要件の全てを満たす手続を設けるものとする。

一 デフォルト事由発生前及びデフォルト事由発生後に債務者が追加的引出行為を行う可能性を勘案すること。ただし、デフォルト事由発生後に債務者が追加的引出行為を行う可能性については、クレジット・カードその他の将来の不確実な引出を伴うリテール向けエクスポージャーのLGD推計において、デフォルト事由発生後の追加引出の実績又は見込みを勘案している場合は、この限りでない。

二 オフ・バランスシート項目のEADの推計方法がエクスポージャーの種類によって異なる場合、エクスポージャーの種類の区分が明確になされていること。

3 内部格付手法採用金庫は、EADを推計するに当たり、EADが次に掲げる性質の全てを満たすものとなるように、エクスポージャーごとに推計するものとする。

一 類似のエクスポージャー及び債務者についての長期的なデフォルト加重平均であること。

二 推計に伴う誤差の可能性を考慮に入れて、保守的な修正を行ったものであること。

三 デフォルトの頻度とEADの大きさの間に正の相関関係が合理的に予測できる場合は、より保守的な修正を行ったものであること。

四 景気循環の中でEADの推計値の変動が激しいエクスポージャーについては、景気の下降期に対して適切なEADの推計値の方が長期的な平均値よりも保守的な場合は、景気の下降期に対して適切なものであること。

4 内部格付手法採用金庫は、EADを推計するに当たり、次に掲げる性質の全てを満たすEADを推計する基準を設けるものとする。

一 信頼に足るものであり、かつ、理解しやすいものであること。

二 当該内部格付手法採用金庫が信頼性のある内部分析に基づき、EADに大きな影響を与えると考えられる要因を勘案するものであること。

三 当該内部格付手法採用金庫は、前号に掲げる要因がEADの推計値に与える影響を分析できること。

5 内部格付手法採用金庫は、EADの推計の対象となる全ての種類のエクスポージャーについて、新しい重要な情報が明らかになった場合及び少なくとも年一回、EADの推計値を見直すものとする。

 

(監視)

第二百一条 内部格付手法採用金庫は、EADの推計の対象となるエクスポージャーについて、次に掲げる事項その他の残高の監視及び支払に関する方針について相当な注意を払うものとする。

一 誓約条項違反又はテクニカル・デフォルト事由等の支払不履行に至らない債務不履行事由が生じた場合において、追加的な引出を停止する能力及び意思を有すること。

二 エクスポージャーの額、コミットメントに対する現在の実行残高、債務者別の残高及び格付別残高の変化を日次で監視するための、適切なシステムと手続を具備すること。

 

(EADの推計に係る参照データ)

第二百一条の二 内部格付手法採用金庫は、EADデータベース(EADの自金庫推計値を算出する際に参照するデータをいう。次条及び第二百一条の四において同じ。)に、観測起点日(対象となるエクスポージャーのデフォルト事由が生じた日として管理する日をいう。)から十二月間にわたる過去における債務者及びエクスポージャーの特性を反映するものとする。

 

(エクスポージャーに係るEADの推計)

第二百一条の三 内部格付手法採用金庫は、エクスポージャーに係るEADの推計において、当該エクスポージャーの債務者、取引及び内部管理の特性を十分に反映するものとし、かつ、当該エクスポージャーとは異なる特性を有するエクスポージャーの影響を十分に排除したEADデータベースに基づくものとする。

 

(EADの推計値の安定性の確保)

第二百一条の四 内部格付手法採用金庫は、EADの推計において信用供与枠の未引出額に乗じる掛目の自金庫推計値を用いる場合には、当該自金庫推計値の推計に用いるEADデータベースに含まれる僅少な信用供与枠の未引出額に起因して、不適切なEADの推計値が算出され得る可能性を考慮に入れるものとする。

 

(EADの参照データの上限)

第二百一条の五 EADの参照データは、想定元本額又は債権の約定の限度額を上限としてはならず、未収利息、他の支払額及び限度超過額を含めるものとする。

(令六金庁厚労告一・追加)

(事業法人等向けエクスポージャーのEAD推計に係る最低所要観測期間等)

第二百二条 先進的内部格付手法採用金庫は、先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャーのEADの推計に当たって、七年以上の観測期間にわたる外部データ、内部データ又は複数の金融機関でプールしたデータを一以上利用するものとする。

2 先進的内部格付手法採用金庫は、前項に掲げるデータの利用に当たって、最も長い観測期間にわたるデータをその対象に含めるものとする。ただし、EADを推計するに当たって関連性が低いものについてはこの限りでない。

3 先進的内部格付手法採用金庫は、EADを推計するに当たり、デフォルトした件数の加重平均を用いるものとする。

 

(リテール向けエクスポージャーのEAD推計に係る最低所要観測期間等)

第二百三条 内部格付手法採用金庫は、リテール向けエクスポージャーのEADの推計に当たって、五年以上の観測期間にわたる外部データ、内部データ又は複数の金融機関でプールしたデータを一以上利用するものとする。

 

第七目 購入債権のPD、LGD及びELdilutionの推計

(購入債権のリスクの定量化の特則)

第二百四条 内部格付手法採用金庫は、購入債権のうち購入リテール向けエクスポージャー及びトップ・ダウン・アプローチを用いる適格購入事業法人等向けエクスポージャーについては、第百五十七条、第百五十九条から第百六十一条まで、第百六十三条、第百六十九条、第百七十一条、第百七十二条及び第百七十四条に掲げる要件を満たすことを要しない。

 

第二百五条 内部格付手法採用金庫は、ELdilutionを推計するものとする。ただし、購入債権の譲渡人が購入債権に係る希薄化リスクの全部を保証している場合は、この限りでない。

2 内部格付手法採用金庫は、適格購入事業法人等向けエクスポージャーについて、トップ・ダウン・アプローチを用いてPD若しくはLGD(PD及びLGDについてはELを用いて推計する場合を含む。以下この目において同じ。)を推計する場合又はELdilutionを推計する場合及び購入リテール向けエクスポージャーについてPD、LGD又はELdilutionを推計する場合には、適格購入事業法人等向けエクスポージャー又は購入リテール向けエクスポージャーの属するプールと類似のプールについて当該内部格付手法採用金庫が有するデータ又は購入債権の譲渡人若しくは外部から提供されるデータその他全ての入手可能な購入債権の質に関する情報を勘案するものとする。

3 内部格付手法採用金庫は、購入債権の譲渡人から提供されるデータが、当該購入債権の譲渡契約で定める当該購入債権の種類、額、契約期間中の債権の質その他の点に合致しているか否かを確認し、合致していない場合には、当該購入債権に関連するより多くの情報を取得し、これを勘案するものとする。

4 第百九十条の規定は、ELdilutionの推計に準用する。この場合において、「PD」及び「PD、LGD及びEAD」とあるのは「ELdilution」と読み替えるものとする。

 

(購入事業法人等向けエクスポージャーのリスクの定量化の特則)

第二百六条 内部格付手法採用金庫は、購入リテール向けエクスポージャー及びトップ・ダウン・アプローチを用いる適格購入事業法人等向けエクスポージャーのデフォルト・リスク相当部分のPD、LGD(トップ・ダウン・アプローチを用いる適格購入事業法人等向けエクスポージャーについては、先進的内部格付手法採用金庫の場合に限る。)及びELdilutionを正確に、かつ、一貫して推計するに足りる程度に当該エクスポージャーを均質なプールに割り当てるものとする。

2 内部格付手法採用金庫は、適格購入事業法人等向けエクスポージャーのリスクを定量化する場合には、第百九十五条の規定(第百九十九条により準用される場合を含む。)にかかわらず、PD及びLGDの推計において譲渡人又は第三者による保証又は補償を考慮しないものとする。

3 適格購入事業法人等向けエクスポージャーについてトップ・ダウン・アプローチを用いる場合は、第百九十条の規定を適格購入事業法人等向けエクスポージャーのPDの推計について、第百九十四条の規定を適格購入事業法人等向けエクスポージャーのLGDの推計について、それぞれ準用する。この場合において、「リテール向けエクスポージャー」とあるのは「適格購入事業法人等向けエクスポージャー」と読み替えるものとする。

 

(購入リテール向けエクスポージャーのリスクの定量化の特則)

第二百七条 内部格付手法採用金庫は、第百九十条第一項(第二百五条第四項及び前条第三項により準用される場合を含む。)の規定にかかわらず、購入リテール向けエクスポージャー及びトップ・ダウン・アプローチを用いる適格購入事業法人等向けエクスポージャーのPD、LGD及びELdilutionの推計において、外部データ及び内部の参照用データ(当該エクスポージャーの属するプールに類似する当該内部格付手法採用金庫が保有するエクスポージャーのプールに関するデータをいう。)を一次的な情報源として利用することができる。

 

(トップ・ダウン・アプローチ等の最低要件)

第二百八条 内部格付手法採用金庫は、購入事業法人等向けエクスポージャーについてトップ・ダウン・アプローチを用いてPD、LGD及びEADを推計する場合、ELdilutionを推計する場合並びに購入リテール向けエクスポージャーについてPD、LGD、EAD及びELdilutionを推計する場合には、次に掲げる要件の全てを満たすものとする。

一 法的枠組みに関する基準を満たしていること。

二 購入債権の質並びに購入債権の譲渡人及びサービサー(委託又は再委託に基づき、購入債権の管理、購入債権の債務者に対する購入債権の請求及び回収金の受領事務を受託したものをいう。以下この条において同じ。)の財務状態について監視しており、かつ、監視に関する基準を満たしていること。

三 購入債権の購入に係る契約上、購入債権の譲渡人の業況又は購入債権の質の悪化の早期発見及び生じうる問題状況に対して予防的な措置をとることを可能にするシステム及び手続が設けられており、ワークアウトのシステムに関する基準を満たしていること。

四 担保、購入債権の債権者から債務者への信用供与の上限及び回収された資金の管理に関する明確かつ有効な基準が設けられていること。

五 全ての主要な金庫内の指針及び手続の遵守に関する基準を満たしていること。

2 前項の規定にかかわらず、購入リテール向けエクスポージャーのうち、第百五十七条、第百五十九条から第百六十一条まで、第百六十三条、第百六十九条、第百七十一条、第百七十二条及び第百七十四条に掲げる要件を満たしており、希薄化リスク相当部分が重要でないと判断されるものであって、前条の規定を適用しない場合は、前項第三号及び第五号の要件を満たすことを要しない。

3 第一項第一号の「法的枠組みに関する基準」とは、次に掲げるものをいう。

一 エクスポージャーに係る取引の仕組上、購入債権の譲渡人又はサービサーの業況の悪化又は倒産その他の予測可能な全ての状況において、内部格付手法採用金庫が購入債権の元利払い等について法的に有効な権利を有しており、かつ、当該元利払い等を監督していること。

二 購入債権の債務者が購入債権の譲渡人又はサービサーに対して直接に支払を行っている場合は、当該支払資金が約定の条件に従って購入債権の譲渡人又はサービサーから譲受人である内部格付手法採用金庫に送金されていることを当該内部格付手法採用金庫が定期的に確認していること。

三 購入債権の譲渡人の破産、会社更生手続又は民事再生手続において裁判所により、当該購入債権が破産財団、更生会社又は民事再生手続に服する購入債権の譲渡人の財産に属するものであって、当該購入債権に対する譲受人の権利は破産、会社更生手続又は民事再生手続に服する担保権であると判断されることにはならず、かつ、当該購入債権の譲渡は破産法(平成十六年法律第七十五号)、民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)及び会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)上の否認又は民法(明治二十九年法律第八十九号)上の詐害行為取消権の対象とならないと考えられること。

4 第一項第二号の「監視に関する基準」とは、次に掲げるものをいう。

一 内部格付手法採用金庫が、購入債権の質及び購入債権の譲渡人又はサービサーの財務状態の相関を査定しており、かつ、購入債権の譲渡人又はサービサーに対する債務者格付の付与その他の不測事態への対応策及び手続を設けていること。

二 内部格付手法採用金庫が、購入債権の譲渡人とサービサーの適格性を判定するための明確かつ有効な指針及び手続を設けており、当該内部格付手法採用金庫又はその受託者が、購入債権の譲渡人又はサービサーから送付される報告書の正確性の検証、詐欺的行為及び運営上の欠陥の調査、購入債権の譲渡人の信用供与の基準並びにサービサーの回収に関する指針及び手続を確認するために、購入債権の譲渡人及びサービサーについて定期的な査定を行っており、かつ、当該査定の結果を書面に詳細に記録していること。

三 内部格付手法採用金庫が、購入債権の譲渡人が設定する債務者への信用供与の上限を超過した信用供与の有無、購入債権の譲渡人による支払の遅延、信用力の低い債権及び悪質な支払猶予の履歴、支払条件、相殺されうる額その他の購入債権のプールの特性について評価できること。

四 内部格付手法採用金庫が、特定又は全ての購入債権のプールにおける総額ベースで一債務者に対する信用供与の集中を監視する有効な指針及び手続を設けていること。ただし、第二項に規定する購入リテール向けエクスポージャーについては、この限りでない。

五 内部格付手法採用金庫が、サービサーから購入債権の債務の繰延べ及び当該債権の希薄化に関する詳細な報告書を適時に受領しており、購入債権に関する当該内部格付手法採用金庫の適格基準及び信用供与の基準に適合していることを確認し、かつ、購入債権の譲渡人の売却条件及び希薄化を監視し確認することができること。

5 第一項第三号の「ワークアウトのシステムに関する基準」とは、次に掲げるものをいう。

一 内部格付手法採用金庫が、誓約条項、信用供与の基準、信用供与の集中制限、早期償還条項、その他の当該購入債権の購入に関する契約の条項及び利率並びに購入債権の適格性を定める金庫内の指針の順守状況を監視するために、明確かつ有効な指針、手続及び情報システムを設けており、かつ、当該情報システム上誓約条項違反及び権利放棄並びに既存の指針及び手続の例外的な取扱いを記録していること。

二 当該内部格付手法採用金庫が、購入債権について不適切な信用供与が行われることを防止するために、過剰な信用供与の発見、承認、監視及び是正のための明確かつ有効な指針、手続及び情報システムを設けていること。

三 リボルビング型取引における早期解約条項その他の誓約条項、誓約条項違反に対する対応策並びに法的手続の開始及び信用力が低下したエクスポージャーの処理に関する明確かつ有効な指針及び手続の制定その他の財務状態の劣化した購入債権の譲渡人若しくはサービサー又は購入債権プールの質が劣化した場合の取扱いに関する明確かつ有効な指針を設けていること。

6 第一項第四号の「担保、購入債権の債権者から債務者への信用供与の上限及び回収された資金の管理に関する明確かつ有効な基準」は、次に掲げる性質の全てを満たすものとする。

一 利率、適格となる担保、必要書類、信用供与の集中制限、回収金の取扱いその他の債権購入に関する全ての主要な事項が書面で定められており、かつ、当該主要事項を定めるに当たって、購入債権の譲渡人又はサービサーの財務状態、リスクの集中、購入債権の質及び購入債権の譲渡人の顧客基盤の傾向その他全ての関連する重要な要素が考慮されていること。

二 内部管理上、信用供与の対象が、特定の担保、サービサーによる証明書、請求書明細又は船荷関連書類等の書面が付されたものに限定されていること。

7 第一項第五号の「全ての主要な金庫内の指針及び手続の遵守に関する基準」とは、次に掲げる事項並びにその他全ての主要な指針及び手続に係る遵守状況を評価するための実効的な内部手続が設けられていることをいう。

一 購入債権の購入がプログラムに基づく場合は、当該プログラムにおける全ての重要な段階における定期的な内部査定又は外部査定

二 購入債権の譲渡人及びサービサーを評価する担当者と債務者を評価する担当者との間並びに購入債権の譲渡人及びサービサーに対する内部評価の担当者と外部評価の担当者との間が分離独立していることの確認

三 バック・オフィスに対する評価(担当者の資格、経験、人的構成の適切性及び支援システムに重点を置いたもの)

 

第六款 内部格付制度及び推計値の検証

(検証)

第二百九条 内部格付手法採用金庫は、内部格付制度及びその運用、PD、LGD及びEADの推計値の正確性並びにその一貫性を検証する頑健な制度を設けるものとする。

 

(バック・テスティング)

第二百十条 内部格付手法採用金庫は、事業法人等向けエクスポージャーについて債務者格付ごとに年一回以上の割合で定期的にPDの推計値と実績値を比較し、PDの推計値と実績値の乖離の度合いが当該格付について想定された範囲内にあることを検証するものとする。

2 先進的内部格付手法採用金庫は、先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャーについて年一回以上の頻度で定期的にLGDの推計値と実績値を比較し、LGDの推計値と実績値の乖離の度合いが当該エクスポージャーに付与された案件格付又は当該エクスポージャーについて想定された範囲内にあることを検証するものとする。

3 先進的内部格付手法採用金庫は、先進的内部格付手法を適用できる事業法人等向けエクスポージャーについてエクスポージャーごとに年一回以上の割合で定期的にEADの推計値と実績値を比較し、EADの推計値と実績値の乖離の度合いが当該エクスポージャーについて想定された範囲内にあることを検証するものとする。

4 内部格付手法採用金庫は、リテール向けエクスポージャーについてプールごとに年一回以上の割合で定期的にPD、LGD及びEADの推計値とそれぞれの実績値を比較し、それぞれのPD、LGD及びEADの推計値と実績値の乖離の度合いが当該プールについて想定された範囲内にあることを検証するものとする。

5 前各項に掲げる比較及び検証は、次に掲げる条件の全てを満たすものとする。

一 可能な限り長期にわたる過去のデータが使用されていること。

二 比較に用いられる方法及びデータを明確に記載した書類が整備されていること。

 

(外部データによる内部格付制度の検証)

第二百十一条 内部格付手法採用金庫は、前条に掲げる検証の手法以外の定量的な検証の手法及び関連する外部のデータ・ソースとの比較を行うものとする。

2 前項に掲げる検証の手法は、次に掲げる性質の全てを満たすものとする。

一 分析に用いるデータが、分析の対象となるポートフォリオに対して適切であり、定期的に更新され、かつ、関連する観測期間にわたるものであること。

二 長期の実績データに基づくものであること。

三 景気循環による構造的な影響を受けないものであること。

四 検証手法、データ・ソース又は対象期間の変更に関する書類が整備されていること。

 

(推計値の是正)

第二百十二条 内部格付手法採用金庫は、PD、LGD又はEADの推計値と実績値が著しく乖離し、推計値の妥当性が疑われる状況について明確な基準を設けるものとする。

2 前項に掲げる基準を設けるに当たっては、内部格付手法採用金庫は、事業環境の変化その他デフォルトの実績率の構造的な変動要因を考慮に入れるものとする。

3 PD、LGD又はEADの実績値が推計値を上回る状況が続く場合は、内部格付手法採用金庫は、PD、LGD又はEADの実績値を反映するように、推計方法及び推計値を修正するものとする。

 

第七款 開示

(開示)

第二百十三条 内部格付手法採用金庫は、金融庁長官及び厚生労働大臣が別に定める事項を開示するものとする。

 

第八款 内部格付手法採用のための自己資本比率

(内部格付手法を用いるための追加的条件)

第二百十四条 内部格付手法を用いる金庫については、内部格付手法を用いるために十分と認められる自己資本比率を維持していることを、当該手法の採用及び継続使用の条件とする。

 

第九款 法的に有効な相対ネッティング契約下にあるレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引に対するエクスポージャー変動額推計モデルの使用

(エクスポージャー変動額推計モデルの使用の承認等)

第二百十五条 内部格付手法採用金庫は、金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を受けた場合又は内部モデル方式採用金庫である場合には、法的に有効な相対ネッティング契約下にある複数のレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引について、エクスポージャー変動額推計モデル(法的に有効な相対ネッティング契約下にある複数のレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引について、債券の価格のボラティリティと相関を勘案し、バリュー・アット・リスクと同様の方法を用いてエクスポージャー変動額(複数のレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引におけるネッティング後のエクスポージャーの変動額をいう。以下この款において同じ。)を推計するモデルをいう。以下同じ。)を使用して信用リスク削減手法適用後エクスポージャー額を算出することができる。ただし、エクスポージャー変動額推計モデルを使用する場合には、金融庁長官及び厚生労働大臣による承認の取消しがあった場合を除き、これを継続して使用するものとする。

2 第七十八条の規定は、エクスポージャー変動額推計モデルを使用する内部格付手法採用金庫について準用する。この場合において、同条中「標準的手法採用金庫」とあるのは、「内部格付手法採用金庫」と読み替えるものとする。

 

(内部モデル方式採用金庫におけるエクスポージャー変動額推計モデル使用に係る届出)

第二百十六条 内部格付手法を採用した場合の内部モデル方式採用金庫は、エクスポージャー変動額推計モデルを使用する場合には、あらかじめ、その旨及びその内容を記載した届出書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

2 内部モデル方式採用金庫である内部格付手法採用金庫は、前項に規定する届出書に変更があったとき、又はやむを得ない理由によりエクスポージャー変動額推計モデルの利用を中止するときは、遅滞なく、その旨及びその内容を記載した変更届出書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

 

(承認申請書の提出)

第二百十七条 第二百十五条第一項の承認を受けようとする内部格付手法採用金庫は、次に掲げる事項を記載した承認申請書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

一 名称

二 自己資本比率を把握し管理する責任者の氏名及び役職名

2 前項の承認申請書には、次に掲げる書類を添付するものとする。

一 理由書

二 前項第二号に規定する責任者の履歴書

三 エクスポージャー変動額推計モデル及びその運用が承認の基準に適合していることを示す書類

四 その他参考となるべき事項を記載した書類

 

(エクスポージャー変動額推計モデルの承認の基準)

第二百十八条 金融庁長官及び厚生労働大臣は、第二百十五条第一項の規定に基づき、エクスポージャー変動額推計モデルの使用を承認するときは、定性的基準及び定量的基準に適合するかどうかを審査するものとする。

2 前項の「定性的基準」とは、次に掲げるものをいう。

一 エクスポージャー変動額推計モデルの承認に先立って一定期間にわたるモニタリング及び実際の取引データを利用したテストが実施されていること。

二 エクスポージャー変動額の管理の過程の設計及び運営に責任を負う部署(以下「エクスポージャー変動額の管理部署」という。)が、信用リスク削減手法適用後エクスポージャー額を算出する対象となる取引に関わる部署から独立して設置されていること。

三 エクスポージャー変動額を管理するシステムにおいて、エクスポージャー変動額推計モデルを用いる内部格付手法採用金庫が保有する重要なリスクが網羅的に把握され、かつ、可能な限り考慮されていること。

四 フロント・オフィス部門のみならず、リスク管理部門及び内部監査を行う部門並びに必要に応じてバック・オフィス部門において、高度なモデルの使用に習熟した人員が十分に確保されていること。

五 エクスポージャー変動額に係るストレス・テスト(エクスポージャー変動額推計モデルについて、将来の価格変動に関する仮定を上回る価格変動が生じた場合におけるエクスポージャー変動額に関する分析を行うことをいう。)が定期的に実施されていること。

六 前号のストレス・テストが第二百四十六条の十の九に規定する内部モデル方式に係るストレス・テストの要件と同等であること。

七 エクスポージャー変動額の管理部署によるエクスポージャー変動額に係るレポVaRモデルバック・テスティング(第二百四十六条の九の三第三項第七号に規定するバック・テスティングによりエクスポージャー変動額推計モデルの正確性の検定を行うことをいう。)が実施されていること。

八 エクスポージャー変動額推計モデルを用いる場合は、エクスポージャー変動額推計モデルに係るリスク理論損益(エクスポージャー変動額推計モデルに関連するフロント・オフィス部門が用いるリスク管理モデルにより計算される損益をいう。)とエクスポージャー変動額推計モデルに係る仮想損益とを比較することにより、当該エクスポージャー変動額推計モデルの頑健性を説明できること。

九 エクスポージャー変動額推計のモデル検証部署(エクスポージャー変動額推計モデルの設計・運用を行う部署から独立し、十分な能力を有する者が属する部署又は機能をいう。次号において同じ。)は、エクスポージャー変動額推計モデルに用いる全てのモデルについて、承認時及びその後一年に一回以上の頻度で検証すること。この場合において、当該検証は次に掲げる事項を含むものとする。

イ エクスポージャー変動額推計モデルの全ての過程が適切であって、リスクを過小評価していないことを証明する検証(モデルが仮定する分布及び時価評価モデルの適切性の検証を含む。)が行われていること。

ロ モデルの検証には、仮想的なポートフォリオを用いた検証(市場の構造的な変更又はポートフォリオ構成の大きな変化(以下この号において「構造的特性」という。)によって、モデルの正確性が失われる可能性を把握する検証をいう。)が含まれ、かつ、当該仮想的なポートフォリオを用いて、発生可能性のある構造的特性をエクスポージャー変動額推計モデルで説明可能であるかどうかが確認されていること。

ハ ロの仮想的なポートフォリオを用いた検証において、代理変数を使用する場合は、次に掲げる事項が確保されていること。

(1) 代理変数を用いるリスク・ファクターが保守的な結果を算出することを確認すること。

(2) 重要なベーシス・リスク(第二百四十六条の十の七第二項第四号ロに規定するベーシス・リスクをいう。)が十分に反映されていること。

(3) 分散化されていないポートフォリオで生ずる可能性がある集中リスクが反映されていること。

十 エクスポージャー変動額推計のモデル検証部署は、第五号に規定するエクスポージャー変動額に係るストレス・テストの結果、第七号に規定するエクスポージャー変動額に係るレポVaRモデルバック・テスティングの結果、第八号に規定するエクスポージャー変動額推計モデルの頑健性、前号に規定するモデルの検証の結果及び取引相手方の信用リスクの管理状況を定期的に理事会等に報告すること。

十一 理事会等は、レポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引に係る取引相手方の信用リスクの管理に積極的に関与し、適切な経営資源を投入すること。

十二 エクスポージャー変動額の管理者は、各トレーダーのポジションの削減を指示する権限を有すること。

十三 エクスポージャー変動額の計測の正確性を示す記録が保存されていること。

十四 エクスポージャー変動額推計モデルの運営に関する内部の方針、管理及び手続を記載した書類が作成され、それらが遵守されるための手段が講じられていること。

十五 エクスポージャー変動額の計測過程について原則として一年に一回以上の頻度で内部監査が行われること。

3 第一項の「定量的基準」とは、次に掲げるものをいう。

一 エクスポージャー変動額の推計のための信頼水準が、片側九十九パーセントであること。

二 取引対象資産の保有期間(エクスポージャー変動額の推計値を算出する際に、当該取引対象資産を保有すると仮定する期間をいう。以下この款において同じ。)が、次のイ又はロに掲げる取引の区分に応じ、当該イ又はロに定める営業日以上であること。

イ レポ形式の取引のうち担保額調整に服しているもの 五営業日

ロ イに掲げる取引以外の取引 十営業日

三 エクスポージャー変動額の推計に用いるヒストリカル・データの観測期間が、一年以上であること。

四 エクスポージャー変動額の推計に用いるヒストリカル・データをその各数値に掛目を乗じて使用する場合は、各数値を計測した日から算出基準日までの期間の長さにその掛目を乗じて得たものの平均が、六月以上であること。

五 エクスポージャー変動額の推計に用いるヒストリカル・データが三月に一回以上の頻度で更新され、推計が行われていること。ただし、市場価格に大きな変動がみられた場合には、当該変動を反映するための更新及び推計が行われるものとする。

4 推計の対象となる取引で用いられる債券の流動性に鑑みて必要と認められる場合は、保有期間を前項第二号に規定する営業日よりも長い期間とするものとする。

5 前二項の規定にかかわらず、算出基準日を含む四半期の前の直近の連続する二の四半期の間に最低保有期間を超える清算期間を要する場合が三回以上生じたネッティング・セットは、次の連続する二の四半期の間は、当該最低保有期間に二十営業日を適用するものとする。

 

(計算方法)

第二百十九条 内部格付手法採用金庫は、エクスポージャー変動額推計モデルを用いる場合には、法的に有効な相対ネッティング契約下にある複数のレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引について、信用リスク削減手法適用後のエクスポージャー額を次の算式により算出するものとする。

 E*=(ΣE-ΣC)+(算出基準日の前営業日におけるエクスポージャー変動額推計モデルによるエクスポージャー変動額の推計値)

 E*は、当該複数のレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引の信用リスク削減手法適用後エクスポージャー額(ただし、零を下回らない値とする。)

 ΣEは、当該複数のレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引のエクスポージャーの額の合計額

 ΣCは、当該複数のレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引の担保の額の合計額

 

(変更に係る届出)

第二百二十条 第二百十五条第一項の承認を受けた内部格付手法採用金庫は、次の各号のいずれかに該当する場合には、遅滞なく、その旨及びその内容を記載した届出書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

一 承認申請書の記載事項に変更があった場合

二 承認申請書の添付書類の記載事項に重要な変更があった場合

三 第二百十八条に規定する承認の基準を満たさない事由が生じた場合

2 前項第三号に規定する場合において、内部格付手法採用金庫は、当該事由を改善する旨の計画を記載した書面又は承認の基準を満たさないことが当該内部格付手法採用金庫のリスクの観点から重要でない旨の説明を記載した書面を速やかに提出するものとする。

3 第一項第三号に規定する場合において、内部格付手法採用金庫は、前項の書面に記載する事項について金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を得るまでの間は、エクスポージャー変動額推計モデルに代えて第七十九条に定めるところによりレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引に係るエクスポージャーを算出するものとする。

 

(承認の取消し)

第二百二十一条 金融庁長官及び厚生労働大臣は、前条第一項各号に掲げる場合又は内部格付手法採用金庫が同条第二項に定める提出義務を怠った場合において、エクスポージャー変動額推計モデルを継続して使用させることが不適当と判断したときは、当該内部格付手法採用金庫について第二百十五条第一項の承認を取り消すことができる。

 

第六章 証券化エクスポージャーの取扱い

第一節 総則

(証券化エクスポージャーの信用リスク・アセット)

第二百二十二条 第四章及び前章の規定にかかわらず、証券化エクスポージャーの信用リスク・アセットの計算は、この章の定めるところによる。ただし、前章の規定のうち、第百十五条、第百十八条及び第百十九条の規定は、内部格付手法採用金庫が次節第二款第二目に規定する内部格付手法準拠方式を用いてリスク・ウェイトを算出する証券化エクスポージャーに係る第二百三十条第一項のKIRB及び同条第八項に掲げる算式のKIRBを算出するに当たって行う内部格付手法による裏付資産の所要自己資本の額の算出について準用する。

 

(原資産の信用リスク・アセット)

第二百二十三条 金庫は、資産譲渡型証券化取引のオリジネーターである場合であって、次に掲げる条件のいずれかを満たさないときは、原資産に係る信用リスク・アセットの額を算出するものとする。

一 原資産に係る主要な信用リスクが第三者に移転されていること。

二 当該金庫が原資産に対して有効な支配権を有しておらず、金庫の倒産手続等においても当該金庫又は当該金庫の債権者の支配権が及ばないように、原資産が法的に金庫から隔離されており、かつ、かかる状態について適切な弁護士等(弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)の規定による弁護士又は外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律(昭和六十一年法律第六十六号)第二条第三号に規定する外国弁護士をいう。以下同じ。)による意見書を具備していること。この場合において、次のイ又はロの要件を満たすときは、有効な支配権を有しているものとみなす。

イ 当該金庫が譲受人に対して当該原資産の買戻権を有していること。ただし、買戻権の行使が第六号に該当するクリーンアップ・コールである場合は、この限りでない。

ロ 当該金庫が当該原資産に係る信用リスクを負担していること。ただし、前号に反しない限度での劣後部分の保有は妨げられない。

三 当該証券化取引における証券化エクスポージャーに係る投資家の権利は、原資産の譲渡人である当該金庫に対する請求権を含むものでないこと。

四 原資産の譲受人が証券化目的導管体であって、かつ、当該証券化目的導管体の出資持分を有する者が、当該出資持分について任意に質権を設定し、又は譲渡する権利を有すること。

五 原資産の譲渡契約において次のイからハまでに掲げる条項のいずれかが含まれるものでないこと。

イ 原資産の信用力の向上を目的として、当該金庫が証券化エクスポージャーの裏付資産を構成する資産を交換するよう義務付ける条項。ただし、原資産を独立した無関係の第三者に対して市場価額で売却することを妨げない。

ロ 譲渡日以降に当該金庫による最劣後部分や信用補完の追加的な引受けを認める条項

ハ 証券化エクスポージャーの裏付資産の信用力の劣化に応じて投資家、第三者たる信用補完提供者その他の当該金庫以外の者に対する利益の支払を増加させる条項

六 当該証券化取引にクリーンアップ・コールが含まれる場合は、当該クリーンアップ・コールが次のイからハまでに掲げる条件の全てを満たすものであること。

イ クリーンアップ・コールの行使は、当該金庫の裁量にのみ依存すること。

ロ クリーンアップ・コールが、投資家に損失が移転することを妨げる目的又は当該投資家の保有する証券化エクスポージャーに対して信用補完を提供する目的で組成されたものでないこと。

ハ クリーンアップ・コールの行使は、原資産又はオリジネーター以外のものが保有する未償還の証券化エクスポージャーの残高が当初の残高の十パーセント以下となった場合に限られること。

七 当該証券化取引に係る契約において、前号イからハまでに掲げる条件の全てを満たすクリーンアップ・コールに係る条項又はやむを得ないと認められる場合における取引の終了を定める条項を除き、当該証券化取引を早期に終了させる権利又は条件を定めた条項が含まれていないこと。

八 一以上のリボルビング型の信用供与を原資産に含む証券化取引に係る契約において、当該リボルビング型の信用供与に係る当該金庫の持分に対して次に掲げる効果のいずれかをもたらす早期償還条項又はこれに類する条項が含まれていないこと。

イ 当該金庫の保有する持分が当該金庫以外の投資家の持分に優先する状況又は当該投資家の持分と同順位にある状況において、当該金庫の持分を当該投資家の持分よりも劣後させる変更

ロ 当該金庫の持分が当該証券化取引における劣後部分を構成する状況において、当該金庫の持分を当該証券化取引の他の当事者の持分よりも更に劣後させる変更

ハ イ及びロ以外の方法により当該金庫の持分の損失リスクを増加させる変更

九 契約外の信用補完等を提供していないこと。

2 第四章第六節の規定は、前項第六号、第八号若しくは第九号に掲げる条件又は次に掲げる条件のいずれかを満たさない場合を除き、合成型証券化取引における原資産に対する信用リスクの削減について準用する。この場合において、同節中「標準的手法採用金庫」とあるのは「金庫」と、第八十九条第一号中「エクスポージャー」とあるのは「原資産プールを構成するエクスポージャーのうち最も残存期間が長いもの」と、第九十七条第二号中「関連会社を含む」とあるのは「関連会社を含み、証券化目的導管体を除く」と、第百五条及び第百六条中「エクスポージャーの残存期間」とあるのは「原資産プールを構成するエクスポージャーの残存期間のうち最も長いもの」と読み替えるものとする。

一 原資産に係る主要な信用リスクが第三者に移転されていること。

二 原資産の信用リスクの移転に係る契約において次のイからホまでに掲げる条項又はこれに類する移転される信用リスクの量を制限するその他の条項を含まないこと。

イ リボルビング型の信用供与を原資産プールに含む証券化取引における金庫の持分を実質的に劣後させる効果をもたらす早期償還条項、信用事由が生じた場合でも保証、担保権若しくはプロテクションの支払が実行されないと見込まれる水準に下限を設定する条項、原資産を構成するエクスポージャーの信用力の低下に伴い信用補完の提供が終了する条項又はこれらに類する信用リスクの移転を重大な程度に制限するその他の条項

ロ 原資産を構成するエクスポージャーの平均的な信用力の向上を目的として、金庫が原資産を構成する資産を交換するよう義務付ける条項

ハ 原資産を構成するエクスポージャーの信用力の低下に伴い信用補完の対価が上昇する条項

ニ 信用リスク削減手法に係る取引の実行日より後に金庫による最劣後部分や信用補完の追加的な引受けを定めた条項

ホ 原資産を構成するエクスポージャーの信用力の低下に応じて投資家、第三者である信用補完提供者その他の当該金庫以外の者に対する利益の支払を増加させる条項

三 信用リスク削減手法に係る契約は、関連のある法律に照らして適法かつ有効に成立しており、当該契約の諸条項に従って強制執行可能なものであることにつき、弁護士等の意見書を取得していること。

3 オリジネーターである金庫は、資産譲渡型証券化取引において、第一項各号に掲げる条件の全てを満たさない場合又は合成型証券化取引において、前項の規定により第四章第六節の規定が準用される場合であって、これらの証券化取引が、次に掲げる場合のいずれかに該当する早期償還条項を有するときには、原資産に係る信用リスク・アセットの額を算出することを要しない。

一 原資産の補充が行われる仕組みの取引であって、原資産の補充が停止し、かつ、早期償還により金庫が新規のエクスポージャーを裏付資産に追加することを禁じられている場合

二 原資産にリボルビング型の信用供与が含まれる早期償還条項を有する証券化取引のうち、ターム型(信用供与の期間及び額が定められているものをいう。)の信用供与と類似した構造を持ち、原資産のリスクがオリジネーターである金庫に遡及せず、かつ、早期償還の実施がオリジネーターである金庫の権利を実質的に劣後させない場合

三 金庫が一以上のリボルビング型の信用供与枠を証券化しており、早期償還の開始以降も当該信用供与枠に係る債務者による追加的な引出しのリスクを投資家が負っている場合

四 関連法令の重大な変更その他の証券化された原資産のパフォーマンス又は当該原資産の譲渡人である金庫の財務状態に無関係な事由のみを早期償還事由とする場合

4 クリーンアップ・コールの行使が信用補完を提供する効果を有する場合には、金庫が契約外の信用補完等を提供したものとみなす。

 

(証券化取引のデュー・ディリジェンス等)

第二百二十四条 金庫は、次に掲げる条件の全てを満たす場合に限り、次節第二款に規定する証券化エクスポージャーの信用リスク・アセットの計測手法を適用することができる。

一 金庫の保有する証券化エクスポージャーについて、包括的なリスク特性に係る情報を継続的に把握するために必要な体制が整備されていること。

二 金庫の保有する証券化エクスポージャーの裏付資産について、包括的なリスク特性及びパフォーマンスに係る情報を適時に把握するために必要な体制が整備されていること。

三 金庫の保有する証券化エクスポージャーについて、当該証券化エクスポージャーに係る証券化取引についての構造上の特性を把握するために必要な体制が整備されていること。

四 金庫が、第一条第一号の二ただし書の規定により再証券化取引から除かれる証券化取引に係るエクスポージャーを保有している場合には、当該証券化取引の裏付資産の一部又は全部となっている証券化エクスポージャーに係る裏付資産について、包括的なリスク特性及びパフォーマンスに係る情報を適時に把握するために必要な体制が整備されていること。

五 前各号に掲げる条件の全てを満たすための管理規程等を作成していること。

2 次節の規定にかかわらず、金庫は、前項各号に掲げる条件のいずれかを満たさない証券化エクスポージャーについて千二百五十パーセントのリスク・ウェイトを適用するものとする。

3 金庫は、第一項の場合において、当該金庫が証券化エクスポージャー(第二百二十七条に規定する証券化エクスポージャーを除く。)を保有する証券化取引のオリジネーター(当該金庫がオリジネーターである場合を含む。)が次に掲げる条件のいずれかを満たしていることを確認することができないときは、オリジネーターの原資産に対する関与の状況、原資産の質その他の事情から不適切な原資産の組成がされていないと判断することができない限り、当該証券化エクスポージャーについて次節第二款の規定により算出されるリスク・ウェイトに三を乗じて得られる値(千二百五十パーセントを超える場合には、千二百五十パーセント)を当該証券化エクスポージャーのリスク・ウェイトとして用いるものとする。

一 当該証券化取引における証券化エクスポージャーの全てのトランシェを均等に保有し(信用リスクをヘッジする方法その他の方法によりオリジネーターが実質的に信用リスクを負担していない部分については、保有していないものとみなす。以下この項において同じ。)、かつ、当該証券化エクスポージャーの合計額が当該証券化取引の原資産のエクスポージャーの総額の五パーセント以上であること。

二 当該証券化取引における証券化エクスポージャーの最劣後のトランシェを保有し、かつ、当該エクスポージャーの合計額が当該証券化取引の原資産のエクスポージャーの総額の五パーセント以上であること。

三 当該証券化取引における証券化エクスポージャーの最劣後のトランシェが五パーセント未満であって、当該トランシェの全てを保有するとともに、当該トランシェ以外の各トランシェを均等に保有し、かつ、当該エクスポージャーの合計額が当該証券化取引の原資産のエクスポージャーの総額の五パーセント以上であること。

四 当該証券化取引における証券化エクスポージャーを継続的に保有することにより、当該オリジネーターが負担する信用リスクが前各号の条件を満たす場合の信用リスクと同等以上であると認められること。

 

(一の証券化取引における所要自己資本の総額の上限)

第二百二十四条の二 金庫は、一の証券化取引(再証券化取引を除く。)において保有する一以上の証券化エクスポージャーの所要自己資本の額(第二百二十四条の四の規定に基づいて算出される証券化エクスポージャーの信用リスク・アセットの額に八パーセントを乗じて得た額をいう。)の総額について、当該証券化エクスポージャーが次の各号のいずれかに該当する場合には、当該証券化エクスポージャーの裏付資産に係る所要自己資本の額(金庫が内部格付手法採用金庫であって、当該証券化エクスポージャーが第二号又は第三号に該当する場合には、自己を標準的手法採用金庫とみなして計算する裏付資産に係る所要自己資本の額とする。)の合計額に当該金庫の持分比率(一のトランシェについて当該金庫が保有する一以上の証券化エクスポージャーの名目額を当該トランシェ全体の名目額で除して得た割合をいう。次項において同じ。)を乗じて得た額を上限とすることができる。

一 次節第二款第二目に規定する内部格付手法準拠方式を用いてリスク・ウェイトを算出する証券化エクスポージャー

二 金庫が当該証券化取引のオリジネーターである場合において、次節第二款第三目に規定する外部格付準拠方式又は同款第五目に規定する標準的手法準拠方式を用いてリスク・ウェイトを算出する証券化エクスポージャー

三 当該証券化取引のオリジネーターに該当しない内部格付手法採用金庫が、第十条第一項及び第十八条第一項の信用リスクに係る旧所要自己資本の額を算出する場合において、次節第二款第三目に規定する外部格付準拠方式又は同款第五目に規定する標準的手法準拠方式を用いてリスク・ウェイトを算出する証券化エクスポージャー(第十条第一項及び第十八条第一項の新所要自己資本の額の算出において第一号に該当し、この項の規定を適用している証券化エクスポージャーに限る。)

2 前項に規定する裏付資産に係る所要自己資本の額の合計額に当該金庫の持分比率を乗じて得た額は、次に掲げる算式により算出される額とする。

 裏付資産のエクスポージャーの総額×KP×P

 KPは、裏付資産に係る所要自己資本率(裏付資産のプールがIRBプールである場合にあっては第二百三十条の規定に基づいて算出されるKIRBを、SAプールである場合にあっては第二百四十一条の規定に基づいて算出されるKSAを、混合プールの場合にあっては裏付資産のうち第一条第七十二号イ及びロに掲げる要件の全てを満たす部分について第二百三十条の規定に基づいて算出されるKIRBと当該部分以外の部分について第二百四十一条の規定に基づいて算出されるKSAとを、それぞれの部分のエクスポージャー額で加重平均して得られる値とする。)

 Pは、トランシェごとに算出した当該金庫の持分比率のうち最大のもの

3 第一項の場合において、証券化取引に伴い増加した自己資本に係る控除額及び信用補完機能を持つI/Oストリップスは、証券化エクスポージャーの所要自己資本の額の総額に含めないものとする。

 

(重複するエクスポージャーの取扱い)

第二百二十四条の三 金庫は、一の証券化取引において保有する一の証券化エクスポージャーに係る義務を履行することによって、いかなる状況下においても、当該証券化取引において当該金庫が保有する他の証券化エクスポージャーに係る全ての損失が回避されることが明らかである場合には、これらの証券化エクスポージャーの間に重複の状態が存在するものとして取り扱うことができる。この場合において、当該金庫は、これらの証券化エクスポージャーのそれぞれについて算出した信用リスク・アセットの額の合計額に代えて、当該一の証券化エクスポージャーの信用リスク・アセットの額のみを自己資本比率の計算に用いることができる。

 

第二節 証券化エクスポージャーの信用リスク・アセットの額

第一款 総則

(証券化エクスポージャーの信用リスク・アセットの額)

第二百二十四条の四 金庫は、証券化エクスポージャーの信用リスク・アセットの額を算出するに当たっては、次の各号に掲げる証券化エクスポージャーの区分に応じて、当該各号に定めるリスク・ウェイトを当該証券化エクスポージャーの額に乗じて得た額を信用リスク・アセットの額とする。

一 信用補完機能を持つI/Oストリップス 千二百五十パーセント

二 前号に掲げるもの以外の証券化エクスポージャー 次款の規定により算出されるリスク・ウェイト

2 前項において、オン・バランス資産項目の証券化エクスポージャーの額を算出するに当たっては、次の各号に掲げる額を当該各号に定める額から控除することができる。

一 金庫が保有するオン・バランス資産項目の証券化エクスポージャーに対して計上している個別貸倒引当金 当該証券化エクスポージャーの額

二 オリジネーターである金庫が証券化取引の原資産に対して計上している個別貸倒引当金又は証券化取引において原資産の譲渡時に行ったディスカウントの額(返金を要しないものに限る。) 当該証券化取引について金庫が保有する証券化エクスポージャー(この章の規定により千二百五十パーセントのリスク・ウェイトが適用されるものに限る。)の額

3 第一項において、オフ・バランス資産項目の証券化エクスポージャーの額を算出するに当たっては、次の各号に掲げる証券化エクスポージャーの区分に応じ、当該証券化エクスポージャーの名目額に当該各号に定める掛目を乗じて得た額を当該証券化エクスポージャーの額とする。

一 適格なサービサー・キャッシュ・アドバンスの信用供与枠のうち未実行部分 十パーセント

二 前号に掲げるもの以外の証券化エクスポージャー 百パーセント

4 第一項において、派生商品取引に係る証券化エクスポージャーの額を算出するに当たっては、SA―CCR、期待エクスポージャー方式又はカレント・エクスポージャー方式のいずれかを用いるものとする。

5 前項において、派生商品取引に係る証券化エクスポージャーの額の算出に用いる計算方式の選択に当たっては、標準的手法採用金庫又は内部格付手法採用金庫が直接保有する派生商品取引に係るエクスポージャーの与信相当額又はEADの算出に用いている計算方式と同じ方式を用いるものとする。ただし、当該派生商品取引に係るエクスポージャーの与信相当額又はEADの算出に用いている方式が複数ある場合には、そのいずれかの方式を用いるものとする。

 

第二款 証券化エクスポージャーのリスク・ウェイトの取扱い

第一目 総則

(リスク・ウェイトの算出)

第二百二十五条 前条第一項第二号に掲げる証券化エクスポージャーに適用するリスク・ウェイトを算出するに当たっては、当該リスク・ウェイトの算出方式を次条の規定により判定するものとし、当該判定された算出方式に基づき、次目から第八目までに定めるところによりリスク・ウェイトを算出するものとする。

2 前項の規定によりリスク・ウェイトを算出することができない場合には、同項の証券化エクスポージャーに千二百五十パーセントのリスク・ウェイトを適用するものとする。

 

(リスク・ウェイトの算出方式の判定)

第二百二十六条 IRBプールに係る証券化エクスポージャーに適用するリスク・ウェイトを算出するに当たっては、内部格付手法準拠方式を用いるものとする。

2 SAプールに係る証券化エクスポージャーに適用するリスク・ウェイトを算出するに当たっては、次の各号に掲げる場合の区分に応じて、当該各号に定める方式を用いるものとする。

一 適格格付機関の格付が付与されている場合又は第二百三十五条に規定する推定格付が存在する場合 外部格付準拠方式

二 前号に掲げる場合以外の場合 標準的手法準拠方式

3 内部格付手法採用金庫は、前項第二号の場合において、ABCPプログラム(ABCPの満期が一年以内のものに限る。)に対する流動性補完、信用補完その他の証券化エクスポージャーに適用するリスク・ウェイトを算出するに当たっては、金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を受けたときに限り、標準的手法準拠方式に代えて、第四目に規定する内部評価方式を用いることができる。

4 混合プールに係る証券化エクスポージャーに適用するリスク・ウェイトを算出するに当たっては、次の各号に掲げる場合の区分に応じて、当該各号に定める方式を用いるものとする。

一 当該証券化エクスポージャーの裏付資産のプールを構成するエクスポージャーのうち、第一条第七十二号イ及びロに掲げる要件の全てを満たすエクスポージャーが占める割合が九十五パーセント以上である場合 内部格付手法準拠方式

二 前号に掲げる場合以外の場合 当該混合プールをSAプールとみなして、前二項の規定により判定されるリスク・ウェイトの算出方式

5 前各項の規定にかかわらず、再証券化エクスポージャーについて適用するリスク・ウェイトを算出するに当たっては、標準的手法準拠方式を用いるものとする。

 

(金利スワップ又は通貨スワップ等の派生商品取引に係る証券化エクスポージャーの取扱い)

第二百二十七条 金庫が、その保有する証券化エクスポージャーに関してマーケット・リスクに対するヘッジ手段の提供を目的として派生商品取引を締結している場合において、当該証券化エクスポージャーの信用リスク・アセットの額を算出するときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じて、当該各号に定めるリスク・ウェイトを適用するものとする。

一 当該証券化取引において当該派生商品取引に係る証券化エクスポージャーと同順位にある他の証券化エクスポージャーが存在する場合 当該他の証券化エクスポージャーに適用されるリスク・ウェイト

二 前号に掲げる場合以外の場合 当該証券化取引において当該派生商品取引に係る証券化エクスポージャーに劣後する他の証券化エクスポージャーに適用されるリスク・ウェイト

 

第二目 内部格付手法準拠方式

(リスク・ウェイト)

第二百二十八条 内部格付手法準拠方式により算出される証券化エクスポージャーのリスク・ウェイトは、次の各号に掲げる場合の区分に応じて、当該各号に定める比率とする。ただし、証券化エクスポージャーの優先劣後構造により提供される信用補完の仕組みが当該証券化エクスポージャーの裏付資産に関するデフォルト・リスクに係る損失と希薄化リスクに係る損失を同等に扱うものでない場合は、この限りでない。

一 デタッチメント・ポイント(D)(第二百三十二条第二項の規定により算出されるデタッチメント・ポイント(D)をいう。以下同じ。)がKIRB(第二百三十条の規定により算出される内部格付手法による裏付資産の所要自己資本率(KIRB)をいう。以下同じ。)以下の場合 千二百五十パーセント

  画像  )に十二・五を乗じて得られる比率(当該比率が十五パーセントを下回る場合にあっては、十五パーセント)

三 アタッチメント・ポイント(A)がKIRB未満であり、かつ、デタッチメント・ポイント(D)がKIRBを超える場合 次に掲げる算式により算出される比率(当該比率が十五パーセントを下回る場合にあっては、十五パーセント)

  画像

  画像 は、次条の規定により算出されるKIRB超過部分の所要自己資本率

  (KIRB超過部分の所要自己資本率(画像)))

第二百二十九条 前条第二号及び第三号に規定するKIRB超過部分の所要自己資本率画像 (20KB)
 )は、次に掲げる算式により算出される値をいう。

  画像

  a=-(l/(p*KIRB))

  u=D-KIRB

  l=max(A-KIRB,0)

  e、A、D及びpは、それぞれ次に掲げるものとする。

  eは、自然対数の底(2.71828を用いるものとする。)

  Aは、アタッチメント・ポイント(A)

  Dは、デタッチメント・ポイント(D)

  pは、第二百三十三条の規定により算出されるパラメーター(p)

 

(内部格付手法による裏付資産の所要自己資本率(KIRB))

第二百三十条 証券化エクスポージャーがIRBプールに係る証券化エクスポージャーである場合には、前二条の内部格付手法による裏付資産の所要自己資本率(KIRB)は、裏付資産のエクスポージャー(オフ・バランス資産項目に係るエクスポージャーを含む。以下この条及び次条において同じ。)について内部格付手法により算出される所要自己資本の額(期待損失額及び信用リスク・アセットの額の八パーセントを合計した額をいう。第四項及び第七項において同じ。)の合計額(以下この条及び次条において「裏付資産の所要自己資本の額の合計額」という。)を、当該裏付資産のエクスポージャーの総額で除して得た値を小数で表したものとする。

2 前項のKIRBの算出に当たって、証券化取引において、証券化目的導管体を用いている場合には、当該証券化目的導管体の全てのエクスポージャーを裏付資産として取り扱うものとする。ただし、重要ではないことが明らかなエクスポージャーについては、この限りでない。

3 第一項の裏付資産の所要自己資本の額の合計額の算出に当たっては、同項の証券化エクスポージャーを保有する内部格付手法採用金庫が裏付資産を直接保有し、又は購入していない場合であっても、当該裏付資産を直接保有し、又は購入しているものとみなす。

4 第一項のKIRBの算出に当たって、裏付資産に金利スワップ、通貨スワップその他のヘッジを目的とした派生商品取引(クレジット・デフォルト・スワップを除く。)が含まれる場合には、これらの取引の相手方に対する信用リスクに係る所要自己資本の額は、裏付資産の所要自己資本の額の合計額に含めるものとし、当該取引の相手方に対する信用リスクに係るエクスポージャーの額は、裏付資産のエクスポージャーの総額に含めないものとする。

5 第一項のKIRBの算出に当たっては、裏付資産に適用される信用リスク削減手法の効果を勘案することができる。

6 第一項の裏付資産の所要自己資本の額の合計額及び裏付資産のエクスポージャーの総額を算出するに当たっては、裏付資産のエクスポージャーに対する個別貸倒引当金及び購入債権のディスカウント部分(返金を要しないものに限る。)を勘案しないものとする。

7 第一項の裏付資産の所要自己資本の額の合計額を算出するに当たって、裏付資産に購入債権が含まれる場合には、当該購入債権に係るデフォルト・リスク相当部分の所要自己資本の額及び希薄化リスク相当部分の所要自己資本の額の合計額を当該購入債権に係る所要自己資本の額とする。ただし、希薄化リスク相当部分が重要でない場合には、デフォルト・リスク相当部分の所要自己資本の額のみをもって当該購入債権に係る所要自己資本の額とすることができる。

8 前各項の規定にかかわらず、証券化エクスポージャーが混合プールに係る証券化エクスポージャー(次の算式のdが九十五パーセント以上となるものに限る。)である場合には、前二条のKIRBは次に掲げる算式により得られる値とする。

 裏付資産の所要自己資本率=d×KIRB+(1-d)×KSA

 d、KIRB及びKSAは、それぞれ次に掲げるものとする。

 dは、混合プールに係る証券化エクスポージャーの裏付資産のうち第一条第七十二号イ及びロに掲げる要件の全てを満たす部分のエクスポージャーの合計額が当該混合プールに係る裏付資産のエクスポージャーの総額に占める割合

 KIRBは、混合プールに係る証券化エクスポージャーの裏付資産のうち第一条第七十二号イ及びロに掲げる要件の全てを満たす部分について前項までの規定を準用して算出されるKIRB

 KSAは、混合プールに係る証券化エクスポージャーの裏付資産のうち第一条第七十二号イ及びロに掲げる要件のいずれかを満たさない部分について第二百四十一条の規定により算出されるKSA

 

(KIRB算出時のトップ・ダウン・アプローチ等の準用)

第二百三十一条 内部格付手法採用金庫が前条第一項のKIRB及び同条第八項に掲げる算式のKIRBの算出のために裏付資産の所要自己資本の額の合計額を算出するに当たっては、当該裏付資産のエクスポージャーのうち原資産プールに該当する部分が次に掲げる性質の全てを有する事業法人等向けエクスポージャーによって構成されており、かつ、当該内部格付手法採用金庫が当該原資産プールに含まれる個々の事業法人等向けエクスポージャーの債務者に係るデフォルト・リスクを評価することが困難な場合であって、第三項において準用する規定に定める要件及びその他関連する内部格付手法の最低要件の全てを満たすときは、第百四十三条及び第百四十五条第二項から第九項までの規定を準用して得られた当該原資産プールのPD、LGD、EAD及び実効マチュリティを用いることができる。この場合において、これらの規定中「購入債権のプール」とあり、「適格購入事業法人等向けエクスポージャーのプール」とあり、及び「適格購入事業法人等向けエクスポージャープール」とあるのは「原資産プール」と、「、適格購入事業法人等向けエクスポージャーの」とあるのは「、原資産プールの事業法人等向けエクスポージャーの」と、「、当該適格購入事業法人等向けエクスポージャー」とあるのは「、当該原資産プールの事業法人等向けエクスポージャー」と、同条第三項中「エクスポージャーのプール」とあるのは「原資産プール」と、同条第六項中「購入事業法人等向けエクスポージャー」とあるのは「原資産プールに含まれる購入事業法人等向けエクスポージャー」と、「この節」とあるのは「この項」と、「ELdilution」とあるのは「原資産を構成するエクスポージャーのELdilution」と、同条第七項及び第九項中「リボルビング型購入債権に係る信用供与枠」とあるのは「資産譲渡型証券化取引において、証券化目的導管体が提供するリボルビング型購入債権に係る信用供与枠」と、同条第八項中「トップ・ダウン・アプローチを用いて適格購入事業法人等向けエクスポージャー」とあるのは「トップ・ダウン・アプローチを準用して原資産プールの事業法人等向けエクスポージャー」と、「適格購入事業法人等向けエクスポージャーごとに」とあるのは「事業法人等向けエクスポージャーごとに」と、同条第九項中「内部格付手法採用金庫」とあるのは「当該証券化目的導管体」と、「前項に規定する当該適格購入事業法人等向けエクスポージャーのマチュリティ」とあるのは「前項の規定により算出される実効マチュリティ(M*)」と読み替えるものとする。

一 オリジネーター(第一条第六十七号ロに掲げる事項に該当する者を除く。次号において同じ。)が証券化エクスポージャーを保有する内部格付手法採用金庫から独立した第三者であり、かつ、当該内部格付手法採用金庫が直接又は間接に信用供与を行った者でないこと。

二 原資産の債務者がオリジネーターから独立した第三者であること。

三 証券化エクスポージャーを保有する内部格付手法採用金庫が、証券化取引に係る契約条件に従って当該内部格付手法採用金庫の保有する証券化エクスポージャーに割り当てられた原資産プールからの元利払の全額について権利を有すること。

四 原資産プールの分散度が高いこと。

2 内部格付手法採用金庫が前条第一項のKIRB及び同条第八項に掲げる算式のKIRBの算出のために裏付資産の所要自己資本の額の合計額を算出するに当たっては、当該裏付資産のエクスポージャーのうち原資産プールに該当する部分がリテール向けエクスポージャーによって構成されており、かつ、当該内部格付手法採用金庫が当該原資産プールのデフォルト・リスクの評価に内部データを一次的な情報源として利用することができない場合であって、次項において準用する規定に定める要件及びその他関連するリテール向けエクスポージャーに関する内部格付手法の最低要件の全てを満たすときは、第百四十三条及び第百四十六条の規定を準用して得られた当該原資産プールのPD、LGD及びEADを用いることができる。この場合において、これらの規定中「購入債権のプール」とあり、及び「購入リテール向けエクスポージャーのプール」とあるのは「原資産プール」と、同条第一項中「購入リテール向けエクスポージャー」とあるのは「原資産プールのリテール向けエクスポージャー」と、同条第二項中「購入リテール向けエクスポージャー」とあるのは「原資産プールに含まれる購入リテール向けエクスポージャー」と、「この節」とあるのは「この項」と、「ELdilution」とあるのは「原資産を構成するエクスポージャーのELdilution」と、同条第三項中「当該プール」とあるのは「当該原資産プール」と読み替えるものとする。

3 第二百四条から第二百八条までの規定は、前二項の場合について準用する。この場合において、これらの規定(第二百五条第一項及び第二百八条第四項第五号を除く。)中「購入債権の譲渡人」とあるのは「オリジネーター」と、第二百四条中「購入債権のうち購入リテール向けエクスポージャー及びトップ・ダウン・アプローチを用いる適格購入事業法人等向けエクスポージャー」とあるのは「原資産プールを構成するリテール向けエクスポージャー及び事業法人等向けエクスポージャー」と、第二百五条第一項及び第四項中「ELdilution」とあるのは「原資産プールを構成するエクスポージャーのELdilution」と、同条第一項中「購入債権の譲渡人が購入債権」とあるのは「オリジネーター(第一条第六十七号ロに掲げる事項に該当する者を除く。以下この目において同じ。)が原資産プールを構成するエクスポージャー」と、同条第二項中「適格購入事業法人等向けエクスポージャーについて」とあるのは「原資産プールを構成する事業法人等向けエクスポージャーについて」と、「場合又はELdilution」とあるのは「場合又は原資産プールを構成する事業法人等向けエクスポージャーのELdilution」と、「購入リテール向けエクスポージャーについて」とあるのは「原資産プールを構成するリテール向けエクスポージャーについて」と、「LGD又はELdilution」とあるのは「LGD又は原資産プールを構成するリテール向けエクスポージャーのELdilution」と、「適格購入事業法人等向けエクスポージャー又は購入リテール向けエクスポージャーの属するプール」とあるのは「これらのエクスポージャーの属するプール」と、同項並びに第二百八条第一項、第四項及び第六項中「購入債権の質」とあるのは「原資産の質」と、第二百五条第三項中「当該購入債権の譲渡契約」とあるのは「証券化取引に係る契約」と、「当該購入債権の種類、額、契約期間中の債権の質」とあるのは「原資産プールを構成するエクスポージャーの種類、額、契約期間中の当該エクスポージャーの質」と、「当該購入債権に関連する」とあるのは「当該原資産プールに関連する」と、第二百六条第一項及び第二百七条中「購入リテール向けエクスポージャー及びトップ・ダウン・アプローチを用いる適格購入事業法人等向けエクスポージャー」とあるのは「原資産プールを構成するエクスポージャー」と、第二百六条第一項中「トップ・ダウン・アプローチを用いる適格購入事業法人等向けエクスポージャーについては」とあるのは「原資産プールを構成する事業法人等向けエクスポージャーについては」と、同条第二項中「適格購入事業法人等向けエクスポージャー」とあるのは「原資産プールを構成するエクスポージャー」と、「譲渡人」とあるのは「オリジネーター」と、同条第三項中「適格購入事業法人等向けエクスポージャー」とあるのは「原資産プールを構成する事業法人等向けエクスポージャー」と、第二百八条中「購入リテール向けエクスポージャー」とあるのは「原資産プールを構成するリテール向けエクスポージャー」と、「購入債権の債務者」とあるのは「原資産の債務者」と、「購入債権の債権者から債務者」とあるのは「原資産の債権者から債務者」と、同条第一項中「購入事業法人等向けエクスポージャー」とあるのは「原資産プールを構成する事業法人等向けエクスポージャー」と、「購入債権の管理」とあるのは「原資産プールの管理」と、「購入債権の請求」とあるのは「債権の請求」と、「購入債権の購入」とあるのは「証券化取引」と、同条第三項中「購入債権の元利払い」とあるのは「その保有する証券化エクスポージャーに割り当てられた原資産プールの元利払い」と、「譲受人である内部格付手法採用金庫」とあるのは「証券化エクスポージャーを保有する内部格付手法採用金庫又は証券化目的導管体」と、「当該購入債権が」とあるのは「原資産プールが」と、「当該購入債権に」とあるのは「原資産プールに」と、「譲受人の」とあるのは「証券化エクスポージャーを保有する内部格付手法採用金庫の」と、「当該購入債権の譲渡」とあるのは「当該原資産プールに係る証券化取引」と、同条第四項中「債務者への信用供与」とあるのは「原資産の債務者への信用供与」と、「購入債権のプール」とあるのは「原資産プール」と、「購入債権の債務の繰延べ及び当該債権の希薄化」とあるのは「原資産プールを構成するエクスポージャーに係る債務の繰延べ及び希薄化」と、「購入債権に」とあるのは「原資産プールに」と、「購入債権の譲渡人の売却条件」とあるのは「オリジネーターにより証券化取引の原資産に供される条件」と、同条第五項中「当該購入債権の購入」とあるのは「証券化取引」と、「購入債権の適格性」とあるのは「原資産の適格性」と、「購入債権について」とあるのは「原資産について」と、「購入債権プール」とあるのは「原資産プール」と、同条第六項中「債権購入」とあるのは「証券化取引」と、同条第七項中「購入債権の購入」とあるのは「証券化目的導管体による原資産の購入」と読み替えるものとする。

4 前項の規定により読み替えて準用する第二百八条第三項から第七項(第三号を除く。)までに規定する要件を満たすに当たり、証券化エクスポージャーを保有する内部格付手法採用金庫自らが満たすことができない場合には、当該内部格付手法採用金庫に代わり、証券化取引に係る契約条件に従って証券化取引における投資家の利益のために活動する証券化取引の当事者がこれらの要件を満たすことを妨げない。

 

(アタッチメント・ポイント(A)及びデタッチメント・ポイント(D))

第二百三十二条 証券化エクスポージャーのリスク・ウェイトの算式に用いるアタッチメント・ポイント(A)は、証券化エクスポージャーの裏付資産の残高の合計額から、リスク・ウェイトの算出の対象となる保有する証券化エクスポージャーに優先するトランシェの残高の総額及び当該保有する証券化エクスポージャーと同順位であるトランシェ(自己が保有する証券化エクスポージャーの額を含む。)の残高の総額を控除した額を、当該裏付資産の残高の合計額で除した値(当該値が零を下回る場合にあっては、零とする。)とする。

2 証券化エクスポージャーのリスク・ウェイトの算式に用いるデタッチメント・ポイント(D)は、証券化エクスポージャーの裏付資産の残高の合計額から、リスク・ウェイトの算出の対象となる保有する証券化エクスポージャーに優先するトランシェの残高の総額を控除した額を、当該裏付資産の残高の合計額で除した値(当該値が零を下回る場合にあっては、零とする。)とする。

3 前二項において証券化エクスポージャーの裏付資産の残高の合計額を算出するに当たっては、裏付資産のうち証券化取引の原資産以外の部分について、裏付資産からのキャッシュ・フローを蓄積させた準備金勘定(信用補完を提供するものに限る。次項において同じ。)にその構成資産を含めることができる。

4 第一項及び第二項において、超過担保に相当する額及び前項に規定する準備金勘定に相当する額は、それぞれ固有のトランシェとして取り扱うものとする。

 

(パラメーター(p))

第二百三十三条 第二百二十九条に掲げる算式の「パラメーター(p)」とは、次に掲げる算式により算出される値をいう。

 p=max[0.3,(A+B*(1/N)+C*KIRB+D*LGD+E*MT)]

 N、LGD及びMTはそれぞれ次に掲げるものとし、A、B、C、D及びEは次の表に定めるところによる。

 Nは、第四項又は第七項の規定により算出されるエクスポージャーの実効的な個数(N)

 LGDは、第五項又は第七項の規定により算出される裏付資産の加重平均LGD(LGD)

 MTは、第八項の規定により算出される証券化エクスポージャーの残存期間(MT)


原資産が事業法人等向けエクスポージャーである場合

原資産がリテール向けエクスポージャーである場合


Nが25以上で、かつ、証券化エクスポージャーが最優先証券化エクスポージャーである場合

Nが25未満で、かつ、証券化エクスポージャーが最優先証券化エクスポージャーである場合

Nが25以上で、かつ、証券化エクスポージャーが最優先証券化エクスポージャーでない場合

Nが25未満で、かつ、証券化エクスポージャーが最優先証券化エクスポージャーでない場合

証券化エクスポージャーが最優先証券化エクスポージャーである場合

証券化エクスポージャーが最優先証券化エクスポージャーでない場合

A

0

0.11

0.16

0.22

0

B

3.56

2.61

2.87

2.35


C

△1.85

△2.91

△1.03

△2.46

△7.48

△5.78

D

0.55

0.68

0.21

0.48

0.71

0.55

E

0.07

0.24

0.27

2 IRBプールがリテール向けエクスポージャーと事業法人等向けエクスポージャーの双方で構成される場合には、リテール向けエクスポージャーに係る部分と事業法人等向けエクスポージャーに係る部分に分割したそれぞれの部分について前項の算式を用いてパラメーター(p)を算出し、それぞれのエクスポージャーの名目額の総額で加重平均した値を当該IRBプールのパラメーター(p)とする。

3 第二百二十六条第四項(第一号に係る部分に限る。)の規定により、混合プールに係る証券化エクスポージャーについて内部格付手法準拠方式を用いてリスク・ウェイトを算出する場合において、パラメーター(p)を算出するに当たっては、裏付資産のエクスポージャーのうち第一条第七十二号イ及びロに掲げる要件の全てを満たす部分のみを対象として算出するものとする。

4 第一項に掲げる算式の「エクスポージャーの実効的な個数(N)」とは、次に掲げる算式により算出される値をいう。

 N=(ΣiEADi)2/ΣiEADi2

 EADiは、裏付資産に含まれる第i番目のエクスポージャー(同一債務者に対する複数のエクスポージャーは、一のエクスポージャーとみなす。)のEAD

5 第一項に掲げる算式の「裏付資産の加重平均LGD(LGD)」とは、次に掲げる算式により算出される値をいう。

 画像

 LGDiは、第i番目のエクスポージャー(同一債務者に対する複数のエクスポージャーは、一のエクスポージャーとみなす。)の加重平均LGD

6 前項の規定にかかわらず、裏付資産に購入債権が含まれる場合であって、証券化エクスポージャーの優先劣後構造により提供される信用補完の仕組みが当該証券化エクスポージャーの裏付資産に関するデフォルト・リスクに係る損失と希薄化リスクに係る損失を同等に扱うものであるときは、当該証券化エクスポージャーの裏付資産の加重平均LGD(LGD)は、第百四十八条第五項に掲げる算式により算出される値とする。

7 裏付資産のうち最もEADの大きいエクスポージャーが当該裏付資産総額に占める割合(C1)が〇・〇三以下の場合には、第四項及び第五項の規定にかかわらず、エクスポージャーの実効的な個数(N)を次の算式で求められる値とし、LGDを〇・五〇とすることができる。ただし、C1以外のCmが明らかでない場合には、Nを1/C1とすることができる。

 画像

 Cmは、裏付資産に含まれるエクスポージャーのうち最もEADの大きいものから順にm個のエクスポージャーについてEADを合計した額が、当該裏付資産のEAD総額に占める割合

8 第一項に掲げる算式の「証券化エクスポージャーの残存期間(MT)」は、次に掲げる計算方式のいずれかを用いて算出される期間(一年を下回る場合にあっては一年とし、五年を超える場合にあっては五年とする。)とする。ただし、第一号に掲げる計算方式を用いることができるのは、証券化取引の契約に基づいて証券化エクスポージャーに配分されるキャッシュ・フローが、原資産のパフォーマンスその他の条件に依存せず、無条件に決定されるものである場合に限る。

一 証券化取引の契約に基づいて証券化エクスポージャーに配分されるキャッシュ・フローに基づく次に掲げる計算方式

  画像

  CFtは、期間tに証券化エクスポージャーの保有者に対し契約上支払われるキャッシュ・フロー

二 証券化エクスポージャーの最終法定満期日に基づく次に掲げる計算方式

  MT=1+(ML-1)*80%

  MLは、証券化エクスポージャーの最終法定満期日までの期間(年)

 

第三目 外部格付準拠方式

(リスク・ウェイト)

第二百三十四条 外部格付準拠方式により算出される証券化エクスポージャーのリスク・ウェイトは、次の各号に掲げる場合に応じ、当該各号に定める比率とする。

一 適格格付機関の付与する格付又は次条に規定する推定格付が長期格付の場合 次のイ又はロに定めるところにより算出される比率

イ 当該証券化エクスポージャーが最優先証券化エクスポージャーである場合には、次の表に掲げる当該格付に対応する信用リスク区分及び当該証券化エクスポージャーの残存期間(前条第八項の規定により算出される証券化エクスポージャーの残存期間(MT)をいう。以下この目及び第七目において同じ。)の区分に応じ、同表に定めるリスク・ウェイトとする。ただし、証券化エクスポージャーの残存期間が一年を超え、かつ、五年未満である場合には、当該証券化エクスポージャーのリスク・ウェイトは、同表から得られる一年又は五年の残存期間に対応するリスク・ウェイトを用いた線形補間によって得られる比率とする。

信用リスク区分

証券化エクスポージャーの残存期間

一年(パーセント)

五年(パーセント)

6―1

十五

二十

6―2

十五

三十

6―3

二十五

四十

6―4

三十

四十五

6―5

四十

五十

6―6

五十

六十五

6―7

六十

七十

6―8

七十五

九十

6―9

九十

百五

6―10

百二十

百四十

6―11

百四十

百六十

6―12

百六十

百八十

6―13

二百

二百二十五

6―14

二百五十

二百八十

6―15

三百十

三百四十

6―16

三百八十

四百二十

6―17

四百六十

五百五

6―18

千二百五十

ロ 当該証券化エクスポージャーが最優先証券化エクスポージャーでない場合には、次に掲げる算式により算出される比率(当該比率が十五パーセントを下回る場合には、十五パーセント)とする。

   R×[1-min(T;50%)]

   R及びTは、それぞれ次に掲げるものとする。

 Rは、次の表に掲げる当該証券化エクスポージャーの格付に対応する信用リスク区分及び当該証券化エクスポージャーの残存期間の区分に応じ、次の表に定めるリスク・ウェイトをいう。ただし、証券化エクスポージャーの残存期間が一年を超え、かつ、五年未満である場合には、当該証券化エクスポージャーのリスク・ウェイトは、同表から得られる一年又は五年の残存期間に対応するリスク・ウェイトを用いた線形補間によって得られる比率とする。

Tは、当該証券化エクスポージャーのデタッチメント・ポイント(D)からアタッチメント・ポイント(A)を控除して得られる数値

信用リスク区分

証券化エクスポージャーの残存期間

1年(パーセント)

5年(パーセント)

6―1

15

70

6―2

15

90

6―3

30

120

6―4

40

140

6―5

60

160

6―6

80

180

6―7

120

210

6―8

170

260

6―9

220

310

6―10

330

420

6―11

470

580

6―12

620

760

6―13

750

860

6―14

900

950

6―15

1050

6―16

1130

6―17

1250

6―18

1250

二 適格格付機関の付与する格付又は次条に規定する推定格付が短期格付の場合 次の表に掲げる当該格付に対応する信用リスク区分の区分に応じ、同表に定める比率

信用リスク区分

リスク・ウェイト(パーセント)

7―1

十五

7―2

五十

7―3

7―4

千二百五十

2 金庫が保有する証券化エクスポージャーについて外部格付準拠方式を用いて算出されるリスク・ウェイトが、同一の証券化取引における最優先証券化エクスポージャー(格付(次条に規定する推定格付を含む。)及び残存期間が当該保有する証券化エクスポージャーと同一のものに限る。以下この項において「フロア参照証券化エクスポージャー」という。)について外部格付準拠方式を用いて算出されるリスク・ウェイトを下回るときは、当該保有する証券化エクスポージャーのリスク・ウェイトはフロア参照証券化エクスポージャーのリスク・ウェイトとする。

 

(推定格付の利用に関する運用要件)

第二百三十五条 次に掲げる要件の全てを満たす無格付の証券化エクスポージャーは、当該証券化エクスポージャーと同順位であるもの又は当該証券化エクスポージャーに劣後する証券化エクスポージャーの中で最も優先するもの(以下この条及び次条第一項において「参照証券化エクスポージャー」という。)に対して適格格付機関の付与する格付と同じ格付(第四号において「推定格付」という。)を有するものとみなす。

一 参照証券化エクスポージャーが、裏付資産、信用リスク削減手法の適用状況その他の優先劣後構造に関する要素を勘案した上で、当該無格付の証券化エクスポージャーに対して同順位又は劣後するものであること。

二 参照証券化エクスポージャーの残存期間が、当該無格付の証券化エクスポージャーの残存期間を下回るものでないこと。

三 参照証券化エクスポージャーに付与された格付が、次条第二項に規定する証券化取引における格付の適格性に関する基準を満たすものであること。

四 金庫が、当該無格付の証券化エクスポージャーの順位が劣後する事象が発生した場合又は参照証券化エクスポージャーに対する適格格付機関による格付の変更がなされた場合に当該事象又は変更を反映させるために、継続的に推定格付を更新する体制を整えていること。

 

(外部格付の利用に関する運用要件等)

第二百三十六条 証券化エクスポージャー(参照証券化エクスポージャーを含む。以下この条において同じ。)に適格格付機関の格付が付与されている場合であっても、次の各号のいずれかに該当するときは、当該証券化エクスポージャーについて当該格付が付与されていないものとみなす。

一 適格格付機関の付与する格付が証券化取引における格付の適格性に関する基準のいずれかを満たさないとき。

二 適格格付機関が証券化エクスポージャーに付与する格付が、裏付資産の全部又は一部に対して提供されている保証又はクレジット・デリバティブの効果を反映したものである場合において、保証人又はプロテクション提供者が第九十七条各号に掲げるもの(以下この号において「適格保証人等」という。)に該当しないとき。ただし、当該保証人又はプロテクション提供者と密接な関係を有する適格保証人等の信用力が、当該証券化エクスポージャーに付与された格付に適切に反映されている場合を除く。

三 信用リスク削減手法が一の証券化取引における特定の証券化エクスポージャーのみを保全する場合において、適格格付機関が当該証券化エクスポージャーに付与する格付が当該信用リスク削減手法の効果を反映したものであるとき。

2 前項第一号の「証券化取引における格付の適格性に関する基準」とは、次に掲げるものをいう。

一 適格格付機関の付与する格付が、元本、利息その他の要素に照らして金庫が保有するエクスポージャーの信用リスクを適切に反映していること。

二 適格格付機関の付与する格付が、格付を付与するための手続、手法及び前提並びに格付評価の主要な根拠(証券化取引に関する分析内容を含む。)とともに公表されており、かつ、格付推移行列に含まれるものであること。

三 適格格付機関の付与する格付が、証券化エクスポージャーの格付機関として実績のある適格格付機関により付与されたものであること。

四 金庫が保有する証券化エクスポージャーに対して付与された適格格付機関の格付が、当該金庫による流動性補完、信用補完その他の事前の資金の払込みを伴わない方法による信用供与に基づき付与されたものではないこと。

3 第二十四条の規定は、金庫が複数の適格格付機関の格付を利用し、かつ、当該各適格格付機関が証券化エクスポージャーに付与した格付に対応するリスク・ウェイトが異なる場合について準用する。

4 第二十一条の規定は、金庫が外部格付準拠方式を使用する場合について準用する。この場合において、同条中「標準的手法採用金庫」とあるのは「金庫」と、同条第四項中「以下この章」とあるのは「第六章」と読み替えるものとする。

5 金庫の保有する証券化エクスポージャーが第一項第三号に該当する場合には、同号に規定する信用リスク削減手法の効果を勘案して当該証券化エクスポージャーの信用リスク・アセットの額を算出することができる。

 

第四目 内部評価方式

(内部評価方式の承認)

第二百三十七条 内部格付手法採用金庫は、金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を受けた場合には、内部評価方式により証券化エクスポージャー(ABCPプログラムに対する流動性補完、信用補完その他の証券化エクスポージャーであって無格付のものに限る。)のリスク・ウェイトを算出することができる。

 

(承認申請書の提出)

第二百三十七条の二 内部評価方式の使用について前条の承認を受けようとする内部格付手法採用金庫は、次に掲げる事項を記載した承認申請書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

一 名称

二 自己資本比率を把握し管理する責任者の氏名及び役職名

2 前項の承認申請書には、次に掲げる書類を添付するものとする。

一 理由書

二 前項第二号に規定する責任者の履歴書

三 内部評価制度(金庫がABCPプログラムに対する無格付の証券化エクスポージャーについて内部評価を付与するために内部で構築している制度をいう。以下同じ。)の構築及び利用その他の内部評価方式の運用が承認の基準に適合していることを示す書類

四 内部評価方式実施計画

五 その他参考となるべき事項を記載した書類

3 前項第四号に掲げる内部評価方式実施計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。

一 内部評価方式を適用する範囲及びその適用を開始する日

二 内部評価方式の適用を除外する予定の範囲

 

(承認の基準)

第二百三十七条の三 金融庁長官及び厚生労働大臣は、内部評価方式の使用について第二百三十七条の承認をしようとするときは、内部格付手法採用金庫が内部評価方式の使用を計画するABCPプログラムの運営が次項に規定する「ABCPプログラムの運営に関する基準」に適合するかどうか及び当該内部格付手法採用金庫による内部評価制度の運用が第三項に規定する「内部評価制度の設計及び運用に関する基準」に適合するかどうか(次条において「承認の基準」という。)を審査するものとする。

2 前項の「ABCPプログラムの運営に関する基準」とは、次に掲げるものをいう。

一 ABCPに対して適格格付機関による格付が付与されており、かつ、当該格付が第二百三十六条第二項に規定する証券化取引における格付の適格性に関する基準に適合すること。

二 ABCPに格付を付与する適格格付機関の選択に当たっては、格付手法の比較的緩やかな格付機関のみを選択することなく、かつ、選択した適格格付機関が格付手法(ストレス・ファクターを含む。)を変更した場合には、内部評価の基準を変更する必要性について検討するものであること。

三 ABCPプログラムにおける資産の引受けに関するガイドラインが設けられ、かつ、当該ガイドラインにおいて原資産の購入取引の仕組みの概要が定められていること。

四 証券化取引における原資産の譲渡人のリスク特性に関する信用分析が行われていること。

五 次に掲げる事項その他の購入する原資産の適格性に関する基準を設けていること。

イ 長期にわたって延滞している債権及びデフォルトした債権の購入の禁止

ロ 個別債務者又は地域的な信用供与の集中制限

ハ 購入可能な債権の満期に関する上限

六 ABCPの裏付資産の潜在的な信用力低下を防止するために、証券化エクスポージャーの裏付資産プールごとに購入停止措置その他の資産の購入に関する対策がABCPプログラムに組み込まれていること。

七 ABCPプログラムにおいてサービサーの業務遂行能力及び信用リスクを勘案した回収の手順が定められていること。

八 ABCPプログラムにおいて裏付資産に係る元利金の回収の極大化を図るため証券化取引の原資産の譲渡人及びサービサーについて生じ得るリスクを削減するための対策が講じられていること。

3 第一項の「内部評価制度の設計及び運用に関する基準」とは、次に掲げるものをいう。

一 ABCPプログラムに対する証券化エクスポージャーの信用リスクに係る内部評価が、適格格付機関が当該ABCPプログラムにおいて購入された原資産に用いる評価基準に準拠したものであり、かつ、最初に評価した日において投資適格相当以上であること。

二 内部評価が経営情報及び資本配賦のシステムその他の金庫の内部リスク管理のプロセスに組み込まれており、かつ、前章第四節に規定する内部格付手法の最低要件に沿ったものであること。

三 内部評価手続によってリスクの程度が識別され、かつ、各内部評価と適格格付機関による格付との対応関係が明確に定められていること。

四 内部評価のプロセス(信用補完の水準を定めるためのストレス・ファクターを含む。)が、主要な適格格付機関(内部評価のプロセスにおいて評価の対象とするABCPプログラムにおいて購入される原資産と同種の資産を裏付資産とするABCPの格付を行っているものに限る。)が公表している評価基準以上に保守的なものであること。

五 ABCPに対して二以上の適格格付機関による格付が付与されている場合において、同等の格付を取得するのに必要とされる信用補完の水準が異なるときは、より保守的な信用補完の水準を要求する適格格付機関のストレス・ファクターを用いること。

六 評価の対象とする資産又はエクスポージャーについて適格格付機関の格付手法が公表されていること。ただし、ABCPの格付を行う適格格付機関の格付手法の適用対象に含まれない新規の取引又は特殊な取引について、当該取引に基づくABCPに内部評価手法を用いることにつき金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を得た場合には、この限りでない。

七 内部若しくは外部の監査人、適格格付機関又は金庫内の信用評価部門若しくはリスク管理部門が内部評価のプロセス及びその有効性について定期的な監査を行うこと。

八 前号の監査を行う者が、金庫内の顧客対応及びABCPを担当する事業部門から独立していること。

九 内部評価方式による運用の実績を評価するために当該実績が継続的に記録されており、かつ、エクスポージャーの実績が対応する内部評価から恒常的にかい離している場合には、必要に応じて調整が行われていること。

十 ABCPプログラムにおいて購入を検討している原資産プールの損失を推計するに当たって、信用リスク及び希薄化リスクその他の生じ得るリスクに関する全ての要因が勘案されていること。

 

(変更に係る届出)

第二百三十七条の四 内部評価方式の使用について承認を受けた内部格付手法採用金庫は、次の各号のいずれかに該当する場合には、遅滞なく、その旨及びその内容を金融庁長官及び厚生労働大臣に届け出るものとする。

一 承認申請書の記載事項に変更がある場合

二 承認申請書の添付書類の記載事項に重要な変更がある場合

三 承認の基準に適合しない事由が生じた場合

2 前項第三号の規定による届出を行う場合には、内部格付手法採用金庫は、承認の基準に適合しない事由に関する改善計画を、当該届出と同時に、又はその届出後速やかに提出するものとする。

 

(承認の取消し)

第二百三十七条の五 金融庁長官及び厚生労働大臣は、内部評価方式の使用について承認を受けた内部格付手法採用金庫が前条第一項第二号の届出を怠った場合又は同項第三号に該当する場合で、内部評価方式を用いて証券化エクスポージャーのリスク・ウェイトを算出することが不適当と判断したときは、第二百三十七条の承認を取り消すことができる。

 

(リスク・ウェイト)

第二百三十七条の六 内部格付手法採用金庫は、第二百三十七条の承認を受けた場合には、内部評価制度により証券化エクスポージャーに付与した内部評価をこれに相当する適格格付機関の付与する格付にひも付けすることにより、当該格付を有するものとして、第二百三十四条の規定を準用してリスク・ウェイトを算出するものとする。

 

第五目 標準的手法準拠方式

(リスク・ウェイト)

第二百三十八条 標準的手法準拠方式により算出される証券化エクスポージャーのリスク・ウェイトは、次の各号に掲げる場合の区分に応じて、当該各号に定める比率とする。

一 デタッチメント・ポイント(D)がKA(第二百六十四条の規定により算出される延滞率を勘案した裏付資産の所要自己資本率(KA)をいう。以下同じ。)以下の場合 千二百五十パーセント

 画像 )に十二・五を乗じて得られる比率(当該比率が、再証券化エクスポージャーについて百パーセントを下回る場合にあっては百パーセント、それ以外の証券化エクスポージャーについて十五パーセントを下回る場合にあっては十五パーセント)

三 アタッチメント・ポイント(A)がKA未満であり、かつ、デタッチメント・ポイント(D)がKAを超える場合 次に掲げる算式により算出される比率(当該比率が、再証券化エクスポージャーについて百パーセントを下回る場合にあっては百パーセント、それ以外の証券化エクスポージャーについて十五パーセントを下回る場合にあっては十五パーセント)

  画像

 画像 は、次条の規定により算出されるKA超過部分の所要自己資本率

2 金庫が保有する証券化エクスポージャーが無格付である場合(第二百三十五条の規定により推定格付を有するものとみなされる場合を除く。)であって、当該保有する証券化エクスポージャーについて標準的手法準拠方式を用いて算出されるリスク・ウェイトが、当該保有する証券化エクスポージャーに優先する適格格付機関の格付が付与されている証券化エクスポージャーの中で最も劣後するもの(以下この項において「フロア参照証券化エクスポージャー」という。)について外部格付準拠方式を用いて算出されるリスク・ウェイトを下回るときは、当該保有する証券化エクスポージャーのリスク・ウェイトは、フロア参照証券化エクスポージャーのリスク・ウェイトとする。

3 前二項の規定にかかわらず、証券化エクスポージャーの裏付資産のエクスポージャーの総額に対し、延滞状況を把握していない原資産のエクスポージャーの総額が占める割合が五パーセントを超える場合には、当該証券化エクスポージャーについて標準的手法準拠方式を用いてリスク・ウェイトを算出することができない。この場合において、当該証券化エクスポージャーには、千二百五十パーセントのリスク・ウェイトを適用するものとする。

4 第一項の規定により再証券化エクスポージャーに適用するリスク・ウェイトを算出するに当たっては、同項及び次条に規定するKAは、当該再証券化エクスポージャーの裏付資産を証券化エクスポージャーに該当する部分と該当しない部分に区分した上、その区分ごとにKAを算出し、当該区分ごとのエクスポージャーの額で加重平均した値とする。この場合において、当該再証券化エクスポージャーの裏付資産のうち証券化エクスポージャーに該当する部分についてKAを算出するに当たっては、同条、第二百四十条及び第二百四十二条の規定にかかわらず、当該部分に係る原資産プールの延滞率(W)は、零とする。

 

 (KA超過部分の所要自己資本率(画像)))

第二百三十九条 前条第一項第二号及び第三号のKA超過部分の所要自己資本率画像
)は、次に掲げる算式により算出される値をいう。

 画像

 a=-(1/(p*KA))

 u=D-KA

 l=max(A-KA,0)

 e、A、D、p及びKAは、それぞれ次に掲げるものとする。

 eは、自然対数の底(2.71828を用いるものとする。)

 Aは、アタッチメント・ポイント(A)

 Dは、デタッチメント・ポイント(D)

 pは、1(ただし、再証券化エクスポージャーについては、1.5とする。)

 KAは、次条の規定により算出される延滞率を勘案した裏付資産の所要自己資本率

 

(延滞率を勘案した裏付資産の所要自己資本率(KA))

第二百四十条 前二条の延滞率を勘案した裏付資産の所要自己資本率(KA)は、次条の規定により算出される標準的手法による裏付資産の所要自己資本率(KSA)及び第二百四十二条の規定により算出される原資産プールの延滞率(W)を用いて、次に掲げる算式により算出される値とする。

 KA=(1-W)・KSA+W・0.5

2 前項のKAを算出するに当たり、原資産プールの一部に延滞状況を把握していない原資産が存在する場合には、裏付資産のエクスポージャーの総額に対し、当該延滞状況を把握していない原資産のエクスポージャーの総額が占める割合が五パーセント以下であるときに限り、次に掲げる算式によりKAを算出することができる。この場合において、裏付資産のエクスポージャーを、当該延滞状況を把握していない原資産に係る部分とそれ以外の部分に分割し、当該延滞状況を把握していない原資産に係る部分以外の部分について前項に規定するKA及び次条に規定するKSAをそれぞれ算出するものとする。

 画像

 EADSubpool1、EADSubpool2、EADTotal及び画像
は、それぞれ次に掲げるものとする。

 EADSubpool1は、裏付資産のエクスポージャーのうち延滞状況を把握していない原資産に係る部分以外のエクスポージャーの総額

 EADSubpool2は、裏付資産のエクスポージャーのうち延滞状況を把握していない原資産に係る部分のエクスポージャーの総額

 EADTotalは、裏付資産のエクスポージャーの総額

 画像 は、裏付資産のエクスポージャーのうち延滞状況を把握していない原資産に係る部分以外の部分について前項の規定により算出したKA

 

(標準的手法による裏付資産の所要自己資本率(KSA))

第二百四十一条 前条第一項の標準的手法による裏付資産の所要自己資本率(KSA)は、SAプール又は混合プールに係る証券化エクスポージャーの裏付資産のエクスポージャー(オフ・バランス取引に係るエクスポージャーを含む。以下この条において同じ。)について標準的手法により算出される所要自己資本の額(標準的手法により算出される信用リスク・アセットの額に八パーセントを乗じて得た額をいう。第四項において同じ。)の合計額(以下この条において「裏付資産の所要自己資本の額の合計額」という。)を、当該裏付資産のエクスポージャーの総額で除して得た値を小数で表したものとする。

2 前項のKSAの算出に当たって、証券化取引において、証券化目的導管体を用いている場合には、当該証券化目的導管体の全てのエクスポージャーを裏付資産として取り扱うものとする。ただし、重要でないことが明らかなエクスポージャーについては、この限りでない。

3 第一項の裏付資産の所要自己資本の額の合計額の算出に当たっては、同項の証券化エクスポージャーを保有する金庫が裏付資産を直接保有していない場合であっても、当該裏付資産を直接保有しているものとみなす。

4 第一項のKSAの算出に当たって、裏付資産に金利スワップ、通貨スワップその他のヘッジを目的とした派生商品取引(クレジット・デフォルト・スワップを除く。)が含まれる場合には、これらの取引の相手方に対する信用リスクに係る所要自己資本の額は、裏付資産の所要自己資本の額の合計額に含めるものとし、当該取引の相手方に対する信用リスクに係るエクスポージャーの額は、裏付資産のエクスポージャーの総額に含めないものとする。

5 第一項のKSAの算出に当たっては、裏付資産に適用される信用リスク削減手法の効果を勘案することができる。

6 第一項の裏付資産の所要自己資本の額の合計額及び裏付資産のエクスポージャーの総額を算出するに当たっては、裏付資産のエクスポージャーに対する個別貸倒引当金及び原資産の購入又は譲渡に伴い発生したディスカウントの額(返金を要しないものに限る。)を勘案しないものとする。

 

(原資産プールの延滞率(W))

第二百四十二条 第二百四十条第一項の原資産プールの延滞率(W)は、原資産プールを構成するエクスポージャーのうち、第四十二条第一項に規定する延滞エクスポージャー及び次に掲げる事由のいずれかが発生した場合のエクスポージャーの総額を、原資産プールのエクスポージャーの総額で除して得られる値とする。

一 債務超過、破産手続開始の決定、再生手続開始の決定、更生手続開始の決定、特別清算開始の命令その他これらに類する事由

二 差押え、仮差押えその他の強制執行手続

三 証券化取引の関連契約で規定されるデフォルト事由

 

第六目 リスク・ウェイトの上限

(証券化エクスポージャーに適用するリスク・ウェイトの上限)

第二百四十三条 金庫は、第二目から前目までの規定にかかわらず、最優先証券化エクスポージャー(再証券化エクスポージャーを除く。)を保有する場合であって、その裏付資産の構成を常に把握することができるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める値を当該最優先証券化エクスポージャーに適用されるリスク・ウェイトの上限とすることができる。

一 当該最優先証券化エクスポージャーがIRBプールに係る証券化エクスポージャーである場合 前章の規定により算出される信用リスク・アセットの額と期待損失の額に十二・五を乗じて得た額の合計額を当該最優先証券化エクスポージャーの額で除して得た割合をリスク・ウェイトとして使用して、当該裏付資産の全てのエクスポージャーを対象に算出される金額を加重平均したリスク・ウェイト

二 当該最優先証券化エクスポージャーがSAプールに係る証券化エクスポージャーである場合 第四章の規定により算出されるリスク・ウェイトを使用して、当該裏付資産の全てのエクスポージャーを対象に算出される金額を加重平均したリスク・ウェイト

三 当該最優先証券化エクスポージャーが混合プールに係る証券化エクスポージャーであり、金庫が内部格付手法準拠方式を用いる場合 当該裏付資産のエクスポージャーのうち第一条第七十二号イ及びロに掲げる要件の全てを満たすものにあっては前章の規定により算出される信用リスク・アセットの額と期待損失の額に十二・五を乗じて得た額の合計額を当該最優先証券化エクスポージャーの額で除して得た割合をリスク・ウェイトとして使用し、それ以外のものにあっては第四章の規定により算出されるリスク・ウェイトを使用した場合の当該裏付資産の全てのエクスポージャーを対象に算出される金額を加重平均したリスク・ウェイト

四 当該最優先証券化エクスポージャーが混合プールに係る証券化エクスポージャーであり、金庫が外部格付準拠方式又は標準的手法準拠方式を用いる場合 第四章の規定により算出されるリスク・ウェイトを使用して、当該裏付資産の全てのエクスポージャーを対象に算出される金額を加重平均したリスク・ウェイト

 

第七目 適格STC証券化エクスポージャー及び適格短期STC証券化エクスポージャー

(適格STC証券化エクスポージャーのリスク・ウェイト)

第二百四十三条の二 適格STC証券化エクスポージャーが次の各号に掲げる場合に該当する場合には、当該適格STC証券化エクスポージャーのリスク・ウェイトは、第二目から第五目までの規定にかかわらず、当該各号に定めるところにより算出することができる。ただし、当該適格STC証券化エクスポージャーが最優先証券化エクスポージャーである場合において、当該適格STC証券化エクスポージャーのリスク・ウェイトが十パーセントを下回るときは十パーセント、当該適格STC証券化エクスポージャーが最優先証券化エクスポージャーでない場合において、当該適格STC証券化エクスポージャーのリスク・ウェイトが十五パーセントを下回るときは十五パーセントする。

一 内部格付手法準拠方式を用いてリスク・ウェイトを算出する証券化エクスポージャーである場合 第二目の規定を準用する。この場合において、第二百三十三条第一項に規定するパラメーター(p)は、同項に掲げる算式にかかわらず、次に掲げる算式により算出される値とする。

  p=max[0.3,(A+B*(1/N)+C*KIRB+D*LGD+E*MT)*0.5]

 この式において、KIRBにあっては第二百三十条に定めるところにより、N、LGD、MT、A、B、C、D及びEにあっては第二百三十三条に定めるところによる。

二 外部格付準拠方式又は内部評価方式を用いてリスク・ウェイトを算出する証券化エクスポージャーである場合 それぞれ第三目又は第四目の規定を準用する。この場合において、第二百三十四条第一項の規定は、次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定めるところにより読み替えるものとする。

イ 適格格付機関の付与する格付又は推定格付(第二百三十五条に規定する推定格付をいう。ロ及びハにおいて同じ。)が長期格付であって、当該証券化エクスポージャーが最優先証券化エクスポージャーである場合 第二百三十四条第一項第一号イ中「

信用リスク区分

証券化エクスポージャーの残存期間

一年(パーセント)

五年(パーセント)

6―1

十五

二十

6―2

十五

三十

6―3

二十五

四十

6―4

三十

四十五

6―5

四十

五十

6―6

五十

六十五

6―7

六十

七十

6―8

七十五

九十

6―9

九十

百五

6―10

百二十

百四十

6―11

百四十

百六十

6―12

百六十

百八十

6―13

二百

二百二十五

6―14

二百五十

二百八十

6―15

三百十

三百四十

6―16

三百八十

四百二十

6―17

四百六十

五百五

6―18

千二百五十

」とあるのは、「

信用リスク区分

証券化エクスポージャーの残存期間

一年(パーセント)

五年(パーセント)

6―1

6―2

十五

6―3

十五

二十

6―4

十五

二十五

6―5

二十

三十

6―6

三十

四十

6―7

三十五

四十

6―8

四十五

五十五

6―9

五十五

六十五

6―10

七十

八十五

6―11

百二十

百三十五

6―12

百三十五

百五十五

6―13

百七十

百九十五

6―14

二百二十五

二百五十

6―15

二百八十

三百五

6―16

三百四十

三百八十

6―17

四百十五

四百五十五

6―18

千二百五十

」と読み替えるものとする。

ロ 適格格付機関の付与する格付又は推定格付が長期格付であって、当該証券化エクスポージャーが最優先証券化エクスポージャーでない場合 第二百三十四条第一項第一号ロ中「

信用リスク区分

証券化エクスポージャーの残存期間

1年(パーセント)

5年(パーセント)

6―1

15

70

6―2

15

90

6―3

30

120

6―4

40

140

6―5

60

160

6―6

80

180

6―7

120

210

6―8

170

260

6―9

220

310

6―10

330

420

6―11

470

580

6―12

620

760

6―13

750

860

6―14

900

950

6―15

1050

6―16

1130

6―17

1250

6―18

1250

」とあるのは、「

信用リスク区分

証券化エクスポージャーの残存期間


1年(パーセント)

5年(パーセント)

6―1

15

40

6―2

15

55

6―3

15

70

6―4

25

80

6―5

35

95

6―6

60

135

6―7

95

170

6―8

150

225

6―9

180

255

6―10

270

345

6―11

405

500

6―12

535

655

6―13

645

740

6―14

810

855

6―15

945

6―16

1015

6―17

1250

6―18

1250

」と読み替えるものとする。

ハ 適格格付機関の付与する格付又は推定格付が短期格付の場合 第二百三十四条第一項第二号中「

信用リスク区分

リスク・ウェイト(パーセント)

7―1

十五

7―2

五十

7―3

7―4

千二百五十

」とあるのは、「

信用リスク区分

リスク・ウェイト(パーセント)

7―1

7―2

三十

7―3

六十

7―4

千二百五十

」と読み替えるものとする。

三 標準的手法準拠方式を用いてリスク・ウェイトを算出する証券化エクスポージャーである場合 第五目の規定を準用する。この場合において、第二百三十九条中「1(ただし、再証券化エクスポージャーについては、1.5とする。)」とあるのは、「0.5」と読み替えるものとする。

2 前目の規定は、前項各号に掲げる場合について準用する。

3 第一項の「適格STC証券化エクスポージャー」とは、次に掲げる要件の全てを満たすことをオリジネーター及び投資家が常に確認することができる資産譲渡型証券化取引に係るエクスポージャー(次条第二項各号に掲げる証券化エクスポージャー及び再証券化エクスポージャーを除く。)をいう。

一 原資産の特性が同質であること。

二 投資家が証券化取引のリスク特性を把握するために十分な期間にわたる原資産と実質的にリスク特性が類似する資産に係る損失実績(延滞状況を含む。)に関する情報を入手可能であること。

三 オリジネーターが、原資産と実質的にリスク特性が類似する資産につき、次のイ又はロに掲げるエクスポージャーの区分に応じて、当該イ又はロに定める組成の経験年数を有していること。

イ 個人向けのエクスポージャー又はこれに類するもの 五年以上

ロ イに掲げるもの以外のエクスポージャー 七年以上

四 原資産が原資産プールに含められる時点で、次に掲げる要件の全てを満たすこと。

イ 当該原資産プールに延滞若しくはデフォルトの状態又はこれらの兆候を示す債権が含まれていないこと。

ロ 証券化取引の関係者がデフォルトの可能性が高いことを示す証拠を認識している債権又は差押え、仮差押えその他の強制執行手続が行われている債権が含まれていないこと。

五 原資産プールを構成する全ての債権が次のイからニまでのいずれにも該当しないことについて、オリジネーターによる確認が原則として証券化取引の実行日の四十五日前から実行日までの間に行われていること。

イ 債権の組成に先立つ三年の間に、債務者が破産手続開始の決定、再生手続開始の決定、更生手続開始の決定、特別清算開始の命令若しくは外国倒産処理手続の承認の決定(これらに準ずる外国の手続を含む。)を受けていること、又は債務者について特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律(平成十一年法律第百五十八号)第二条第三項に規定する特定調停が成立していること。

ロ 債務者に係る事故情報(延滞、債務整理、代位弁済その他債務者の支払能力が低下していることを推認させる情報をいう。)が公的な信用情報機関に登録されていること。

ハ 債務者が、適格格付機関による格付又はこれに類する外部信用評価を付与されている場合において、信用リスクが著しく高い、又はデフォルトしていると評価されていること。

ニ 当初の債権者(オリジネーターを含む。)と債務者との間で民事上の紛争が起きていること。

六 原資産プールを構成する債権が当該原資産プールに含められる時点で、当該債権の返済実績が原則として一回以上あること。

七 原資産プールを構成する債権が、著しい信用力の劣化を伴わず、かつ、著しく資産を劣化させないオリジネーターの一貫した審査基準に基づいて組成されていること。

八 原資産がオリジネーターによって恣意的に選択されたものではないこと。

九 オリジネーターが原資産に対して有効な支配権を有せず、当該オリジネーターの倒産手続等においても当該オリジネーター又は当該オリジネーターの債権者の支配権が及ばないように、原資産が法的に当該オリジネーターから隔離されており、かつ、かかる状態について弁護士等(自金庫の企業内弁護士を除く。)による適切な意見書を具備していること。

十 投資家が原資産に係る個別明細データ又はリスク特性を把握することができる階層別データ(分散度の高い原資産プールである場合のものに限る。)を証券化取引の実行前及び取引期間中に入手可能であること。

十一 証券化取引における投資家への償還が原資産の売却や借換えに依存するものではないこと。

十二 元本及び利息の支払に関し金利リスク又は外国為替リスクが存在する場合に、かかるリスクが適切にヘッジされ、かつ、投資家がヘッジ取引に関する情報を入手可能であること。

十三 元本及び利息の支払順位が関連契約において適切に規定され、かつ、元本及び利息の支払に関する情報(支払に影響を与える可能性がある事項に関する情報を含む。)が取引の実行前及び取引期間中に投資家に対して開示されていること。

十四 個々の原資産に係るオリジネーターの一切の権利(議決権を含む。)が当該原資産の証券化目的導管体への譲渡に伴い当該証券化目的導管体に移転され、かつ、投資家が有する権利が関連契約において明確に定められていること。

十五 投資家が弁護士等(自金庫の企業内弁護士を除く。)により確認されている適切な取引関連書類又はその写しを実務上可能な範囲で取引の実行前及び取引期間中に入手可能であること。

十六 オリジネーターが証券化エクスポージャーの一部を適切な態様で保有していること(第二百二十四条第三項各号に掲げる条件のいずれかを満たしていることを含む。)。

十七 証券化取引に係る業務受託者が次に掲げる要件の全てを具備していること。

イ 受託業務について高度な専門的知識をもって適切に業務遂行できる能力及び十分な実績を備えていること。

ロ 取引関連書類において、当該業務受託者につき、各トランシェの債権者の衡平を害しないよう行動する義務が規定されていること。

ハ 業務内容に応じた報酬体系が定められていること。

十八 取引関連書類に次に掲げる事項が明記されていること。

イ 当該証券化取引の関連当事者の契約上の義務及び責任

ロ 重要な関連当事者の信用力悪化時の交代に関する事項

十九 投資家が次に掲げる情報を入手可能であること。

イ 原資産に係る元本及び利息の支払実績(予定されていた支払額、期限前償還元本額及び未収利息の額を含む。)

ロ 原資産に係る延滞状況等

ハ その他証券化取引に係る収入及び支払に関する情報

二十 原資産のカットオフ日(証券化目的導管体に譲渡する原資産を確定する基準日をいう。次号並びに第二百四十三条の四第一項第一号及び第二号において同じ。)において、原資産が事業用不動産関連エクスポージャーではなく、かつ、第四章の規定により算出される原資産のリスク・ウェイト(信用リスク削減手法の効果を勘案することができる場合にあっては、当該効果の勘案後のリスク・ウェイト)が、次のイからハまでに掲げる原資産の種類に応じ、当該イからハまでに定める要件を満たしていること。

イ 自己居住用不動産等向けエクスポージャー又は賃貸用不動産向けエクスポージャー 個々の原資産のリスク・ウェイトを原資産のポートフォリオにおける金額により加重平均して得たリスク・ウェイトが四十パーセント以下であること。

ロ 中堅中小企業等向けエクスポージャー又は個人向けエクスポージャー(イに該当するものを除く。) 個々の原資産のリスク・ウェイトが七十五パーセント以下であること。

ハ イ及びロに掲げるもの以外のエクスポージャー 個々の原資産のリスク・ウェイトが百パーセント以下であること。

二十一 原資産のカットオフ日において、個々の原資産の債権の残高が原資産プールの全ての債権の残高の合計額に占める割合がいずれも一パーセント(原資産がいずれも事業法人向けエクスポージャーであり、かつ、オリジネーターが証券化取引における証券化エクスポージャーの最劣後のトランシェを保有し、当該最劣後のトランシェの合計額が当該証券化取引の原資産のエクスポージャーの総額の十パーセント以上である場合(オリジネーターが負担する信用リスクがこれと同等である場合を含む。)にあっては、二パーセント)以下であること。

二十二 法令(外国の法令を含む。)又は契約に基づき、当該証券化取引につき、前各号に掲げる要件又は外国におけるこれらの要件と同種類の要件を確認するために必要な情報を投資家に対して適切に開示することがオリジネーターに義務付けられていること。

 

(適格短期STC証券化エクスポージャーのリスク・ウェイト)

第二百四十三条の三 前条第一項及び第二項の規定は、適格短期STC証券化エクスポージャーのリスク・ウェイトの算出について準用する。

2 前項の「適格短期STC証券化エクスポージャー」とは、次の各号に掲げる証券化エクスポージャーの区分に応じ、当該各号に定める要件を満たすものをいう。

一 ABCP又はABCPプログラムにおける証券化目的導管体(以下この条において「ABCP証券化目的導管体」という。)に対する貸付け、流動性補完若しくは信用補完 トランザクションの適格要件及びABCP証券化目的導管体の適格要件

二 ABCP証券化目的導管体とセラー(ABCP証券化目的導管体に対してABCPの裏付資産となる債権を売却する者をいう。以下この条において同じ。)との間の取引に対する流動性補完又は信用補完 トランザクションの適格要件

3 前項各号の「トランザクションの適格要件」とは、次に掲げる要件の全てを満たすことをいう。

一 セラーが売却する債権が次に掲げる要件の全てを満たしていること。

イ 当該セラーが売却する債権が複数ある場合には、これらの債権の特性が同質であること。

ロ 証券化エクスポージャーでないこと。ただし、最優先証券化エクスポージャー(返金を要しないディスカウントによるものを除く。)である場合は、この限りでない。

二 セラーがABCP証券化目的導管体に債権を売却する時点で、スポンサー(ABCPプログラムを設定し、かつ、管理する者をいう。以下この条において同じ。)が当該債権のリスク特性を把握するために十分な期間にわたる当該債権と実質的にリスク特性が類似する資産に係る損失実績(延滞状況を含む。)に関する情報を入手可能であること。

三 セラーがABCP証券化目的導管体に債権を売却する時点で、スポンサーが次に掲げる情報の全てを入手可能であること。

イ 延滞若しくはデフォルトの状態又はこれらの兆候を示す債権でないこと。

ロ セラーがデフォルトの可能性が高いことを示す根拠を認識している債権又は差押え、仮差押えその他の強制執行手続が行われている債権でないこと。

四 次に掲げる事項について、セラー又はスポンサーによる確認が原則として行われていること。

イ ABCPの裏付資産を構成する全ての債権が次の(1)から(4)までのいずれにも該当しないこと。

(1) ABCPの組成に先立つ三年の間に、当該債権の債務者が破産手続開始の決定、再生手続開始の決定、更生手続開始の決定、特別清算開始の命令若しくは外国倒産処理手続の承認の決定(これらに準ずる外国の手続を含む。)を受けていること、又は当該債務者について特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律第二条第三項に規定する特定調停が成立していること。

(2) 当該債権の債務者に係る事故情報(延滞、債務整理、代位弁済その他当該債務者の支払能力が低下していることを推認させる情報をいう。)が公的な信用情報機関に登録されていること。

(3) 当該債権の債務者が、適格格付機関による格付又はこれに類する外部信用評価を付与されている場合において、信用リスクが著しく高い、又はデフォルトしていると評価されていること。

(4) 当該債権の当初の債権者(オリジネーターを含む。)と債務者との間で民事上の紛争が起きていること。

ロ ABCPの裏付資産を構成する債権がABCP証券化目的導管体に売却される時点で、当該債権の全てについて、その返済実績が原則として一回以上あること。

五 ABCP証券化目的導管体に売却された債権の当初の債権者がセラーである場合には、当該債権が、著しい信用力の劣化を伴わず、かつ、著しく資産を劣化させない当該セラーの一貫した審査基準に基づいて組成されていること。また、当該審査基準に重要な変更があったときは、変更の時期及び目的が当該セラーからスポンサーに開示されるものであること。

六 ABCPの裏付資産を構成する債権がセラーによって恣意的に選択され、売却されたものでないこと。

七 スポンサーが次に掲げる事項の全てについて弁護士等による適切な意見書により確認していること。

イ ABCP証券化目的導管体に売却された債権の当初の債権者、セラーその他の関係者が当該債権に対して有効な支配権を有していないこと。

ロ ABCP証券化目的導管体に売却された債権の当初の債権者、セラーその他の関係者の倒産手続等において当該債権に対して当該関係者の支配権が及ばないように、当該債権が法的に当該関係者から隔離されていること。

八 スポンサーが、次に掲げる時点の全てにおいて、セラーからABCPの裏付資産に係る個別明細データ(当該裏付資産の分散度が高い場合にあっては、個別明細データ又はリスク特性を把握することができる階層別データ)の提供を受けていること。

イ セラーがABCP証券化目的導管体に債権を売却する前の時点

ロ セラーがABCP証券化目的導管体に債権を売却した後の時点であって、スポンサーの求めるとき。

九 ABCPの償還がその裏付資産である債権の債務者の返済能力又は返済意思に依存するものであること。

十 セラーがABCP証券化目的導管体に売却した債権について、元本及び利息の支払に関し金利リスク又は外国為替リスクが存在する場合には、スポンサーがこれらのリスクが適切にヘッジされていることを確認していること。

十一 セラーがABCP証券化目的導管体に債権を売却する前の時点及び売却した後の時点において、スポンサーが次に掲げる要件の全てを満たしていること。

イ 当該債権に係る元本及び利息の支払順位が関連契約において適切に規定されていることを確認していること。

ロ 当該債権に係る元本及び利息の支払に関する情報(支払に影響を与える可能性がある事項に関する情報を含む。)を入手可能であること。

十二 スポンサーとセラーとの関連契約において、ABCP証券化目的導管体に譲渡された債権の債務者又はセラーに信用事由が発生した場合のABCP証券化目的導管体の有する権利が明確に定められていること。

十三 スポンサーが、セラーその他の取引関係者が高度な専門的知識をもって適切に業務遂行することができる能力及び十分な実績を備えていることを確認していること。

十四 セラーがスポンサーに対して次に掲げる事項を記載した書類を開示していること。

イ セラーと関連当事者(サービサー(委託又は再委託に基づき、当該セラーがABCP証券化目的導管体に売却した債権の管理、当該債権の債務者に対する当該債権の請求及び回収金の受領事務を受託した者をいう。ロにおいて同じ。)を含む。)との取引に係る契約上の義務及び責任

ロ 重要な関連当事者(サービサー及び当該セラーがABCP証券化目的導管体に売却した債権に対する流動性補完を提供する者を含む。)の信用力悪化時の交代に関する事項

十五 セラーがABCP証券化目的導管体に売却した債権の全てについて、スポンサーが次に掲げる情報の全てを入手可能であること。

イ 当該債権に係る元本及び利息の支払実績(予定されていた支払額、期限前償還元本額及び未収利息の額を含む。)

ロ 当該債権に係る延滞状況等

ハ イ及びロに掲げるもの以外の収入及び支払に関する情報

十六 債権の取得日において、当該債権が事業用不動産関連エクスポージャーではなく、かつ、第四章の規定により算出される当該債権のリスク・ウェイト(信用リスク削減手法の効果を勘案することができる場合にあっては、当該効果の勘案後のリスク・ウェイト)が、次のイからハまでに掲げる当該債権の種類に応じ、当該イからハまでに定める要件を満たしていること。

イ 自己居住用不動産等向けエクスポージャー又は賃貸用不動産向けエクスポージャー 個々のABCPの裏付資産(当該債権を含む。)のリスク・ウェイトを当該裏付資産のポートフォリオにおける金額により加重平均して得たリスク・ウェイトが四十パーセント以下であること。

ロ 中堅中小企業等向けエクスポージャー又は個人向けエクスポージャー(イに該当するものを除く。) 個々の当該債権のリスク・ウェイトが七十五パーセント以下であること。

ハ イ及びロに掲げるもの以外のエクスポージャー 個々の当該債権のリスク・ウェイトが百パーセント以下であること。

4 第二項第一号の「ABCP証券化目的導管体の適格要件」とは、次に掲げる要件の全てを満たすことをいう。

一 スポンサーが投資家に対して、前項第一号に掲げる要件の充足を疎明し、かつ、保証していること、及びその充足の状況を適時に説明することができること。

二 スポンサーが投資家に対してABCPプログラムのリスク特性を把握するために十分な期間にわたる裏付資産と実質的にリスク特性が類似する資産に係る損失実績(延滞状況を含む。)に関する情報を開示していること。

三 スポンサーが、次のイ又はロに掲げるABCPの裏付資産となる債権の区分に応じ、当該イ又はロに定める当該裏付資産と実質的にリスク特性が類似する資産を裏付資産とするABCPプログラムのスポンサーとしての経験年数を有していること。

イ 個人に対する債権又はこれに類するもの 三年以上

ロ イに掲げる債権以外のもの 五年以上

四 スポンサーが投資家に対して前項第三号及び第四号の要件の充足を疎明し、かつ、保証していること。

五 スポンサーが投資家に対して次に掲げる事項の全てを疎明し、かつ、保証していること。

イ ABCP証券化目的導管体により購入される債権に係る全ての引受方針が一貫したものであることを確認するための措置を講じていること。

ロ イの措置の内容を説明することができること。

ハ イの引受方針に変更があった場合において、スポンサーがセラーから遅滞なく当該変更の内容及び目的を入手することができること。

六 スポンサーが投資家に対してセラーの選定基準を開示していること。

七 スポンサーが次に掲げる要件の全てを満たしていること。

イ ABCPの裏付資産を構成する債権への強制執行可能性を当該スポンサーが確認した結果について、投資家に対して疎明し、かつ、保証していること。

ロ ABCPの裏付資産を構成する債権の全てがセラーから隔離されていることについて当該セラーから疎明及び保証を受けていることを投資家に対して開示していること。

八 ABCP証券化目的導管体がABCPを発行する前の時点及び発行した後の取引期間中において、スポンサーが投資家に対してABCPの裏付資産に係るリスク特性を把握することができる集計データを提供していること。

九 スポンサーがABCP証券化目的導管体により発行されるABCPの全てに対して無条件かつ適時に全額を支払う流動性補完、信用補完その他のリスクに対する補完措置を提供していること。

十 スポンサーが前号の流動性補完、信用補完その他のリスクに対する補完措置の内容を投資家に対して提供していること。

十一 元本及び利息の支払に関し金利リスク又は外国為替リスクが存在する場合には、スポンサーがこれらのリスクが適切にヘッジされていることを確認し、かつ、その旨を投資家に対して開示していること。

十二 ABCP証券化目的導管体と投資家との間の取引関連書類において、当該ABCP証券化目的導管体がABCPの償還期限を延長することができる旨の特約が定められていないこと。

十三 スポンサーが次に掲げる要件の全てを満たしていること。

イ 元本及び利息の支払(ABCPプログラムに提供される信用補完によるものを含む。)に係る順位が関連契約において適切に規定されていることを投資家に対して開示していること。

ロ 前項第十一号イ及びロに掲げる要件を満たしていることを投資家に対して疎明し、かつ、保証していること。

十四 スポンサーが、自らに信用事由が発生した際に投資家が有する権利を当該投資家との関連契約において明確に定めていること。

十五 スポンサーが次に掲げる要件の全てを満たしていること。

イ ABCP証券化目的導管体がABCPを発行する前の時点において、スポンサーが投資家に対して弁護士等(自金庫の企業内弁護士を除く。)により確認されている適切な目論見書(当該ABCPに係るものに限る。)を実務上可能な範囲で開示していること。

ロ セラーがABCP証券化目的導管体に債権を売却する前の時点において、スポンサーが弁護士等(自金庫の企業内弁護士を除く。)により確認されている適切な目論見書(当該債権の売却に係るものに限る。)を実務上可能な範囲で入手可能であること。

十六 セラー又はスポンサーがABCPプログラムにおける信用リスクの一部を適切な態様で負担していること。また、スポンサーが投資家に対してその負担の態様を開示するものであること。

十七 次に掲げる期間のうちいずれか長い期間が三年以下であること。

イ ABCP証券化目的導管体が保有するABCPの個々の裏付資産の残存期間を当該裏付資産の残高で加重平均して算出した期間

ロ イに掲げる期間(当該期間を算出することができない場合にあっては、ABCP証券化目的導管体が保有するABCPの個々の裏付資産の残存期間のうち最も長いものとすることができる。)について、当該ABCP証券化目的導管体が発行する全てのABCPの残高で加重平均して算出した期間

十八 スポンサーが自己資本比率規制金融機関(バーゼル銀行監督委員会の定める自己資本比率の基準又はこれと類似の基準の適用を受ける金融機関(第一条第七号ロに掲げる者を除く。)、外国銀行、銀行持株会社又は銀行持株会社に準ずる外国の会社をいう。)に該当すること。

十九 スポンサーが前項各号に掲げる要件の全てを満たしているかどうかについて、投資家に対して疎明し、かつ、保証すること(セラーによる情報が必要である場合にあっては、当該セラーから疎明されている範囲において、投資家に対して疎明し、かつ、保証すること)ができること。

二十 スポンサーが次に掲げる要件の全てを満たしていること。

イ 流動性補完及び信用補完について高度な専門的知識をもって適切に業務遂行することができる能力及び十分な実績を備えていること。

ロ 取引関連書類において、投資家の利益のために行動する義務を定めていること。

二十一 ABCP証券化目的導管体とセラーとの間の取引関連書類、ABCP証券化目的導管体と投資家又は貸付けを行う者との間の取引関連書類その他取引関連書類に次に掲げる事項(ABCP証券化目的導管体とセラーとの間の取引関連書類にあっては、イ及びロに掲げる事項に限る。)が明記されていること。

イ ABCPプログラムの関連当事者の契約上の義務及び責任

ロ 重要な関連当事者の信用力悪化時の交代に関する事項

ハ ABCPプログラムに対する流動性補完又は信用補完の内容

二十二 ABCP証券化目的導管体がセラーから債権を取得する日において、個々の債権の残高が当該債権が裏付資産となるABCPの全ての裏付資産の残高の合計額に占める割合が、いずれも二パーセント(当該債権がいずれも事業法人向けエクスポージャーであり、かつ、セラー又はスポンサーが次のイ又はロに掲げるトランシェを保有し、当該トランシェの合計額が当該イ又はロに定める額の十パーセント以上である場合(セラー又はスポンサーが負担する信用リスクがこれと同等である場合を含む。)にあっては、三パーセント)以下であること。

イ ABCPの最劣後のトランシェ 当該ABCPの裏付資産となる債権の総額

ロ 当該債権の最劣後のトランシェ 当該債権の全てのトランシェの総額

 

第八目 不良債権証券化エクスポージャー

(令五金庁厚労告二・追加)

第二百四十三条の四 次に掲げる要件の全てに該当する証券化エクスポージャー(次項及び第四項において「不良債権証券化エクスポージャー」という。)のリスク・ウェイトは、当該リスク・ウェイトが内部格付手法準拠方式又は標準的手法準拠方式を用いて算出される場合には、第二目、第五目及び第六目の規定にかかわらず、百パーセントを下回らないものとする。

一 原資産のカットオフ日において当該証券化エクスポージャーに係る第二百四十二条の規定により算出される原資産プールの延滞率(W)が九十パーセント以上であること。

二 原資産の再編その他の理由による構成資産の入替えにかかわらず、前号に掲げる要件に係る状況が原資産のカットオフ日以降も継続することが見込まれること。

三 当該証券化エクスポージャーが再証券化エクスポージャーでないこと。

2 不良債権証券化エクスポージャーが次に掲げる要件の全てに該当する場合には、そのリスク・ウェイトは、第二目、第五目及び第六目の規定にかかわらず、百パーセントとすることができる。

一 資産譲渡型証券化取引に係るエクスポージャーに該当し、かつ、最優先証券化エクスポージャーに該当すること。

二 オリジネーターその他の者が当該不良債権証券化エクスポージャーに係る証券化目的導管体に原資産を譲渡するときに行ったディスカウントの額(返金を要しないものに限る。次項において同じ。)が証券化取引の原資産を構成する全ての資産の残高の合計額に占める割合が、五十パーセント以上であること。

三 当該不良債権証券化エクスポージャーのリスク・ウェイトを算出する方式が内部格付手法準拠方式又は標準的手法準拠方式であること。

3 前項第二号のディスカウントの額は、オリジネーターその他の者が一部のトランシェを引き受けている場合には、当該オリジネーターその他の者が当該トランシェを証券化目的導管体以外の第三者に初めて譲渡するときに限り、当該譲渡するときに行ったディスカウントの額を加えたものとすることができる。

4 内部格付手法採用金庫は、不良債権証券化エクスポージャーの裏付資産であるエクスポージャーが事業法人等向けエクスポージャーである場合において、当該エクスポージャーのLGD及びEADに自金庫推計値を用いないときは、当該エクスポージャーのリスク・ウェイトを算出する方式として内部格付手法準拠方式を用いないものとする。

 

第三款 信用リスク削減手法

(証券化エクスポージャーに対する信用リスク削減手法の適用に係る総則)

第二百四十四条 金庫が保有する証券化エクスポージャーの信用リスク・アセットの額を算出するに当たっては、証券化エクスポージャーに対して提供される保証又はクレジット・デリバティブによる信用リスク削減効果のほか、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める担保(証券化目的導管体から提供される担保を含む。)による信用リスク削減効果を勘案することができるものとする。

一 当該証券化エクスポージャーに適用するリスク・ウェイトの算出に当たり、内部格付手法準拠方式を用いる場合 次に掲げる担保

イ 第六十五条に規定する適格金融資産担保

ロ 第百三十一条第五項に規定する運用要件を満たす適格資産担保

二 当該証券化エクスポージャーに適用するリスク・ウェイトの算出に当たり、外部格付準拠方式又は標準的手法準拠方式を用いる場合 第六十四条に規定する適格金融資産担保(包括的手法を用いる場合にあっては、第六十五条に規定する適格金融資産担保)

2 第四章第六節並びに第百二十八条第一項、第四項及び第五項の規定は、前項の規定により保証又はクレジット・デリバティブによる信用リスク削減効果を勘案する場合について準用する。この場合において、同節中「標準的手法採用金庫」とあるのは「金庫」と、第九十七条第二号中「適格格付機関が格付を付与しているもの」とあるのは「適格格付機関が、3―3以上の信用リスク区分に対応する格付を付与しており、かつ、信用リスク削減手法を勘案する当初の時点において、3―2以上の信用リスク区分に対応する格付を付与しているもの」と、「関連会社を含む」とあるのは「関連会社を含み、証券化目的導管体を除く」と、第百五条中「エクスポージャーの残存期間」とあるのは「エクスポージャーの残存期間(一の信用リスク削減手法が残存期間の異なる複数の証券化エクスポージャーに対して提供されている場合にあっては、残存期間が最も長い証券化エクスポージャーのものとする。次条において同じ。)」と、第百二十八条第一項中「前条の規定にかかわらず、内部格付手法採用金庫」とあるのは「内部格付手法採用金庫」と、「事業法人等向けエクスポージャー」とあるのは「証券化エクスポージャー」と、同条第四項及び第五項中「第九十九条」とあるのは「第九十九条、第百二条」と読み替えるものとする。

3 第四章第六節の規定は、第一項(第一号イ及び第二号に係る部分に限る。)の規定により適格金融資産担保による信用リスク削減効果を勘案する場合について準用する。この場合において、同節中「標準的手法採用金庫」とあるのは「金庫」と、第八十九条第一号中「エクスポージャーの残存期間」とあるのは「エクスポージャーの残存期間(一の信用リスク削減手法が残存期間の異なる複数の証券化エクスポージャーに対して提供されている場合にあっては、残存期間が最も長い証券化エクスポージャーのものとする。第百五条及び第百六条において同じ。)」と読み替えるものとする。

4 第百三十一条第三項(ただし書を除く。)から第五項(第四号を除く。)までの規定は、第一項(第一号ロに係る部分に限る。)の規定により適格資産担保による信用リスク削減効果を勘案する場合について準用する。この場合において、これらの規定中「基礎的内部格付手法採用金庫」とあるのは「内部格付手法採用金庫」と、「前項の規定にかかわらず、事業法人等向けエクスポージャー(劣後債権を除く。)」とあるのは「証券化エクスポージャー」と、「又は適格金融資産担保が設定されている場合」とあるのは「が設定されている場合」と、「事業法人等向けエクスポージャー」とあるのは「証券化エクスポージャー」と、「事業法人等向けエクスポージャー(劣後債権を除く。)」とあるのは「証券化エクスポージャー」と読み替えるものとする。

 

(比例的な信用リスク削減手法の取扱い)

第二百四十五条 金庫が、証券化エクスポージャーに対して比例的な信用リスク削減手法(信用リスク削減手法によって信用リスク削減効果が提供されている部分が当該信用リスク削減効果の提供対象となるエクスポージャーの全額より小さい場合において、当該信用リスク削減効果を提供する者と受ける者が、当該エクスポージャーに係る損失を当該信用リスク削減効果が提供されている部分のエクスポージャーの額とそれ以外の部分のエクスポージャーの額との割合に応じて負担する信用リスク削減手法をいう。次項において同じ。)による信用リスク削減効果を提供している場合には、当該証券化エクスポージャーに対して当該信用リスク削減効果を提供する部分を直接保有しているものとみなして信用リスク・アセットの額を算出するものとする。

2 金庫が、保有する証券化エクスポージャーに対して比例的な信用リスク削減手法による信用リスク削減効果の提供を受けている場合には、当該証券化エクスポージャーのうち信用リスク削減効果の提供を受けている部分についてのみ信用リスク削減効果を勘案することができるものとする。

 

(階層化された信用リスク削減手法の取扱い)

第二百四十六条 金庫が、証券化エクスポージャーに対して階層化された信用リスク削減手法(エクスポージャーの信用リスクを優先度の異なる複数の階層に分割して、一以上の階層に係る信用リスクを、信用リスク削減手法を提供する一又は複数の者に移転する信用リスク削減手法をいう。次項及び第三項において同じ。)による信用リスク削減効果を提供している場合には、当該証券化エクスポージャーについて分割された複数の階層のうち当該金庫が信用リスク削減効果を提供する階層を直接保有するものとみなしてこの章の規定を適用し、信用リスク・アセットの額を算出するものとする。この場合において、分割された個々の階層を当初の証券化取引(当該証券化エクスポージャーの組成の原因となった証券化取引をいう。以下この条において同じ。)において組成された一のトランシェとみなすものとする。

2 金庫が、保有する証券化エクスポージャーに対して階層化された信用リスク削減手法による信用リスク削減効果の提供を受けている場合には、当該証券化エクスポージャーのうち信用リスク削減効果の提供を受けている部分についてのみ信用リスク削減効果を勘案することができるものとする。

3 前項の場合において、階層化された信用リスク削減手法による信用リスク削減効果を勘案した結果として、金庫が保有する証券化エクスポージャーの信用リスクを留保する部分があるときは、当該部分を当初の証券化取引において組成された一又は複数のトランシェとみなしてこの章の規定を適用し、当該部分の信用リスク・アセットの額を算出するものとする。

4 金庫が第一項に規定する信用リスク削減効果を提供する階層及び前項に規定する信用リスクを留保する部分(以下この条において「みなしトランシェ」という。)に係る証券化エクスポージャーの信用リスク・アセットの額を算出するに当たり、内部格付手法準拠方式又は標準的手法準拠方式を用いて算出したリスク・ウェイトを適用する場合には、当初の証券化取引における全ての裏付資産を対象として第二百三十条に規定するKIRB又は第二百四十一条に規定するKSAを算出するものとし、かつ、みなしトランシェごとにアタッチメント・ポイント(A)及びデタッチメント・ポイント(D)を算出するものとする。

5 金庫が複数の階層に分割される前の当初の証券化エクスポージャー(以下この項及び次項において「当初の証券化エクスポージャー」という。)自体の信用リスクを負っていると仮定した場合において、当該当初の証券化エクスポージャーの信用リスク・アセットの額を算出するに当たり、第二百二十六条の規定に基づいて外部格付準拠方式を用いるものと判定されるときは、みなしトランシェに係る証券化エクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算出には、次の各号に掲げる金庫が保有するみなしトランシェの状況の区分に応じて、当該各号に定めるリスク・ウェイトを適用するものとする。

一 当初の証券化エクスポージャーについて分割された複数の階層の中で最も優先度が高い階層である場合 外部格付準拠方式により算出される当初の証券化エクスポージャーのリスク・ウェイト

二 前号に掲げる場合に該当せず、当初の証券化取引において組成された当該当初の証券化エクスポージャーに劣後するトランシェから格付を推定することができる場合 前款第三目又は第七目の規定により当該推定された格付を前提として算出されるリスク・ウェイト(外部格付準拠方式の適用に当たっては、金庫が保有する階層の「T」(第二百三十四条第一項第一号ロに掲げる算式に規定するTをいう。)を使用するものとする。)

三 前二号のいずれにも該当しない場合 前款第五目、第七目又は第八目の規定により算出されるリスク・ウェイト。ただし、第一号に定めるリスク・ウェイトを下回らないものとする。

6 金庫が前二項の規定により信用リスク・アセットの額を算出するに当たって、当該金庫が保有するみなしトランシェが、当初の証券化エクスポージャーについて分割された複数の階層の中で最も優先度が高い階層以外の階層である場合には、当該当初の証券化エクスポージャーが当初の証券化取引において最優先証券化エクスポージャーとして組成されたものであっても、当該みなしトランシェを最優先エクスポージャーとして取り扱わないものとする。

 

第六章の二 CVAリスク

第一節 総則

(CVAリスク相当額の算出)

第二百四十六条の二 金庫は、CVAカバー取引を有する場合には、CVAリスク相当額を算出するものとする。

2 前項の「CVAカバー取引」とは、次に掲げる者以外の者を取引相手方とする派生商品取引又は金庫の財務会計において時価評価の対象となるレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引(重要性が低いものを除く。)をいう。

一 適格中央清算機関

二 金庫が適格中央清算機関の間接清算参加者である場合であって、次に掲げる要件の全てを満たす取引に係る直接清算参加者

イ 間接清算参加者のトレード・エクスポージャーについて、次に掲げる場合における間接清算参加者の損失の発生を防ぐための方策を適格中央清算機関又は直接清算参加者が講じていること。

(1) 直接清算参加者が債務不履行又は支払不能となった場合

(2) 他の間接清算参加者が債務不履行又は支払不能となった場合

ロ 間接清算参加者がその適格中央清算機関に対するトレード・エクスポージャーに係る清算取次ぎ等を委託している直接清算参加者が債務不履行又は支払不能により適格中央清算機関の清算参加者としての資格を失った場合においても、間接清算参加者が追加的な負担をすることなく他の直接清算参加者又は適格中央清算機関と当該トレード・エクスポージャーに関する契約を継続し、又は承継するための枠組みが存在していること。

三 資金清算機関等

 

(CVAリスク相当額の算出手法及び算出範囲)

第二百四十六条の二の二 金庫は、BA―CVA又はSA―CVAを用いてCVAリスク相当額を算出するものとする。

2 金庫は、前条第二項に規定するCVAカバー取引及び第二百四十六条の三の二に規定する適格BA―CVAヘッジ取引又は第二百四十六条の四の十三第一項に規定する適格SA―CVAヘッジ取引(以下この章において「CVAポートフォリオ」という。)を対象としてCVAリスク相当額を算出するものとする。

 

(CVAリスクに係るヘッジ取引)

第二百四十六条の二の三 外部CVAヘッジ取引がその取引の取引相手方の取引として第二百四十六条の二第二項に規定するCVAカバー取引に該当する場合には、当該外部CVAヘッジ取引の取引相手方に対するCVAリスク相当額を算出するものとする。

 

第二節 BA―CVA

(完全なBA―CVAと限定的なBA―CVA)

第二百四十六条の三 BA―CVAを用いてCVAリスク相当額を算出しようとする金庫が次条に規定する適格BA―CVAヘッジ取引のヘッジ効果を反映するときは、第二百四十六条の三の三に定める方法(次条及び第二百四十六条の三の三第一項において「完全なBA―CVA」という。)によるものとする。ただし、金庫がCVAヘッジ取引のヘッジ効果を反映しないときは、第二百四十六条の三の四に定める方法(同条において「限定的なBA―CVA」という。)によるものとする。

 

(BA―CVAにおけるヘッジの適格要件)

第二百四十六条の三の二 金庫は、完全なBA―CVAによりCVAリスク相当額を算出するに当たっては、CVAリスクに係るヘッジ取引のうち次に掲げる要件の全てを満たすもの(次条第一項において「適格BA―CVAヘッジ取引」という。)に限り、CVAリスクに対するヘッジ効果を反映させることができる。

一 内部CVAヘッジ取引が第六章の四第三節に定めるところによりカーベチャー・リスク、デフォルト・リスク及び残余リスク・アドオンに対するマーケット・リスク相当額の計測対象となる場合には、CVAデスクの取引相手方となるトレーディング・デスクがCVAデスクに対するポジションを完全に相殺する取引を第三者との間で実行していること。

二 CVAリスクにおける取引相手方のクレジット・スプレッドの変動を低減させる目的で使用され、及び管理される取引であって、ヘッジ対象及びヘッジ手段に係る文書が作成されていること。

三 次に掲げる取引であること。

イ 単一の債務者を参照するクレジット・デフォルト・スワップ又は単一の債務者を参照するコンティンジェント・クレジット・デフォルト・スワップであって、次のいずれかを参照するもの

(1) 取引相手方

(2) 取引相手方と法的に関連する企業

(3) 取引相手方と同一のセクター及び地域に属する企業

ロ インデックス・クレジット・デフォルト・スワップ

 

(完全なBA―CVAによるCVAリスク相当額)

第二百四十六条の三の三 金庫が適格BA―CVAヘッジ取引のヘッジ効果を反映して算出する完全なBA―CVAによるCVAリスク相当額は、次の算式により算出した所要自己資本額(Kfull)に割引係数(DSBA―CVA)〇・六五を乗じて得た額とする。

 Kfull=β・Kreduced+(1-β)・Khedged

 画像

 画像

 βは、〇・二五

 SCVACは、取引相手方cとの全てのネッティング・セットに対するCVA資本賦課

 ρは、〇・五

 SNHCは、取引相手方cのCVAリスクに対する全てのシングル・ネーム・ヘッジを用いたヘッジ効果の値

 IHは、インデックスを用いたヘッジ取引から生ずる全ての取引相手方のCVAリスクに対するヘッジ効果の値

 HMACは、取引相手方cのCVAリスクに対する全てのヘッジ取引の値

2 前項のSCVACは、次の算式により算出するものとし、取引相手方cとの全てのネッティング・セットを含むものとする。

 画像

 αは、第五十条第二項の規定によりカレント・エクスポージャー方式を用いる場合には一とし、SA―CCRを用いる場合及び第五十二条第一項の承認を受けて期待エクスポージャー方式を用いる場合には一・四とする。ただし、同項の承認を受けて期待エクスポージャー方式を用いて与信相当額を算出する場合であって、取引相手方の信用リスクに関する固有の特徴があるときは、当該特徴に応じたより保守的なαを用いるものとする。

 RWCは、次項の表に定める値

 MNSの算出に当たっては、第百三十三条第一項から第六項までの規定を準用する。この場合において、同条第一項ただし書中「一年に満たない場合は一年とし、五年を超える場合は五年とする」とあるのは、「一年に満たない場合は、一年とする」と読み替えるものとする。ただし、金庫が第五十二条第一項の承認を受けた場合には、MNSは、第百三十三条第一項の規定により算出される実効マチュリティとする。

 EADNSは、ネッティング・セットの与信相当額であり、第五十条第二項の規定によりカレント・エクスポージャー方式を用いる場合には第五十三条第一項の規定により算出される与信相当額(第四章第六節第三款に規定する包括的手法を使用する場合にあっては、信用リスク削減手法適用後エクスポージャー額)とし、SA―CCRを用いる場合には第五十一条第一項の規定により算出される与信相当額とし、第五十二条第一項の承認を受けて期待エクスポージャー方式を用いる場合には同条第二項の規定により算出される与信相当額とする。ただし、これらの与信相当額に対しCVAの影響は、勘案しないものとする。

 DFNSは、次の算式により算出する値。ただし、第五十二条第一項の承認を受けた金庫は一を用いる。

 画像

3 前項のRWCは、次の表に掲げる取引相手方のセクターの区分及び適格格付機関が取引相手方に付与する格付に対応する取引相手方の信用力の区分に応じ、同表に定めるリスク・ウェイトとする。ただし、適格格付機関が取引相手方に格付を付与していない場合には、内部格付手法採用金庫は、内部格付を適格格付機関が付与する格付に紐付けすることにより判断された取引相手方の信用力に基づき、同表に定めるリスク・ウェイトを適用することができる。

取引相手方のセクター

取引相手方の信用力


投資適格(IG)(パーセント)

投機的格付(HY)及び無格付(NR)(パーセント)

ソブリン(中央銀行及び国際開発銀行を含む。)

〇・五

二・〇

地方自治体、政府支援法人(非金融)、教育機関及び行政機関

一・〇

四・〇

金融(政府系金融機関を含む。)

五・〇

十二・〇

素材、エネルギー、工業、農業、製造業、鉱業及び採石業

三・〇

七・〇

消費財・サービス、運輸及び倉庫並びに行政支援サービス業

三・〇

八・五

テクノロジー及び通信

二・〇

五・五

ヘルスケア、公益事業及び専門・技術関連業

一・五

五・〇

その他のセクター

五・〇

十二・〇

4 第一項のSNHCは、次の算式により算出するものとする。

 画像

 rhcは、次の表の左欄に掲げる区分に応じ、同表の右欄に定める値(以下この節において同じ。)

取引相手方cの単一の債務者を参照するクレジット・デフォルト・スワップによるヘッジh

rhcの値

(パーセント)

取引相手方cを直接参照するもの

100

取引相手方cと法的に関連する組織を参照するもの

80

取引相手方cと同じセクターで同じ地域に属する組織を参照するもの

50

 RWhは、単一の債務者を参照するヘッジ取引hのリスク・ウェイトであり、前項の表に掲げる取引相手方のセクターの区分及び適格格付機関が取引相手方に付与する格付に対応する取引相手方の信用力の区分に応じ、同表に定めるリスク・ウェイト(以下この節において同じ。)

 画像 は、単一の債務者を参照するヘッジ取引hの実効マチュリティ(以下この節において同じ。)

 画像 は、単一の債務者を参照するヘッジ取引hの想定元本額(以下この節において同じ。)。なお、単一の債務者を参照するコンティンジェント・クレジット・デフォルト・スワップを用いる場合には、参照ポートフォリオ又は参照商品の市場価格を想定元本額とする。

 画像 は、ディスカウント・ファクターであり、次の算式により算出される値(以下この節において同じ。)

 画像

5 第一項のIHは、次の算式により算出するものとする。

 画像

 画像 は、インデックス・ヘッジiの残存マチュリティ

 画像 は、インデックス・ヘッジiの想定元本額

 画像 は、ディスカウント・ファクターであり、次の算式により算出される値

 画像

6 前項のRWiは、インデックス・ヘッジに適用されるリスク・ウェイトであり、第三項の表に掲げる取引相手方のセクターの区分及び適格格付機関が取引相手方に付与する格付に対応する取引相手方の信用力の区分に応じ、同表に定めるリスク・ウェイトとする。この場合において、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める調整を行うものとする。

一 インデックスの全ての構成銘柄が同一のセクターに属し、かつ、同一の信用力である場合 第三項の表に定めるリスク・ウェイトに〇・七を乗じて得た値をリスク・ウェイトとする。

二 インデックスの全ての構成銘柄が同一のセクターに属する場合でない場合又はインデックスが投資適格並びに投機的格付及び無格付の双方を含む場合 第三項の表に定めるリスク・ウェイトを銘柄数に応じて加重平均し、〇・七を乗じて得た値をリスク・ウェイトとする。

7 第一項のHMACは、次の算式により算出するものとする。

 画像

 

(限定的なBA―CVAによるCVAリスク相当額)

第二百四十六条の三の四 限定的なBA―CVAによるCVAリスク相当額は、前条第一項の算式においてβを一として算出したKfullの値に割引係数〇・六五を乗じて得た額とする。

 

第三節 SA―CVA

第一款 承認手続等

(SA―CVAの承認)

第二百四十六条の四 金庫は、SA―CVAを用いるときは、あらかじめ、金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を受けるものとする。

2 前項の承認を受けた金庫は、第二百四十六条の四の五の規定に基づき承認が取り消された場合を除き、SA―CVAを継続して用いるものとする。

 

(SA―CVAに係る承認申請書の提出)

第二百四十六条の四の二 SA―CVAを用いることについて前条第一項の承認を受けようとする金庫は、次に掲げる事項を記載した承認申請書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

一 名称

二 自己資本比率を把握し管理する責任者の氏名及び役職名

2 前項の承認申請書には、次に掲げる書類を添付するものとする。

一 理由書

二 前項第二号に規定する責任者の履歴書

三 CVAリスク相当額の算出並びにエクスポージャー計測モデルの構築及び利用その他のSA―CVAの運用が第三款に規定する承認の基準に適合していることを示す書類

四 その他承認に係る審査において参考となるべき事項を記載した書類

 

(SA―CVAに係る承認の基準)

第二百四十六条の四の三 金融庁長官及び厚生労働大臣は、第二百四十六条の四第一項の承認をしようとする場合には、エクスポージャー計測モデルが当該承認に先立って一年以上にわたって金庫のリスク管理において運用されており、かつ、SA―CVAの使用を開始する日以降において、第三款に規定する承認の基準に適合することが見込まれるかどうかを審査するものとする。

 

(SA―CVAに係る変更に係る届出)

第二百四十六条の四の四 SA―CVA採用金庫は、次のいずれかに該当することとなった場合には、遅滞なく、その旨及びその内容を金融庁長官及び厚生労働大臣に届け出るものとする。

一 承認申請書の記載事項に変更があった場合

二 承認申請書の添付書類の記載事項に重要な変更があった場合

三 第三款に規定する承認の基準を満たさない事由が生じた場合

2 前項第三号に規定する事由が生じた場合には、SA―CVA採用金庫は、当該事由に関する改善計画を記載した書面又は当該事由が当該SA―CVA採用金庫のリスクの観点から重要でない旨の説明を記載した書面を速やかに提出するものとする。

 

(SA―CVAに係る承認の取消し)

第二百四十六条の四の五 金融庁長官及び厚生労働大臣は、前条第一項第三号に掲げる場合において、SA―CVAを用いてCVAリスク相当額を算出することが不適当と判断したときは、第二百四十六条の四第一項の承認を取り消すことができる。

 

(金融庁長官及び厚生労働大臣への報告)

第二百四十六条の四の六 SA―CVA採用金庫は、月ごとに、CVAリスク相当額を金融庁長官及び厚生労働大臣に報告するものとする。

 

第二款 SA―CVAによるCVAリスク相当額の算出方法

第一目 総則

(SA―CVAによるCVAリスク相当額)

第二百四十六条の四の七 SA―CVAを用いて算出するCVAリスク相当額は、デルタ・リスクに係るCVAリスク相当額及びベガ・リスクに係るCVAリスク相当額を合計して得た額とする。

2 前項の「デルタ・リスクに係るCVAリスク相当額」とは、次に掲げるリスク・クラスごとに算出されるデルタ・リスクに係るCVAリスク相当額を合計したものをいう。

一 金利リスク

二 外国為替リスク

三 取引相手方のクレジット・スプレッド・リスク

四 参照先のクレジット・スプレッド・リスク

五 株式リスク

六 コモディティ・リスク

3 第一項の「ベガ・リスクに係るCVAリスク相当額」とは、前項各号(第三号を除く。)に掲げるリスク・クラスごとに算出されるベガ・リスクに係るCVAリスク相当額を合計したものをいう。

 

(リスク・クラスごとのCVAリスク相当額)

第二百四十六条の四の八 前条第二項のリスク・クラスごとに算出されるデルタ・リスクに係るCVAリスク相当額及び同条第三項のリスク・クラスごとに算出されるベガ・リスクに係るCVAリスク相当額は、この款の規定により次に掲げる項目を計測することにより算出するものとする。

一 ネット感応度

二 加重感応度

三 ネット加重感応度

四 バケットごとのCVAリスク相当額

2 前項第一号に掲げる「ネット感応度」とは、次に掲げる感応度をいう。

 一 第二百四十六条の二第二項に規定するCVAカバー取引を対象に計測されるCVAの合計値に対するリスク・ファクターごとの感応度(次項において「ネット感応度 画像 」という。)

 二 全ての第二百四十六条の四の十三第一項に規定する適格SA―CVAヘッジ取引の市場価格の合計値に対するリスク・ファクターごとの感応度(次項において「ネット感応度 画像 」という。)

3 第一項第二号に掲げる「加重感応度」とは、次の算式によりリスク・ファクターごとに計測したものをいう。

 図

 画像

 加重感応度 画像

 は、ネット感応度 画像
に対して、第二百四十六条の四の十五第五項、第二百四十六条の四の十六第四項、第二百四十六条の四の十七第四項、第二百四十六条の四の十九第三項、第二百四十六条の四の二十第三項、第二百四十六条の四の二十二第三項、第二百四十六条の四の二十四第三項、第二百四十六条の四の二十五第三項、第二百四十六条の四の二十七第三項及び第六項並びに第二百四十六条の四の二十九第三項に定めるリスク・ウェイトを乗じて得たリスク・ファクターごとの値

 加重感応度 画像

 は、ネット感応度 画像
に対して、第二百四十六条の四の十五第五項、第二百四十六条の四の十六第四項、第二百四十六条の四の十七第四項、第二百四十六条の四の十九第三項、第二百四十六条の四の二十第三項、第二百四十六条の四の二十二第三項、第二百四十六条の四の二十四第三項、第二百四十六条の四の二十五第三項、第二百四十六条の四の二十七第三項及び第六項並びに第二百四十六条の四の二十九第三項に定めるリスク・ウェイトを乗じて得たリスク・ファクターごとの値

4 第一項第三号に掲げる「ネット加重感応度」とは、次の算式によりリスク・ファクターごとに計測したものをいう。

 画像

5 第一項第四号に掲げる「バケットごとのCVAリスク相当額」とは、前項において計測することにより算出したネット加重感応度を次の算式によりバケットごとに計測したものをいう。

 画像

 ρklは、リスク・ファクターの感応度の相関係数

 Rは、ヘッジング・ディスアローアンス(CVAリスクが完全にヘッジされない可能性を考慮したCVAリスク相当額の追加分をいう。)であり、〇・〇一とする。

6 リスク・クラスごとに算出されるデルタ・リスクに係るCVAリスク相当額及びリスク・クラスごとに算出されるベガ・リスクに係るCVAリスク相当額は、前項において計測したバケットごとのCVAリスク相当額を用いて、次の算式により算出する。

 画像

 γbcは、各リスク・クラスに適用される相関係数

 Sbは、次の算式により、バケットbに含まれる全てのリスク・ファクターkに係る加重感応度WSkを合計して計測するものとし、-Kbを下限、Kbを上限とする。この場合において、Scは、Sbと同様の方法で計測する。

 画像

 画像

 

(ネット感応度の計測)

第二百四十六条の四の九 ネット感応度(前条第二項に規定するネット感応度をいう。以下この節において同じ。)は、リスク・ファクターの現在価値の微小な変化幅に対するCVAの合計値又は全ての適格ヘッジ手段の市場価格の合計値の変化率とする。

2 各リスク・ファクターの変化幅は、第二百四十六条の四の十五第三項及び第四項、第二百四十六条の四の十六第二項及び第三項、第二百四十六条の四の十七第二項及び第三項、第二百四十六条の四の十九第二項、第二百四十六条の四の二十第二項、第二百四十六条の四の二十二第二項、第二百四十六条の四の二十四第二項、第二百四十六条の四の二十五第二項、第二百四十六条の四の二十七第二項及び第五項並びに第二百四十六条の四の二十九第二項及び第五項の規定にかかわらず、金庫の内部のリスク管理における計算方法と整合する限りにおいて、より小さな変化幅を用いることができる。

3 ベガ・リスクに係るネット感応度は、エクスポージャー計測モデルにおいて、次に掲げるボラティリティを変化させることにより算出する。この場合において、ベガ・リスクに係るネット感応度は、CVAポートフォリオにオプション性を有する取引が含まれていない場合であっても算出するものとする。

一 リスク・ファクターのパスの生成に用いるボラティリティ

二 オプションの公正価値の評価に用いるボラティリティ

 

(乗数)

第二百四十六条の四の十 第二百四十六条の四の八第六項の算式中乗数mCVAは一とする。

2 金融庁長官及び厚生労働大臣は、金庫のCVAの計算に係るモデル・リスクに対処するために必要と判断した場合には、前項の乗数を引き上げるものとする。

 

(インデックスをヘッジ手段に用いる場合のネット感応度の計測)

第二百四十六条の四の十一 第二百四十六条の四の九第一項の規定にかかわらず、インデックスを用いてCVAリスクのヘッジを行う場合における当該インデックスのネット感応度は、当該インデックスの価格に影響を及ぼす全てのリスク・ファクターの現在価値の微小な変化幅に対するリスク・ファクターの影響を受ける全ての構成銘柄に対する影響を通して計測された当該インデックスの市場価格の変化率とする。

 

(適格インデックスの指定)

第二百四十六条の四の十二 SA―CVA採用金庫は、一定の要件を満たすインデックス(クレジット・インデックス又は株式インデックスであって、デルタ・リスクに係るネット感応度の計測における第二百四十六条の十七の四第四項各号に掲げる要件を満たすインデックス及びベガ・リスクに係るネット感応度の計測における全てのインデックスをいう。以下この節において「適格インデックス」という。)を第二百四十六条の四の二十一第一項、第二百四十六条の四の二十三第一項又は第二百四十六条の四の二十六第一項の表における適格インデックスのバケットに割り当てることにより、バケットごとに計測された複数のネット感応度を当該適格インデックスに対する単一のネット感応度とすることができる。ただし、当該適格インデックスを構成する銘柄のうち同一のセクターに区分される銘柄の割合(ただし、当該適格インデックスに定められた構成銘柄の重み付けを考慮して算出された割合とする。)が七十五パーセントを超える場合には、当該適格インデックスのバケットに代えて、当該セクターが属するバケットを割り当てるものとする。

 

(SA―CVAにおけるヘッジの適格要件)

第二百四十六条の四の十三 SA―CVAを用いてCVAリスク相当額を算出するに当たっては、次に掲げる要件の全てを満たすヘッジ取引(以下この節において「適格SA―CVAヘッジ取引」という。)に限り、CVAリスクに対するヘッジ効果を反映させることができる。ただし、第二百四十六条の九の二第六項各号に掲げる商品を用いたヘッジ取引については、これを適格SA―CVAヘッジ取引とはしないものとする。

一 CVAリスクを軽減する目的で使用され、かつ、管理されている取引であって、ヘッジ対象及びヘッジ手段に係る文書が作成されていること。

二 内部CVAヘッジ取引が第六章の四第三節に定めるところによりカーベチャー・リスク、デフォルト・リスク及び残余リスク・アドオンに対するマーケット・リスク相当額の計測対象となる場合には、CVAデスクの取引相手方となるトレーディング・デスクがCVAデスクに対するポジションを完全に相殺する取引を第三者との間で実行していること。

2 適格SA―CVAヘッジ取引は、ヘッジ期間にわたり一の取引として扱い、複数に分割しないものとする。

3 クレジット・スプレッド・リスクのデルタ・リスクに対する適格SA―CVAヘッジ取引がある場合には、適格SA―CVAヘッジ取引の全体を取引相手方のクレジット・スプレッド・リスクのリスク・クラス又は参照先のクレジット・スプレッド・リスクのリスク・クラスに割り当てるものとする。

 

(SA―CVAとBA―CVAとの併用)

第二百四十六条の四の十四 SA―CVA採用金庫は、SA―CVAを用いることが適切でないと判断するネッティング・セットに対しては、BA―CVAを用いてCVAリスク相当額を算出するものとする。

2 前項の規定にかかわらず、SA―CVA採用金庫は、次に掲げる要件の全てを満たす場合には、一のネッティング・セットを二に分割し、その一方に対しSA―CVAを用い、かつ、他方に対しBA―CVAを用いるものとする。

一 ネッティング・セットの分割の方法が、会計CVA(財務会計に反映させることを目的として計測されたCVAをいう。以下この章において同じ。)における分割の方法と一致していること。

二 ネッティング・セットに含まれる取引のうち、SA―CVAを用いてCVAリスク相当額を算出することが適切でない取引があること。

 

第二目 金利リスクに係るバケット、リスク・ファクター、感応度、リスク・ウェイト及び相関

(金利リスクのバケットにおける感応度等)

第二百四十六条の四の十五 金利リスクに係るデルタ・リスク及びベガ・リスクのバケットは、個々の通貨ごとに定めるものとする。

2 金庫の報告通貨(金庫の財務報告において用いられる通貨をいう。以下同じ。)、アメリカ合衆国通貨(USD)、欧州経済通貨統合参加国通貨(EUR)、英国通貨(GBP)、オーストラリア通貨(AUD)、カナダ通貨(CAD)、スウェーデン通貨(SEK)及び本邦通貨に対する金利リスクのデルタ・リスク・ファクターは、インフレ率の絶対変化及び次に掲げるテナー(満期までの年限をいう。以下同じ。)の種類ごとのリスクフリー・イールドカーブの絶対変化とする。

一 一年

二 二年

三 五年

四 十年

五 三十年

3 前項の「インフレ率の絶対変化」とは、インフレ率を一ベーシス・ポイント変化させた場合におけるCVA又はCVAヘッジ手段の価値の変動を〇・〇〇〇一で除して得た値をいう。

4 第二項の「リスクフリー・イールドカーブの絶対変化」とは、特定の通貨のリスクフリー・イールドカーブを一ベーシス・ポイントの幅で変化させた場合におけるCVA又はCVAヘッジ手段の価値の変動を〇・〇〇〇一で除して得た値をいう。

5 第二項に規定するリスク・ファクターのリスク・ウェイトRWkは、同表の当該リスク・ファクターの区分に応じ、次の表の左欄に定めるものとする。

リスク・ファクター

一年

二年

五年

十年

三十年

インフレ率

リスク・ウェイト

(パーセント)

一・一一

〇・九三

〇・七四

〇・七四

〇・七四

一・一一

6 第二項に規定するリスク・ファクター間の相関係数ρklは、当該リスク・ファクターの区分に応じ、次の表に定めるものとする。

(パーセント)

一年

二年

五年

十年

三十年

インフレ率

一年






二年

九十一





五年

七十二

八十七




十年

五十五

七十二

九十一



三十年

三十一

四十五

六十八

八十三


インフレ率

四十

四十

四十

四十

四十

7 第一項に規定する金利に係るデルタ・リスクのバケット間及びベガ・リスクのバケット間の相関係数γklは、全ての通貨について〇・五とする。

 

(定めのない通貨に係る金利のデルタ・リスク・ファクターの感応度等)

第二百四十六条の四の十六 前条第二項に規定する通貨以外の通貨に対する金利リスクのデルタ・リスク・ファクターは、インフレ率の絶対変化及びリスクフリー・イールドカーブのパラレル・シフトの絶対変化とする。

2 前項の「インフレ率の絶対変化」とは、インフレ率を一ベーシス・ポイント変化させた場合におけるCVA又はCVAヘッジ手段の価値の変動を〇・〇〇〇一で除して得た値をいう。

3 第一項の「リスクフリー・イールドカーブのパラレル・シフトの絶対変化」とは、通貨のリスクフリー・イールドカーブを一ベーシス・ポイントの幅でパラレル・シフトさせた場合におけるCVA又はCVAヘッジ手段の価値の変動を〇・〇〇〇一で除して得た値をいう。

4 第一項に規定するリスク・ファクターのリスク・ウェイトRWkは、一・五八パーセントとする。

5 第一項に規定するリスクフリー・イールドカーブとインフレ率との間の相関係数ρklは、四十パーセントとする。

 

(金利リスクのベガ・リスク・ファクターの感応度等)

第二百四十六条の四の十七 金利リスクのベガ・リスク・ファクターは、通貨のインフレ率に対する全てのボラティリティの相対変化及び金利に対する全てのボラティリティの相対変化とする。

2 前項の「通貨のインフレ率に対する全てのボラティリティの相対変化」とは、インフレ率に対する全てのボラティリティを現在価値に対して同時に一パーセント変化させた場合におけるCVA又はCVAヘッジ手段の価値の変動を〇・〇一で除して得た値をいう。

3 第一項の「金利に対する全てのボラティリティの相対変化」とは、金利に対する全てのボラティリティを現在価値に対して同時に一パーセント変化させた場合におけるCVA又はCVAヘッジ手段の価値の変動を〇・〇一で除して得た値をいう。

4 第一項に規定するリスク・ファクターのリスク・ウェイトRWkは、百パーセントとする。

5 第一項に規定する通貨のインフレ率に対するボラティリティと金利に対するボラティリティとの間の相関係数ρklは、四十パーセントとする。

 

第三目 外国為替に係るバケット、リスク・ファクター、感応度、リスク・ウェイト及び相関

(外国為替リスクのバケットにおける感応度等)

第二百四十六条の四の十八 外国為替に係るデルタ・リスク及びベガ・リスクのバケットは、金庫の報告通貨を除く個々の通貨ごとに定めるものとする。

2 前項に規定する外国為替に係るデルタ・リスクのバケット間及びベガ・リスクのバケット間の相関係数γbcは、全ての通貨について〇・六とする。

 

(外国為替に係るデルタ・リスク・ファクターの感応度等)

第二百四十六条の四の十九 外国為替に係るデルタ・リスク・ファクターは、外国通貨と金庫の報告通貨との間における直物為替レート(金庫の報告通貨で表示された当該外国通貨一単位の市場価格をいう。次項及び次条第二項において同じ。)の相対変化とする。

2 前項の「直物為替レートの相対変化」とは、直物為替レートをその現在価値に対して一パーセント変化させた場合におけるCVA又はCVAヘッジ手段の価値の変動を〇・〇一で除して得た値をいう。この場合において、金庫の報告通貨でない通貨(以下この項及び次条第二項において「非報告通貨」という。)間の為替レートを参照する取引を行うときは、金庫の報告通貨と各非報告通貨との間の直物為替レートの感応度を計測するものとする。

3 第一項に規定するリスク・ファクターのリスク・ウェイトRWkは、十一パーセントとする。

 

(外国為替に係るベガ・リスク・ファクターの感応度等)

第二百四十六条の四の二十 外国為替に係るベガ・リスク・ファクターは、外国通貨と金庫の報告通貨との間における為替レートに対する全てのボラティリティの相対変化とする。

2 前項の「為替レートに対する全てのボラティリティの相対変化」とは、外国通貨と報告通貨との間の為替レートに対する全てのボラティリティを現在価値に対して同時に一パーセント変化させた場合におけるCVA又はCVAヘッジ手段に生じた価値の変動を〇・〇一で除して得た値をいう。この場合において、非報告通貨間の為替レートを参照する取引を行うときは、金庫の報告通貨と各非報告通貨との間の直物為替レートのボラティリティを計測するものとする。

3 第一項に規定するリスク・ファクターのリスク・ウェイトRWkは、百パーセントとする。

 

第四目 取引相手方のクレジット・スプレッドに係るバケット、リスク・ファクター、感応度、リスク・ウェイト及び相関

(取引相手方のクレジット・スプレッドに係る感応度等)

第二百四十六条の四の二十一 取引相手方のクレジット・スプレッドに係るデルタ・リスクのバケットは、取引相手方のセクターの区分に応じ、次の表のとおりとする。ただし、取引相手方のクレジット・スプレッドに係るベガ・リスクについては、CVAリスク相当額の算出を要しないものとする。

バケット番号

取引相手方のセクター

1a)

ソブリン(中央銀行及び国際開発銀行を含む。)

1b)

地方自治体、政府支援法人(非金融)、教育機関及び行政機関

2

金融(政府系金融機関を含む。)

3

素材、エネルギー、工業、農業、製造業、鉱業及び採石業

4

消費財・サービス、運輸及び倉庫並びに行政支援サービス業

5

テクノロジー及び通信

6

ヘルスケア、公益事業及び専門・技術関連業

7

その他のセクター

8

適格インデックス

2 取引相手方のクレジット・スプレッドに係るデルタ・リスクのバケット間の相関係数γbcは、バケット番号(前項の規定により分類したバケットに対応して定めた番号をいう。次条第三項において同じ。)に応じ、次の表に定めるものとする。

バケット番号(表に定める値はパーセント)

1

2

3

4

5

6

7

8

1








2







3

二十






4

二十五

十五

二十





5

二十

二十

二十五

二十五




6

十五



7


8

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五

 

(取引相手方に対するクレジット・スプレッドに係るデルタ・リスク・ファクターの感応度等)

第二百四十六条の四の二十二 取引相手方に対するクレジット・スプレッドに係るデルタ・リスク・ファクターは、次に掲げるテナーの種類ごとの個社(取引相手方及び取引相手方に対するクレジット・スプレッドのヘッジ手段に係る参照銘柄をいう。)及び適格インデックスのクレジット・スプレッドの絶対変化とする。

一 半年

二 一年

三 三年

四 五年

五 十年

2 前項の「クレジット・スプレッドの絶対変化」とは、クレジット・スプレッドを一ベーシス・ポイント変化させた場合におけるCVA又はCVAヘッジ手段の価値の変動を〇・〇〇〇一で除して得た値をいう。

3 第一項に規定するリスク・ファクターのリスク・ウェイトRWkは、テナーの全ての種類について、バケット番号及び信用力の区分に応じ、次の表に定めるものとする。

バケット番号

1a)

1b)

2

3

4

5

6

7

8

投資適格(IG)

(パーセント)

〇・五

一・〇

五・〇

三・〇

三・〇

二・〇

一・五

五・〇

一・五

投機的格付(HY)及び無格付(NR)

(パーセント)

二・〇

四・〇

十二・〇

七・〇

八・五

五・五

五・〇

十二・〇

五・〇

4 前項の表のバケット番号1から7までに係る加重感応度WSk及びWSlの相関係数ρklは、次の算式により得た値とする。

 ρkl=ρtenor・ρname・ρquality

5 前項の場合において、次の各号に掲げる相関係数の値は、当該各号に定めるものとする。

一 相関係数ρtenor

  次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める値

イ 双方のテナーが同一の場合 百パーセント

ロ イに掲げる場合以外の場合 九十パーセント

二 相関係数ρname

  次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める値

イ 双方の銘柄が同一の場合 百パーセント

ロ 双方の銘柄が同一ではなく、かつ、法的に関連する場合 九十パーセント

ハ イ及びロに掲げる場合以外の場合 五十パーセント

三 相関係数ρquality

  次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める値

イ 双方の銘柄の信用力が同一の場合(双方の銘柄が投資適格である場合、双方の銘柄が投機的格付である場合、双方の銘柄が無格付である場合又は一方の銘柄が投機的格付であって他方の銘柄が無格付である場合をいう。) 百パーセント

ロ イに掲げる場合以外の場合 八十パーセント

6 第三項の表のバケット番号8に係るネット加重感応度WSk及びWSlの相関係数ρklは、次の算式により得た値とする。

 ρkl=ρtenor・ρname・ρquality

7 前項の場合において、次の各号に掲げる相関係数の値は、当該各号に定めるものとする。

一 相関係数ρtenor

  次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める値

イ 双方のテナーが同一の場合 百パーセント

ロ イに掲げる場合以外の場合 九十パーセント

二 相関係数ρname

  次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める値

イ 双方のインデックスの名称が同一であって、双方のインデックスのシリ―ズが同一である場合 百パーセント

ロ 双方のインデックスの名称が同一であって、双方のインデックスのシリ―ズが同一でない場合 九十パーセント

ハ イ及びロに掲げる場合以外の場合 八十パーセント

三 相関係数ρquality

  次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める値

イ 双方のインデックスの信用力が同一の場合(双方のインデックスが投資適格である場合又は双方のインデックスが投機的格付である場合をいう。) 百パーセント

ロ イに掲げる場合以外の場合 八十パーセント

 

第五目 参照先のクレジット・スプレッドに係るバケット、リスク・ファクター、感応度、リスク・ウェイト及び相関

(参照先のクレジット・スプレッドに係るCVA感応度等)

第二百四十六条の四の二十三 参照先のクレジット・スプレッドに係るデルタ・リスク及びベガ・リスクのバケットは、参照先の信用力及びセクターの区分に応じ、次の表のとおりとする。

バケット番号

信用力

参照先のセクター

1

投資適格(IG)

ソブリン(中央銀行及び国際開発銀行を含む。)

2


地方自治体、政府支援法人(非金融)、教育機関及び行政機関

3


金融(政府系金融機関を含む。)

4


素材、エネルギー、工業、農業、製造業、鉱業及び採石業

5


消費財・サービス、運輸及び倉庫並びに行政支援サービス業

6


テクノロジー及び通信

7


ヘルスケア、公益事業及び専門・技術関連業

8

投機的格付(HY)及び無格付(NR)

ソブリン(中央銀行及び国際開発銀行を含む。)

9


地方自治体、政府支援法人(非金融)、教育機関及び行政機関

10


金融(政府系金融機関を含む。)

11


素材、エネルギー、工業、農業、製造業、鉱業及び採石業

12


消費財・サービス、運輸及び倉庫並びに行政支援サービス業

13


テクノロジー及び通信

14


ヘルスケア、公益事業及び専門・技術関連業

15

投資適格(IG)、投機的格付(HY)及び無格付(NR)

その他のセクター

16

投資適格(IG)

適格インデックス

17

投機的格付(HY)

適格インデックス

2 前項に規定する参照先のクレジット・スプレッドに係るデルタ・リスクのバケット間及びベガ・リスクのバケット間の相関係数γbcは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。

一 双方のバケットの信用力が同一である場合 バケット番号(前項の規定により分類したバケット番号をいう。次号及び次条第三項において同じ。)に応じ、次の表に定める値

バケット番号

(表に定める値はパーセント)

1又は8

2又は9

3又は10

4又は11

5又は12

6又は13

7又は14

15

16

17

1又は8










2又は9

七十五









3又は10








4又は11

二十

十五







5又は12

二十五

二十

十五

二十






6又は13

二十

十五

二十

二十五

二十五





7又は14

十五




15



16

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五


17

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五

七十五

二 双方のバケットの信用力が同一でない場合 バケット番号に応じ、前号の表に定める値を二で除して得た値

 

(参照先のクレジット・スプレッドに係るデルタ・リスク・ファクターの感応度等)

第二百四十六条の四の二十四 参照先のクレジット・スプレッドに係るデルタ・リスク・ファクターは、バケット内の全ての参照先に係る全てのテナーのクレジット・スプレッドの絶対変化とする。

2 前項の「クレジット・スプレッドの絶対変化」とは、バケット内の全ての参照先に係る全てのテナーのクレジット・スプレッドを一ベーシス・ポイント変化させた場合におけるCVA又はCVAヘッジ手段の価値の変動を〇・〇〇〇一で除して得た値をいう。

3 第一項に規定するリスク・ファクターのリスク・ウェイトRWkは、バケット番号に応じ、次の表に定めるものとする。

バケット番号

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

リスク・ウェイト

(パーセント)

〇・五

一・〇

五・〇

三・〇

三・〇

二・〇

一・五

二・〇

四・〇

一二・〇

七・〇

八・五

五・五

五・〇

一二・〇

一・五

五・〇

 

(参照先のクレジット・スプレッドに係るベガ・リスク・ファクター)

第二百四十六条の四の二十五 参照先のクレジット・スプレッドに係るベガ・リスク・ファクターは、バケット内の全ての参照先に係る全てのテナーのクレジット・スプレッドの全てのボラティリティの相対変化とする。

2 前項の「クレジット・スプレッドの全てのボラティリティの相対変化」とは、バケット内の全ての参照先に係る全てのテナーのボラティリティを現在価値に対して同時に一パーセント変化させた場合におけるCVA又はCVAヘッジ手段の価値の変動を〇・〇一で除して得た値をいう。

3 第一項に規定するリスク・ファクターのリスク・ウェイトRWkは、百パーセントとする。

 

第六目 株式に係るバケット、リスク・ファクター、感応度、リスク・ウェイト及び相関

(株式リスクのバケットに係るCVA感応度)

第二百四十六条の四の二十六 株式リスクのバケットは、次の表に掲げる時価総額、経済及び株式の発行体のセクターの各区分に応じ、同表のとおりとする。

バケット番号

時価総額

経済

株式の発行体のセクター

1

新興市場

消費財・サービス、運輸及び倉庫、行政支援サービス業、ヘルスケア並びに公益事業

2



通信及び工業

3



素材、エネルギー、農業、製造業、鉱業及び採石業

4



金融(政府系金融機関を含む。)、不動産業及びテクノロジー

5


先進市場

消費財・サービス、運輸及び倉庫、行政支援サービス業、ヘルスケア並びに公益事業

6



通信及び工業

7



素材、エネルギー、農業、製造業、鉱業及び採石業

8



金融(政府系金融機関を含む。)、不動産業及びテクノロジー

9

新興市場

バケット番号1から4までの全てのセクター

10


先進市場

バケット番号5から8までの全てのセクター

11

その他のセクター

12

時価総額が大である先進市場における株式インデックス

13

その他の株式インデックス

(注1)表の「時価総額」欄の分類に当たっては、次に掲げる要件を満たすものとする。

1.世界各国の証券市場において、同一の上場法人又は法人グループの発行済株式総数の市場価額に基づく時価総額の合計を用いること。

2.法人グループの発行済株式総数は、グループ内の上場親会社の発行済株式総数とすること。

3.法人グループの発行済株式総数に複数の関連上場法人の時価総額を含めないこと。

4.時価総額が二十億合衆国ドル以上の場合には「大」に分類し、それ以外の場合には「小」に分類すること。

(注2)表の「経済」欄の分類に当たっては、次に掲げる要件を満たすものとする。

1.「先進市場」は、カナダ、米国、メキシコ、ユーロ圏、非ユーロ圏の西欧諸国(英国、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク及びスイス)、日本、オセアニア(オーストラリア及びニュージーランド)、シンガポール及び香港特別行政区とすること。

2.「新興市場」は、「先進市場」以外の国又は地域とすること。

(注3)表の「株式の発行体のセクター」欄の分類に当たっては、次に掲げる事項に留意するものとする。

1.市場で一般的に使用されるセクターを基に割り当てるものとする。

2.各発行体は表のセクターのいずれかに割り当てるものとし、同一の業に属する発行体は同一のセクターに割り当てるものとする。

3.適切なセクターに割り当てることが困難な場合には、バケット番号11に割り当てるものとする。

4.異なる経済に属する発行体又は複数のセクターに属する発行体については、当該発行体が事業活動を行う最も重要な経済又はセクターに該当するバケットに割り当てるものとする。

2 株式のデルタ・リスクのバケット間及びベガ・リスクのバケット間の相関係数γbcは、バケット番号(前項の規定により分類したバケット番号をいう。次条第三項において同じ。)に応じ、次の表のとおりとする。

バケット番号

(表に定める値はパーセント)

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

1













2

十五












3

十五

十五











4

十五

十五

十五










5

十五

十五

十五

十五









6

十五

十五

十五

十五

十五








7

十五

十五

十五

十五

十五

十五







8

十五

十五

十五

十五

十五

十五

十五






9

十五

十五

十五

十五

十五

十五

十五

十五





10

十五

十五

十五

十五

十五

十五

十五

十五

十五




11



12

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五


13

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五

七十五

 

(株式に係るデルタ及びベガ・リスク・ファクターの感応度等)

第二百四十六条の四の二十七 株式に係るデルタ・リスク・ファクターは、バケット内の全ての参照銘柄のスポット価格の相対変化とする。

2 前項の「参照銘柄のスポット価格の相対変化」とは、バケット内の全ての参照銘柄のスポット価格を現在価値に対して同時に一パーセント変化させた場合におけるCVA又はCVAヘッジ手段の価値の変動を〇・〇一で除して得た値をいう。

3 第一項に規定するリスク・ファクターのリスク・ウェイトRWkは、参照銘柄のバケット番号に応じ、次の表のとおりとする。

バケット番号

リスク・ウェイト

(パーセント)

1

五十五

2

六十

3

四十五

4

五十五

5

三十

6

三十五

7

四十

8

五十

9

七十

10

五十

11

七十

12

十五

13

二十五

4 株式に係るベガ・リスク・ファクターは、バケット内の全ての参照銘柄のボラティリティの相対変化とする。

5 前項の「参照銘柄のボラティリティの相対変化」とは、バケット内の全ての参照銘柄に係る全てのボラティリティを現在価値に対して同時に一パーセント相対変化させた場合におけるCVA又はCVAヘッジ手段の価値の変動を〇・〇一で除して得た値をいう。

6 第四項に規定するリスク・ファクターのリスク・ウェイトRWkは、前条第一項の表のバケット番号1から8まで及び12にあっては七十八パーセントとし、バケット番号9から11まで及び13にあっては百パーセントとする。

 

第七目 コモディティに係るバケット、リスク・ファクター、感応度、リスク・ウェイト及び相関

(コモディティ・リスクのバケット)

第二百四十六条の四の二十八 コモディティに係るデルタ・リスク及びベガ・リスクのバケットは、コモディティ・グループの区分に応じ、次の表のとおりとする。

バケット番号

コモディティ・グループ

1

エネルギーのうち、固体可燃物

石炭、木炭、木質ペレット及び核燃料(ウラン等)

2

エネルギーのうち、液体可燃物

原油(軽質スイート原油、重質油、WTI、ブレント等)、バイオ燃料(バイオエタノール、バイオディーゼル等)、石油化学製品(プロパン、エタン、ガソリン、メタノール、ブタン等)及び精製燃料(ジェット燃料、ケロシン、軽油、重油、燃料油、ナフサ、灯油、ディ―ゼル等)

3

エネルギーのうち、電力及び炭素排出権取引

電力(スポット、先日付、ピーク、オフピーク等)、炭素排出権取引(認証排出削減量、EU排出枠(限月)、温室効果ガス地域イニシアチブ(RGGI)における二酸化炭素排出枠、グリーン電力証書等)

4

貨物輸送

ドライバルク船(ケープサイズ、パナマックス、ハンディサイズ、スーパーマックス等)、リキッドバルク船及び天然ガス輸送船(スエズマックス、アフラマックス、超大型タンカー等)

5

金属・非貴金属

ベースメタル(アルミニウム、銅、鉛、ニッケル、すず、亜鉛等)、鋼素材(鋼片、鋼線、スチールコイル、鋼くず、鋼棒、鉄鉱石、タングステン、バナジウム、チタン、タンタル等)、希少金属(コバルト、マンガン、モリブデン等)

6

ガス燃料

天然ガス及び液化天然ガス

7

貴金属

金、銀、プラチナ及びパラジウム

8

穀物及び油糧種子

トウモロコシ、小麦、大豆(大豆種子、大豆油、大豆ミール等)、オート麦、ヤシ油、キャノーラ油、大麦、菜種(菜種種子、菜種油及び菜種ミール等)、小豆、モロコシ、ココナッツ油、オリーブ油、ピーナッツ油、ヒマワリ油及び米

9

畜産及び乳製品

畜牛(生牛及び肥育素牛)、豚、家きん、子羊、魚、エビ、乳製品(牛乳、ホエー、バター、チーズ等)及び卵

10

ソフト・コモディティ及びその他の農産物

ココア、コーヒー(アラビカ、ロブスタ等)、茶、かんきつ類ジュース(オレンジジュースを含む。)、芋、砂糖、綿、羊毛、木材・パルプ及びゴム

11

その他のコモディティ

工業鉱物(カリ、肥料、リン鉱石等)、レアアース、テレフタル酸及び板ガラス

2 コモディティのデルタ・リスクのバケット間及びベガ・リスクのバケット間の相関係数γbcは、一方又は双方が前項の表のバケット番号11である場合にあっては零パーセントとし、それ以外の場合にあっては二十パーセントとする。

 

(コモディティに係るデルタ及びベガ・リスク・ファクターの感応度等)

第二百四十六条の四の二十九 コモディティに係るデルタ・リスク・ファクターは、バケット内の全てのコモディティのスポット価格の相対変化とする。

2 前項の「コモディティのスポット価格の相対変化」とは、バケット内の全てのコモディティのスポット価格を現在価値に対して同時に一パーセント相対変化させた場合におけるCVA又はCVAヘッジ手段の価値の変動を〇・〇一で除して得た値をいう。

3 第一項に規定するリスク・ファクターのリスク・ウェイトRWkは、バケット番号(前条第一項の規定により分類したバケット番号をいう。)に応じ、次の表のとおりとする。

バケット番号

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

リスク・ウェイト

(パーセント)

三十

三十五

六十

八十

四十

四十五

二十

三十五

二十五

三十五

五十

4 コモディティに係るベガ・リスク・ファクターは、バケット内の全てのコモディティのボラティリティの相対変化とする。

5 前項の「コモディティのボラティリティの相対変化」とは、バケット内の全てのコモディティに係る全てのボラティリティを現在価値に対して同時に一パーセント相対変化させた場合におけるCVA又はCVAヘッジ手段の価値の変動を〇・〇一で除して得た値をいう。

6 第四項に規定するリスク・ファクターのリスク・ウェイトRWkは、百パーセントとする。

 

第三款 承認の基準

第一目 CVAの計測方法

(取引相手ごとのCVAの計測)

第二百四十六条の四の三十 SA―CVA採用金庫は、第二百四十六条の四の八第一項第一号に掲げるネット感応度を計測するために、次条から第二百四十六条の四の三十五までに規定するところにより取引相手方ごとにCVAを計測するものとする。

 

(CVAの計測要素)

第二百四十六条の四の三十一 CVAは、取引相手方のデフォルトによって生ずる損失の額の期待値(正の値とする。)として計測するものとする。この場合において、SA―CVA採用金庫のデフォルト・リスクは、考慮しないものとする。

2 CVAは、次に掲げる要素に基づき計測するものとする。

一 マーケット・インプライドPD

二 マーケット・コンセンサスELGD

三 将来エクスポージャー

 

(マーケット・インプライドPD)

第二百四十六条の四の三十二 前条第二項第一号に掲げる「マーケット・インプライドPD」とは、市場で観測されるクレジット・スプレッドその他の信用リスクに係る指標(次項において「クレジット指標」という。)から推計して得た期間構造を有するデフォルト確率をいう。

2 前項の規定にかかわらず、クレジット指標の流動性が低い取引相手方(以下この項において「流動性の低い取引相手方」という。)に係る前項に規定するマーケット・インプライドPDは、当該流動性の低い取引相手方のクレジット指標を代替するクレジット指標から推計するものとする。この場合において、その推計は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める要件を満たすものとする。

一 流動性の低い取引相手方と信用力を構成する要素に関して類似する企業(以下この号及び第三号において「類似企業」という。)のクレジット指標が存在し、その流動性が高い場合 当該類似企業の流動性の高いクレジット指標を用い、かつ、次に掲げる変数その他クレジット指標に影響を及ぼす変数を考慮した分析手法を用いること。

イ 信用力指標

ロ セクター

ハ 地域

二 流動性の低い取引相手方を流動性の高いクレジット指標を有する参照銘柄に割り当てる場合 マッピングの妥当性を確保すること。

三 流動性の低い取引相手方の類似企業の流動性の高いクレジット指標が存在しない場合 信用リスクに関する包括的な分析に基づくこと。ただし、ヒストリカルPD(過去に実際に発生した信用力の変動を表すデータを用いて得たデフォルト確率をいう。)のみを包括的な分析に用いてはならず、デフォルト確率はクレジット指標に関連するものとする。

 

(マーケット・コンセンサスELGD)

第二百四十六条の四の三十三 第二百四十六条の四の三十一第二項第二号に掲げる「マーケット・コンセンサスELGD」とは、クレジット・スプレッドからリスク中立的なデフォルト確率を算出するために用いたLGDと同一のものとする。

2 前項の規定にかかわらず、エクスポージャーが無担保のシニア債よりも優先する場合にあっては、同項に規定するマーケット・コンセンサスELGDの値に必要な調整を加えたものを用いることができる。ただし、取引相手方が差し入れた担保によって、エクスポージャーの優先順位は変更されないものとする。

 

(将来エクスポージャー)

第二百四十六条の四の三十四 第二百四十六条の四の三十一第二項第三号に掲げる「将来エクスポージャー」とは、シミュレーションにより生成されるパスを用いて得られた将来のエクスポージャーを現在価値に割り引いたものをいう。

2 将来エクスポージャー(前項に規定する将来エクスポージャーをいう。以下この款において同じ。)の計測は、次に掲げる要件の全てを満たすものとする。

一 関連するマーケット・リスク・ファクター(CVAリスク相当額の算出の対象となる取引の価格に影響を及ぼす金利その他の原因の区分をいう。以下この項及び第二百四十六条の四の三十八第四項第三号において同じ。)をシミュレーションすることにより生成されるパスに基づき取引相手方との全てのデリバティブ取引を評価し、リスクフリー・レートを用いて現時点までの割引計算を行うことによって構築すること。

二 取引相手方との取引において重要な全てのマーケット・リスク・ファクターは、満期が最も長い取引の期間にわたり、適切な時点に設定された適切な数のパスを発生させるように確率過程を用いてシミュレーションされること。

三 取引相手方の信用力との間に高い相関関係がある取引については、当該相関関係を考慮すること。

四 リスク・ファクターのドリフト(確率変数の単位時間当たりの平均的な方向性をいう。以下この号において同じ。)は、リスク中立測度で求めること。ただし、ヒストリカル・データに基づくドリフトの水準調整は認められないものとする。

五 マーケット・リスク・ファクターのボラティリティ及び相関係数は、十分な市場データが存在する場合には、当該市場データを用いて水準を調整すること。ただし、十分な市場データが存在しない場合には、ヒストリカル・データに基づき水準の調整をすることが認められるものとする。

六 モデル化されたリスク・ファクターの分布は、将来エクスポージャーの分布が正規分布でない可能性(ファット・テールである可能性を含む。)を考慮すること。

3 将来エクスポージャーは、会計CVAを計測するために金庫が用いるモデルに基づき計測するものとする。この場合において、会計CVAがこの目に規定するCVAの計測方法を満たさないときは、必要な調整を行うものとする。

4 将来エクスポージャーを計測する際に用いる次に掲げる要素は、会計CVAを計測する際に用いるものと同一とする。

一 リスクのマージン期間を除くモデルの水準調整プロセス

二 CVAの算出に用いる市場データ及び実際の取引データ

5 ネッティングの認識は会計CVAの計測における取扱いと同様とし、かつ、ネッティングの不確実性はCVAの計測において考慮するものとする。

 

(マージン・アグリーメント)

第二百四十六条の四の三十五 マージン・アグリーメントを締結した取引相手方との取引においては、次に掲げる要件の全てを満たす場合に限り、受け入れた担保の効果を認識することができる。

一 第五十二条の三第十二号に掲げる基準を満たしていること。

二 担保付取引で使用される全ての文書が、取引に関係する全ての当事者を拘束し、全ての関連する法域において強制執行を行うことを可能にさせるものであること。

三 前号に掲げる要件が、十分な法的調査及び法的論拠に基づいて導かれており、強制執行可能性が継続的に維持されていることを適時に確認していること。

2 マージン・アグリーメントを締結した取引相手方に係る将来エクスポージャーの算出においては、次に掲げる要件の全てを満たすものとする。

一 将来エクスポージャーにリスク削減手法として認識される担保効果をパスに沿って勘案すること。

二 マージン・アグリーメントの性質、担保徴求の頻度、担保種別、閾値、独立担保額、当初証拠金及び最低引渡担保額その他関連する全ての契約上の特徴をエクスポージャー計測モデルにおいて適切に勘案すること。

三 エクスポージャーの計測をする時点の直前の一定期間内に取引相手方との間で担保の授受をしないことを前提とすること。この場合において、当該一定期間の日数は、次のイ又はロに掲げるリスクのマージン期間の区分に応じ、当該イ又はロに定める最低期間を下回らないものとする。

イ レポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引並びに間接清算参加者に対するトレード・エクスポージャーに係るリスクのマージン期間 四+N営業日(Nは、担保契約で定められている担保授受の間隔に基づくものをいい、日次又は日中の担保交換が定められている場合にあっては一とする。ロにおいて同じ。)

ロ イに掲げるリスクのマージン期間以外のリスクのマージン期間 九+N営業日

 

第二目 体制整備

(CVAリスク相当額の計算体制)

第二百四十六条の四の三十六 SA―CVA採用金庫は、前款の規定によりCVAリスク相当額を月ごとに算出する体制を整備するものとする。

 

(CVAリスク相当額の報告体制)

第二百四十六条の四の三十七 SA―CVA採用金庫は、CVAリスク相当額を金融庁長官及び厚生労働大臣に月ごとに報告する体制を整備するものとする。

 

(CVAの管理体制)

第二百四十六条の四の三十八 SA―CVA採用金庫は、次に掲げる要件の全てを満たすものとする。

一 内部統制に関する要件

二 エクスポージャー計測モデルの運用に関する要件

三 エクスポージャー計測モデルの検証に関する要件

四 内部監査に関する要件

2 前項第一号に掲げる「内部統制に関する要件」とは、次に掲げる要件をいう。

一 CVAに関するリスク管理(金庫が有するCVAリスクについて、識別、計測、管理、承認及び内部報告の枠組みに基づき管理することをいう。)の体制が整備されており、かつ、適切に運用されていること。

二 エクスポージャー計測モデルによりCVA及び感応度が計測され、承認に先立って一年以上にわたって適切に運用されていること。

三 次に掲げる要件の全てを満たすCVAデスクが設置されていること。

イ エクスポージャー計測モデルの利用に関する責任を負い、CVAに関するリスク管理方針の策定及びCVAに関するリスク管理業務の運営において、主導的な役割を果たしていること。

ロ 内部ヘッジ取引又は外部ヘッジ取引を執行するトレーダー(ハにおいて「CVAトレーダー」という。)を配置すること。

ハ CVAデスク及びCVAトレーダーの役割及び権限が明確に規定され、当該役割及び権限に基づき適切に運営されていること。

ニ 一週間に一回以上の頻度でCVAに関するリスク管理の状況を示す書類が作成され、CVAに関するリスク管理の状況その他必要な情報が理事に定期的に報告されていること。

ホ CVAの残高、その変動による損益その他のCVAを管理するための指標が定義され、CVAデスクの運営に組み込まれていること。

四 理事が、CVAに関するリスク管理に積極的に関与しており、かつ、CVAに関するリスク管理の適切な遂行に必要な経営資源を投入していること。

五 会計CVAのエクスポージャーを計測するためのシステムを適切に運用するために、文書化された内部方針、内部統制及び手続を遵守する体制が整備されていること。

六 エクスポージャー計測モデルを検証する部署(第五項において「CVAエクスポージャー計測モデル検証部署」という。)であって次に掲げる要件の全てを満たすものが設置されていること。

イ エクスポージャー計測モデルの開発時の検証及び運用後の定期的な検証を実施する責任を負うこと。

ロ 信用リスク・アセットの額を算出する対象となる取引に関わる部署、マーケット・リスク相当額を算出する対象となる取引に関わる部署及びCVAデスクから独立して設置されていること。

ハ 十分な能力を有する人員が配置されていること。

ニ 理事に対してエクスポージャー計測モデルの管理状況を直接報告するものであること。

3 第一項第二号に掲げる「エクスポージャー計測モデルの運用に関する要件」とは、次に掲げる要件をいう。

一 取引固有の情報を正確に捕捉し、取引をネッティング・セットに適切に割り当てることにより、ネッティング・セット単位でエクスポージャーを適切に計測するものであること。

二 エクスポージャー計測モデルが次に掲げる要件に従って適切に管理されていること。

イ 取引条件がエクスポージャー計測モデルに適時に反映されており、かつ、網羅的及び保守的なものであること。

ロ 取引条件がエクスポージャー計測モデルに正確かつ保守的に反映されていることを継続的に確認するために、エクスポージャー計測モデルと取引条件を蓄積するシステムとの間に照合プロセスが整備されていること。

三 CVAリスク相当額を算出するために用いる市場データが次に掲げる要件に従って管理されていること。

イ 市場データは、フロント・オフィス部門から独立して取得すること。

ロ 財務会計において使用するデータと整合的なものであること。

ハ エクスポージャー計測に必要な全ての市場データが適時に取得されており、かつ、当該市場データが必要な期間にわたり保存されていること。

ニ 不正確又は異常な市場データを適切に把握できる体制が整備されていること。

ホ エクスポージャー計測モデルが必要とする市場データを取得できない場合であって代替的な市場データ(以下ホにおいて「代理変数」という。)を使用するときは、あらかじめ文書で適切な代理変数を特定し、かつ、当該代理変数が市況の悪化を保守的に反映していることを示すこと。

4 第一項第三号に掲げる「エクスポージャー計測モデルの検証に関する要件」とは、次に掲げる要件をいう。

一 エクスポージャー計測モデルの開発時の検証及び運用後の継続的な検証のプロセスを明確に記載した規程が、次に掲げる要件に従って作成されていること。

イ モデルの運用方法、前提及び利用制限について第三者が理解可能なものとなっており、かつ、検証の再現の可能性が確保されていること。

ロ 定期的な検証の最低限の頻度及び追加的な検証の実施の条件(市場の急激な変化を含む。)が定められていること。

ハ データ・フロー(データの入力、処理及びモデル間のデータの受渡しの状況をいう。第二百四十六条の十の八第二項第五号において同じ。)及びポートフォリオに関する検証方法並びに金庫の代表的なCVAポートフォリオの構築方法が定められていること。

二 次に掲げる事項を定めた指針が策定されていること。

イ エクスポージャー計測モデル及び当該エクスポージャー計測モデルへのインプット(将来エクスポージャーを計測する際に用いる仮定及び市場データをいう。)を評価する要件

ロ エクスポージャー計測モデルについて、その正確性の評価及び継続的な改善に係るプロセス

三 エクスポージャー計測モデルの開発時及び運用後の継続的な検証において、マーケット・リスク・ファクターをシミュレーションすることにより生成されるパスに基づきエクスポージャーを算出する価格評価モデルを、幅広い市況に対応した独立した適切なベンチマ―クに照らして検証すること。この場合において、オプションの価格評価モデルにおいては、マーケット・リスク・ファクターに関して、オプション価値の非線形性を考慮すること。

四 取引が適切なネッティング・セットに割り当てられることを確認すること。

5 第一項第四号に掲げる「内部監査に関する要件」とは、CVAに係るリスク管理の全体のプロセス(CVAデスク及びCVAエクスポージャー計測モデル検証部署の運用を含む。)に対し、少なくとも一年に一回以上の頻度で内部監査を行う部門による独立した監査が実施されることをいう。

 

第四節 簡便法

(簡便法によるCVAリスク相当額)

第二百四十六条の四の三十九 金庫は、直近の期末から算出基準日までの間における第二百四十六条の二第二項各号に掲げる者以外の者を取引相手方とする派生商品取引の想定元本の合計額が十兆円以下である場合には、第二百四十六条の二の二第一項の規定にかかわらず、第二百四十六条の二第二項各号に掲げる者以外の者を取引相手方とする派生商品取引の信用リスク・アセットの額に十二パーセントを乗じて得た額をCVAリスク相当額とすることができる。

2 前項の規定を適用する場合において、金庫は、CVAポートフォリオ全体に同項の規定を適用するものとし、かつ、CVAリスクのヘッジ手段によるヘッジ効果を反映させることはできないものとする。

 

第六章の三 中央清算機関関連エクスポージャーの取扱い

(中央清算機関関連エクスポージャーの信用リスク・アセット)

第二百四十六条の五 第四章及び第五章の規定にかかわらず、次の各号に掲げるエクスポージャーの信用リスク・アセットの計算は、この章の定めるところによる。

一 中央清算機関に対するトレード・エクスポージャー

二 中央清算機関に係る清算基金

三 金庫が間接清算参加者である場合の直接清算参加者に対するトレード・エクスポージャーであって、第二百四十六条の二第二項第二号イ及びロに掲げる要件を満たすもの(次条において「直接清算参加者向けトレード・エクスポージャー」という。)

 

(中央清算機関に対するトレード・エクスポージャー及び直接清算参加者向けトレード・エクスポージャーの信用リスク・アセット)

第二百四十六条の六 第四章(第五十一条第四項第二号及び第三号を除く。)の規定は、中央清算機関に対するトレード・エクスポージャー及び直接清算参加者向けトレード・エクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算出について準用する。この場合において、同章(第五十条第二項及び第三項を除く。)の規定中「標準的手法採用金庫」とあるのは「金庫」と読み替えるものとする。

2 前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げるトレード・エクスポージャーの信用リスク・アセットの額を算出する場合における当該トレード・エクスポージャーのリスク・ウェイトは、二パーセントとする。

一 適格中央清算機関に対するトレード・エクスポージャー

二 直接清算参加者向けトレード・エクスポージャー

3 第一項の規定により第四章の規定を準用する場合(SA―CCRを用いる場合に限る。)において、適格中央清算機関が支払不能となり、当該適格中央清算機関から変動証拠金として受け入れることが予定されている担保に対する損失の発生を防ぐための方策が講じられていないときは、リスクのマージン期間は、ネッティング・セットに含まれる取引のMiのうちの最も長い営業日数(十営業日を下回る場合には、十営業日とする。)と一年間の営業日数のうちいずれか短い営業日数とする。

4 第一項の規定により第四章の規定を準用する場合において、期待エクスポージャー方式を用いるときは、第五十二条第十一項第一号中「イからニまで」とあるのは「イ、ロ又はニ」と、同号イ中「ロ又はハ」とあるのは「ロ」と、同号ニ中「イからハまで」とあるのは「イ又はロ」と読み替えるものとする。ただし、当該適格中央清算機関が支払不能となった場合において、当該適格中央清算機関から変動証拠金として受け入れることが予定されている担保に対する損失の発生を防ぐための方策が講じられていないときは、リスクのマージン期間は、ネッティング・セットに含まれる取引の残存期間のうちの最も長い営業日数(十営業日を下回る場合には、十営業日とする。)と一年間の営業日数のうちいずれか短い営業日数とする。

5 第一項の規定により第四章の規定を準用する場合において、第七十五条第二項第一号ホ中「流動性の低い担保又は再構築の困難な派生商品取引を含むネッティング・セット及び算出基準日を含む四半期の一期前の四半期内のいずれかの時点で取引件数が五千件を超えたネッティング・セット」とあるのは、「流動性の低い担保又は再構築の困難な派生商品取引を含むネッティング・セット」と読み替えるものとする。この場合において、当該適格中央清算機関が支払不能となった際に当該適格中央清算機関から変動証拠金として受け入れることが予定されている担保に対する損失の発生を防ぐための方策が講じられていないときは、最低保有期間は、ネッティング・セットに含まれる取引の残存期間のうちの最も長い営業日数(十営業日を下回る場合には、十営業日とする。)と一年間の営業日数のうちいずれか短い営業日数とする。

6 第一項の規定にかかわらず、直接清算参加者向けトレード・エクスポージャー(金庫が間接清算参加者である場合において、直接清算参加者及び他の間接清算参加者がともに債務不履行又は支払不能となった際に金庫への損失の発生を防ぐための方策を適格中央清算機関又は直接清算参加者が講じていないときに限る。)の信用リスク・アセットの額を算出する場合における当該直接清算参加者向けトレード・エクスポージャーのリスク・ウェイトは、四パーセントとする。

 

(適格中央清算機関に係る清算基金の信用リスク・アセット)

第二百四十六条の七 適格中央清算機関に係る清算基金の信用リスク・アセットの額は、次の算式により算出した所要自己資本額(KCMi)に十二・五を乗じて算出する。

一 所要自己資本額(KCMi)は、次の算式を用いて算出する。

  画像

  画像

 画像 は、当該適格中央清算機関に直接清算参加者iが拠出した清算基金の額

 DFCCPは、当該適格中央清算機関が有する資本その他これに類するものであって、直接清算参加者の債務不履行により当該適格中央清算機関に生ずる損失を清算基金(債務不履行参加者の清算基金を除く。)と同時に又は当該清算基金に先立ち負担するものの額

 画像 は、当該適格中央清算機関に直接清算参加者が拠出した清算基金の額の合計

  EADiは、当該適格中央清算機関が有する直接清算参加者iに対するトレード・エクスポージャーの額

二 前号のEADiは、次のイ又はロに掲げる取引の区分に応じ、当該イ又はロに定める額とする。

イ 派生商品取引 SA―CCRを用いて算出した額。ただし、受け入れ担保の額には直接清算参加者が拠出した清算基金の額を含むこととし、リスクのマージン期間は十営業日とする。

ロ レポ形式の取引 次の算式により算出した額

   EADi=max(EBRMi-IMi-DFi,0)

 EBRMiは、当該適格中央清算機関が有する直接清算参加者iに対するエクスポージャーの額に当該直接清算参加者が拠出した当初証拠金の額を加えた額(第七十九条の信用リスク削減手法適用後の額とする。)

   IMiは、直接清算参加者iが拠出した当初証拠金の額

   DFiは、直接清算参加者iが拠出した清算基金の額

三 前号ロの規定により所要自己資本額(KCMi)を算出する場合においては、第七十五条第二項第一号ニの規定にかかわらず、算出基準日を含む四半期の一期前の四半期内のいずれかの時点で取引件数が五千件を超えたネッティング・セットに係る最低保有期間を二十営業日とすることを要しない。

四 第一号に規定する算式におけるトレード・エクスポージャーに係る当初証拠金が、派生商品取引とレポ形式の取引の双方を対象としているときは、当該派生商品取引に係る当初証拠金及び当該レポ形式の取引に係る当初証拠金の額は、第二号イに定める額(担保を授受していないと仮定した場合における額とする。)と同号ロに定める額との割合に応じた額とする。

五 当該適格中央清算機関において、清算基金が一定の区分ごとに分別管理されている場合には、第一号の所要自己資本額は、当該区分ごとに算出する。この場合において、DFCCPが当該区分ごとに分別管理されていないときは、当該区分ごとのDFCCPは、ΣiEADiの額の割合に応じた額とする。

六 第二号の規定にかかわらず、直接清算参加者が自己の勘定と間接清算参加者ごとの勘定(複数の間接清算参加者の勘定を一括して管理している場合にあっては、一括して管理しているそれぞれの勘定をいう。以下この号及び次号において同じ。)を分別管理している場合には、当該自己の勘定のトレード・エクスポージャーの額及び当該間接清算参加者ごとの勘定のトレード・エクスポージャーの額の合計額をEADiとする。

七 前号の場合において、直接清算参加者が拠出した清算基金が、当該直接清算参加者の自己の勘定と間接清算参加者ごとの勘定の別に分けられていないときには、当該自己の勘定に係る当初証拠金の額と当該間接清算参加者ごとの勘定に係る当初証拠金との額の割合に応じて、当該清算基金を配分することとする。

2 前条及び前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる額の合計額(以下この項において単に「合計額」という。)と、適格中央清算機関が適格中央清算機関以外の中央清算機関となったと仮定した場合における次の各号に掲げる額の合計額(以下この項において「仮定した合計額」という。)を比較し、合計額が仮定した合計額を上回る場合には、当該仮定した合計額を当該適格中央清算機関に対するトレード・エクスポージャー及び当該適格中央清算機関に係る清算基金の信用リスク・アセットの額の合計額とする。

一 当該適格中央清算機関に対するトレード・エクスポージャーの信用リスク・アセットの額

二 当該適格中央清算機関に係る清算基金の信用リスク・アセットの額

 

(適格中央清算機関以外の中央清算機関に係る清算基金の信用リスク・アセット)

第二百四十六条の八 適格中央清算機関以外の中央清算機関に係る清算基金の信用リスク・アセットの額は、当該中央清算機関に拠出した清算基金の額に千二百五十パーセントのリスク・ウェイトを乗じた額とする。

 

第六章の四 マーケット・リスク

第一節 マーケット・リスク相当額の算出方式及び計測対象

(マーケット・リスク相当額の算出)

第二百四十六条の九 マーケット・リスク相当額の計測対象となるリスクは、次に掲げるものとする。

一 トレーディング勘定の商品に係るデフォルト・リスク、金利リスク、信用スプレッド・リスク、株式リスク、外国為替リスク及びコモディティ・リスク

二 バンキング勘定の商品に係る外国為替リスク及びコモディティ・リスク

三 前二号に掲げるリスクに類似するリスク

2 金庫は、保有している構造為替ポジションが次に掲げる要件の全てを満たし、かつ、あらかじめ金融庁長官及び厚生労働大臣に届け出た場合に限り、当該構造為替ポジションをマーケット・リスク相当額に算入しないことができる。

一 為替レートの変動によって生ずる自己資本比率の低下を完全に又は部分的にヘッジする目的で保有していること。

二 取引を行う前提で保有するものでないこと。

三 為替レートの変動によって生ずる自己資本比率の低下を相殺する範囲内で行うものであること。

四 六月以上の期間にわたってマーケット・リスク相当額から除外する前提で行われるものであること。

五 当該構造為替ポジションの構築及び変更に係る方針を整備していること。

六 当該構造為替ポジションのマーケット・リスク相当額からの除外は一貫した手法で行うものであること。

七 当該構造為替ポジションの概要及び金額を記した文書を作成し、当該文書について金融庁長官及び厚生労働大臣の求めに応じて提出できるよう整備していること。

3 前項の規定による届出には、次に掲げる事項を記載した書類を添付するものとする。

一 前項各号に掲げる要件を満たす旨の説明

二 その他参考とすべき事項

 

(マーケット・リスク相当額の算出方式)

第二百四十六条の九の二 マーケット・リスク相当額の合計額は、内部モデル方式、標準的方式及び簡易的方式を用いて算出するマーケット・リスク相当額の合計額をいう。

2 内部モデル方式採用金庫は、内部モデル方式を用いるトレーディング・デスクにおいて、次に掲げるマーケット・リスク相当額を算出し、その額を金融庁長官及び厚生労働大臣に一月に一回報告するものとする。

一 内部モデル方式を用いるトレーディング・デスクの保有する商品について、標準的方式を用いて算出したトレーディング・デスクごとのマーケット・リスク相当額

二 内部モデル方式を用いるトレーディング・デスクの保有する商品について、トレーディング・デスク間の相殺を考慮せずに内部モデル方式を用いて算出したトレーディング・デスクごとのマーケット・リスク相当額

3 金庫は、内部モデル方式を用いないトレーディング・デスクにおいて、標準的方式を用いてマーケット・リスク相当額を算出するものとする。

4 前項の規定にかかわらず、内部モデル方式を用いない金庫は、次に掲げる要件の全てを満たす場合には、簡易的方式を用いてマーケット・リスク相当額を算出することができる。

一 直近の期末から算出基準日までの間における商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定の合計額のうち最も大きい額が千億円未満であること。

二 直近の期末から算出基準日までの間における外国為替リスク・カテゴリーの全体のネット・ポジションの額のうち最も大きい額が千億円未満であること。

三 算出基準日が期末である場合には、当該算出基準日における商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定の合計額が千億円未満であること。

四 算出基準日が期末である場合には、当該算出基準日における外国為替リスク・カテゴリーの全体のネット・ポジションの額が千億円未満であること。

5 前項各号に定める要件を満たさない金庫は、その連結子法人等のマーケット・リスク相当額が当該金庫のマーケット・リスク相当額の一パーセント未満である場合には、あらかじめ金融庁長官及び厚生労働大臣に届け出たときに限り、当該連結子法人等のマーケット・リスク相当額の算出に簡易的方式を用いることができる。

6 内部モデル方式採用金庫は、次に掲げる商品については、標準的方式を用いてマーケット・リスク相当額を算出するものとする。

一 証券化エクスポージャー

二 第八条の四第三項第二号ロ又は第十六条の四第三項第二号ロに掲げる要件に該当し、かつ、マーケット・リスク相当額の算出対象となるファンドへの出資であって、ルックスルーができないもの

7 金庫は、第三項の規定により算出したマーケット・リスク相当額を金融庁長官及び厚生労働大臣に一月に一回報告するものとする。

 

(トレーディング・デスクの要件)

第二百四十六条の九の三 内部モデル方式採用金庫又は標準的方式採用金庫は、トレーディング・デスクを設置するものとする。

2 各トレーディング・デスクは、次の各号に掲げる算出方式の区分に応じ、当該各号に定める要件を満たすものとする。

一 内部モデル方式 次項各号に掲げる要件の全て(バンキング勘定の商品に係る外国為替リスク及びコモディティ・リスクを扱うトレーディング・デスク又は内部取引担当デスクである場合にあっては、同項第十号に掲げる要件)

二 標準的方式 次項各号(第十号ロを除く。)に掲げる要件の全て(バンキング勘定の商品に係る外国為替リスク及びコモディティ・リスクを扱うトレーディング・デスク又は内部取引担当デスクである場合にあっては、同項第十号(ロを除く。)に掲げる要件)

3 トレーディング・デスクの要件は、次に掲げるものとする。

一 各トレーディング・アカウントは、一つのトレーディング・デスクに対してのみ割り当てるものとし、トレーディング業務における収益を管理するための区分となっていること。

二 トレーダー又はトレーディング・アカウントのグループを直接管理するヘッド・トレーダーを一名のみ置くものであること。ただし、ヘッド・トレーダーの役割、責任及び権限が明確に区分されている場合又は一方が他方に対して最終的な監督権限を有する場合には、二名のヘッド・トレーダーを置くことができる。

三 トレーダー又はトレーディング・アカウントの役割及び権限が明確に定められていること。

四 トレーディング・デスクの目的と整合的なリスク許容範囲を設定しており、かつ、当該リスク許容範囲に当該トレーディング・デスクが許容するリスク・クラス及びそれに関連するリスク・ファクターが含まれていること。

五 理事会等への明確な報告態勢が整備されていること。

六 トレーダーの報酬がトレーディング・デスクの業績と連動する報酬体系である場合には、トレーディング・デスクの目的と整合的な報酬体系が整備されていること。

七 トレーダーは、一つのトレーディング・デスクにのみ配置させるものであること。ただし、健全な管理及び業務運営並びに資源配分の観点から適当であることを金融庁長官及び厚生労働大臣に対して説明することができる場合には、トレーダーは複数のトレーディング・デスクに配置することができる。この場合において、トレーダーの複数のトレーディング・デスクへの配置は、バック・テスティング(バリュー・アット・リスクに対して日次の仮想損益及び実損益を比較するプロセスをいう。第十号ロ及び次節において同じ。)又は損益要因分析テストの結果を操作することを目的としてはならない。

八 事業戦略(次に掲げる事項を含む。)に係る文書が作成されていること。

イ 事業戦略の背景となる経済的側面

ロ 取引可能な商品の種類及び頻繁に取引される商品の種類

ハ ヘッジについての方法、乖離の特定方法及びポジションの予想保有期間

ニ トレーディング・デスクの管理者(ヘッド・トレーダーを含む。)が承認した年次計画(予算及び人員計画を含む。)

ホ 定期的な経営情報(トレーディング・デスクの収益、費用及びマーケット・リスク相当額を含む。)

九 次に掲げる要件の全てを満たすトレーディング・デスクに係るリスク管理態勢を整備していること。

イ トレーディング・デスクの業務を独立して監視する部署及び担当理事等(マーケット・リスクの管理について業務執行権限を授権されたものをいう。)を設置していること。

ロ トレーディング・デスクの事業戦略に基づいたトレーディング・リミット(次に掲げる事項を含む。)が明確に定められており、かつ、当該トレーディング・リミットが理事会等により一年に一回以上見直されていること。

(1) トレーディング・デスクごとに設定された残高限度額(想定元本による残高限度額を含む。)

(2) トレーディング勘定全体の残高限度額

(3) トレーディング・デスクの運営方針

十 一週間に一回以上の頻度でトレーディング・デスクに係るリスク管理報告書(次に掲げるものを含む。)が作成されていること。

イ 損益報告(プロダクト・コントローラー(公正価値算定結果に対する独立検証及び評価調整の役割を担う者をいう。)により定期的に又は必要に応じて行われる検証の結果を含む。)

ロ バリュー・アット・リスク及び期待ショート・フォールに関する報告(バリュー・アット・リスクを算出した結果、期待ショート・フォールを算出した結果、リスク・ファクターに対する感応度、バック・テスティング及びP値(仮想損益又は実損益が九十九パーセントの信頼水準のバリュー・アット・リスクの棄却域に含まれる確率をいう。第二百四十六条の十二の八第一項において同じ。)を含む内部管理及び規制上のリスク計測に関する報告を含む。)

十一 次に掲げる報告書が作成され、かつ、金融庁長官及び厚生労働大臣の求めに応じて提出できるように整備されていること。

イ 商品の保有期間報告書

ロ トレーディング・リミットの超過の事実及びそれに対する措置に関する日次報告書

ハ 高頻度かつ多額な日中取引を行う金庫については、日中トレーディング・リミットの利用状況及び超過の事実に関する日次報告書

ニ 市場流動性の評価に係る報告書

 

(内部モデル方式に関するトレーディング・デスクに係る承認の申請)

第二百四十六条の九の四 第二百四十六条の十の承認を受けようとする金庫は、金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を受けた場合に、トレーディング・デスクを設置することができる。

2 前項の承認を受けようとする金庫は、次に掲げる事項を記載した承認申請書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

一 名称

二 トレーディング・デスクを管理する責任者の氏名及び役職名

3 前項の承認申請書には、次に掲げる書類を添付するものとする。

一 前項第二号に規定する責任者の履歴書

二 各トレーディング・デスクが前条第三項各号に掲げる要件を満たしていることを示す書類

三 その他参考となるべき事項を記載した書類

 

(承認の基準)

第二百四十六条の九の五 金融庁長官及び厚生労働大臣は、前条第一項の承認をしようとするときは、第二百四十六条の九の三第三項各号に掲げる要件を満たしているかどうかを審査するものとする。

 

(内部モデル方式に関するトレーディング・デスクに係る変更の届出)

第二百四十六条の九の六 第二百四十六条の九の四第一項の承認を受けた金庫は、次の各号のいずれかに該当することとなった場合には、遅滞なく、その旨及びその内容を記載した変更届出書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

一 承認申請書の記載事項に変更があった場合

二 承認申請書の添付書類の記載事項に重要な変更があった場合

三 そのトレーディング・デスクが第二百四十六条の九の三第三項各号に掲げる要件を満たさない事由が生じた場合

2 第二百四十六条の九の四第一項の承認を受けた金庫は、前項第三号に規定する事由が生じた場合には、当該事由に関する改善計画を記載した書面又は当該事由が当該金庫のリスクの観点から重要でない旨の説明を記載した書面を速やかに提出するものとする。

 

(承認の取消し)

第二百四十六条の九の七 金融庁長官及び厚生労働大臣は、内部モデル方式採用金庫が第二百四十六条の九の三第三項各号に掲げる要件を満たしていない場合には、第二百四十六条の九の四第一項の承認を取り消すことができる。

 

(標準的方式採用金庫によるトレーディング・デスクの届出)

第二百四十六条の九の八 標準的方式採用金庫は、標準的方式を用いるトレーディング・デスクを設置しようとするときは、あらかじめ、次に掲げる事項を記載した届出書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

一 名称

二 トレーディング・デスクを管理する責任者の氏名及び役職名

2 前項の届出書には、次に掲げる書類を添付するものとする。

一 前項第二号に規定する責任者の履歴書

二 各トレーディング・デスクが第二百四十六条の九の三第三項各号(第十号ロを除く。)に掲げる要件を満たしていることを示す書類

三 その他参考となるべき事項を記載した書類

 

(標準的方式採用金庫によるトレーディング・デスクに係る変更の届出)

第二百四十六条の九の九 前条の届出書を提出した標準的方式採用金庫は、次の各号のいずれかに該当することとなった場合には、遅滞なく、その旨及びその内容を記載した変更届出書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

一 届出書の記載事項に変更があった場合

二 届出書の添付書類の記載事項に重要な変更があった場合

三 そのトレーディング・デスクが第二百四十六条の九の三第三項各号(第十号ロを除く。)に掲げる要件を満たさない事由が生じた場合

2 標準的方式採用金庫は、前項第三号に規定する事由が生じた場合には、当該事由に関する改善計画を記載した書面又は当該事由が当該標準的方式採用金庫のリスクの観点から重要でない旨の説明を記載した書面を速やかに提出するものとする。

 

第二節 内部モデル方式

第一款 一般的規定

(内部モデル方式の承認)

第二百四十六条の十 金庫は、金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を受けた場合に、内部モデル方式を用いることができる。

 

(内部モデル方式に係る承認の申請)

第二百四十六条の十の二 内部モデル方式の使用について前条の承認を受けようとする金庫は、次に掲げる事項を記載した承認申請書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

一 名称

二 自己資本比率を把握し管理する責任者の氏名及び役職名

2 前項の承認申請書には、次に掲げる書類を添付するものとする。

一 理由書

二 前項第二号に規定する責任者の履歴書

三 次条に規定する内部モデル方式の承認の基準に適合していることを示す書類

四 次に掲げる場合に該当するときは、それぞれ参考となるべき事項を記載した書類

イ 第二百四十六条の十一の四第一項第一号に掲げる方法を使用する場合

ロ 第二百四十六条の十一の五第二項第一号ロに定める手法を使用する場合

ハ 第二百四十六条の十二の五第四項に規定する実損益からマーケット・リスクに関する時価調整を控除する場合

ニ 第二百四十六条の十二の五第五項に規定する仮想損益からマーケット・リスクに関する時価調整を控除する場合

ホ 第二百四十六条の十二の六第一項に規定するリスク理論損益の入力データの調整をする場合

ヘ 第二百四十六条の十三の二第三項に規定する流動性ホライズンnの水準を調整する場合

ト 第二百四十六条の十三の三第一項に規定する低減したリスク・ファクターを使用する場合

チ 第二百四十六条の十三の六第三項第十八号に規定する簡素化したモデルを使用する場合

リ 第二百四十六条の十三の六第三項第十九号イに規定する市場価格に基づくPDを使用する場合

五 その他承認に係る審査において参考となるべき事項を記載した書類

 

(内部モデル方式に係る承認の基準)

第二百四十六条の十の三 金融庁長官及び厚生労働大臣は、内部モデル方式の使用について第二百四十六条の十の承認をしようとするときは、第二百四十六条の十の六から第二百四十六条の十の九まで並びに次款及び第三款に規定する要件に適合しているかどうかを審査するものとする。

 

(内部モデル方式に係る変更に係る届出)

第二百四十六条の十の四 内部モデル方式採用金庫は、次の各号のいずれかに該当することとなった場合には、遅滞なく、その旨及びその内容を記載した変更届出書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

一 承認申請書の記載事項に変更があった場合

二 承認申請書の添付書類の記載事項に重要な変更があった場合

三 前条に規定する要件を満たさない事由が生じた場合

2 前項第三号に規定する事由が生じた場合には、内部モデル方式採用金庫は、当該事由に関する改善計画を記載した書面又は当該事由が当該内部モデル方式採用金庫のリスクの観点から重要でない旨の説明を記載した書面を速やかに提出するものとする。

 

(内部モデル方式に係る承認の取消し)

第二百四十六条の十の五 金融庁長官及び厚生労働大臣は、前条第一項第三号に掲げる場合であって、内部モデル方式を用いてマーケット・リスク相当額を算出することが不適当と判断したときは、第二百四十六条の十の承認を取り消すことができる。

 

(内部モデル方式の一般的要件)

第二百四十六条の十の六 内部モデル方式採用金庫は、次に掲げる要件の全てを満たすものとする。

一 マーケット・リスクの管理システムにおいて、金庫が保有する重要なリスクが網羅的に把握され、かつ、可能な限り考慮されていること。

二 フロント・オフィス部門のみならず、リスク管理部門及び内部監査を行う部門並びに必要に応じてバック・オフィス部門において、高度なモデルの使用に習熟した人員が十分に確保されていること。

三 内部モデル方式によるマーケット・リスク相当額の計測の正確性を示す記録が保存されていること。

四 ストレス・テスト(第二百四十六条の十の九に規定するストレス・テストをいう。次号において同じ。)が定期的に実施され、かつ、当該ストレス・テストの結果が次に掲げるものに利用されていること。

イ 理事会等による一月に一回以上の頻度で行われる議論

ロ 自己資本の充実度の評価

ハ 理事等によるリスク管理に関する方針の策定及び残高限度額をはじめとするリミットの設定

五 ストレス・テストの実施により、特定の事象に対する脆弱性が明らかとなった場合には、当該脆弱性に適切に対処する方策を速やかに講ずる態勢が整備されていること。

六 内部モデル方式を使用することが承認されたトレーディング・デスクが第二百四十六条の十二の三に規定する各トレーディング・デスクに対するバック・テスティング及び第二百四十六条の十二の四に規定する損益要因分析テストに合格していること。

七 内部モデル方式の承認に先立って第二百四十六条の十二の二に規定する全金庫的なバック・テスティングの結果を十二月分提出すること。

八 内部モデル方式の承認に先立って一定期間にわたるモニタリング及び実際の取引データを利用したテストが実施されていること。

九 内部モデル方式を採用するポートフォリオの範囲は、直近の各トレーディング・デスクのリスク・ファクターのモデル化可能性テスト、バック・テスティング及び損益要因分析テストの結果に基づき、四半期ごとに更新すること。

十 内部モデル方式を使用するトレーディング・デスクが、次に掲げる要件の全てを満たしたものであること。

イ 内部モデル方式を使用するトレーディング・デスクの指定が次に掲げる要件の全てを満たすこと。

(1) 内部モデル方式を使用するトレーディング・デスク及び使用しないトレーディング・デスクを指定し、その指定の根拠を文書により明確化すること。

(2) 内部モデル方式を使用するトレーディング・デスクのマーケット・リスク相当額の合計額が金庫全体のマーケット・リスク相当額の十パーセント以上となっていることを四半期ごとに評価すること。

(3) 標準的方式により算出されたマーケット・リスク相当額が内部モデル方式により算出されたマーケット・リスク相当額よりも小さいことを理由に、トレーディング・デスクに内部モデル方式を使用しないものとして指定しないこと。

(4) 内部モデル方式の使用について第二百四十六条の十の承認を受けるときに、内部モデル方式の承認の申請の対象にしないトレーディング・デスクは、直近で内部モデル方式の使用が承認された日から一年間は、内部モデル方式の承認の申請の対象としないこと。

ロ 内部モデル方式によるマーケット・リスク相当額の算出に当たっては、次に掲げる手順によること。

(1) 各トレーディング・デスクの損益要因分析テストを継続的に満たすリスク・ファクターを特定すること。

(2) 各トレーディング・デスクが第二百四十六条の十二の二及び第二百四十六条の十二の三に規定するバック・テスティングの要件を継続的に満たすこと。

(3) バック・テスティング及び損益要因分析テストを四半期ごとに実施し、トレーディング・デスクのバック・テスティング及び損益要因分析テストにおける分類を更新すること。

(4) リスク・ファクターのモデル化可能性テストを満たすリスク・ファクターに対するマーケット・リスク相当額は、期待ショート・フォールを用いて算出すること。

(5) リスク・ファクターのモデル化可能性テストを満たさないリスク・ファクターに対するマーケット・リスク相当額は、ストレス期待ショート・フォールを用いて算出すること。

十一 マーケット・リスク管理部署が設置されていること。

十二 マーケット・リスク管理部署は、次に掲げる項目を含む報告書を日次で作成すること。

イ 各トレーダーのポジションの状況

ロ トレーディング・デスクのリスク管理モデルから得られる結果及びその分析(エクスポージャーの計測値及びトレーディング・リミットとの関係に係る分析を含む。)

十三 マーケット・リスク管理部署は、理事会等にマーケット・リスクの管理状況を報告すること。

十四 理事等は、マーケット・リスク管理部署から第十二号に規定する報告書について日次で報告を受け、確認すること。

十五 モデル検証部署(内部モデル方式の設計・運用を行う部署から独立し、かつ、十分な能力を有する者が属する部署又は機能をいう。次号及び第二十二号イにおいて同じ。)は、内部モデル方式に用いる全てのモデルについて、承認時及びその後一年に一回以上の頻度で検証すること。

十六 モデル検証部署は、前号に規定する検証の結果について、理事会等に報告すること。

十七 理事会等は、マーケット・リスクの管理に積極的に関与し、適切な経営資源を投入すること。

十八 マーケット・リスク管理部署の管理者は、各トレーダーのポジションの削減を指示する権限を有すること。

十九 内部モデル方式が内部モデル方式採用金庫の内部管理で用いられるモデル(以下「内部管理モデル」という。)と異なる場合には、次に掲げる要件の全てを満たすこと。

イ 内部モデル方式及び内部管理モデルに用いられる時価評価モデルが可能な限り同一のものであること。

ロ トレーディング・デスクが有する価格変動リスクの特定、計測、管理及び内部報告について、内部モデル方式及び内部管理モデルが可能な限り同一のものであること。

ハ 内部管理モデルは、マーケット・リスク相当額の計測対象となっている全てのポジションを計測対象にしていること。

ニ トレーディング・デスクのリスク管理モデルにおけるリスク・ファクターの特定、パラメーターの推計及び代理変数の設計が、原則として内部管理モデルで用いる手法に基づき行われていること。

ホ マーケット・リスク相当額の算出に用いるモデルと内部管理モデルは、原則として同一のリスク・ファクターを対象とすること。

二十 内部管理モデルの運用、方針、管理及び手続に係る文書が作成され、かつ、それらを遵守する態勢が整備されていること。

二十一 内部モデル方式、標準的方式又は簡易的方式によるマーケット・リスク相当額の算出に用いる全てのモデルについて、適切な理論及び計算に基づく数値を正確に報告する態勢を整備すること。

二十二 内部モデル方式を含むマーケット・リスク計測に関連するシステムが次に掲げる要件の全てを満たすこと。

イ 内部監査を行う部門及びモデル検証部署又は外部監査を行う者のいずれかによって一年に一回以上の頻度で検証が行われるものであること。

ロ イの検証の対象には、トレーディング部署及びリスク管理部署の双方の業務を含むものであること。

ハ イの検証は、マーケット・リスク計測に関連するシステムに欠陥があった場合における当該欠陥が影響を及ぼすトレーディング・デスクを特定できるものであること。

ニ イの検証は、次に掲げる事項を含むものであること。

(1) マーケット・リスク管理部署の体制の適切性

(2) リスク管理モデルの理論及びモデル管理の手順に係る文書の十分性

(3) リスク管理モデルの正確性及び適切性

(4) リスク管理モデルに用いる入力データの整合性、適時性、信頼性及び独立性

(5) フロント・オフィス部門及びバック・オフィス部門の担当者が用いている時価評価モデルの運用体制(時価評価の承認過程を含む。)の適切性

(6) トレーディング・デスクのリスク管理モデルが対象とするマーケット・リスクの範囲の適切性

(7) 経営情報システムの完全性

(8) ポジションに関するデータの正確性及び網羅性

(9) ボラティリティ及び相関に関する仮定の正確性及び適切性

(10) 時価評価及びリスク量に係る算定方法の正確性

(11) 定期的なバック・テスティング及び損益要因分析テストを通じたトレーディング・デスクのリスク管理モデルの正確性に係る検証の適切性

(12) マーケット・リスク相当額の算出に用いるモデルと内部管理モデルとの整合性

 

(内部モデル方式に係る検証基準)

第二百四十六条の十の七 内部モデル方式採用金庫は、使用する内部モデル方式の検証を実施するものとする。

2 前項の検証は、次に掲げる基準を満たすものとする。

一 内部モデル方式の全ての仮定が適切であって、リスクを過小評価していないことを証明する検証(モデルが仮定する分布及び時価評価モデルの適切性の検証を含む。)が行われていること。

二 モデルの検証にはバック・テスティング及び損益要因分析テストが含まれ、かつ、当該バック・テスティングにおいては仮想損益の算出方法を検証すること。

三 モデルの検証には、仮想的なポートフォリオを用いた検証(市場の構造的な変更又はポートフォリオ構成の大きな変化(以下この号において「構造的特性」という。)によって、モデルの正確性が失われる可能性を把握する検証をいう。)が含まれ、かつ、当該仮想的なポートフォリオを用いて、発生可能性のある構造的特性を内部モデル方式で説明可能であるかどうかが確認されていること。

四 代理変数を使用する場合は、次に掲げる事項が確保されていること。

イ 代理変数を用いるリスク・ファクターが保守的な結果を算出することを確認すること。

ロ 重要なベーシス・リスク(同一の主体に関するポジションのうち、期間、優先劣後関係、信用事由その他の差異の存在により、類似するが同一といえないポジションの有するリスクをいう。以下この章において同じ。)が十分に反映されていること。

ハ 分散化されていないポートフォリオで生ずる可能性がある集中リスクが反映されていること。

 

(内部モデル方式に係る外部調査)

第二百四十六条の十の八 内部モデル方式採用金庫は、使用する内部モデル方式について、外部監査による検証の実施を検討するものとする。

2 前項の外部監査による検証は、次に掲げる要件の全てを満たすものとする。

一 金庫による内部モデル方式の検証が前条第二項に規定する基準を満たしているかどうかを確認すること。

二 マーケット・リスク相当額の算出及びオプション取引その他の複雑な商品の時価評価に当たって使用される算式の適切性がフロント・オフィス部門から独立した部署によって検証されていることを確認すること。

三 内部モデル方式が業務の観点及び地理的な観点から適切なものであるかどうかを確認すること。

四 内部モデル方式が潜在的な損失に関する信頼性の高い数値を算出できることを確保する観点から内部モデル方式に係るバック・テスティング及び損益要因分析テストの結果を確認すること。

五 リスク計測システム(マーケット・リスク相当額を算出するモデルを含む。)に関連するデータ・フローの透明性及び利用可能性を確認すること。

 

(内部モデル方式に係るストレス・テスト)

第二百四十六条の十の九 内部モデル方式採用金庫に求められるストレス・テストは、次に掲げる要件の全てを満たすものとする。

一 ストレス・テストの計測対象には、マーケット・リスク、信用リスク、オペレーショナル・リスクその他の金庫全体の主要なリスク(発生確率が低い事象を含む。)を含むものとなっていること。

二 各トレーディング・デスク及び金庫全体のストレスを含むものとなっており、かつ、内部モデル方式採用金庫のリスク特性を反映したものとなっていること。

三 ストレス・テストに用いるストレス・シナリオ(以下この条において単に「ストレス・シナリオ」という。)が、次に掲げる要素を含むものとなっていること。

イ トレーディング・ポートフォリオに大きな損失が生ずる可能性

ロ ポートフォリオのリスク管理を困難にする状況

四 ストレス・シナリオが、価格の線形及び非線形の特性を捕捉できるものとなっていること。

五 ストレス・シナリオが、市場混乱時において潜在的に被り得るマーケット・リスク及び市場流動性リスクを適切に勘案したものとなっていること。

六 ストレス・シナリオは、次のイからニまでに掲げるシナリオの区分に応じ、当該イからニまでに定めるものを用いること。

イ 当局設定シナリオ 必要に応じて金融庁長官及び厚生労働大臣が提示するシナリオ

ロ ヒストリカル・シナリオ 過去のストレス期における商品の価格変動及び流動性の急激な低下を勘案したシナリオ

ハ ボラティリティ・相関シナリオ ボラティリティ及び相関に極端な数値を適用したシナリオ

ニ 仮想シナリオ 自己のポートフォリオの特性に基づき発生し得る最大損失を想定し、開発するシナリオ

七 潜在的に被り得る重大な損失に対する自己資本の吸収能力評価及びリスクを削減し自己資本を保持するための措置を特定していること。

八 ストレス・テストの結果について、日常的に理事に報告するとともに、定期的に理事会へ報告するものであること。

九 ストレス・テストの結果について、金融庁長官及び厚生労働大臣の求めに応じて提出できるよう整備していること。

 

第二款 内部モデル方式の要件

(リスク・ファクターの特定)

第二百四十六条の十一 内部モデル方式のリスク・ファクターは、次に掲げる要件の全てを満たすものとする。

一 時価評価に用いる全てのリスク・ファクターが含まれること。この場合において、当該リスク・ファクターがトレーディング・デスクのリスク管理モデルに含まれない場合には、その理由を示すものとする。

二 次節に定める標準的方式に対応するリスク・クラスに係るリスク・ファクター(第二百四十六条の十六第三項及び第四項に定める証券化商品に係るリスク・ファクターを除く。)が含まれること。この場合において、当該リスク・ファクターが内部モデル方式に含まれない場合には、その理由を示すものとする。

三 期待ショート・フォール、市場混乱時を想定した期待ショート・フォール及びストレス期待ショート・フォールは、オプションその他の関連商品の非線形リスク、相関リスク及び関連するベーシス・リスクを含むこと。

四 リスク・ファクターに係る市場データの取得が困難な場合において代理変数を使用するときは、当該代理変数を使用することの合理性を示すこと。

五 内部モデル方式の一般金利リスクに係るリスク・ファクターは、次に掲げる要件の全てを満たすものであること。

イ トレーディング・デスクのリスク管理モデルにおいては、一般的に用いられる方法を用いてイールド・カーブをモデル化していること。

ロ イールド・カーブは、複数の期間を設定し、当該期間に対応するイールド・カーブに沿った金利のボラティリティを含めること。

ハ 主要通貨及び市場における金利変動に対する重要なエクスポージャーについては、少なくとも六個のリスク・ファクターを用いてイールド・カーブをモデル化すること。

ニ 使用するリスク・ファクターの数は、トレーディングの方針を考慮して定めること。

六 信用スプレッド・リスクのリスク・ファクターは、一般金利リスクと分離された信用スプレッド・リスクを捕捉するためのリスク・ファクターが含まれていることを前提とした上で、特定されるものであること。

七 内部モデル方式の外国為替リスクに関して、次に掲げる要件の全てを満たしたリスク・ファクターが特定されているものであること。

イ 外貨建てのポジションの各外国通貨に対応するリスク・ファクターを含むこと。

ロ 報告通貨及び重要なエクスポージャーを有する為替レートに対するリスク・ファクターを含むこと。

八 内部モデル方式の株式リスクに関して、次に掲げる方法のいずれかにより、重要なポジションを有する株式市場に対応するリスク・ファクターが特定されるものであること。この場合において、株式市場全体又は株式市場のセクターにおける個別銘柄のポジションの集中度を考慮するものとする。

イ 株式市場全体の株価の変動を反映するリスク・ファクターを使用する方法(個別銘柄又は業種別指数のポジションを市場全体の指数と対比したベータ換算額によって表す方法を含む。)

ロ 株式市場のセクターに対応するリスク・ファクターを使用する方法(各セクターに属する個別銘柄のポジションを当該セクターの指数と対比したベータ換算額によって表す方法を含む。)

ハ 個別銘柄のボラティリティに対応するリスク・ファクターを使用する方法

九 内部モデル方式のコモディティ・リスクに関して、次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める方法により重要なポジションを有するコモディティ商品に対応するリスク・ファクターが特定されるものであること。

イ コモディティを原資産とする商品ポジションが限定的である場合 簡便的な手法を用いてリスク・ファクターを特定する方法(各コモディティ価格に対して一個のリスク・ファクターを用いる方法及び受渡地域の異なるコモディティのリスク・ファクターを代用する方法を含む。)

ロ コモディティ取引を活発に行っている場合 デリバティブ・ポジションとコモディティの現物ポジションとの間のコンビニエンス・イールド(現物コモディティを直接所持することによる便益及び費用を反映する率をいう。)の変動を考慮する方法

十 内部モデル方式のファンドへの出資に係るリスクに関して、次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める方法によりリスク・ファクターが特定されるものであること。

イ トレーディング勘定へ分類されたファンドへの出資についてルックスルーができる場合 ファンドを構成する個別のポジションのリスクを特定する方法(当該方法において、当該ファンドが割り当てられたトレーディング・デスクにこれらのポジションを割り当てるものに限る。)

ロ トレーディング勘定へ分類されたファンドへの出資についてルックスルーができず、かつ、当該ファンドの日次の価格及び運用基準又はマーケット・リスク相当額に関する情報を取得している場合 当該ファンドのマーケット・リスク相当額の算出に標準的方式を使用する方法

 

(実在価格の観測に関する要件)

第二百四十六条の十一の二 内部モデル方式採用金庫は、前条の規定により特定されたリスク・ファクターについてリスク・ファクターのモデル化可能性テストを実施し、モデル化可能なリスク・ファクターとモデル化不可能なリスク・ファクターとに分類するものとする。ただし、金融市場又は資本市場の状況その他の事情を勘案して必要であるときは、リスク・ファクターのモデル化可能性テストにおいて不合格としたリスク・ファクターについて、あらかじめ金融庁長官及び厚生労働大臣に届け出た場合に限り、モデル化可能なリスク・ファクターに分類を変更することができる。

2 リスク・ファクターのモデル化可能性テストにおいては、次に掲げる要件のいずれかに該当する実在価格を用いるものとする。

一 次に掲げる要件の全てを満たし、かつ、直近十二月に二十四個以上の実在価格の観測値を特定すること。

イ 直近十二月におけるいずれの九十日間においても実在価格の観測値が四個以上存在すること。

ロ 実在価格の観測値の特定は、一日につき一個とすること。

ハ イ及びロに掲げる要件を満たしているかどうかについて、一月に一回の頻度でモニタリングすること。

二 直近十二月に百個以上(一日につき一個に限る。)の実在価格の観測値を特定すること。

3 実在価格は、次に掲げる価格のいずれかに該当するものとする。ただし、証拠金(金融商品取引業等に関する内閣府令(平成十九年内閣府令第五十二号)第百二十三条第一項第二十一号の十に規定する変動証拠金及び同項第二十一号の十一に規定する当初証拠金をいう。)に係る担保授受において参照される価格は、実在価格に含まないものとする。

一 自己が行った取引の価格

二 第三者の間で行われた実際の取引の価格(価格について妥当性を検証できるものに限る。)

三 確定気配値(第三者ベンダー(金融取引に係る情報を提供するものであって、金庫及びその連結子法人等以外のものをいう。以下この条において同じ。)、取引所(金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所若しくは商品先物取引法第二条第四項に規定する商品取引所又は海外におけるこれらと類似のものをいう。以下同じ。)又は取引基盤(第三者ベンダー又は取引所に類するものであって、金融取引に係る情報を提供する仕組みをいう。)によって認証された価格をいう。次号において同じ。)を参照した価格

四 第三者ベンダーから取得した価格であって、次に掲げる要件のいずれかを満たすもの

イ 当該第三者ベンダーにより収集された確定気配値及び取引価格であること。

ロ 確定気配値及び取引価格を証する書類を金融庁長官及び厚生労働大臣の求めに応じて提出することを第三者ベンダーとの間で合意していること。

ハ 前三号に掲げる価格のいずれかに該当するものであること。

4 前項第四号に該当する実在価格を用いる場合には、次に掲げる要件の全てを満たすものとする。

一 当該実在価格の観測数及び観測日に係る情報を第三者ベンダーから取得できること。

二 リスク・ファクターとの関連付けを確認するために必要な情報を第三者ベンダーから取得できること。

三 第三者ベンダーが当該実在価格について外部監査を受けており、かつ、金融庁長官及び厚生労働大臣の求めに応じ当該外部監査の結果を提出することについて、第三者ベンダーとの間で合意していること。

5 内部モデル方式採用金庫は、リスク・ファクターのモデル化可能性テストで用いた実在価格及び当該実在価格とリスク・ファクターを関連付ける手順について、その適切性を判断するために必要な情報を記した文書を作成するものとする。

 

第二百四十六条の十一の三 前条第二項に規定する実在価格の観測値の特定に当たっては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める要件を満たすものとする。

一 パラメトリック関数のパラメーターをリスク計測システムにおけるリスク・ファクターとして設定する場合 パラメトリック関数のパラメーターの水準調整に用いた市場データが、前条第二項から第四項までに規定する要件を満たすものであること。

二 信用スプレッド及び株式のリスク・ファクターを設定する場合 次に掲げる要件の全てを満たすこと。

イ 特定の経済、地域及びセクター全体の変動を表すリスク・ファクター(ロ及びハにおいて「全般的なリスク・ファクター」という。)を用いること。

ロ 市場指数及び個別の発行体の商品に係る実在価格については、全般的なリスク・ファクターと同じ属性を有する場合に限り、当該全般的なリスク・ファクターの実在価格の観測値に含めるものとすること。

ハ 全般的なリスク・ファクターが期間構造を有するものである場合には、当該全般的なリスク・ファクターを満期ごとに分類し、実在価格の観測をすること。

 

(リスク・ファクターのリスク・バケットへの分類)

第二百四十六条の十一の四 内部モデル方式採用金庫は、次に掲げる方法のいずれかにより、リスク・ファクターをリスク・バケットに分類するものとする。

一 内部管理において使用するリスク・バケットへ分類する方法

二 第三項で定めるリスク・バケットへ分類する方法

2 前項第一号に掲げる方法を用いる場合にあっては、次に掲げる要件の全てを満たし、かつ、金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を受けるものとする。

一 リスク・ファクターは、一つのリスク・バケットに分類すること。

二 リスク・バケットは重複していないこと。

3 第一項第二号に掲げる方法を用いる場合には、次の各号に掲げるリスク・ファクターの種類の区分に応じ、当該各号に定めるリスク・バケットにリスク・ファクターを分類するものとする。

一 満期の区分を一つ有する一般金利、外国為替及びコモディティのリスク・ファクター(インプライド・ボラティリティを除く。) 次の表の上欄に掲げる満期の区分に応じ、同表の下欄に定めるリスク・バケット

満期

リスク・バケット

零年以上〇・七五年未満

A1

〇・七五年以上一・五年未満

A2

一・五年以上四年未満

A3

四年以上七年未満

A4

七年以上十二年未満

A5

十二年以上十八年未満

A6

十八年以上二十五年未満

A7

二十五年以上三十五年未満

A8

三十五年以上

A9

二 満期の区分を複数有する一般金利、外国為替及びコモディティのリスク・ファクター(インプライド・ボラティリティを除く。) 次の表の上欄に掲げる満期の区分に応じ、同表の下欄に定めるリスク・バケット

満期

リスク・バケット

零年以上〇・七五年未満

B1

〇・七五年以上四年未満

B2

四年以上十年未満

B3

十年以上十八年未満

B4

十八年以上三十年未満

B5

三十年以上

B6

三 満期の区分を一つ又は複数有する信用スプレッド・リスク及び株式のリスク・ファクター(インプライド・ボラティリティを除く。) 次の表の上欄に掲げる満期の区分に応じ、同表の下欄に定めるリスク・バケット

満期

リスク・バケット

零年以上一・五年未満

C1

一・五年以上三・五年未満

C2

三・五年以上七・五年未満

C3

七・五年以上十五年未満

C4

十五年以上

C5

四 権利行使価格の区分を一つ又は複数有するリスク・ファクター 次の表の上欄に掲げる原資産に対する感応度の区分に応じ、同表の下欄に定めるリスク・バケット

原資産に対する感応度

リスク・バケット

零以上〇・〇五未満

D1

〇・〇五以上〇・三未満

D2

〇・三以上〇・七未満

D3

〇・七以上〇・九五未満

D4

〇・九五以上一・〇〇未満

D5

五 権利行使期限の区分及び権利行使価格の区分を有するインプライド・ボラティリティのリスク・ファクター(金利スワップションのものを除く。) 次の表に掲げる原資産に対する感応度及び満期の区分に応じ、同表に定めるリスク・バケット


原資産に対する感応度

零以上

〇・〇五未満

〇・〇五以上

〇・三未満

〇・三以上

〇・七未満

〇・七以上

〇・九五未満

〇・九五以上

一・〇〇未満

満期

零年以上

一・五年未満

C1

D1

C1

D2

C1

D3

C1

D4

C1

D5


一・五年以上

三・五年未満

C2

D1

C2

D2

C2

D3

C2

D4

C2

D5


三・五年以上

七・五年未満

C3

D1

C3

D2

C3

D3

C3

D4

C3

D5


七・五年以上

十五年未満

C4

D1

C4

D2

C4

D3

C4

D4

C4

D5


十五年以上

C5

D1

C5

D2

C5

D3

C5

D4

C5

D5

六 満期の区分、権利行使期限の区分及び権利行使価格の区分を有する金利スワップションのインプライド・ボラティリティのリスク・ファクター 満期の区分、権利行使期限の区分及び権利行使価格の区分の組合せにより作成されるリスク・バケット

4 前項第六号の「満期の区分」、「権利行使期限の区分」及び「権利行使価格の区分」とは、それぞれ次の各号の表に定めるものをいう。

一 満期の区分の表

満期

リスク・バケット

零年以上〇・七五年未満

B1

〇・七五年以上四年未満

B2

四年以上十年未満

B3

十年以上十八年未満

B4

十八年以上三十年未満

B5

三十年以上

B6

二 権利行使期限の区分の表

権利行使期限

リスク・バケット

零年以上一・五年未満

C1

一・五年以上三・五年未満

C2

三・五年以上七・五年未満

C3

七・五年以上十五年未満

C4

十五年以上

C5

三 権利行使価格の区分の表

原資産に対する感応度

リスク・バケット

零以上〇・〇五未満

D1

〇・〇五以上〇・三未満

D2

〇・三以上〇・七未満

D3

〇・七以上〇・九五未満

D4

〇・九五以上一・〇〇未満

D5

5 第一項第二号に掲げる方法を用いる場合において、負債性商品が直近の十二月以内に満期を迎えたときは、その期間内に特定した実在価格の観測値を当初のリスク・バケットの区分に分類するものとする。

6 第一項第二号に掲げる方法を用いる場合において、ある特定の満期のリスク・バケットに属する信用スプレッド・リスク・ファクターのモデル化の必要がなくなったときは、当該リスク・バケットに隣接するリスク・バケットのうち、短い満期の区分に分類することができる。

 

(リスク・ファクターのモデル化可能性テスト)

第二百四十六条の十一の五 内部モデル方式採用金庫は、リスク・ファクターのモデル化可能性テストを四半期ごとに実施するものとする。

2 リスク・ファクターのモデル化可能性テストは、次に掲げる要件の全てを満たすものとする。

一 モデル化可能なリスク・ファクターへの分類に当たっては、モデル化可能なリスク・ファクターの組合せにより得られたリスク・ファクターのみを用い、かつ、次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める手法を用いること。

イ モデル化可能なリスク・ファクターの組合せによる内挿(観測された複数の順序付けされたデータに基づいて、その間にある観測されていない値を算出することをいう。以下このイにおいて同じ。)を用いる場合 内挿がリスク理論損益を算出する際に用いた内挿の手法と整合していること。この場合において、情報量を可能な限り保ちながらリスク・ファクターの数を圧縮するときは、モデル化可能なリスク・ファクターの観測値からパラメーターを導出することができる。

ロ モデル化可能なリスク・ファクターの組合せによる外挿(観測された複数の順序付けされたデータに基づいて、その外側にある観測されていない値を算出することをいう。以下このロにおいて同じ。)を用いる場合 外挿が複数のモデル化可能なリスク・ファクターのデータを用いて算出する方法によることとし、かつ、当該外挿がリスク理論損益を算出する際に用いた外挿の手法と整合していること。この場合において、当該外挿を用いるときは、あらかじめ、金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を受けるものとする。

二 期待ショート・フォールを算出するモデル(以下この条及び第二百四十六条の十二の六第二項第二号において「期待ショート・フォールモデル」という。)は、一般市場リスク及び個別リスクを捕捉するものとし、一方又は双方のリスクを捕捉していない場合には、モデル化不可能なリスク・ファクターを用いてマーケット・リスク相当額を算出すること。

三 期待ショート・フォールモデルにあってはリスク・ポジションのボラティリティ及び相関係数を勘案し、当該ボラティリティ及び相関係数のデータにあっては次に掲げる事項を勘案すること。

イ 実在価格のデータを用いていること。

ロ ボラティリティが過小に評価されていないこと。

ハ 相関係数が実在価格間の相関に適切に近似した値であること。

ニ リスク・ファクターを変換する場合は、ボラティリティが過小に評価されておらず、かつ、期待ショート・フォールモデルにおいて用いたリスク・ファクターから生ずる相関が正確に反映されていること。

四 内部モデル方式に用いるデータは、次に掲げる要件の全てを満たすこと。

イ 実在価格に基づかないデータを用いる場合は、当該データが実在価格を代替するものであることを疎明すること。この場合においては、当該データとフロント・オフィス部門及びバック・オフィス部門で用いる価格データとの整合性を確認するものとする。

ロ 市場で観測された価格からリスク・ファクターを導出する場合は、導出の手法を記した文書を作成すること。

ハ データ・ソースを更新するための業務手続が整備されており、かつ、データが月次の頻度で更新されていること(当該データが日次の頻度で更新可能なものである場合にあっては、当該データが日次の頻度で更新されていること。)。

ニ リスク・ファクターのパラメーターを推計するために回帰分析を用いる場合は、当該パラメーターの推計値を定期的に再計算すること。

ホ 時価評価モデルにおけるキャリブレーション(期待ショート・フォールモデルその他のマーケット・リスク相当額の算出に関連するモデルから算出される価格の理論値が、市場価格を含む実際の取引の価格に可能な限り適合するよう推計することをいう。)は、十分な頻度で実施すること。

ヘ リスク・ファクターの欠損値を補完する場合には、明確な方針を策定すること。

五 第二百四十六条の十三の三第一項に規定する市場混乱時を想定した期待ショート・フォールのリスク・ファクターは、次に掲げる要件の全てを満たすものとする。

イ 実際の取引の価格又は気配値から推計された価格が用いられていること。

ロ 景気循環を含む可能な限り長期のデータを入手すること。

ハ 現在取引される金融商品の性質がストレス期間において取引される金融商品の性質と異なる場合において、現在取引される金融商品を用いることが過去のデータに基づき適切であることを疎明すること。

ニ 現在取引される金融商品がストレス期間に存在しなかった場合は、リスク・ファクターがストレス期間の類似する金融商品の価格やスプレッドの変動とおおむね同等であることを疎明し、かつ、次に掲げる要件の全てを満たすこと。この場合において、ストレス期間以降に性質が変化した金融商品については、現在の市場データを用いることが妥当であることを十分に説明できないときは、ストレス期間のリスク・ファクターから除くものとする。

(1) 第二百四十六条の十三の三第二項第一号ロに掲げる要件を満たすこと。

(2) 期待ショート・フォールの算出に係る特定の金融商品のリスク・ファクターについて、ストレス期間に係る当該金融商品のデータが入手できない場合は、当該金融商品のリスク・ファクターの個別リスクは、第二百四十六条の十三の三第一項に規定する低減したリスク・ファクターに含めないこと。

(3) 現在取引される金融商品のリスク・ファクターに含まれ、かつ、第二百四十六条の十三の三第一項に規定する低減したリスク・ファクターに含まれないリスク・ファクターに対するエクスポージャーは、当該低減したリスク・ファクターに含まれる最も適切なリスク・ファクターに分類すること。

六 代理変数の利用に当たっては、対象となる金融商品の取引に係る地域、種類その他の性質を適切に反映し、かつ、次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める要件を満たすこと。

イ マルチ・ファクター(金融商品の取引に係る地域、種類その他の性質に係る各要素をいう。)に基づくモデル(以下このイにおいて「マルチ・ファクターモデル」という。)において代理変数を生成する場合 次に掲げる要件の全てを満たすこと。

(1) マルチ・ファクターモデルにおいて複数のインデックスを利用する場合は、それぞれのインデックスの間にある相関関係を捕捉すること。この場合において、相関関係で説明できないインデックスの間のリスクについては、無相関を前提とすること。

(2) マルチ・ファクターモデルが資産の価格変動に対して有意な説明力を有し、かつ、代理変数の使用により説明できない誤差の存在を把握すること。

(3) マルチ・ファクターモデルの係数は、過去のデータに基づいて推計すること。この場合において、当該係数を主観的な判断に基づき設定するときは、モデル化不可能なリスク・ファクターに分類するものとする。

ロ 期待ショート・フォールモデルにおいて、代理変数を用いる場合 代理変数とリスク・ファクターとの間のベーシスを特定し、当該ベーシスをモデル化可能なリスク・ファクター又はモデル化不可能なリスク・ファクターに分類すること。この場合において、当該ベーシスがモデル化可能リスク・ファクターに分類されたときは、次に掲げるリスク・ファクターのいずれかをマーケット・リスク相当額及びリスク理論損益に反映すること。

(1) 代理変数のリスク・ファクター及びベーシスのリスク・ファクター

(2) 市場で観測されるリスク・ファクター

 

第三款 バック・テスティング及び損益要因分析テストに係る要件

(バック・テスティング及び損益要因分析テストに係る総則)

第二百四十六条の十二 内部モデル方式採用金庫は、次に掲げるテストを行うものとする。

一 全金庫的なバック・テスティング

二 各トレーディング・デスクに対するバック・テスティング

三 各トレーディング・デスクに対する損益要因分析テスト

2 内部モデル方式を用いるトレーディング・デスクは、前項第二号及び第三号に掲げるテストに合格したものとする。

 

(全金庫的なバック・テスティングに係る要件)

第二百四十六条の十二の二 内部モデル方式採用金庫は、全金庫的なバック・テスティングにおいて、評価日を含む直近二百五十営業日の日次のバリュー・アット・リスクと日次の仮想損益及び実損益とを比較するものとする。

2 全金庫的なバック・テスティングは、九十九パーセントの信頼水準のバリュー・アット・リスクを次に掲げる要件に基づき算出するものとする。

一 トレーディング・ポートフォリオ全体において、バック・テスティングの超過(仮想損益又は実損益がバリュー・アット・リスクを上回ることをいう。以下この節において同じ。)の回数(以下この条及び次条において「超過回数」という。)を算出し、仮想損益又は実損益のいずれか多い超過回数をバック・テスティングの結果に用いること。

二 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める超過回数の調整を行うこと。

イ 実損益のみが観測できない場合 実損益の超過回数に一を加える。

ロ 仮想損益のみが観測できない場合 仮想損益の超過回数に一を加える。

ハ イ及びロに掲げる場合以外の場合(仮想損益、実損益及び日次のバリュー・アット・リスクの全てが観測できる場合を除く。) 仮想損益及び実損益の超過回数にそれぞれ一を加える。

3 バック・テスティングの超過の要因がモデル化不可能なリスク・ファクターに関連するものであるときは、金融庁長官及び厚生労働大臣に届け出た場合に限り、当該バック・テスティングの超過を超過回数に含めないことができる。この場合においては、関連するマーケット・リスク相当額の変動の推移及び超過の要因について文書に記録し、保存するものとする。

4 全金庫的なバック・テスティングの結果は、次の表の上欄に掲げる超過回数の区分に応じ、同表の下欄に定めるバック・テスティングゾーン(グリーン・ゾーン(モデルの品質及び精度に問題がないとする結果をいう。以下この項及び次項において同じ。)、アンバー・ゾーン(モデルに問題がある可能性が示唆されるが決定的でないとする結果をいう。以下この項及び次項において同じ。)又はレッド・ゾーン(モデルに問題がある可能性が非常に高いとする結果をいう。以下この項及び次項において同じ。)をいう。)に区分するものとする。

超過回数

乗数

バック・テスティングゾーン

一・五〇

グリーン・ゾーン

一・五〇


一・五〇


一・五〇


一・五〇


一・七〇

アンバー・ゾーン

一・七六


一・八三


一・八八


一・九二


十以上

二・〇〇

レッド・ゾーン

5 前項の規定に基づき区分した結果については、前項の表のとおりマーケット・リスク相当額に乗数を乗じるものとする。

6 内部モデル方式採用金庫は、全金庫的なバック・テスティングの超過について、内容及び要因を文書に記録し、保存するものとする。

7 内部モデル方式採用金庫は、九十九パーセント以外の信頼水準に基づいたバック・テスティングその他統計的な手法により内部モデル方式を検証することができる。

 

(各トレーディング・デスクのバック・テスティング)

第二百四十六条の十二の三 内部モデル方式採用金庫は、各トレーディング・デスクに対するバック・テスティングにおいて、評価日を含む直近二百五十営業日の日次のバリュー・アット・リスクと日次の仮想損益及び実損益とを比較するものとする。

2 各トレーディング・デスクに対するバック・テスティングは、各トレーディング・デスクに対し、九十七・五パーセント及び九十九パーセントの信頼水準のバリュー・アット・リスクを次に掲げる要件に基づき算出するものとする。この場合において、バリュー・アット・リスクは、直近十二月の時系列データについて均等に重み付けたものを用いるものとする。

一 仮想損益又は実損益のいずれか多い超過回数をバック・テスティングの結果に用いること。

二 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める超過回数の調整を行うこと。

イ 実損益のみが観測できない場合 実損益の超過回数に一を加える。

ロ 仮想損益のみが観測できない場合 仮想損益の超過回数に一を加える。

ハ イ及びロに掲げる場合以外の場合(仮想損益、実損益及び日次のバリュー・アット・リスクの全てが観測できる場合を除く。) 仮想損益及び実損益の超過回数にそれぞれ一を加える。

3 バック・テスティングの超過の要因がモデル化不可能なリスク・ファクターに関連するものであるときは、金融庁長官及び厚生労働大臣に届け出た場合に限り、当該バック・テスティングの超過を超過回数に含めないことができる。この場合においては、モデル化不可能なリスク・ファクターに関連するマーケット・リスク相当額の変動の推移及びモデル化不可能なリスク・ファクターがバック・テスティングの超過の要因について、文書に記録し、保存するものとする。

4 各トレーディング・デスクに対するバック・テスティングの結果について、次の各号に掲げる信頼水準の区分に応じ、当該各号に定める回数を超える超過が直近十二月に生じた場合には、当該トレーディング・デスクに対するマーケット・リスク相当額は標準的方式を用いて算出するものとする。

一 九十七・五パーセントの信頼水準 三十回

二 九十九パーセントの信頼水準 十二回

5 内部モデル方式採用金庫は、各トレーディング・デスクに対するバック・テスティングの超過について、内容及び要因を文書で記録し、保存するものとする。

6 内部モデル方式採用金庫は、九十九パーセント以外の信頼水準に基づいたバック・テスティングその他統計的な手法により内部モデル方式を検証することができる。

 

(損益要因分析テストに係る要件)

第二百四十六条の十二の四 損益要因分析テストは、フロント・オフィス部門のモデルと内部モデル方式とを比較し、内部モデル方式の簡易化(内部モデル方式の時価評価モデルにおいて、フロント・オフィス部門の時価評価モデルよりも計算負荷を軽減させることをいう。以下この条において同じ。)の重要性を評価するため、トレーディング・デスクごとにリスク理論損益と仮想損益とを日次で比較するものとする。

2 内部モデル方式採用金庫は、損益要因分析テストにおいて、内部モデル方式の簡易化が重要性を有すると判断された場合には、当該内部モデル方式の使用を制限し、又は停止するものとする。

3 内部モデル方式採用金庫は、各トレーディング・デスクに対する損益要因分析テストについて、内部モデル方式の簡易化の内容、リスク理論損益及び仮想損益の定義並びに当該損益要因分析テストの結果及び当該結果を受けた対応方針に係る文書を作成するものとする。

 

(バック・テスティング及び損益要因分析テストに用いる損益)

第二百四十六条の十二の五 損益要因分析テストにおいて、リスク理論損益の算出に用いるトレーディング・デスクのリスク管理モデルのリスク・ファクターは、全てのモデル化可能なリスク・ファクター及び全てのモデル化不可能なリスク・ファクターを含むものとする。

2 損益要因分析テストにおけるリスク理論損益の算出に当たって、トレーディング・デスクのリスク管理モデルが追加的な残余リスク(トレーディング・デスクのリスク管理モデルのリスク・ファクターでは捕捉されているが、内部モデル方式に係る内部モデルでは捕捉されていないリスクをいう。)を含むデータを使用している場合には、当該トレーディング・デスクのリスク管理モデルに用いている全てのリスク・ファクターの変動を含むものとする。

3 バック・テスティング及び損益要因分析テストに用いる仮想損益は、同一のものとする。

4 実損益は、日次で更新できるかどうかにかかわらず、マーケット・リスクに関する時価調整を含むものとする。この場合において、金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を受けたときは、当該マーケット・リスクに関する時価調整を控除することができる。

5 仮想損益は、日次で更新できるマーケット・リスクに関する時価調整を含むものとする。この場合において、金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を受けたときは、当該マーケット・リスクに関する時価調整を控除することができる。

6 トレーディング・デスクのリスク管理モデルにおいて算出できない時価調整は、各トレーディング・デスクに対するバック・テスティングに用いる仮想損益と実損益に含めることを要しない。

7 仮想損益及び実損益の算出に当たっては、同一の時価評価モデルを用いるものとする。

 

(損益要因分析テストの入力データの調整)

第二百四十六条の十二の六 内部モデル方式採用金庫は、損益要因分析テストに使用する場合において、金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を受けたときに限り、リスク理論損益のリスク・ファクターに係る入力データを仮想損益で用いる入力データに合わせるための調整(以下この条において「リスク理論損益の入力データの調整」という。)を行うことができる。

2 リスク理論損益の入力データの調整は、次に掲げる方法のいずれかによるものとする。

一 リスク理論損益の入力データを仮想損益の入力データに置き換える方法

二 仮想損益の入力データをリスク理論損益及び期待ショート・フォールモデルで使用するリスク・ファクターの入力データとする方法

3 リスク理論損益の入力データの調整を行う場合には、次に掲げる要件の全てを満たすものとする。

一 リスク理論損益の入力データの調整を適切に実施するために金庫内規則(方針及び手続を含む。)を定めていること。

二 使用するリスク・ファクター及び算出手法の差異が適切であることを実証していること。

三 リスク理論損益の入力データの調整に係る検証を適切に実施するものであること。

四 リスク理論損益の入力データの調整がリスク理論損益及び損益要因分析テストに与える影響度についての評価(入力データの調整前後の比較を含む。)を実施するものであること。

4 リスク理論損益の入力データの調整において、同一の市場データから評価に必要なパラメーターを算出する場合において、リスク理論損益及び仮想損益の当該パラメーターに係る算出方法が異なるときは、算出方法の差異をリスク理論損益又は仮想損益の算出結果に反映するものとする。

5 損益要因分析テストにおけるリスク理論損益の入力データの調整においては、次に掲げる調整を行わないものとする。

一 仮想損益とリスク理論損益のリスク・ファクターを一致させるための調整

二 リスク理論損益及び仮想損益の算出において、異なるシステム及び時点による差異を解消するための調整

三 前項に規定する場合において算出されたパラメーターの調整

 

(損益要因分析テストの指標)

第二百四十六条の十二の七 損益要因分析テストの指標は、次に掲げるものとする。

一 リスク理論損益と仮想損益との間の順位相関を評価するスピアマンの順位相関指標(第三項及び次条第一項において単に「スピアマンの順位相関指標」という。)

二 リスク理論損益と仮想損益との間の分布の近似性を評価するコルモゴロフ・スミルノフ検定(第四項及び次条第一項において「KS検定」という。)のテスト指標

2 前項各号に掲げる指標の算出に当たっては、直近二百五十営業日に観測されたリスク理論損益及び仮想損益の時系列データを用いるものとする。

3 スピアマンの順位相関指標は、次の算式により算出するものとする。

 画像

 rSは、スピアマンの順位相関指標

 cov(RHPL,RRTPL)は、RHPLとRRTPLとの間の共分散

 画像 は、RHPLの標準偏差

 画像 は、RRTPLの標準偏差

 RHPLは、仮想損益を大きさに基づいて変換した順位データ

 RRTPLは、リスク理論損益を大きさに基づいて変換した順位データ

4 KS検定の指標は、次に掲げる経験的累積分布関数の間で観測される差額の絶対値のうち最大のものとする。

一 リスク理論損益の各損失額に対応する順位に〇・〇〇四(一営業日を二百五十営業日で除して得た値をいう。次号において同じ。)を乗じて得た経験的累積分布関数

二 仮想損益の各損失額に対応する順位に〇・〇〇四を乗じて得た経験的累積分布関数

 

(損益要因分析テストの実施)

第二百四十六条の十二の八 内部モデル方式採用金庫は、内部モデル方式を用いる各トレーディング・デスクに対して実施した損益要因分析テストの結果を、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるゾーンに分類するものとする。

一 スピアマンの順位相関指標が〇・八〇を超え、かつ、KS検定のテスト指標が〇・〇九(P値にあっては、〇・二六四)未満の場合 グリーン・ゾーン

二 スピアマンの順位相関指標が〇・七〇未満の場合又はKS検定のテスト指標が〇・一二(P値にあっては、〇・〇五五)を超える場合 レッド・ゾーン

三 前二号に掲げる場合以外の場合 アンバー・ゾーン

2 損益要因分析テストの結果がグリーン・ゾーンに分類されたトレーディング・デスクは、内部モデル方式を用いることができる。

3 損益要因分析テストの結果がレッド・ゾーンに分類されたトレーディング・デスクは、標準的方式を用いるものとする。

4 前項の規定により標準的方式を用いるものとされたトレーディング・デスクは、次に掲げる要件の全てを満たす場合に限り、内部モデル方式の使用を再開することができる。

一 改めて実施した損益要因分析テストにおいて、グリーン・ゾーンに分類されるものであること。

二 直近十二月にわたって、各トレーディング・デスクに対するバック・テスティングの結果について第二百四十六条の十二の三第四項に規定する超過が生じていないものであること。

5 損益要因分析テストの結果がアンバー・ゾーンに分類されたトレーディング・デスクは、第二百四十六条の十三の八に規定する資本サーチャージの適用対象とすることにより、内部モデル方式を継続して用いることができる。

6 損益要因分析テストの結果がアンバー・ゾーンに分類されたトレーディング・デスクは、次に掲げる要件の全てを満たす場合に限り、グリーン・ゾーンに分類するものとする。

一 改めて実施した損益要因分析テストにおいて、グリーン・ゾーンの要件に該当すること。

二 直近十二月にわたって、各トレーディング・デスクに対するバック・テスティングの結果について第二百四十六条の十二の三第四項に規定する超過が生じていないものであること。

 

(バック・テスティング及び損益要因分析テストの結果に係る届出)

第二百四十六条の十二の九 内部モデル方式採用金庫は、トレーディング・デスクが次に掲げる場合に該当することとなったときは、遅滞なく、その旨を記載した届出書に原因及び対処方針を記載した書類を添付して金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

一 第二百四十六条の十二の二に規定する全金庫的なバック・テスティングにおいて、アンバー・ゾーン又はレッド・ゾーンに分類された場合

二 各トレーディング・デスクに対するバック・テスティングの結果について第二百四十六条の十二の三第四項に規定する超過が生じた場合

三 前条に規定する各トレーディング・デスクに対する損益要因分析テストにおいて、アンバー・ゾーン又はレッド・ゾーンに分類された場合

 

(市場の特殊要因等に起因するバック・テスティングの超過及び損益要因分析テストの不合格時の対応)

第二百四十六条の十二の十 内部モデル方式採用金庫は、前条各号に規定する分類を行った場合において、当該分類に市場の特殊な要因等に起因する事象が含まれていると認められるときは、当該分類に用いたバック・テスティングの超過及び損益要因分析テストの不合格の結果を取り消すことができる。

 

第四款 内部モデル方式によるマーケット・リスク相当額

(モデル化可能なリスク・ファクターに基づくマーケット・リスク相当額)

第二百四十六条の十三 内部モデル方式採用金庫は、内部モデル方式を用いるトレーディング・デスクにおけるモデル化可能なリスク・ファクターについて、次条から第二百四十六条の十三の四までの規定により期待ショート・フォールによりマーケット・リスク相当額を算出するものとする。

 

(期待ショート・フォール算出に係る流動性ホライズンの勘案)

第二百四十六条の十三の二 内部モデル方式採用金庫は、内部モデル方式を用いるトレーディング・デスク全体及びトレーディング・デスク単位のポートフォリオにおいて、次の算式を用いて期待ショート・フォールを日次で算出するものとする。この場合において、当該算式には、片側九十七・五パーセントの信頼水準及び十日間の流動性ホライズン(以下この項において「ベース・ホライズン」という。)を用いるものとする。

 画像

 ESは、期待ショート・フォールにより算出したマーケット・リスク相当額

 EST(P)は、ベース・ホライズンを前提としたポジションP=(pi)に対する全てのリスク・ファクターのショックに係る期待ショート・フォールにより算出したマーケット・リスク相当額

 Tは、ベース・ホライズンの長さ

 LHjは、次項に規定する期間

 EST(P,j)は、ポジションP=(pi)のリスク・ファクターの集合Q(pi,j)の各ポジションpiへのショック(第三項に規定する流動性ホライズンnがLHj以上であるリスク・ファクターを変動させた場合における各ポジションpiに対するショックをいう。)を勘案した期待ショート・フォールにより算出したマーケット・リスク相当額

2 前項のLHjは、次の表の上欄に掲げる流動性ホライズンの区分に応じ、同表の下欄に定める期間とする。

流動性ホライズンの区分(j)

期間(日)

1

2

二十

3

四十

4

六十

5

百二十

3 流動性ホライズンnは、次の表の上欄に掲げるリスク・クラス及び中欄に掲げるリスク・ファクター・カテゴリーの区分に応じ、同表の下欄に定める期間とする。ただし、内部モデル方式採用金庫は、金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を受けた場合は、当該期間よりも長い期間を設定することができる。この場合において、当該期間よりも長い期間は、二十日、四十日、六十日又は百二十日とするものとする。

リスク・クラス

リスク・ファクター・カテゴリー

期間(日)

金利リスク




金利(特定通貨)

特定通貨以外の通貨

二十

ボラティリティ

六十

その他の種類

六十

信用スプレッド・リスク






ソブリン(投資適格(IG))

二十

ソブリン(投機的格付(HY))

四十

コーポレート(投資適格(IG))

四十

コーポレート(投機的格付(HY))

六十

ボラティリティ

百二十

その他の種類

百二十

株式リスク





株価(大型株)

株価(小型株)

二十

株価(大型株)に係るボラティリティ

二十

株価(小型株)に係るボラティリティ

六十

その他の種類の株式

六十

外国為替リスク




為替レートに係る特定通貨ペア

為替レートに係る通貨ペア(特定通貨ペアを除く。)

二十

為替に係るボラティリティ

四十

為替に係るその他の種類

四十

コモディティ・リスク







エネルギー及び二酸化炭素排出権取引価格

二十

貴金属及び非鉄金属価格

二十

その他のコモディティ価格

六十

エネルギー及び二酸化炭素排出権取引価格に係るボラティリティ

六十

貴金属及び非鉄金属価格に係るボラティリティ

六十

その他のコモディティ価格に係るボラティリティ

百二十

コモディティに係るその他の種類

百二十

(注1) 特定通貨とは、欧州経済通貨統合参加国通貨(EUR)、アメリカ合衆国通貨(USD)、英国通貨(GBP)、オーストラリア通貨(AUD)、スウェーデン通貨(SEK)、カナダ通貨(CAD)及び本邦通貨をいう(第二百四十六条の十八の二第四項において同じ。)。

(注2) 特定通貨ペアとは、特定通貨、スイス通貨(CHF)、メキシコ通貨(MXN)、中華人民共和国通貨(CNY)、ニュージーランド通貨(NZD)、ロシア通貨(RUB)、中華人民共和国(香港特別行政区)通貨(HKD)、シンガポール通貨(SGD)、トルコ通貨(TRY)、大韓民国通貨(KRW)、南アフリカ共和国通貨(ZAR)、インド通貨(INR)、ノルウェー通貨(NOK)及びブラジル通貨(BRL)のうち二の通貨の組合せによる通貨ペアをいう。

4 前項ただし書の承認を受けようとする内部モデル方式採用金庫は、次に掲げる要件の全てに適合していることを示す書類を添付した承認申請書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

一 リスク・ファクター・カテゴリーごとの流動性ホライズンについて、金融庁長官及び厚生労働大臣の求めに応じて情報を提出できる態勢を整備すること。

二 流動性ホライズンの設定に係る方針を策定すること。

三 流動性ホライズンの設定について、リスク管理部門による検証及び内部監査を定期的に実施する態勢を整備すること。

 

(市場混乱時を想定した期待ショート・フォールの算出)

第二百四十六条の十三の三 内部モデル方式採用金庫は、内部モデル方式を用いる全てのトレーディング・デスクに対して、市場混乱時を想定した期待ショート・フォールにより算出したマーケット・リスク相当額を次の算式により算出するものとする。

 画像

 ESは、市場混乱時を想定した期待ショート・フォールにより算出したマーケット・リスク相当額

 ESR,Sは、低減したリスク・ファクターについて、市場混乱時を想定した期待ショート・フォールにより算出したマーケット・リスク相当額

 ESR,Cは、低減したリスク・ファクターに基づく直近十二月の期待ショート・フォールにより算出したマーケット・リスク相当額

 ESF,Cは、全てのリスク・ファクターに基づく直近十二月の期待ショート・フォールにより算出したマーケット・リスク相当額

2 前項の規定による算出に当たっては、次に掲げる要件の全てを満たすものとする。

一 低減したリスク・ファクターが次に掲げる要件の全てを満たし、かつ、金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を受けたものであること。

イ 十分な観測期間を有したモデル化可能なリスク・ファクターであること。

ロ 低減したリスク・ファクターの期待ショート・フォールを全てのリスク・ファクターに基づく期待ショート・フォールで除して得た割合に係る直近十二週間の平均値が七十五パーセント以上であること。

二 ストレス期間に算出した期待ショート・フォールに係るデータは、均等に重み付けすること。

三 前項の算式中ESR,Sに係るストレス期間の見直しは、四半期に一回以上の頻度及びリスク・ファクターに重要な変更が生じた場合に行うこと。

四 前項の算式中ESR,Sに係るストレス期間を変更する場合には、低減したリスク・ファクターを見直すこと。

五 前二号の見直しの参照日は、リスク・ファクターのモデル化可能性テストの参照日と一致するものとすること。

六 前項の算式中ESF,Cの算出に用いたデータの更新は、四半期に一回以上の頻度及び市場価格の著しい変動が生じた場合に行うこと。

3 第一項の期待ショート・フォールが同一のリスク・クラスの場合は、過去のデータから観測される相関を反映することができる。この場合においては、相関をリスク・ファクターごとの前条第三項に規定する流動性ホライズンnと整合的なものとし、かつ、相関の算出及び使用方法に係る文書を作成するものとする。

4 第一項の期待ショート・フォールは、前条第三項に規定するリスク・ファクター・カテゴリーにおいて、オプションの非線形リスク及びボラティリティ曲面を適切に勘案するものとする。

5 第一項の算出に当たって、内部モデル方式は、トレーディング・デスクが設定するリスク許容範囲に係る重要なリスク・ファクターを全て含むものとする。

6 第一項の算出に当たっては、ヒストリカル・シミュレーション法、モンテカルロ・シミュレーション法その他適切な計測手法を使用することができる。

7 金融庁長官及び厚生労働大臣は、価格のボラティリティが短期間に大きく上昇し、価格変動をより適切に反映させることが妥当と判断した場合には、より短期の観測期間を使用した市場混乱時を想定した期待ショート・フォールの算出を求めることができる。この場合において、観測期間は、六月以上とする。

 

(市場混乱時を想定したモデル化可能なリスク・ファクターに基づくマーケット・リスク相当額)

第二百四十六条の十三の四 内部モデル方式採用金庫は、市場混乱時を想定した期待ショート・フォールを用いて、モデル化可能なリスク・ファクターに基づくマーケット・リスク相当額を、次の算式により算出するものとする。

 画像

 画像

 画像

 IMCCは、モデル化可能なリスク・ファクターに基づくマーケット・リスク相当額

 IMCC(C)は、全リスク・クラスを対象とした市場混乱時を想定した期待ショート・フォールにより算出したマーケット・リスク相当額

 IMCC(Ci)は、五つの各リスク・クラスを対象とした市場混乱時を想定した期待ショート・フォールにより算出したマーケット・リスク相当額

 ESR,S,iは、低減したリスク・ファクターについて、五つの各リスク・クラスを対象とし、ストレス期間を想定して算出した期待ショート・フォールにより算出したマーケット・リスク相当額

 ESR,C,iは、五つの各リスク・クラスを対象とし、低減したリスク・ファクターに基づく直近十二月の期待ショート・フォールにより算出したマーケット・リスク相当額

 ESF,C,iは、五つの各リスク・クラスを対象の全てのリスク・ファクターに基づく直近十二月の期待ショート・フォールにより算出したマーケット・リスク相当額

 ρは、〇・五

 Bは、リスク・クラスの総数

 

(モデル化不可能なリスク・ファクターに基づくマーケット・リスク相当額)

第二百四十六条の十三の五 内部モデル方式採用金庫は、トレーディング・デスクにおけるモデル化不可能なリスク・ファクターについて、ストレス・シナリオを用いてマーケット・リスク相当額を算出するものとする。この場合において、マーケット・リスク相当額は、それぞれのモデル化不可能なリスク・ファクターに基づき算出されたマーケット・リスク相当額を合計したものとする。

2 前項のマーケット・リスク相当額を合計したものは、次の算式を用いて算出するものとする。

 画像

 SESは、モデル化不可能なリスク・ファクターに基づくマーケット・リスク相当額を合計したもの

 iは、信用スプレッドに係るモデル化不可能なリスク・ファクター

 jは、株式の個別リスクに係るモデル化不可能なリスク・ファクター

 kは、内部モデル方式を用いるトレーディング・デスクにおけるモデル化不可能なリスク・ファクター(i又はjに該当するものを除く。)

 ISESNM,iは、信用スプレッドのリスク・ファクターiに対するマーケット・リスク相当額

 ISESNM,jは、株式の個別リスクのリスク・ファクターjに対するマーケット・リスク相当額

 SESNM,kは、モデル化不可能なリスク・ファクターkに対するマーケット・リスク相当額

 ρは、〇・六

3 第一項のストレス・シナリオは、次に掲げる要件の全てを満たすものとする。

一 九十七・五パーセントの信頼水準に基づき損失を算出するものであること。

二 ストレス期間は、同一のリスク・クラスにおける全てのモデル化不可能なリスク・ファクターについて、共通の十二月を使用するものであること。

三 前号に規定する共通の十二月に係る妥当性を記した文書を作成すること。ただし、当該妥当性を説明できない場合には、発生可能性のある最大損失額を勘案したストレス・シナリオを用いること。

4 第二項のモデル化不可能なリスク・ファクターに基づくマーケット・リスク相当額の算出に用いる流動性ホライズンnは、第二百四十六条の十三の二第三項の表の上欄に掲げるリスク・クラス及び中欄に掲げるリスク・ファクター・カテゴリーの区分に応じ、同表の下欄に定める期間(当該期間が二十日未満の場合にあっては、二十日)とする。

5 金融庁長官及び厚生労働大臣は、市場の流動性の低下を適切に反映させることが妥当と判断した場合には、前項の流動性ホライズンnを、より長い期間にすることを求めることができる。

6 内部モデル方式採用金庫は、第二項の算式中の信用スプレッドの個別リスクと株式の個別リスクとの合算において、その相関係数を零とすることができる。この場合において、内部モデル方式採用金庫は、その妥当性を示す文書を作成し、当該文書について金融庁長官及び厚生労働大臣の求めに応じて提出できるように整備するものとする。

 

(デフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額)

第二百四十六条の十三の六 内部モデル方式採用金庫は、DRCモデルを用いて、トレーディング・デスクにおけるクレジット商品及び株式に係るデフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額を算出するものとする。

2 デフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額は、DRCモデルにより算出された次に掲げる額のいずれか大きい額とする。

一 直近の計測値に基づく額

二 直近十二週間の計測の平均値に基づく額

3 DRCモデルは、次に掲げる要件の全てを満たすものとする。

一 片側九十九・九パーセントの信頼水準により、週次でデフォルト・リスクに係る信用バリュー・アット・リスク(特定のポジションを一定期間(第五号において「保有期間」という。)保有すると仮定した場合において、将来の債務者又は株式等の発行体(以下この項において「債務者等」という。)のデフォルトにより一定の確率の範囲内で予想される最大の損失額をいう。)を計測すること。

二 二種類の全般的なリスク・ファクターを用いたデフォルト・シミュレーション・モデル(債務者のデフォルト時損失(債務者のデフォルト前の格付の低下による損失を除く。)を見積もるモデルをいう。)を用いること。

三 債務者等に係るデフォルトの相関は、信用スプレッド又は上場株式の価格に基づき推計すること。

四 前号の規定による推計は、少なくとも十年間(ストレス期間を含む。)のデータに基づくものであること。

五 保有期間は一年間と仮定すること。ただし、株式に係るポートフォリオの場合は、六十日間と仮定することができる。

六 株式に係るポジションは、株価が零になることを想定して発行体のデフォルトをモデル化すること。

七 デフォルト・リスクは、債務者等ごとに計測すること。

八 デフォルト・リスクには、評価日時点の評価損益に加え、デフォルト時に生ずる損失を考慮すること。

九 債務者等がデフォルトした場合には、対象となる全てのポジションについて、自己が被ると想定される現在の時価評価に対する追加的な損失額を算出すること。

十 モデルが想定する損失額に、景気循環の影響が反映されていること。

十一 同一の債務者等に対するロング・エクスポージャーとこれに対応するショート・エクスポージャーとを相殺すること。この場合において、エクスポージャーが同一の債務者等に対する異なる商品を含むものであるときは、当該異なる商品間の優先劣後関係等を勘案すること。

十二 異なる債務者等に対するロング・エクスポージャーとショート・エクスポージャーとの間のベーシス・リスクをモデルに含めること。この場合において、異なる債務者等にまたがるロング・エクスポージャーとショート・エクスポージャーとの間のデフォルト・リスクの相殺は、デフォルト・リスクのモデル化を通じて行うこと。

十三 モデルに投入する前のポジションの相殺は行わないこと。

十四 異なる債務者等の間のデフォルトの相関は、次に掲げる要件の全てを満たすこと。

イ 相関は客観的なデータに基づき、自己のポジションの構成に基づく恣意的な相関の水準の調整をしないこと。

ロ 自己のポートフォリオに係る相関のモデル化の手法及び全般的なリスク・ファクターの選択の適切性を検証すること。この場合において、内部モデル方式採用金庫は、当該手法に係る文書を作成すること。

ハ 相関は一年以上の保有期間を想定すること。

ニ 全ての重要なベーシス・リスクを相関に反映すること。

十五 ポジションとそのヘッジの間で生ずる重要なミスマッチを全て捕捉すること。

十六 ストレス期間における特定の債務者等又は市場への集中による効果を全ての商品の種別について適切に勘案すること。

十七 オプション及びその他のポジションに係る非線形リスクの影響を反映すること。

十八 複数の原資産を有する株式デリバティブのポジションに対して、簡素化したモデルを使用する場合は、金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を受けること。

十九 モデルに投入するPDは、〇・〇三パーセントを下限とし、信用リスクに係る内部格付手法に使用する推計値が存在する場合には当該推計値を用い、当該推計値が存在しない場合には次に掲げる要件の全てを満たすPDを算出すること。ただし、当該推計値が存在しない場合において、第二十七条から第二十九条まで及び第三十一条第三項の規定によりリスク・ウェイトを零パーセントとすることが認められるエクスポージャーについては、当該下限を適用しないことができる。

イ 市場価格に基づくPDは使用しないこと。ただし、当該使用について、金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を受けている場合は、この限りでない。

ロ 観測した過去のデフォルト実績に基づくPDを使用すること。ただし、内部モデル方式採用金庫は、過去のデフォルト実績に基づくPDと乖離していないことを疎明できる場合には、理論値に基づくPDを使用することができる。

ハ 取引所に上場されている有価証券のデータに基づきPDの水準を調整する場合には、景気循環を含む最低五年の観測期間とすること。

ニ 外部データ・ソースから提供されるPDを用いる場合は、自己のポートフォリオに関連性があることを疎明すること。

二十 モデルに投入するLGDは、信用リスクに係る内部格付手法に使用する推計値が存在する場合には当該推計値を用い、当該推計値が存在しない場合には次に掲げる要件の全てを満たすLGDを算出すること。

イ ポジションの現在市場価値からデフォルト時点のポジションの期待市場価値を差し引いた金額に基づき算出すること。

ロ ポジションの種類と優先劣後構造を反映するものであること。ただし、零を下回る場合にあっては、零とする。

ハ 十分な過去データに基づくものであること。

ニ 外部データ・ソースから提供されるLGDを用いる場合は、自己のポートフォリオに関連性があることを疎明すること。

二十一 PD及びLGDの入手方法に関する優先順位付けを行い、恣意的に選択しないこと。

4 内部モデル方式採用金庫は、DRCモデルについて、適切な運用に必要な管理規程(信用スプレッド又は株価の使用要件、相関並びにPD及びLGDに係る管理手続(水準調整及び検証を含む。)を含む。)を文書で定めるものとする。

5 内部モデル方式採用金庫は、DRCモデルについて、ストレス・テスト、感応度分析、シナリオ分析その他これらに類する手法により評価するものとする。この場合において、内部モデル方式採用金庫は、過去の経験から得られた事象その他の事象を想定した検証を実施するものとする。

6 内部モデル方式採用金庫は、DRCモデルの全般的な正確性を評価するためのベンチマークを構築するものとする。

7 内部モデル方式採用金庫は、DRCモデルの検証について、具体的な検証手続を整備するものとする。

8 DRCモデルを使用してマーケット・リスク相当額を算出するトレーディング・デスクは、期待ショート・フォール又はストレス期待ショート・フォールを用いてマーケット・リスク相当額を算出するものとする。

 

(内部モデル方式を使用しないトレーディング・デスクによるマーケット・リスク相当額の算出)

第二百四十六条の十三の七 内部モデル方式を使用しないトレーディング・デスクに関連するマーケット・リスク相当額は、標準的方式又は簡易的方式を用いて算出するものとする。

 

(マーケット・リスク相当額の合算)

第二百四十六条の十三の八 内部モデル方式及び標準的方式に基づくマーケット・リスク相当額は、次の算式を用いて算出するものとする。

 ACRtotal=min{IMAG,A+資本サーチャージ+CU;SAall desk}+max{0;IMAG,A-SAG,A}

 CA=max{IMCCt-1+SESt-1;mc・IMCCavg+SESavg}

 資本サーチャージ=k・max{0,SAG,A-IMAG,A}

 k=0.5×Σi∈ASAi/Σi∈G,ASAi

 ACRtotalは、内部モデル方式及び標準的方式に基づくマーケット・リスク相当額

 IMAG,Aは、CA及びDRCの合計額

 DRCは、第二百四十六条の十三の六第二項の規定により算出された内部モデル方式を用いるトレーディング・デスクにおけるデフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額

 CUは、内部モデル方式を使用しないトレーディング・デスクについて標準的方式を用いて算出したマーケット・リスク相当額

 SAall deskは、全てのトレーディング・デスクについて標準的方式を用いて算出した場合のマーケット・リスク相当額

 SAG,Aは、第二百四十六条の十二の八第一項の規定によりグリーン・ゾーン(G)又はアンバー・ゾーン(A)に分類されたトレーディング・デスクについて標準的方式を用いて算出した場合のマーケット・リスク相当額

 SAAは、第二百四十六条の十二の八第一項の規定によりアンバー・ゾーン(A)に分類されたトレーディング・デスクについて標準的方式を用いて算出した場合のマーケット・リスク相当額

 CAは、DRC以外の内部モデル方式による資本賦課の合計額

 IMCCt-1は、算出基準日におけるIMCC(第二百四十六条の十三の四の規定に基づくモデル化可能なリスク・ファクターに対するマーケット・リスク相当額。以下この条において同じ。)

 SESt-1は、算出基準日におけるSES(第二百四十六条の十三の五第二項の規定に基づくモデル化不可能なリスク・ファクターに対するマーケット・リスク相当額。以下この条において同じ。)

 mcは、第二百四十六条の十二の二第四項の表の中欄に掲げる乗数又は当該乗数に金融庁長官及び厚生労働大臣が指定する定性的アドオンを加えたもの

 IMCCavgは、算出基準日を含む直近六十営業日のIMCCの平均値

 SESavgは、算出基準日を含む直近六十営業日のSESの平均値

 SAiは、トレーディング・デスクiについて標準的方式を用いて算出した場合のマーケット・リスク相当額

 

第三節 標準的方式

第一款 標準的方式に係る一般的規定及び構造

(標準的方式)

第二百四十六条の十四 標準的方式によるマーケット・リスク相当額とは、次に掲げるマーケット・リスク相当額の合計額をいう。

一 リスク感応度方式に基づくマーケット・リスク相当額

二 デフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額

三 残余リスク・アドオンに対するマーケット・リスク相当額

 

第二款 標準的方式に係るリスク感応度方式

第一目 リスク感応度方式による算出方法

(リスク感応度方式における用語)

第二百四十六条の十五 この節において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 リスク・クラス 次に掲げる区分をいう。

イ 一般金利リスク

ロ 信用スプレッド・リスク(非証券化商品に係るものに限る。)

ハ 信用スプレッド・リスク(証券化商品のうち非コリレーション・トレーディング・ポートフォリオ(以下この節において「証券化商品(非CTP)」という。)に係るものに限る。)

ニ 信用スプレッド・リスク(証券化商品のうちコリレーション・トレーディング・ポートフォリオ(以下この節において「証券化商品(CTP)」という。)に係るものに限る。)

ホ 株式リスク

ヘ コモディティ・リスク

ト 外国為替リスク

二 コリレーション・トレーディング・ポートフォリオ 次に掲げるポジションをいう。

イ 次に掲げる要件の全てを満たす証券化商品のポジション

(1) コリレーション・トレーディング(証券化商品のトランシェの受取額に対して比例した持分を提供しない証券化商品のエクスポージャーに係る派生商品取引を除く。)であること。

(2) 第三十八条から第四十一条の二までに規定するエクスポージャーに係る原資産を参照していないこと。

(3) 証券化目的導管体に対する債権を参照していないこと。

ロ 証券化商品に該当しないポジション(以下この節において「非証券化商品」という。)であってイに掲げるポジションをヘッジする目的であるもの

 

(リスク感応度方式に基づくマーケット・リスク相当額)

第二百四十六条の十五の二 リスク感応度方式に基づくマーケット・リスク相当額とは、デルタ・リスク、ベガ・リスク及びカーベチャー・リスクに対するマーケット・リスク相当額の合計額をいう。

 

(リスク感応度方式の対象商品)

第二百四十六条の十五の三 デルタ・リスク、ベガ・リスク及びカーベチャー・リスクの対象となる商品は、次の各号に掲げるリスクの区分に応じ、当該各号に定めるものとする。

一 デルタ・リスク 標準的方式を用いる全てのトレーディング・デスクが保有する商品(証券化商品(非CTP)を除く。)

二 ベガ・リスク 次に掲げる商品

イ オプション性を有する商品

ロ 繰上返済のオプションが組み込まれている商品

三 カーベチャー・リスク 前号イ及びロに掲げる商品。ただし、次に掲げる要件の全てを満たす場合に限り、同号イ及びロ以外の商品のうち標準的方式を用いる全てのトレーディング・デスクで保有する商品をカーベチャー・リスクの対象とすることができる。

イ 第一号に定めるデルタ・リスクの対象となる商品のうちオプション性を有さないものであること。

ロ カーベチャー・リスクの対象商品は継続して適用すること。

 

(デルタ・リスク及びベガ・リスクに対するマーケット・リスク相当額)

第二百四十六条の十五の四 デルタ・リスク及びベガ・リスクに対するマーケット・リスク相当額の算出は、次項から第七項までに定めるところによる。

2 デルタ・リスク及びベガ・リスクに対する各リスク・ファクターの感応度(sk)は第三目の規定に基づき自己の計算により算出し、同一のリスク・ファクターに関する感応度はネッティングするものとする。

3 各リスク・ファクター(k)に対するリスク加重後の感応度(リスク・ウェイトを乗じた後の感応度をいう。以下同じ。)は、次の算式により算出するものとする。

 WSk=RWk・sk

 WSkは、各リスク・ファクターに対するリスク加重後の感応度

 RWkは、リスク・ファクターkに適用されるリスク・ウェイト

4 各バケットに対するマーケット・リスク相当額(Kb)は、次の算式により算出するものとする。

 画像

 Kbは、各バケットに対するマーケット・リスク相当額

 ρklは、リスク・ファクターkとlとの間の相関係数

5 各リスク・クラスにおけるマーケット・リスク相当額は、次の算式により算出するものとする。

 画像

 画像

 画像

 γbcは、バケットbとcとの間の相関係数

 Sbは、リスク加重後の感応度WSbのバケットbの合計額

 Scは、リスク加重後の感応度WScのバケットcの合計額

6 前項の算式における平方根の計算において実数解が得られない場合は、Sb及びScを次の算式により算出し、当該Sb及びScを用いて同項の算式により各リスク・クラスにおけるデルタ・リスク及びベガ・リスクに対する各マーケット・リスク相当額を算出するものとする。

 画像

 画像

7 デルタ・リスク及びベガ・リスクに対するマーケット・リスク相当額は、前二項の規定により算出した各リスク・クラスのマーケット・リスク相当額を合算した額とする。

 

(カーベチャー・リスクに対するマーケット・リスク相当額)

第二百四十六条の十五の五 カーベチャー・リスクに対するマーケット・リスク相当額の算出は、次項から第七項までに定めるところによる。

2 カーベチャー・リスクを有するリスク・ファクターにおいて、リスク・ウェイトを上方及び下方に移動した場合の感応度(デルタ・リスクの加重平均感応度を除く。)は、次の算式により算出するものとする。

 画像

 画像

 画像 は、リスク・ファクターkが上方に移動した場合におけるカーベチャー・リスクのリスク加重後の感応度(デルタ・リスクのリスク加重後の感応度を除く。)

 画像 は、リスク・ファクターkが下方に移動した場合におけるカーベチャー・リスクのリスク加重後の感応度(デルタ・リスクのリスク加重後の感応度を除く。)

 iは、リスク・ファクターkに関連するカーベチャー・リスクを有する商品

 xkは、リスク・ファクターkの現在の水準

 Vi(xk)は、リスク・ファクターkのxkにおける商品iの時価

 画像 は、リスク・ファクターkが上方に移動した場合の商品iの時価

 画像 は、リスク・ファクターkが下方に移動した場合の商品iの時価

 画像 は、商品iのリスク・ファクターkに適用されるリスク・ウェイト

 sikは、商品iのリスク・ファクターkのデルタ・リスクの感応度

3 前項の感応度の算出に当たっては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める手法を用いるものとする。

一 一般金利リスクの場合 ある通貨内の全てのリスクフリー・イールド・カーブを全てのテナーについて上方及び下方に移動することにより算出する。

二 商品価格が複数のリスク・ファクターにより決定される場合 各リスク・ファクターに対して個別に算出する。

4 前項のリスク・ファクターkのデルタ・リスクの感応度(sik)は、次の各号に掲げるリスクの区分に応じ、当該各号に定めるものとする。

一 外国為替リスク及び株式リスク 商品iのデルタ・リスクの感応度

二 一般金利リスク、信用スプレッド・リスク及びコモディティ・リスク リスク・ファクターkに関して、商品iの関連するイールド・カーブの全てのテナーに対するデルタ・リスクの感応度の合計

5 各バケットにおけるマーケット・リスク相当額(Kb)は、次の算式により算出するものとする。

 画像

 画像

 ρklは、リスク・ファクター間の相関係数であり、デルタ・リスクの相関関数を二乗した値

 Ψ(CVRk,CVRl)は、CVRk及びCVRlがいずれも負の場合には零、それ以外の場合には一

6 各リスク・クラスのカーベチャー・リスクに対するマーケット・リスク相当額は、次の算式により算出するものとする。

 画像

 γbcは、デルタ・リスクの相関関数を二乗した値

 画像

 Ψ(Sb,Sc)は、Sb及びScのいずれも負の場合には零、それ以外の場合には一

7 カーベチャー・リスクに対するマーケット・リスク相当額は、前項の規定により算出した各リスク・クラスのカーベチャー・リスクに対するマーケット・リスク相当額を合算した額とする。

 

(リスク感応度方式におけるストレスを想定した相関係数)

第二百四十六条の十五の六 第二百四十六条の十五の四第四項及び第五項並びに前条第五項及び第六項の算式においては、次の各号に掲げるシナリオの区分に応じ、当該各号に定める方法により設定された相関係数を用いるものとする。

一 中間相関のシナリオ 第四目又は第五目の規定により算出された相関係数(ρkl)及び相関係数(γbc)に調整を加えずに用いる方法

二 高相関のシナリオ 第四目又は第五目の規定により算出された相関係数(ρkl)及び相関係数(γbc)を、それぞれ一・二五を乗じて得た相関係数(一を超える場合は一とする。)に置き換える方法

三 低相関のシナリオ 第四目又は第五目の規定により算出された相関係数(ρkl)及び相関係数(γbc)を、それぞれmax(2×ρkl-100%;75%×ρkl)及びmax(2×γbc-100%;75%×γbc)により算出した相関係数に置き換える方法

2 前項の規定により算出したトレーディング・デスクごとのマーケット・リスク相当額を同項各号に掲げるシナリオごとに合算して得た額を、当該シナリオのリスク感応度方式に基づくマーケット・リスク相当額とする。

3 前項の規定により算出されたシナリオごとのマーケット・リスク相当額のうち最も大きい額を、リスク感応度方式に基づくマーケット・リスク相当額とする。

 

第二目 リスク感応度方式に係るリスク・ファクター

(デルタ・リスク、ベガ・リスク及びカーベチャー・リスクに対するリスク・ファクター)

第二百四十六条の十六 一般金利リスクに対するリスク・ファクターは、次の各号に掲げるリスクの区分に応じ、当該各号に定めるところにより設定するものとする。

一 デルタ・リスク 次のイからハまでに掲げるカーブの区分に応じ、当該イからハまでに定めるところにより設定すること。

イ 各通貨のリスクフリー・イールド・カーブ 次に掲げる要件の全てを満たすこと。

(1) 各通貨において、マーケット・リスク相当額の計測対象となる信用リスクが最も低いマネー・マーケット商品又はポジションを時価評価するために用いるマーケット・インプライド・スワップ・カーブに基づくカーブを一以上設定すること。

(2) 各通貨のリスクフリー・イールド・カーブのテナーは、〇・二五年、〇・五年、一年、二年、三年、五年、十年、十五年、二十年及び三十年を用いること。

(3) 中央政府の発行する債券の市場データを用いて作成されたカーブによりリスクフリー・イールド・カーブに代替しようとするときは、マーケット・インプライド・スワップ・カーブに関するデータが不十分な場合に限ること。この場合において、同一通貨の域内に複数国の中央政府が発行する債券があるときは、当該域内のリスクを代表する適切な中央政府を選ぶこと。

(4) 一般金利リスクについて債券から決定される感応度にスワップ・カーブを適用する場合には、信用スプレッド・リスク・クラスにおいて債券カーブとクレジット・デフォルト・スワップ・カーブとの間のベーシス・リスクを捕捉すること。

(5) 各通貨のリスクフリー・イールド・カーブの構築に当たっては、次に掲げるカーブの組合せの場合には、当該組合せにおけるカーブを異なるカーブとして設定すること。

(i) 翌日物金利スワップ(OIS)・カーブ及び銀行間取引(BOR)スワップ・カーブ

(ii) テナーが異なる複数の銀行間取引(BOR)カーブ

(iii) オンショア市場及びオフショア市場のカーブ

ロ 各通貨の市場におけるインフレ率のフラット・カーブ 次に掲げる要件の全てを満たすこと。

(1) イールド・カーブの期間構造を認識しないこと。

(2) インフレ型商品(キャッシュ・フローがインフレーションの指標に関連する商品をいう。以下この(2)及び(3)において同じ。)のインプライド・クーポン(インフレ型商品の市場で観測された価格から逆算された当該商品の予想される利率をいう。)からインフレ率に対する感応度を算出し、各通貨のインフレ・リスク(物価の変動により保有商品の価格が下落するリスクをいう。以下この項において同じ。)を合算すること。

(3) インフレ率のリスク・ファクターは、インフレ型商品にのみ含まれることとし、インフレ・リスク以外の一般金利リスクのリスク・ファクターは、インフレ・リスクの対象とする商品に含まれること。

(4) インフレ・リスクは、同一通貨の関連するリスクフリー・イールド・カーブの期間構造に割り当てること。

ハ 各通貨(基軸通貨(金庫が設定する一の通貨であって、アメリカ合衆国通貨(USD)又は欧州経済通貨統合参加国通貨(EUR)をいう。以下このハにおいて同じ。)を除く。)のクロスカレンシー・ベーシスのフラット・カーブ 次に掲げる要件の全てを満たすこと。

(1) イールド・カーブの期間構造を認識しないこと。

(2) クロスカレンシー・ベーシスは、基軸通貨に対するベーシスとすること。

(3) 基軸通貨に関連しないクロスカレンシー・ベーシスは、基軸通貨に対するクロスカレンシー・ベーシスを組み合わせて設定すること。

(4) 同一商品の一般金利リスクに対する感応度に加えて、クロスカレンシー・ベーシス・リスクを含むこと。この場合において、クロスカレンシー・ベーシス・リスクは、同一通貨の関連するリスクフリー・イールド・カーブの期間構造に割り当てること。

二 ベガ・リスク 次に掲げる要件の全てを満たすように設定すること。

イ 各通貨において、一般金利リスクに対して感応度を有する原資産を参照するオプションのインプライド・ボラティリティをリスク・ファクターとして設定すること。

ロ オプションの満期については、オプションのインプライド・ボラティリティを一以上のテナー(〇・五年、一年、三年、五年又は十年とする。)のいずれかに関連付けること。

ハ オプションの行使期間満了日時点におけるオプションの原資産の残存満期については、オプションのインプライド・ボラティリティを満期までの一以上の残存満期のテナー(〇・五年、一年、三年、五年又は十年とする。)のいずれかに関連付けること。

ニ 一般金利リスクについて債券から決定される感応度にスワップ・カーブを適用する場合には、信用スプレッド・リスク・クラスにおいて債券カーブとクレジット・デフォルト・スワップ・カーブとの間のベーシス・リスクを捕捉すること。

三 カーベチャー・リスク 次に掲げる要件の全てを満たすように設定すること。

イ 各通貨のリスクフリー・イールド・カーブを平行移動することにより算出すること。

ロ インフレ・リスク及びクロスカレンシー・ベーシス・リスクについては、カーベチャー・リスクの計測の対象外とすること。

ハ 一般金利リスクについて債券から決定される感応度にスワップ・カーブを適用する場合には、信用スプレッド・リスク・クラスにおいて債券カーブとクレジット・デフォルト・スワップ・カーブとの間のベーシス・リスクを捕捉すること。

2 非証券化商品に係る信用スプレッド・リスクに対するリスク・ファクターは、次の各号に掲げるリスクの区分に応じ、当該各号に定めるところにより設定するものとする。

一 デルタ・リスク 次に掲げる要件の全てを満たすように設定すること。

イ 債券及びクレジット・デフォルト・スワップに関連する発行体の信用スプレッド・カーブの特性に応じて定めるものであること。

ロ テナー(〇・五年、一年、三年、五年又は十年とする。)に応じて定めるものであること。

二 ベガ・リスク 次に掲げる要件の全てを満たすように設定すること。

イ 債券及びクレジット・デフォルト・スワップに関連する発行体の銘柄を原資産として参照するオプションのインプライド・ボラティリティであること。

ロ オプションの満期においては、インプライド・ボラティリティを満期(〇・五年、一年、三年、五年又は十年とする。)に関連付けること。

三 カーベチャー・リスク 債券及びクレジット・デフォルト・スワップに関連する発行体の信用スプレッド・カーブに設定されたテナーの全てを平行移動することにより算出すること。

3 証券化商品(非CTP)に係る信用スプレッド・リスクに対するリスク・ファクターは、次の各号に掲げるリスクの区分に応じ、当該各号に定めるところにより設定するものとする。

一 デルタ・リスク 次に掲げる要件の全てを満たすように設定すること。

イ 当該証券化商品(非CTP)の原資産のスプレッドではなく、保有するトランシェのスプレッドであること。

ロ トランシェの信用スプレッド・カーブの特性に基づくこと。

ハ テナー(〇・五年、一年、三年、五年又は十年とする。)に基づくこと。

二 ベガ・リスク 次に掲げる要件の全てを満たすように設定すること。

イ 証券化商品(非CTP)を原資産として参照するオプションのインプライド・ボラティリティであること。

ロ オプションの満期においては、インプライド・ボラティリティを満期(〇・五年、一年、三年、五年又は十年とする。)に関連付けること。

三 カーベチャー・リスク 保有するトランシェの信用スプレッド・カーブに設定されたテナーの全てを平行移動することにより算出すること。

4 証券化商品(CTP)に係る信用スプレッド・リスクに対するリスク・ファクターは、次の各号に掲げるリスクの区分に応じ、当該各号(インプライド・ボラティリティを取得できないトランシェにあっては、第二号を除く。)に定めるところにより設定するものとする。

一 デルタ・リスク 次に掲げる要件の全てを満たすように設定すること。

イ 証券化商品の原資産の銘柄又は特定順位参照型商品に対するものであること。

ロ 保有する原資産の信用スプレッド・カーブの特性に応じて定めるものであること。

ハ テナー(〇・五年、一年、三年、五年又は十年とする。)に基づくこと。

二 ベガ・リスク 次に掲げる要件の全てを満たすように設定すること。

イ 証券化商品(CTP)を原資産として参照するオプションのインプライド・ボラティリティであること。

ロ オプションの満期においては、インプライド・ボラティリティを満期(〇・五年、一年、三年、五年又は十年とする。)に関連付けること。

三 カーベチャー・リスク 保有するトランシェの信用スプレッド・カーブに設定されたテナーの全てを平行移動することにより算出すること。

5 株式リスクに対するリスク・ファクターは、次の各号に掲げるリスクの区分に応じ、当該各号に定めるところにより設定するものとする。

一 デルタ・リスク 株式等の現物価格及び株式等レポ・レート(配当利回りを含む。以下同じ。)を勘案すること。

二 ベガ・リスク 次に掲げる要件の全てを満たすように設定すること。

イ 株式等の現物価格を原資産として参照するオプションのインプライド・ボラティリティであること。

ロ オプションの満期においては、インプライド・ボラティリティを満期(〇・五年、一年、三年、五年又は十年とする。)に関連付けること。

ハ 株式等レポ・レートは、ベガ・リスク・ファクターに含めないこと。

三 カーベチャー・リスク 株式等の現物価格について設定すること。この場合において、株式等レポ・レートは、カーベチャー・リスク・ファクターに含めないこと。

6 コモディティ・リスクに対するリスク・ファクターは、次の各号に掲げるリスクの区分に応じ、当該各号に定めるところにより設定するものとする。

一 デルタ・リスク コモディティの現物価格とし、かつ、次に掲げる要件の全てを満たすように設定すること。ただし、先物価格での取引が現物価格での取引よりも頻繁に行われるコモディティについては、関連するリスク・ファクターに先物価格を用いることができる。

イ コモディティの取引条件に含まれる受渡場所を勘案して定めること。

ロ 満期までの残存期間(零年、〇・二五年、〇・五年、一年、二年、三年、五年、十年、十五年、二十年又は三十年とする。)に基づくこと。

二 ベガ・リスク 次に掲げる要件の全てを満たすように設定すること。

イ コモディティの現物価格を原資産として参照するオプションのインプライド・ボラティリティとすること。

ロ 原資産の満期又は受渡場所に応じてコモディティの現物価格を区別することは求めないものとすること。

ハ オプションの満期においては、インプライド・ボラティリティを満期(〇・五年、一年、三年、五年又は十年とする。)に関連付けること。

三 カーベチャー・リスク 各コモディティの現物価格に設定されたテナーの全てを平行移動することにより算出すること。

7 外国為替リスクに対するリスク・ファクターは、次の各号に掲げるリスクの区分に応じ、当該各号に定めるところにより設定するものとする。この場合において、同一為替レートのオンショア又はオフショアを異なる為替レートとして区分することは要しないものとする。

一 デルタ・リスク 次に掲げる要件の全てを満たすように設定すること。

イ 商品の通貨と報告通貨との間の全ての為替レートを用いて設定すること。ただし、報告通貨以外の通貨間の為替レートを参照する取引の場合には、為替のデルタ・リスク・ファクターは、報告通貨と報告通貨以外の通貨との間の全ての為替レートを用いて設定すること。

ロ 基準通貨方式(金融庁長官及び厚生労働大臣に届け出て、報告通貨の代わりに報告通貨以外の通貨(以下この条及び第二百四十六条の十七の二第一項第六号において「基準通貨」という。)を用いる方式をいう。以下この条において同じ。)を用いる場合は、次に掲げる要件の全てを満たすこと。

(1) 基準通貨は単一通貨であること。

(2) 基準通貨に対する為替リスクを算出することにより、自己のポートフォリオの適切なリスクを表すこと及び基準通貨と報告通貨との間の換算リスクの考慮を説明できること。

(3) 次に掲げる外国為替リスクも含めてマーケット・リスク相当額を算出すること。

(i) 基準通貨に対する外国為替リスク

(ii) 報告通貨と基準通貨との間の外国為替リスク

(4) 基準通貨方式に基づく外国為替リスクは、基準通貨と報告通貨との間の外国為替リスクを反映した算出基準日の直物為替レートを用いて、報告通貨のマーケット・リスク相当額に換算すること。

二 ベガ・リスク 次に掲げる要件の全てを満たすように設定すること。

イ 為替レートを参照するオプションのインプライド・ボラティリティとすること。

ロ オプションの満期においては、インプライド・ボラティリティを満期(〇・五年、一年、三年、五年又は十年とする。)に関連付けること。

三 カーベチャー・リスク 次に掲げる要件の全てを満たすように設定すること。

イ 商品の通貨と報告通貨との間の全ての為替レートを用いて特定すること。ただし、報告通貨以外の通貨間の為替レートを参照する取引の場合には、次に掲げる通貨間の全ての為替レートを用いて特定すること。

(1) 報告通貨

(2) 当該商品の通貨及び当該商品が参照する当該通貨以外の通貨

ロ 基準通貨方式に基づく外国為替リスクは、基準通貨と報告通貨との間の外国為替リスクを反映した算出基準日の直物為替レートを用いて、報告通貨のマーケット・リスク相当額に換算すること。

 

第三目 リスク感応度方式に係る感応度

(感応度)

第二百四十六条の十七 金庫は、各リスク・クラスに対する感応度について、報告通貨により表示するものとする。

2 感応度の算出は、独立したリスク管理部署がマーケット・リスク相当額又は実損益を理事に報告するために使用する商品価格又は時価評価モデルに基づくものとする。

 

(デルタ・リスクの感応度)

第二百四十六条の十七の二 デルタ・リスクの感応度は、次の各号に掲げるリスク・クラスの区分に応じ、当該各号に定めるところにより算出するものとする。

一 一般金利リスク 次の算式によるものとする。

  画像

  sk,rtは、一般金利リスクのデルタ・リスクの感応度

  rtは、期間tにおけるリスクフリー・レート

  cstは、期間tにおける信用スプレッド

  Vi(rt,cst)は、リスクフリー・レート及び信用スプレッドを変数とする関数であり、商品iの市場価値を表すもの

二 非証券化商品、証券化商品(非CTP)及び証券化商品(CTP)に係る信用スプレッド・リスク 次の算式によるものとする。

  画像

 sk,cstは、非証券化商品、証券化商品(非CTP)及び証券化商品(CTP)に係る信用スプレッド・リスクのデルタ・リスクの感応度

  rtは、期間tにおけるリスクフリー・レート

  cstは、期間tにおける信用スプレッド

  Vi(rt,cst)は、リスクフリー・レート及び信用スプレッドを変数とする関数であり、商品iの市場価値を表すもの

三 株式等の現物価格に係る株式リスク 次の算式によるものとする。

  画像

  skは、株式等のデルタ・リスクの感応度

  kは、所与の株式等の商品

  EQkは、株式等kの現物価格

  Vi(EQk)は、株式等kの現物価格を変数とする関数であり、商品iの市場価値を表すもの

四 株式等レポ・レートに係る株式リスク 次の算式によるものとする。

  画像

  skは、株式等レポ・レートのデルタ・リスクの感応度

  kは、所与の株式等の商品

  RTSkは、株式等kのレポ・レート

  Vi(RTSk)は、株式等kのレポ・レートを変数とする関数であり、商品iの市場価値を表すもの

五 コモディティ・リスク 次の算式によるものとする。

  画像

  skは、コモディティのデルタ・リスクの感応度

  kは、所与のコモディティ

  CTYkは、コモディティkの現物価格

  Vi(CTYk)は、コモディティkの現物価格を変数とする関数であり、商品iの市場価値を表すもの

六 外国為替リスク 次の算式によるものとする。

  画像

  skは、外国為替リスクのデルタ・リスクの感応度

  kは、所与の通貨(報告通貨以外のもの)

  FXkは、所与の通貨に対する金庫の報告通貨又は基準通貨との間の為替レート

  Vi(FXk)は、通貨kの直物為替レートを変数とする関数であり、商品iの市場価値を表すもの

2 前項の規定にかかわらず、金庫は、内部リスク管理のために必要と認めるときは、独自の手法を用いてデルタ・リスクの感応度を算出することができる。この場合において、独自の手法を用いる組合は、あらかじめその旨を金融庁長官及び厚生労働大臣に届け出るものとする。

 

(ベガ・リスクの感応度)

第二百四十六条の十七の三 ベガ・リスクの感応度は、次の各号に定めるところにより算出するものとする。

一 次の算式によるものとする。

  画像

  skは、オプション・リスクのベガ・リスクの感応度

  σiは、オプション性を含む商品iのインプライド・ボラティリティ

  σi+Δσiは、商品iのインプライド・ボラティリティを微小な変化幅(Δσi)で変化させた値

  Vi(σi)は、商品iのインプライド・ボラティリティを変数とする関数であり、商品iの市場価値を表すもの

二 オプション性を有する商品のうち、次のイ又はロに掲げる商品に該当するものは、当該イ又はロに定める方法を用いること。

イ 満期のないオプション 所定の最長の満期テナーを適用する方法。この場合において、最長の満期テナーを適用することにより捕捉できないリスクについては、第二百四十六条の二十三第一項に規定する残余リスク・アドオンの対象とすること。

ロ 権利行使価格及びバリアのないオプション性商品並びに複数の権利行使価格又はバリアを有するオプション性商品 内部管理で用いるオプション時価評価と同様に権利行使価格及び満期を認識する方法

三 インプライド・ボラティリティについては、次のいずれかを用いること。

イ スティッキー・ストライク(原資産価格の変化に伴ってボラティリティ曲面の位置又は形状が変化しないことをいう。)の手法に基づくインプライド・ボラティリティ

ロ スティッキー・デルタ(原資産価格の変化と同じ方向及び量だけボラティリティ曲面の位置が変化することをいう。)の手法に基づくインプライド・ボラティリティであって、デルタ・リスクの感応度の水準に対して変化しないもの

四 ベガ・リスクの感応度の算出に用いる時価評価モデルの分布は、次のイ又はロに掲げるリスク・クラスの区分に応じ、当該イ又はロに定めるものを用いること。

イ 一般金利リスク及び信用スプレッド・リスク 対数正規分布又は正規分布

ロ 株式リスク、コモディティ・リスク及び外国為替リスク 対数正規分布

五 CVAリスクの影響を考慮しないこと。

2 前項の規定にかかわらず、金庫は、内部リスク管理のために必要と認めるときは、独自の手法を用いてベガ・リスクの感応度を算出することができる。この場合において、独自の手法を用いる金庫は、あらかじめその旨を金融庁長官及び厚生労働大臣に届け出るものとする。

 

(複数の原資産を有する商品に対するデルタ・リスク及びカーベチャー・リスクの取扱い)

第二百四十六条の十七の四 金庫は、複数の原資産を有する商品に係るデルタ・リスク及びカーベチャー・リスクに対するマーケット・リスク相当額の算出に当たっては、ルックスルー・アプローチ(資産を直接保有しているとみなして、構成資産を把握することによりマーケット・リスク相当額を算出する手法をいう。以下同じ。)を用いるものとする。

2 ルックスルー・アプローチの使用に当たっては、次に掲げる事項に留意するものとする。

一 証券化商品(CTP)のインデックス商品については、当該商品を単一のリスク・ファクターとし、発行体レベルでの感応度の相殺は行わないこと。

二 インデックス商品ごとに一貫した手法を用いること。

3 ルックスルー・アプローチを用いて証券化商品(CTP)以外のインデックス商品及び複数の原資産を有するオプションのマーケット・リスク相当額を算出する場合は、インデックス商品又はオプションの構成銘柄のリスク・ファクターに対する感応度と単一銘柄に対する感応度とを相殺することができる。

4 第一項の規定にかかわらず、上場されている株式インデックス又はクレジット・インデックスを参照している商品について、次に掲げる要件の全てを満たす場合は、次項に定めるところによりマーケット・リスク相当額を算出することができる。

一 構成資産を把握することができること。

二 インデックスが二十以上の銘柄で構成されていること。

三 インデックス商品を構成する銘柄のうち一の構成銘柄の価値のインデックス商品全体の価値に占める割合が二十五パーセント未満であること。

四 インデックス商品を構成する銘柄の価値の上位十パーセントの構成銘柄の価値のインデックス商品全体の価値に占める割合が六十パーセント未満であること。

五 インデックス商品を構成する銘柄全体の価値が四百億合衆国ドル以上であること。

5 デルタ・リスク及びカーベチャー・リスクに対するマーケット・リスク相当額の算出に当たって、前項の規定によりルックスルー・アプローチを用いない場合は、次に定めるところによりマーケット・リスク相当額を算出するものとする。

一 市場で一般的に取引されるインデックスの指標ごとに単一の感応度を用いること。

二 インデックス商品に対する感応度は、次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定めるバケットに分類すること。

イ インデックス商品を構成する銘柄のうち七十五パーセントを超える構成銘柄が特定のセクター・バケット(第二百四十六条の十八の三第一項第一号の表中バケット番号1から16までのいずれか及び第二百四十六条の十八の六第一項第一号の表中バケット番号1から11までのいずれかに該当するバケットをいう。以下このイ及び第二百四十六条の十七の六第二号イにおいて同じ。)に分類される場合 特定のセクター・バケット

ロ イに掲げる場合以外の場合 第二百四十六条の十八の三第一項第一号の表中バケット番号17又は18及び第二百四十六条の十八の六第一項第一号の表中バケット番号12又は13のバケット

 

(ファンドへの出資の取扱い)

第二百四十六条の十七の五 構成銘柄についてルックスルーができるファンド(次に掲げるものを除く。)への出資については、ルックスルー・アプローチを用いてマーケット・リスク相当額を算出するものとする。

一 前条第四項各号に掲げる要件の全てを満たすファンド

二 インデックス・ベンチマークをトラッキングしているファンド(次に掲げる要件の全てを満たすものに限る。)

イ フィー及びコミッションを除いたファンドのトラッキングの差異(ファンドとそのトラッキング対象のインデックス・ベンチマークとの間の直近十二月における年率リターンの差異をいう。)の絶対値が、一パーセント・ポイント未満であること。

ロ イのファンドのトラッキングの差異について、一年に一回以上の頻度で検証が行われていること。

2 構成銘柄についてルックスルーができないファンドであって、日々の相場価格及び運用基準に関する情報を入手できるものへの出資については、次に掲げる方法のいずれかを用いてマーケット・リスク相当額を算出することができる。この場合において、第一号に掲げる方法は、ファンドが前項第二号に掲げるものであるときに限り用いることができる。

一 当該ファンドがトラッキングしているインデックスを保有しているものとみなして、前条第五項第二号の規定に基づき当該ファンドの感応度をバケットに分類する方法

二 あらかじめ金融庁長官及び厚生労働大臣に届け出て、ファンドの構成商品を、段階的に投資する仮想ポートフォリオ(当該ファンドの運用基準において許容される最大限(リスク感応度方式に基づくマーケット・リスク相当額が最大となる状態をいう。)まで投資することを想定した後に、マーケット・リスク相当額が低くなる資産に段階的に投資することを想定したポートフォリオをいう。)とみなす方法。この場合において、当該仮想ポートフォリオのマーケット・リスク相当額は、単独で、かつ、次のイ又はロに掲げるリスク相当額の区分に応じ、当該イ又はロに定める方法により算出するものとする。

イ 派生商品取引の信用リスク・アセットの額 内部格付手法を採用しない場合は第四十七条の五第七項に定める方法、内部格付手法を採用した場合は第百四十二条第八項に定める方法

ロ CVAリスク相当額 取引相手方との派生商品取引の信用リスク・アセットの額に十二パーセントを乗じて得た額に第十九条から第四十七条の四の二までに定めるリスク・ウェイトを乗じる方法

三 第二百四十六条の十八の六第二項の表中のバケット番号11に分類される無格付の株式に対するエクスポージャーとしてマーケット・リスク相当額を算出する方法

3 ファンドへのエクイティ出資が第七条の四第三項第二号又は第十六条の四第三項第二号に掲げる出資に該当しない場合には、当該ファンドへの出資に対する所要自己資本の計算は、次の各号に掲げるポジションの区分に応じ、当該各号に定める方法により算出するものとする。

一 ネット・ロング・ポジション 内部格付手法を採用しない場合は第四十七条の五第七項に定める方法、内部格付手法を採用した場合は第百四十二条第八項に定める方法

二 ネット・ショート・ポジション マーケット・リスク相当額の算出を要しない代わりに当該ネット・ポジションに百パーセントを乗じて得た額を自己資本の額から控除する方法

 

(複数の原資産を有する商品のベガ・リスクの取扱い)

第二百四十六条の十七の六 複数の原資産を有する商品のベガ・リスクに係る感応度は、次の各号に掲げる感応度の区分に応じ、当該各号に定める方法により算出するものとする。

一 複数の原資産を有するオプションの感応度 ルックスルーをせず、当該複数の原資産を有するオプションのインプライド・ボラティリティに基づき算出する方法

二 インデックス商品の感応度 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定めるバケットに分類する方法

イ インデックス商品を構成する銘柄のうち、特定のセクター・バケットに分類される銘柄の価値が七十五パーセントを超える場合 特定のセクター・バケット

ロ イに掲げる場合以外の場合 インデックス商品用のバケット

 

第四目 リスク感応度方式に係るデルタ・リスクのバケット、リスク・ウェイト及び相関

(デルタ・リスクのバケット、リスク・ウェイト及び相関)

第二百四十六条の十八 デルタ・リスクに対するマーケット・リスク相当額を算出する場合において、各リスク・クラスのバケット、リスク・ウェイト及び相関係数については、次条から第二百四十六条の十八の八までに定めるところによる。

2 リスク・ウェイト及び相関係数は、各リスク・クラスに係る流動性ホライズンを勘案するものとする。

 

(一般金利リスクに係るデルタ・リスクのバケット、リスク・ウェイト及び相関)

第二百四十六条の十八の二 一般金利リスクのデルタ・リスクについて、同一通貨のリスクフリー・イールド・カーブに含まれる全てのリスク・ファクターは、同一のバケットに分類するものとする。

2 リスクフリー・イールド・カーブにおけるリスク加重後の感応度の計算に用いる各テナーのリスク・ウェイトは、次の表の上欄に掲げるテナーの区分に応じ、同表の下欄に定める値とする。

テナー

リスク・ウェイト(パーセント)

〇・二五年

一・七

〇・五年

一・七

一年

一・六

二年

一・三

三年

一・二

五年

一・一

十年

一・一

十五年

一・一

二十年

一・一

三十年

一・一

3 インフレ率のフラット・カーブ及びクロスカレンシー・ベーシスのフラット・カーブにおけるリスク加重後の感応度の計算に用いるリスク・ウェイトは、一・六パーセントとする。

4 特定通貨のカーブについては、前二項に規定するリスク・ウェイトを二の平方根で除した値をリスク・ウェイトとすることができる。

5 一般金利リスクのデルタ・リスクにおける同一バケット内のリスク加重後の感応度の合算に当たっては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める相関係数(ρkl)を用いるものとする。

一 同一テナーかつ異なるカーブの合算の場合 九十九・九パーセント

二 異なるテナーかつ同一のカーブの合算の場合 カーブが分類されたテナーの年限に基づき、次の表に掲げる値

テナー

(表に定める値はパーセント)

〇・二五年

〇・五年

一年

二年

三年

五年

十年

十五年

二十年

三十年

〇・二五年










〇・五年

九十七・〇









一年

九十一・四

九十七・〇








二年

八十一・一

九十一・四

九十七・〇







三年

七十一・九

八十六・一

九十四・二

九十八・五






五年

五十六・六

七十六・三

八十八・七

九十五・六

九十八・〇





十年

四十・〇

五十六・六

七十六・三

八十八・七

九十三・二

九十七・〇




十五年

四十・〇

四十一・九

六十五・七

八十二・三

八十八・七

九十四・二

九十八・五



二十年

四十・〇

四十・〇

五十六・六

七十六・三

八十四・四

九十一・四

九十七・〇

九十九・〇


三十年

四十・〇

四十・〇

四十一・九

六十五・七

七十六・三

八十六・一

九十四・二

九十七・〇

九十八・五

三 異なるテナー及び異なるカーブを合算する場合 WSkとWSlとが関連付けられたテナーの年限に基づき前号の表に定める相関係数に九十九・九パーセントを乗じて得た値

四 インフレ率のフラット・カーブのリスク加重後の感応度に対し、リスクフリー・イールド・カーブの各テナーのリスク加重後の感応度を合算する場合 四十パーセント

五 クロスカレンシー・ベーシスのフラット・カーブのリスク加重後の感応度に対し、次に掲げるカーブのリスク加重後の感応度を合算する場合 零パーセント

イ リスクフリー・イールド・カーブの各テナーの感応度

ロ インフレ率のフラット・カーブの感応度

ハ 当該クロスカレンシー・ベーシスのフラット・カーブ以外のクロスカレンシー・ベーシスのフラット・カーブの感応度

6 前項の規定にかかわらず、同一通貨内のオンショアカーブに関連するクロスカレンシーのフラット・カーブのリスク加重後の感応度とオフショアカーブに関連するクロスカレンシーのフラット・カーブのリスク加重後の感応度とを合算する場合には、リスク加重後の感応度を単純合計することができる。

7 一般金利リスクのデルタ・リスクにおける異なるバケット間のリスク加重後の感応度を合算する際に用いる相関係数(γbc)は、五十パーセントとする。

 

(非証券化商品に係る信用スプレッド・リスクのデルタ・リスクのバケット、リスク・ウェイト及び相関)

第二百四十六条の十八の三 非証券化商品に係る信用スプレッド・リスクのデルタ・リスクについて、リスク・ファクターは、次に定めるところにより分類するものとする。

一 次の表の中欄に掲げる信用度及び下欄に掲げるセクターの区分に応じ、十八のバケットに分類すること。

バケット番号

信用度

セクター

1

投資適格(IG)

ソブリン(中央銀行及び国際開発銀行を含む。)

2


地方自治体、政府支援法人(非金融)、教育機関及び行政機関

3


金融(政府系金融機関を含む。)

4


素材、エネルギー、工業、農業、製造業、鉱業及び採石業

5


消費財・サービス、運輸及び倉庫並びに行政支援サービス業

6


テクノロジー及び通信

7


ヘルスケア、公益事業及び専門・技術関連業

8


カバード・ボンド

9

投機的格付(HY)及び無格付(NR)

ソブリン(中央銀行及び国際開発銀行を含む。)

10


地方自治体、政府支援法人(非金融)、教育機関及び行政機関

11


金融(政府系金融機関を含む。)

12


素材、エネルギー、工業、農業、製造業、鉱業及び採石業

13


消費財・サービス、運輸及び倉庫並びに行政支援サービス業

14


テクノロジー及び通信

15


ヘルスケア、公益事業及び専門・技術関連業

16

その他のセクター

17

IGインデックス

18

HYインデックス

二 前号のセクターの分類に当たっては、市場で一般に用いられる分類に基づくとともに、次に掲げる要件の全てを満たすこと。

イ 各発行体をいずれか一のバケット番号に分類すること。

ロ 各発行体を個別のセクターに分類できない場合には、バケット番号16に分類すること。

2 非証券化商品に係る信用スプレッド・リスクのデルタ・リスクに用いるリスク・ウェイトは、次の表の上欄に掲げるバケット番号(前項の規定により分類したバケット番号をいう。以下この条において同じ。)の区分に応じ、同表の下欄に定めるものとする。この場合において、各バケット内の全てのテナー(〇・五年、一年、三年、五年又は十年とする。)のリスク・ウェイトは、同一とする。

バケット番号

リスク・ウェイト

(パーセント)

1

〇・五

2

一・〇

3

五・〇

4

三・〇

5

三・〇

6

二・〇

7

一・五

8

二・五

9

二・〇

10

四・〇

11

十二・〇

12

七・〇

13

八・五

14

五・五

15

五・〇

16

十二・〇

17

一・五

18

五・〇

(注) バケット番号8に分類された発行体が第三十四条の二第六項各号に掲げる要件の全てを満たしており、かつ、信用リスク区分が3の2―1である場合は、リスク・ウェイトを一・五パーセントとすることができる。

3 非証券化商品に係る信用スプレッド・リスクのデルタ・リスクに用いるリスク・ファクター間の相関係数(ρkl)は、バケット番号1から18まで(バケット番号16を除く。)のいずれかに該当する場合には、次の算式により算出するものとする。

 画像

 画像

 、画像 及び 画像 の値は、バケット番号1から15までのいずれかに該当する場合には、次の各号に掲げる相関係数の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。

 一 画像

   次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定めるもの

イ 感応度kと感応度lの銘柄が同一である場合 百パーセント

ロ イに掲げる場合以外の場合 三十五パーセント

 二 画像

   次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定めるもの

イ 感応度kと感応度lのテナーが同一である場合 百パーセント

ロ イに掲げる場合以外の場合 六十五パーセント

 三 画像

   次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定めるもの

イ 感応度kと感応度lが同一のカーブに関連する場合 百パーセント

ロ イに掲げる場合以外の場合 九十九・九パーセント

 画像

 、画像 及び 画像 の値は、バケット番号17又は18に該当する場合には、次の各号に掲げる相関係数の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。

 一 画像

   次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定めるもの

イ 感応度kと感応度lの銘柄が同一である場合 百パーセント

ロ イに掲げる場合以外の場合 八十パーセント

 二 画像

   次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定めるもの

イ 感応度kと感応度lのテナーが同一である場合 百パーセント

ロ イに掲げる場合以外の場合 六十五パーセント

 三 画像

   次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定めるもの

イ 感応度kと感応度lが同一のカーブに関連する場合 百パーセント

ロ イに掲げる場合以外の場合 九十九・九パーセント

6 第二百四十六条の十五の四第四項の規定にかかわらず、非証券化商品に係る信用スプレッド・リスクのデルタ・リスクについて、バケット番号16に該当するセクター内でリスク加重後の感応度を合算する場合には、次の算式により算出するものとする。

 画像

7 非証券化商品に係る信用スプレッド・リスクのデルタ・リスクに用いるバケット間の相関関数(γbc)は、次の算式により算出するものとする。

 画像

 画像

 及び 画像 の値は、次の各号に掲げる相関係数の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。

 一 画像

   次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定めるもの

イ 合算するバケットの双方がバケット番号1から15までのいずれかに該当し、かつ、バケット番号に対応する信用度が異なる場合 五十パーセント

ロ イに掲げる場合以外の場合 百パーセント

 二 画像

   次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定めるもの

イ 合算するバケットの双方が同一のセクターに該当する場合 百パーセント

ロ イに掲げる場合以外の場合 次の表のバケット番号の組合せに応じて定める相関係数

バケット番号

(表に定める値はパーセント)

1又は9

2又は10

3又は11

4又は12

5又は13

6又は14

7又は15

8

16

17

18

1又は9











2又は10

七十五










3又は11









4又は12

二十

十五








5又は13

二十五

二十

十五

二十







6又は14

二十

十五

二十

二十五

二十五






7又は15

十五





8

二十

十五

二十





16




17

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五



18

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五

四十五

七十五


 

(証券化商品(CTP)に係る信用スプレッド・リスクのデルタ・リスクのバケット、リスク・ウェイト及び相関)

第二百四十六条の十八の四 証券化商品(CTP)に係る信用スプレッド・リスクのデルタ・リスクについて、リスク・ファクターは、次に定めるところにより分類するものとする。

一 次の表の中欄に掲げる信用度及び下欄に掲げるセクターの区分に応じ、十六のバケットに分類すること。

バケット番号

信用度

セクター

1

投資適格(IG)

ソブリン(中央銀行及び国際開発銀行を含む。)

2


地方自治体、政府支援法人(非金融)、教育機関及び行政機関

3


金融(政府系金融機関を含む。)

4


素材、エネルギー、工業、農業、製造業、鉱業及び採石業

5


消費財・サービス、運輸及び倉庫並びに行政支援サービス業

6


テクノロジー及び通信

7


ヘルスケア、公益事業及び専門・技術関連業

8


カバード・ボンド

9

投機的格付(HY)及び無格付(NR)

ソブリン(中央銀行及び国際開発銀行を含む。)

10


地方自治体、政府支援法人(非金融)、教育機関及び行政機関

11


金融(政府系金融機関を含む。)

12


素材、エネルギー、工業、農業、製造業、鉱業及び採石業

13


消費財・サービス、運輸及び倉庫並びに行政支援サービス業

14


テクノロジー及び通信

15


ヘルスケア、公益事業及び専門・技術関連業

16

その他のセクター

二 前号のセクターの分類に当たっては、市場で一般に用いられる分類に基づくとともに、次に掲げる要件の全てを満たすこと。

イ 各発行体をいずれか一のバケット番号に分類すること。

ロ 各発行体を個別のセクターに分類できない場合には、バケット番号16に分類すること。

2 証券化商品(CTP)に係る信用スプレッド・リスクのデルタ・リスクに用いるリスク・ウェイトは、次の表の上欄に掲げるバケット番号(前項の規定により分類したバケット番号をいう。以下この条において同じ。)の区分に応じ、同表の下欄に定めるものとする。この場合において、各バケット内の全てのテナー(〇・五年、一年、三年、五年又は十年とする。)のリスク・ウェイトは同一とする。

バケット番号

リスク・ウェイト

(パーセント)

1

四・〇

2

四・〇

3

八・〇

4

五・〇

5

四・〇

6

三・〇

7

二・〇

8

六・〇

9

十三・〇

10

十三・〇

11

十六・〇

12

十・〇

13

十二・〇

14

十二・〇

15

十二・〇

16

十三・〇

3 証券化商品(CTP)に係る信用スプレッド・リスクのデルタ・リスクに用いるリスク・ファクター間の相関係数(ρkl)は、次の算式により算出するものとする。

 画像

 画像

 、画像 及び 画像 の値は、次の各号に掲げる相関係数の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。

 一 画像

   次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定めるもの

イ 感応度kと感応度lの銘柄が同一である場合 百パーセント

ロ イに掲げる場合以外の場合 三十五パーセント

 二 画像

   次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定めるもの

イ 感応度kと感応度lのテナーが同一である場合 百パーセント

ロ イに掲げる場合以外の場合 六十五パーセント

 三 画像

   次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定めるもの

イ 感応度kと感応度lが同一のカーブに関連する場合 百パーセント

ロ イに掲げる場合以外の場合 九十九・〇パーセント

5 証券化商品(CTP)に係る信用スプレッド・リスクのデルタ・リスクに用いるバケット間の相関関数(γbc)は、次の算式により算出するものとする。

 画像

 画像

 及び 画像 の値は、次の各号に掲げる相関係数の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。

 一 画像

   次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定めるもの

イ 合算するバケットの双方がバケット番号1から15までのいずれかに該当し、かつ、バケット番号に対応する信用度が異なる場合 五十パーセント

ロ イに掲げる場合以外の場合 百パーセント

 二 画像

   次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定めるもの

イ 合算するバケットの双方が同一のバケット番号に該当する場合 百パーセント

ロ イに掲げる場合以外の場合 前条第八項第二号ロの表のバケット番号の組合せに応じて定める相関係数

 

(証券化商品(非CTP)に係る信用スプレッド・リスクのデルタ・リスクのバケット、リスク・ウェイト及び相関)

第二百四十六条の十八の五 証券化商品(非CTP)に係る信用スプレッド・リスクのデルタ・リスクについて、リスク・ファクターは、次に定めるところにより分類するものとする。

一 次の表の中欄に掲げる信用度及び下欄に掲げるセクターの区分に応じ、二十五のバケットに分類すること。

バケット番号

信用度

セクター

1

シニア投資適格(IG)

住宅ローン担保証券(RMBS)―プライム

2


RMBS―ミッド・プライム

3


RMBS―サブ・プライム

4


商業用不動産担保証券(CMBS)

5


資産担保証券(ABS)―学生ローン

6


ABS―クレジットカード

7


ABS―自動車

8


ローン担保証券(CLO)―非CTP

9

非シニア投資適格(IG)

RMBS―プライム

10


RMBS―ミッド・プライム

11


RMBS―サブ・プライム

12


CMBS

13


ABS―学生ローン

14


ABS―クレジットカード

15


ABS―自動車

16


CLO―非CTP

17

投機的格付(HY)及び無格付(NR)

RMBS―プライム

18


RMBS―ミッド・プライム

19


RMBS―サブ・プライム

20


CMBS

21


ABS―学生ローン

22


ABS―クレジットカード

23


ABS―自動車

24


CLO―非CTP

25

その他のセクター

二 前号のセクターの分類に当たっては、市場で一般に用いられる分類に基づくとともに、次に掲げる要件の全てを満たすこと。

イ 各トランシェをいずれか一のバケット番号に分類すること。

ロ 各トランシェを個別のセクターに分類できない場合には、バケット番号25に分類すること。

2 証券化商品(非CTP)に係る信用スプレッド・リスクのデルタ・リスクに用いるリスク・ウェイトは、次の表の上欄に掲げるバケット番号(前項の規定により分類したバケット番号をいう。以下この条において同じ。)の区分に応じ、同表の下欄に定めるものとする。

バケット番号

リスク・ウェイト

(パーセント)

1

〇・九

2

一・五

3

二・〇

4

二・〇

5

〇・八

6

一・二

7

一・二

8

一・四

9

一・一二五

10

一・八七五

11

二・五

12

二・五

13

一・〇

14

一・五

15

一・五

16

一・七五

17

一・五七五

18

二・六二五

19

三・五

20

三・五

21

一・四

22

二・一

23

二・一

24

二・四五

25

三・五

3 証券化商品(非CTP)に係る信用スプレッド・リスクのデルタ・リスクに用いるリスク・ファクター間の相関係数(ρkl)は、バケット番号1から24までのいずれかに該当する場合には、次の算式により算出するものとする。

 画像

 画像

 、画像 及び 画像 の値は、次の各号に掲げる相関係数の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。

 一 画像

   次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定めるもの

イ 感応度kと感応度lの銘柄が同一であり、かつ、同一の証券化商品のトランシェとみなされる場合 百パーセント

ロ イに掲げる場合以外の場合 四十パーセント

 二 画像

   次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定めるもの

イ 感応度kと感応度lのテナーが同一である場合 百パーセント

ロ イに掲げる場合以外の場合 八十パーセント

 三 画像

   次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定めるもの

イ 感応度kと感応度lが同一のカーブに関連する場合 百パーセント

ロ イに掲げる場合以外の場合 九十九・九パーセント

5 第二百四十六条の十五の四第四項の規定にかかわらず、証券化商品(非CTP)に係る信用スプレッド・リスクのデルタ・リスクについて、バケット番号25に該当するセクター内でリスク加重後の感応度を合算する場合には、次の算式により算出するものとする。

 画像

6 証券化商品(非CTP)に係る信用スプレッド・リスクのデルタ・リスクに用いるバケット(バケット番号25を除く。)間の相関係数(γbc)は、零パーセントとする。

7 証券化商品(非CTP)のマーケット・リスク相当額は、第五項の算式により算出したバケット番号25のリスク加重後の感応度と、前項に規定する相関係数(γbc)を用いて第二百四十六条の十五の四第五項の算式により算出したバケット番号25以外のバケット番号のマーケット・リスク相当額の合算値を合計して得た額とする。

 

(株式リスクのデルタ・リスクのバケット、リスク・ウェイト及び相関)

第二百四十六条の十八の六 株式リスクのデルタ・リスクについて、リスク・ファクターは、次に定めるところにより分類するものとする。

一 次の表の第二欄に掲げる時価総額、同表の第三欄に掲げる経済及び同表の第四欄に掲げるセクターの区分に応じ、十三のバケットに分類するものとする。

バケット番号

時価総額

経済

セクター

1

新興市場

消費財・サービス、運輸及び倉庫、行政支援サービス業、ヘルスケア並びに公益事業

2



通信及び工業

3



素材、エネルギー、農業、製造業、鉱業及び採石業

4



金融(政府系金融機関を含む。)、不動産関連業及びテクノロジー

5


先進市場

消費財・サービス、運輸及び倉庫、行政支援サービス業、ヘルスケア並びに公益事業

6



通信及び工業

7



素材、エネルギー、農業、製造業、鉱業及び採石業

8



金融(政府系金融機関を含む。)、不動産関連業及びテクノロジー

9

新興市場

バケット番号1から4までに記載された全セクター

10


先進市場

バケット番号5から8までに記載された全セクター

11

その他のセクター

12

時価総額が大であって、先進市場の株式インデックス(セクターは特定されていない。)

13

その他の株式インデックス(セクターは特定されていない。)

二 前号の表の「時価総額」欄における「大」及び「小」の分類は、次に定めるところによる。

イ 時価総額が二十億合衆国ドル以上の場合にあっては「大」と、それ以外の場合にあっては「小」と分類するものとする。

ロ 世界各国の証券市場において、同一の上場法人又は法人グループの発行済株式総数の市場価額に基づく時価総額の合計を用いるものとする。

ハ 法人グループの発行済株式総数は、グループ内の上場親会社の発行済株式総数とするものとする。

ニ 法人グループの発行済株式総数には、複数の関連上場法人の時価総額を含まないものとする。

三 第一号の表の「先進市場」とは、米国、カナダ、メキシコ、ユーロ圏、英国、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、スイス、日本、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール及び香港特別行政区をいう。

四 第一号の分類に当たっては、市場で一般に用いられる分類に基づくとともに、次に定めるところによる。

イ バケットのうちいずれか一つに分類(複数の地域及びセクターに該当する場合には、経済及びセクターに応じた一つのバケットに分類)するものとする。

ロ 個別のセクターに分類できない場合は、バケット番号11に分類するものとする。

2 株式リスクのデルタ・リスクに用いるリスク・ウェイトは、次の表の上欄に掲げるバケット番号(前項の規定により分類したバケット番号をいう。以下この条において同じ。)の区分に応じ、同表の中欄又は下欄に定めるものとする。

バケット番号

株式の現物価格に係るリスク・ウェイト

(パーセント)

株式のレポ・レートに係るリスク・ウェイト

(パーセント)

1

五十五

〇・五五

2

六十

〇・六〇

3

四十五

〇・四五

4

五十五

〇・五五

5

三十

〇・三〇

6

三十五

〇・三五

7

四十

〇・四〇

8

五十

〇・五〇

9

七十

〇・七〇

10

五十

〇・五〇

11

七十

〇・七〇

12

十五

〇・一五

13

二十五

〇・二五

3 株式リスクのデルタ・リスクに用いるリスク・ファクター間の相関係数(ρkl)は、バケット番号1から13まで(バケット番号11を除く。)のいずれかに該当する場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。

一 次に掲げる要件のいずれかを満たす場合 九十九・九パーセント

イ 感応度の一方が株式等の現物価格に対するものであり、かつ、他方が株式等レポ・レートに対するものであること。

ロ 感応度の双方が同一の株式等に関連しているものであること。

二 感応度の双方が株式等の現物価格又は株式等レポ・レートに対するものである場合 次のイからホまでに掲げるバケット番号の区分に応じ、当該イからホまでに定めるものとする。

イ バケット番号1から4まで(時価総額が大、かつ、新興市場) 十五パーセント

ロ バケット番号5から8まで(時価総額が大、かつ、先進市場) 二十五パーセント

ハ バケット番号9(時価総額が小、かつ、新興市場) 七・五パーセント

ニ バケット番号10(時価総額が小、かつ、先進市場) 十二・五パーセント

ホ バケット番号12又は13 八十パーセント

三 次に掲げる要件のいずれかに該当する場合 前号イからホまでに定める値に九十九・九パーセントを乗じた値とする。

イ 感応度の一方が株式等の現物価格に対するものであり、かつ、他方が株式等レポ・レートに対するものであること。

ロ 感応度の双方がそれぞれ異なる株式等に関連しているものであること。

4 株式リスクのデルタ・リスクに用いるリスク・ファクター間の相関係数(ρkl)は、バケット番号11に該当する場合には、次の算式により算出するものとする。

 画像

5 株式リスクのデルタ・リスクに用いるバケット間の相関係数(γbc)は、次の各号に掲げるバケット番号の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。

一 合算するバケットの双方がバケット番号1から10までのいずれかに該当する場合 十五パーセント

二 合算するバケットの一方がバケット番号11に該当する場合 零パーセント

三 バケット番号12とバケット番号13との合算である場合 七十五パーセント

四 前三号に掲げる場合以外の場合 四十五パーセント

 

(コモディティ・リスクのデルタ・リスクのバケット、リスク・ウェイト及び相関)

第二百四十六条の十八の七 コモディティ・リスクのデルタ・リスクについて、リスク・ファクターは、次の表の中欄に掲げるコモディティのバケット及び下欄に掲げる各コモディティのバケットに割り当てられたコモディティの例の区分に応じ、十一のバケットに分類するものとする。

バケット番号

コモディティのバケット

各コモディティのバケットに割り当てられたコモディティの例

(ただし、これらに限定されない。)

1

エネルギーのうち、固体可燃物

石炭、木炭、木質ペレット及び核燃料(ウラン等)

2

エネルギーのうち、液体可燃物

原油(軽質スイート原油、重質油、WTI、ブレント等)

バイオ燃料(バイオエタノール、バイオディーゼル等)

石油化学製品(プロパン、エタン、ガソリン、メタノール、ブタン等)

精製燃料(ジェット燃料、灯油、軽油、重油、ナフサ、暖房用石油、ディーゼル等)

3

エネルギーのうち、電力及び炭素排出権取引

電力(スポット、先日付、ピーク、オフピーク等)

炭素排出権取引(認証排出削減量、EU排出枠(限月)、温室効果ガス地域イニシアチブ(RGGI)における二酸化炭素排出枠、グリーン電力証書等)

4

貨物輸送

ドライバルク船(ケープサイズ、パナマックス、ハンディサイズ、スーパーマックス等)

リキッドバルク及び天然ガス輸送船(スエズマックス、アフラマックス、超大型タンカー等)

5

金属・非貴金属

ベースメタル(アルミニウム、銅、鉛、ニッケル、すず、亜鉛等)

鋼素材(鋼片、鋼線、鋼コイル、鋼くず、鋼鉄筋、鉄鉱石、タングステン、バナジウム、チタン、タンタル等)

希少金属(コバルト、マンガン、モリブデン等)

6

ガス燃料

天然ガス及び液化天然ガス

7

貴金属

金、銀、プラチナ及びパラジウム

8

穀物及び油糧種子

トウモロコシ、小麦、大豆(大豆種子、大豆油、大豆ミール等)、オート麦、パーム油、カローナ、大麦、菜種(菜種種子、菜種油、菜種ミール等)、小豆、モロコシ、ココナッツ油、ピーナッツ油、ヒマワリ油及び米

9

畜産及び乳製品

畜牛(生牛及び肥育素牛)、豚、家きん、子羊、魚、エビ、乳製品(牛乳、ホエー、バター、チーズ等)及び卵

10

ソフト・コモディテイ及びその他の農作物

ココア、コーヒー(アラビカ、ロブスタ等)、茶、かんきつ類ジュース(オレンジジュースを含む。)、芋、砂糖、綿、羊毛、木材、パルプ及びゴム

11

その他のコモディティ

工業鉱物(カリ、肥料、リン鉱石等)

レアアース、テレフタル酸及び板ガラス

2 コモディティ・リスクのデルタ・リスクに用いるリスク・ウェイトは、次の表の上欄に掲げるバケット番号(前項の規定により分類したバケット番号をいう。以下この条において同じ。)の区分に応じ、同表の下欄に定めるものとする。

バケット番号

リスク・ウェイト

(パーセント)

1

三十

2

三十五

3

六十

4

八十

5

四十

6

四十五

7

二十

8

三十五

9

二十五

10

三十五

11

五十

3 コモディティ・リスクのデルタ・リスクに用いるリスク・ファクター間の相関係数(ρkl)は、バケット番号1から11までのいずれかに該当する場合には、次の算式により算出するものとする。

 画像

 画像

 、画像 及び 画像 は、次の各号に掲げる相関係数の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。

 一 画像

   次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定めるもの

イ 感応度kと感応度lのコモディティが同一である場合 百パーセント

ロ イに掲げる場合以外の場合 次の表のバケット番号の区分に応じ、同表の下欄に定めるもの

バケット番号

コモディティのバケット

相関係数 画像

(パーセント)


(パーセント)

1

エネルギーのうち、固体可燃物

五十五

2

エネルギーのうち、液体可燃物

九十五

3

エネルギーのうち、電力及び排出権取引

四十

4

貨物輸送

八十

5

金属・非貴金属

六十

6

ガス燃料

六十五

7

貴金属

五十五

8

穀物及び油糧種子

四十五

9

畜産及び乳製品

十五

10

ソフト・コモディテイ及びその他の農産物

四十

11

その他のコモディティ

十五

 二 画像
  次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定めるもの

イ 感応度kと感応度lのテナーが同一である場合 百パーセント

ロ イに掲げる場合以外の場合 九十九・〇パーセント

 三 画像
  次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定めるもの

イ 二つの感応度に係るコモディティの受渡場所が同一である場合 百パーセント

ロ イに掲げる場合以外の場合 九十九・〇パーセント

5 コモディティ・リスクのデルタ・リスクに係る同一バケット内のリスク加重後の感応度の合算において、次に掲げるコモディティの合算に当たっては、合算する感応度のそれぞれを個別のコモディティとして認識するものとする。

一 同一の商品種類であり、かつ、受渡場所が異なるコモディティ間の合算

二 バケット番号3に該当する場合は、次のイ又はロに掲げるコモディティの合算

イ 電力供給時間帯又は金融市場で締結された電力契約時間帯が異なるコモディティ間の合算

ロ 別々の地域で発電された電力に係るコモディティ間の合算

三 バケット番号4に該当する場合は、次のイ又はロに掲げるコモディティの合算

イ 運輸種別又は運用航路が異なるコモディティ間の合算

ロ 貨物の受渡週が異なるコモディティ間の合算

6 コモディティ・リスクのデルタ・リスクに用いるバケット間の相関係数(γbc)は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。

一 合算するバケットの双方がバケット番号1から10までのいずれかに該当する場合 二十パーセント

二 合算するバケットの一方がバケット番号11に該当する場合 零パーセント

 

(外国為替リスクのバケット、リスク・ウェイト及び相関)

第二百四十六条の十八の八 外国為替リスクのデルタ・リスクについて、リスク・ファクターは、商品が表示されている外国通貨と報告通貨との間の為替レートごとに各バケットに分類するものとする。

2 外国為替リスクのデルタ・リスクに用いるリスク・ウェイトは、全ての為替レートの感応度に対し十五パーセントとする。

3 前項の規定にかかわらず、アメリカ合衆国通貨(USD)、欧州経済通貨統合参加国通貨(EUR)、本邦通貨、英国通貨(GBP)、オーストラリア通貨(AUD)、カナダ通貨(CAD)、スイス通貨(CHF)、メキシコ通貨(MXN)、中華人民共和国通貨(CNY)、ニュージーランド通貨(NZD)、ロシア通貨(RUB)、中華人民共和国(香港特別行政区)通貨(HKD)、シンガポール通貨(SGD)、トルコ通貨(TRY)、大韓民国通貨(KRW)、スウェーデン通貨(SEK)、南アフリカ共和国通貨(ZAR)、インド通貨(IWR)、ノルウェー通貨(NOK)及びブラジル通貨(BRL)のうちの二つの間の為替レートの場合は、前項に規定するリスク・ウェイトを二の平方根で除して得た値をリスク・ウェイトとすることができる。

4 外国為替リスクのデルタ・リスクに用いるバケット間の相関係数(γbc)は、六十パーセントとする。

 

第五目 リスク感応度方式に係るベガ・リスク及びカーベチャー・リスクのバケット、リスク・ウェイト及び相関

(ベガ・リスクのバケット、リスク・ウェイト及び相関)

第二百四十六条の十九 各リスク・クラスのベガ・リスクについて、リスク・ファクターは、次の各号に掲げるリスク・クラスの区分に応じ、当該各号に定めるところにより各バケットに分類するものとする。

一 一般金利リスク 第二百四十六条の十八の二第一項の規定を準用する。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「ベガ・リスク」と読み替えるものとする。

二 非証券化商品に係る信用スプレッド・リスク 第二百四十六条の十八の三第一項の規定を準用する。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「ベガ・リスク」と読み替えるものとする。

三 証券化商品(CTP)に係る信用スプレッド・リスク 第二百四十六条の十八の四第一項の規定を準用する。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「ベガ・リスク」と読み替えるものとする。

四 証券化商品(非CTP)に係る信用スプレッド・リスク 第二百四十六条の十八の五第一項の規定を準用する。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「ベガ・リスク」と読み替えるものとする。

五 株式リスク 第二百四十六条の十八の六第一項の規定を準用する。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「ベガ・リスク」と読み替えるものとする。

六 コモディティ・リスク 第二百四十六条の十八の七第一項の規定を準用する。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「ベガ・リスク」と読み替えるものとする。

七 外国為替リスク 前条第一項の規定を準用する。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「ベガ・リスク」と読み替えるものとする。

2 各リスク・クラスのベガ・リスクに用いるリスク・ウェイトは、次の表の上欄に掲げるリスク・クラスの区分に応じ、同表の下欄に定めるものとする。

リスク・クラス

流動性ホライズン

リスク・ウェィト

(パーセント)

一般金利リスク

六十

非証券化商品に係る信用スプレッド・リスク

百二十

証券化商品(CTP)に係る信用スプレッド・リスク

百二十

証券化商品(非CTP)に係る信用スプレッド・リスク

百二十

株式リスク(大型株及びインデックス)

二十

七十七・七八

株式リスク(小型株及びその他のセクター)

六十

コモディティ・リスク

百二十

外国為替リスク

四十

3 各リスク・クラスのベガ・リスクに用いるリスク・ファクター間の相関係数(ρkl)は、次の各号に掲げるリスク・クラスの区分に応じ、当該各号に定めるところにより算出するものとする。

一 一般金利リスク 次の算式によるものとする。

  画像

二 一般金利リスク以外のリスク・クラス 次の算式によるものとする。

  画像

  画像

  、画像

  及び画像
 の値は、次の各号に掲げる相関係数の区分に応じ、当該各号に定めるところにより算出するものとする。

 一 画像
  次の算式によるものとする。

  画像

  αは、一パーセント

  Tkは、オプション商品kのオプション権利行使日までの年数

  Tlは、オプション商品lのオプション権利行使日までの年数

  exp(x)は、自然対数の底をx乗した値

 二 画像
  次の算式によるものとする。

  画像

  αは、一パーセント

  画像
 は、オプション商品kの原資産となる金利派生商品の契約期間の年数

  画像
 は、オプション商品lの原資産となる金利派生商品の契約期間の年数

  exp(x)は、自然対数の底をx乗した値

 画像
ベガ・リスク・ファクターkとベガ・リスク・ファクターlに対応するデルタ・リスク・ファクター間に適用される相関係数を用いるものとする。

5 第二百四十六条の十五の四第四項及び前二項の規定にかかわらず、各リスク・クラスのベガ・リスクに係る同一バケット内のリスク加重後の感応度の合算については、バケットが第二百四十六条の十八の三第一項第一号の表中バケット番号16、第二百四十六条の十八の四第一項第一号の表中バケット番号16、第二百四十六条の十八の五第一項第一号の表中バケット番号25又は第二百四十六条の十八の六第一項第一号の表中バケット番号11に該当する場合には、次の算式により算出するものとする。

 画像

6 各リスク・クラスのベガ・リスクに用いるバケット間の相関係数(γbc)は、次の各号に掲げるリスク・クラスの区分に応じ、当該各号に定めるところによるものとする。

一 一般金利リスク 第二百四十六条の十八の二第七項の規定を準用する。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「ベガ・リスク」と読み替えるものとする。

二 非証券化商品に係る信用スプレッド・リスク 第二百四十六条の十八の三第七項及び第八項の規定を準用する。この場合において、同条第七項中「デルタ・リスク」とあるのは、「ベガ・リスク」と読み替えるものとする。

三 証券化商品(CTP)に係る信用スプレッド・リスク 第二百四十六条の十八の四第五項及び第六項の規定を準用する。この場合において、同条第五項中「デルタ・リスク」とあるのは、「ベガ・リスク」と読み替えるものとする。

四 証券化商品(非CTP)に係る信用スプレッド・リスク 第二百四十六条の十八の五第六項の規定を準用する。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「ベガ・リスク」と読み替えるものとする。ただし、第一項第四号の規定による分類におけるバケット番号25とバケット番号25以外のバケット番号との間の相関係数(γbc)は、百パーセントとする。

五 株式リスク 第二百四十六条の十八の六第五項の規定を準用する。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「ベガ・リスク」と読み替えるものとする。

六 コモディティ・リスク 第二百四十六条の十八の七第六項の規定を準用する。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「ベガ・リスク」と読み替えるものとする。

七 外国為替リスク 前条第四項の規定を準用する。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「ベガ・リスク」と読み替えるものとする。

 

(カーベチャー・リスクのバケット、リスク・ウェイト及び相関)

第二百四十六条の十九の二 各リスク・クラスのカーベチャー・リスクにおいて、リスク・ファクターは、次の各号に掲げるリスク・クラスの区分に応じ、当該各号に定めるところにより各バケットに分類するものとする。

一 一般金利リスク 第二百四十六条の十八の二第一項の規定を準用する。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「カーベチャー・リスク」と読み替えるものとする。

二 非証券化商品に係る信用スプレッド・リスク 第二百四十六条の十八の三第一項の規定を準用する。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「カーベチャー・リスク」と読み替えるものとする。

三 証券化商品(CTP)に係る信用スプレッド・リスク 第二百四十六条の十八の四第一項の規定を準用する。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「カーベチャー・リスク」と読み替えるものとする。

四 証券化商品(非CTP)に係る信用スプレッド・リスク 第二百四十六条の十八の五第一項の規定を準用する。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「カーベチャー・リスク」と読み替えるものとする。

五 株式リスク 第二百四十六条の十八の六第一項の規定を準用する。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「カーベチャー・リスク」と読み替えるものとする。

六 コモディティ・リスク 第二百四十六条の十八の七第一項の規定を準用する。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「カーベチャー・リスク」と読み替えるものとする。

七 外国為替リスク 第二百四十六条の十八の八第一項の規定を準用する。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「カーベチャー・リスク」と読み替えるものとする。

2 各リスク・クラスのカーベチャー・リスクに用いるリスク・ウェイトは、次の各号に掲げるリスク・クラスの区分に応じ、当該各号に定めるところによる。

一 一般金利リスク 次に掲げるカーブの区分に応じ、当該各号に定めるところによる。

イ リスクフリー・イールド・カーブ 第二百四十六条の十八の二第二項の表の下欄に定めるリスク・ウェイトのうち最大の値とする。

ロ インフレ率のフラット・カーブ及びクロスカレンシー・ベーシスのフラット・カーブ 第二百四十六条の十八の二第三項の規定を準用する。

ハ 特定通貨のカーブ 第二百四十六条の十八の二第二項の表の下欄に定めるリスク・ウェイトのうち最大のものを二の平方根で除した値とする。

二 非証券化商品に係る信用スプレッド・リスク 第二百四十六条の十八の三第二項の規定を準用する。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「カーベチャー・リスク」と読み替えるものとする。

三 証券化商品(CTP)に係る信用スプレッド・リスク 第二百四十六条の十八の四第二項の規定を準用する。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「カーベチャー・リスク」と読み替えるものとする。

四 証券化商品(非CTP)に係る信用スプレッド・リスク 第二百四十六条の十八の五第二項の規定を準用する。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「カーベチャー・リスク」と読み替えるものとする。

五 株式リスク 第二百四十六条の十八の六第二項の規定(株式の現物価格に係るリスク・ウェイトに係る部分に限る。)を準用する。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「カーベチャー・リスク」と読み替えるものとする。

六 コモディティ・リスク 第二百四十六条の十八の七第二項の規定を準用する。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「カーベチャー・リスク」と読み替えるものとする。

七 外国為替リスク 第二百四十六条の十八の八第二項及び第三項の規定を準用する。この場合において、同条第二項中「デルタ・リスク」とあるのは、「カーベチャー・リスク」と読み替えるものとする。

3 各リスク・クラスのカーベチャー・リスクに用いるリスク・ファクター間の相関係数(ρkl)は、次の各号に掲げるリスク・クラスの区分に応じ、当該各号に定めた値を二乗した値とする。

一 一般金利リスク 第二百四十六条の十八の二第五項の規定を準用して算出した相関係数ρklの値とする。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「カーベチャー・リスク」と読み替えるものとする。

二 非証券化商品に係る信用スプレッド・リスク 次のイ又はロに掲げる第一項第二号の規定により分類したバケットの区分に応じ、当該イ又はロの場合に応じた値とする。

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の値

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の値

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の値とする。

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の値とする。

五 株式リスク 第二百四十六条の十八の六第三項又は第四項の規定を準用して算出したρklの値とする。この場合において、同条中「デルタ・リスク」とあるのは、「カーベチャー・リスク」と読み替えるものとする。

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の値とする。

4 第二百四十六条の十五の五第五項及び前項の規定にかかわらず、各リスク・クラスのカーベチャー・リスクにおいて、同一バケット内のリスク加重後の感応度の合算は、第一項の規定により分類したバケットが第二百四十六条の十八の三第一項第一号の表中バケット番号16、第二百四十六条の十八の四第一項第一号の表中バケット番号16、第二百四十六条の十八の五第一項第一号の表中バケット番号25又は第二百四十六条の十八の六第一項第一号の表中バケット番号11に該当する場合には、次の算式によるものとする。

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5 各リスク・クラスのカーベチャー・リスクに用いるバケット間の相関係数(γbc)は、次の各号に掲げるリスク・クラスの区分に応じ、当該各号に定める相関係数(γbc)の値を二乗した値とする。

一 一般金利リスク 第二百四十六条の十八の二第七項の規定を準用して算出した値とする。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「カーベチャー・リスク」と読み替えるものとする。

二 非証券化商品に係る信用スプレッド・リスク 第二百四十六条の十八の三第七項及び第八項の規定を準用して算出した値とする。この場合において、同条第七項中「デルタ・リスク」とあるのは、「カーベチャー・リスク」と読み替えるものとする。

三 証券化商品(CTP)に係る信用スプレッド・リスク 第二百四十六条の十八の四第五項及び第六項の規定を準用して算出した値とする。この場合において、同条第五項中「デルタ・リスク」とあるのは、「カーベチャー・リスク」と読み替えるものとする。

四 証券化商品(非CTP)に係る信用スプレッド・リスク 第二百四十六条の十八の五第六項及び第七項の規定を準用して算出した値とする。この場合において、同条第六項中「デルタ・リスク」とあるのは「カーベチャー・リスク」と、「バケット(バケット番号25を除く。)間」とあるのは「バケット間」と読み替えるものとする。

五 株式リスク 第二百四十六条の十八の六第五項の規定を準用して算出した値とする。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「カーベチャー・リスク」と読み替えるものとする。

六 コモディティ・リスク 第二百四十六条の十八の七第六項の規定を準用して算出した値とする。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「カーベチャー・リスク」と読み替えるものとする。

七 外国為替リスク 第二百四十六条の十八の八第四項の規定を準用して算出した値とする。この場合において、同項中「デルタ・リスク」とあるのは、「カーベチャー・リスク」と読み替えるものとする。

 

(外国為替リスクに係るカーベチャー・リスクの感応度の調整)

第二百四十六条の十九の三 外国為替リスクに係るカーベチャー・リスクを計測する金庫は、報告通貨以外の通貨の組合せを原資産とした商品について、第二百四十六条の十五の五第二項において算出した感応度の値を一・五で除することができる。

2 外国為替リスクに係るカーベチャー・リスクを計測する金庫は、金融庁長官及び厚生労働大臣に届け出た場合に限り、報告通貨を含む全ての通貨の組合せを原資産とした商品について、第二百四十六条の十五の五第二項において算出した感応度の値を一・五で除することができる。

 

第三款 標準的方式に係るデフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額

第一目 総則

(デフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額の算出の概要)

第二百四十六条の二十 デフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額は、リスク感応度方式では捕捉できないJTDリスクを捕捉し、次に定めるところにより算出するものとする。

一 次に掲げる商品の区分に分類して算出する。

イ 非証券化商品(ハに分類される商品を除く。)

ロ 証券化商品(非CTP)

ハ 証券化商品(CTP)

二 エクスポージャーごとにグロスのJTDリスク・ポジション(商品の現在価値のうち、債務者等のデフォルトにより損失が生ずる可能性のある部分をいう。以下同じ。)を算出する。

三 グロスのJTDリスク・ポジションのうち、同一の債務者等に対するロング・ポジションの額とショート・ポジションの額とを相殺し、ネットのJTDリスク・ポジションを算出する。

四 前号のロング・ポジションとショート・ポジションの区分に当たっては、デフォルト時に損失が生ずるポジションをロング・ポジションとする。

五 ネットのJTDリスク・ポジションを各バケットに分類する。

六 ネットのJTDリスク・ポジションにリスク・ウェイトを乗じて、同一バケットに属するものを合算する。この場合においては、ロング・ポジションとショート・ポジションとの間のヘッジ効果を勘案するため、ロング・ポジションからショート・ポジションにヘッジ効果比率を乗じた額を控除する。

七 前号で算出した各バケットのマーケット・リスク相当額を単純合算した額をデフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額とする。

2 デフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額の算出においては、次に掲げる要件の全てを満たすものとする。

一 前項第一号イからハまでに掲げるポートフォリオの間では、分散効果を認識しないこと。

二 非証券化商品であるバスケット型の上場クレジット・デリバティブ及び株式デリバティブに係る構成銘柄の各発行体のJTDリスク・ポジションの算出は、ルックスルー・アプローチを用いること。

三 証券化商品(CTP)における非証券化商品によるヘッジは、デフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額の算出を要しないこと。

四 第二十七条から第二十九条まで及び第三十一条第三項の信用リスクのリスク・アセットの額の算出において、リスク・ウェイトを零パーセントとするエクスポージャーについては、リスク・ウェイトを零パーセントとすることができること。

五 第二百四十六条の十七の五第二項第三号に掲げる方法によりマーケット・リスク相当額を算出しているファンドへの出資は、無格付の株式関連商品とすること。

六 ファンドの運用基準において投機的格付又は財務不振の銘柄への投資を許容する場合には、当該運用基準において想定される最大のリスクに係る仮想ポジションを用いて実効平均リスク・ウェイトを算出すること。この場合において、当該実効平均リスク・ウェイトの算出のための仮想ポジションにより生じたエクスポージャーと他のエクスポージャーとの間の相殺及び分散の勘案は行わないこと。

 

第二目 非証券化商品に係るデフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額

(非証券化商品のグロスのJTDリスク・ポジション)

第二百四十六条の二十の二 非証券化商品に係るグロスのJTDリスク・ポジションは、次に定めるところにより算出するものとする。

一 エクスポージャーごとに、グロスのJTDリスク・ポジションについてロング・ポジションとショート・ポジションを次の算式により算出する。

  JTD(ロング)=max[LGD×想定元本+P&L,0]

  JTD(ショート)=min[LGD×想定元本+P&L,0]

 LGDは、デフォルト時損失率(ただし、商品の価格が参照する債務者のデフォルト時の回収率に連動していない場合には、LGDは用いない。)

  P&Lは、時価評価損益(債券の市場価額に相当する価額から想定元本を差し引いたもの)

二 前号の算式中想定元本又はP&Lの符号は、次のイ又はロに掲げる変数の区分に応じ、当該イ又はロに定めるものとする。

イ 想定元本 ロング・ポジションの場合にあっては正の値、ショート・ポジションの場合にあっては負の値

ロ P&L 評価益の場合にあっては正の値、評価損の場合にあっては負の値

三 第一号の算式中LGDは、次のイからハまでに掲げる商品の区分に応じ、当該イからハまでに定める値とする。

イ 株式関連商品及び負債性商品(ロ及びハに掲げる商品を除く。) 百パーセント

ロ シニア債務商品(ハに掲げる商品を除く。) 七十五パーセント

ハ カバード・ボンド 二十五パーセント

四 第一号の算式中想定元本及びP&Lの額は、次の表の第一欄に掲げる商品の区分に応じ、それぞれ同表の第二欄に定める想定元本及び同表の第四欄に定めるP&Lとする。

ロング・クレジット・ポジションに係るJTDの算出の構成要素の例

商品

想定元本

債券に相当する市場価額

P&L

債券

債券の額面価額

債券の市場価額

市場価額-額面価額

CDS

CDSの想定元本

CDSの想定元本-|CDSの時価評価(MtM)額|

-|CDSのMtM額|

債券の売建プット・オプション

オプションの想定元本

権利行使価格-|オプションのMtM額|

(権利行使価格-|オプションのMtM額|)-想定元本

債券の買建コール・オプション

オプションのMtM額

オプションのMtM額

五 前号の表の第一欄に掲げる商品の区分に分類できないJTDリスク・ポジションは、同欄に掲げる商品の区分に可能な限り分解し、マーケット・リスク相当額を算出する。

六 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める満期までの残存期間の範囲に含まれるように、満期までの残存期間が一年未満の全てのエクスポージャーに対するJTDリスク・ポジションに満期までの残存期間を年換算した値(〇・二五を下回らない値に限る。)を乗じる(以下この号及び次条において「スケール調整」という。)。ただし、満期までの残存期間が一年以上の場合には、スケール調整を行わないものとする。

イ 株式等の現物ポジションの場合 一年以上の残存期間又は三月の残存期間

ロ 派生商品取引のエクスポージャーの相殺の基準を定める場合 当該派生商品取引の契約上の残存期間(三月を下らない期間に限る。)

 

(非証券化商品のネットJTD額)

第二百四十六条の二十の三 非証券化商品のネットJTD額は、次に定めるところにより同一のエクスポージャーに対するグロスJTD額のロング・ポジション額とショート・ポジション額とを相殺して算出するものとする。

一 ショート・ポジションは、ロング・ポジションと比較してデフォルト時の弁済順位が同一又は劣後する場合に相殺することができる。

二 満期までの残存期間が一年に満たない複数のエクスポージャーは、ポジション額をスケール調整した上で相殺するものとする。

2 前項のロング・ポジション及びショート・ポジションの相殺において、双方のポジションの満期までの残存期間が一年未満の場合には、スケール調整した上で相殺するものとする。

3 非証券化商品のネットJTD額の算出に当たって、保証付債券が第九十三条及び第九十四条に定める信用リスク削減手法に係る条件に適合する場合には、当該債券の保証割合に応じ、債務者に対するエクスポージャーを保証人に対するエクスポージャーとみなして、前二項の規定を適用する。

4 前三項の規定により算出された債務者ごとのネットJTD額が正の値となった場合はこれをロング・ポジションとなっているネットJTDリスク・ポジションとし、当該ネットJTD額が負の値となった場合はこれをショート・ポジションとなっているネットJTDリスク・ポジションとする。

 

(非証券化商品に係るデフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額の算出)

第二百四十六条の二十の四 非証券化商品に係るネットのJTDリスク・ポジションは、次の各号に掲げるエクスポージャーの区分に応じ、当該各号に定めるバケットに分類するものとする。

一 第三十四条に定める金融機関向けエクスポージャー、第三十五条に定める第一種金融商品取引業者向けエクスポージャー、第三十五条の二に定める保険会社向けエクスポージャー、第三十六条に定める法人等向けエクスポージャー、第三十八条に定める適格中堅中小企業等向けエクスポージャーその他これらに類するもの 事業法人等のバケット

二 第二十七条に定める中央政府及び中央銀行向けエクスポージャー、第二十八条に定める国際決済銀行等向けエクスポージャー、第三十一条に定める国際開発銀行向けエクスポージャー、第三十二条に定める我が国の政府関係機関向けエクスポージャーその他これらに類するもの 中央政府等のバケット

三 第二十九条に定める我が国の地方公共団体向けエクスポージャー、第三十条に定める外国の中央政府等以外の公共部門向けエクスポージャー、第三十一条の二に定める地方公共団体金融機構向けエクスポージャー、第三十三条に定める地方三公社向けエクスポージャーその他これらに類するもの 地方公共団体等のバケット

2 非証券化商品に係るネットのJTDリスク・ポジションに乗じるリスク・ウェイトは、次の表の上欄に掲げる信用リスク区分の区分に応じ、同表の下欄に定めるものとする。

信用リスク区分

デフォルトのリスク・ウェイト

(パーセント)

8―1

〇・五

8―2

二・〇

8―3

三・〇

8―4

六・〇

8―5

十五・〇

8―6

三十・〇

8―7

五十・〇

無格付

十五・〇

デフォルト

3 非証券化商品に係る同一バケットに属するリスク加重後のネットのJTDリスク・ポジションの合算に当たって、ロング・ポジションとショート・ポジションとの間のヘッジ効果を勘案するために用いる係数は、次の算式により得た値とする。

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 HBRbは、バケットbにおけるヘッジ効果の係数(次項の算式において同じ。)

 iは、バケットbに属する商品

 Σi∈longnetJTDiは、バケットbにおけるロング・ポジションとなっている商品iのネットのJTDリスク・ポジションの合計額(次項及び第二百四十六条の二十二の二第三項の算式において同じ。)

 Σi∈short|netJTDi|は、バケットbにおけるショート・ポジションとなっている商品iのネットJTDリスク・ポジションの絶対値の合計額(次項及び第二百四十六条の二十二の二第三項の算式において同じ。)

4 非証券化商品に係る同一バケット内に属するリスク加重後のネットのJTDリスク・ポジションの合算は、次の算式によるものとする。

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 DRCbは、バケットbにおけるデフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額

 iは、バケットbに属する商品

 RWiは、第二項に定めるリスク・ウェイト

5 非証券化商品に係るデフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額は、前項で算出した各バケットのマーケット・リスク相当額を単純合算して得た額とする。

 

第三目 証券化商品(非CTP)に係るデフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額

(証券化商品(非CTP)に係るネットのJTDリスク・ポジション)

第二百四十六条の二十一 証券化商品(非CTP)のグロスのJTDリスク・ポジションについては、次に掲げるエクスポージャー間において相殺しないものとする。

一 異なる原資産を参照する証券化エクスポージャー等(原資産に係る信用リスクを第三者に移転する性質を有する取引をいう。以下同じ。)の間(アタッチメント・ポイント(証券化エクスポージャーに最初に損失が生ずるポイントをいう。第二百四十六条の二十二第三項において同じ。)及びデタッチメント・ポイント(証券化エクスポージャーに割り当てる信用損失が元本全体に及ぶポイントをいう。同項において同じ。)が同一の証券化エクスポージャー間を含む。)

二 同一の原資産を参照する証券化商品に係る異なるトランシェから生ずる証券化エクスポージャー等の間

2 証券化商品(非CTP)のデフォルト・リスクについては、次に掲げるエクスポージャー間において相殺をすることができる。

一 満期以外の条件が同一である証券化エクスポージャー等の間

二 ロング・ポジション及びショート・ポジションの証券化エクスポージャー等の原資産を参照する個別の資産に分解することで得た同一の個別の参照資産間

3 第二百四十六条の二十の二から前条までの規定は、証券化商品(非CTP)のJTDリスク・ポジションの算出について準用する。この場合において、これらの規定中「非証券化商品」とあるのは、「証券化商品(非CTP)」と読み替えるものとする。

 

(証券化商品(非CTP)に係るデフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額の算出)

第二百四十六条の二十一の二 証券化商品(非CTP)のデフォルト・リスクについては、次の表の中欄に掲げるセクターの区分及び同表の下欄に掲げる地域の区分に応じ、四十六のバケットに分類するものとする。

バケット番号

セクター

地域

1

事業法人向け債権等を担保とする証券(資産担保コマーシャルペーパー、中小企業向け債権等を担保とする証券及びCDOスクエアドを除く。)

全地域

2

資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)




アジア

3

欧州

4

北米

5

その他地域

6

自動車ローン及びリースを担保とする証券




アジア

7

欧州

8

北米

9

その他地域

10

住宅ローン担保証券(RMBS)




アジア

11

欧州

12

北米

13

その他地域

14

クレジットカード債権を担保とする証券




アジア

15

欧州

16

北米

17

その他地域

18

商業用不動産担保証券(CMBS)




アジア

19

欧州

20

北米

21

その他地域

22

ローン担保証券(CLO)




アジア

23

欧州

24

北米

25

その他地域

26

CDOスクエアド(CDOを担保とする証券)




アジア

27

欧州

28

北米

29

その他地域

30

中小企業向け債権等を担保とする証券(資産担保コマーシャルペーパー及びローン担保証券を除く。)



アジア

31

欧州

32

北米

33

その他地域

34

学生ローンを担保とする証券




アジア

35

欧州

36

北米

37

その他地域

38

その他リテール向け債権等を担保とする証券(自動車ローン及びリースを担保とする証券、住宅ローン担保証券並びにクレジットカード債権を担保とする証券を除く。)


アジア

39

欧州

40

北米

41

その他地域

42

その他ホールセール向け債権等を担保とする証券(事業法人向け債権等を担保とする証券、資産担保コマーシャルペーパー、ローン担保証券及びCDOスクエアドを除く。)


アジア

43

欧州

44

北米

45

その他地域

46

その他バケット(バケット番号1から45までのいずれにも属さない証券化商品)

全地域

2 前項の分類に当たっては、市場で一般的に用いられている分類に基づくとともに、次に定めるところによるものとする。

一 いずれか一のバケットに分類すること。

二 原資産の種類と地域が同一の証券化商品エクスポージャーは同一のバケット番号に分類すること。

三 個別のセクターに分類できない場合には、バケット番号46に分類すること。

3 証券化商品(非CTP)のネットのJTDリスク・ポジションに乗じるリスク・ウェイトは、第六章第二節第二款に規定する証券化エクスポージャーのリスク・ウェイトの算出方式に基づき算出したものを十二・五で除して得た値とする。この場合において、JTDリスク・ポジションとなる証券化商品の満期までの期間は、一年を想定するものとする。

4 証券化商品(非CTP)内の個々の証券化エクスポージャー等の現物ポジションに対する標準的方式に基づくマーケット・リスク相当額は、取引の公正価値を上限とするものとする。

5 証券化商品(非CTP)に係る同一のバケット番号に属するマーケット・リスク相当額の合算は、第二百四十六条の二十の四第三項及び第四項に規定する算式により算出するものとする。

6 証券化商品(非CTP)に係るデフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額は、前項で算出した各バケットのマーケット・リスク相当額を単純合算して得た額とする。

 

第四目 証券化商品(CTP)に係るデフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額

(証券化商品(CTP)に係るグロスのJTDリスク・ポジション)

第二百四十六条の二十二 第二百四十六条の二十一の規定は、証券化商品(CTP)のうち証券化エクスポージャー等に該当する商品のグロスのJTDリスク・ポジションの算出について準用する。この場合において、同条中「証券化商品(非CTP)」とあるのは、「証券化商品(CTP)」と読み替えるものとする。

2 証券化商品(CTP)に含まれる証券化エクスポージャー等に該当しない商品のポジションのグロスのJTDリスク・ポジションは、当該商品の市場価値とする。

3 特定順位参照型クレジット・デリバティブは、次の算式により算出されたアタッチメント・ポイント及びデタッチメント・ポイントを有するトランシェ分けした証券化商品として扱うものとする。

 アタッチメント・ポイント=(N-1)÷総銘柄数

 デタッチメント・ポイント=N÷総銘柄数

 Nは、あらかじめ特定された順位に相当する数値

 総銘柄数は、原資産のプールにおける銘柄の総数

4 前条第三項の規定は、証券化商品(CTP)のネットのJTDリスク・ポジションの算出について準用する。この場合において、同項中「証券化商品(非CTP)」とあるのは、「証券化商品(CTP)」と読み替えるものとする。

5 証券化商品(CTP)のネットのJTDリスク・ポジションの算出に当たっては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める相殺をすることができる。

一 インデックス参照型の証券化商品のロング・ポジションとショート・ポジションが参照するインデックスの種類及びそのシリーズ並びに保有トランシェが同一である場合 証券化エクスポージャー等のロング・ポジションとショート・ポジションとの相殺(満期が異なる場合における相殺を含む。)

二 インデックス参照型の証券化商品を個別の債務者のエクスポージャーに分解し、次に掲げる要件の全てを満たす場合 同一の個別の債務者のロング・ポジションとショート・ポジションとの相殺

イ 評価モデルを用いた分解をする場合にあっては、証券化商品の構成銘柄である単一の債務者のグロスのJTDリスク・ポジションは、単一の債務者のデフォルトによる回収を零と想定した場合の証券化商品の価値と市場慣行に従った回収率を用いた場合の証券化商品の価値との差額とすること。

ロ 個別の債務者のJTDリスク・ポジションに分解するに当たって、証券化商品の個別の債務者のデフォルトの影響を考慮し、分解した個別の債務者に係るJTDリスク・ポジションの合計は、分解前の証券化商品のJTDリスク・ポジションと一貫性があるものとすること。

ハ 分解はバニラ証券化商品(エキゾチックな証券化商品以外の証券化商品をいう。)に限定すること。

三 インデックス参照型商品のうち、トランシェ分けされたもの並びにトランシェ分けされていない証券化エクスポージャー等のロング・ポジション及びショート・ポジションのインデックスの種類及びそのシリーズが同一である場合 当該証券化エクスポージャー等のロング・ポジション及びショート・ポジションを分解及び複製(前号ロに掲げる要件を満たすように分解前の証券化エクスポージャー等を再現することをいう。)することによる相殺

四 インデックス参照型商品のロング・ポジション及びショート・ポジションについて、一方のポジションの複数のトランシェの証券化商品のエクスポージャーの組合せにより、他方のポジションのトランシェ分けされていないインデックス参照型商品のエクスポージャーを複製できる場合 当該複製後の証券化商品のポジションと当該インデックス参照型商品のポジションとの相殺

五 インデックス参照型商品とインデックス参照型商品に含まれる単一の債務者の構成銘柄によるロング・ポジションとショート・ポジションの組合せの場合 インデックス参照型商品を分解することにより得られた単一の構成銘柄に対応するロング・ポジションとショート・ポジションとの相殺

6 次に掲げる相殺は行わないものとする。

一 同一のインデックス及び同一のシリーズにおける異なるトランシェ間の相殺

二 同一のインデックスにおける異なるシリーズのポジション間の相殺

三 異なるインデックス・ファミリーのポジション間の相殺

 

(証券化商品(CTP)に係るデフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額の算出)

第二百四十六条の二十二の二 証券化商品(CTP)のデフォルト・リスクについては、インデックスごとにバケットを設定するものとする。この場合において、トランシェ分けされた証券化エクスポージャー等は、トランシェ分け前のポートフォリオと整合的なインデックスのバケットに分類するものとする。

2 証券化商品(CTP)のデフォルト・リスクに係るリスク・ウェイトは、次の各号に掲げる商品の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。

一 トランシェ分けされた商品 第六章第二節第二款に規定する証券化エクスポージャーのリスク・ウェイトの算出方式に基づき算出されたリスク・ウェイトを十二・五で除して得た値

二 前号に掲げる商品以外の商品 第二百四十六条の二十の四第二項に定める非証券化商品のリスク・ウェイトと同一の値

3 証券化商品(CTP)に係るデフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額の合計額は、次の算式を用いて算出するものとする。

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 DRCCTPは、証券化商品(CTP)のデフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額

 DRCbは、バケットbにおけるデフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額

 iは、バケットbに属する商品

 RWiは、商品iに適用するリスク・ウェイト

 HBRCTPは、コリレーション・トレーディング・ポートフォリオに含まれる全てのポジションを用いて算出した証券化商品(CTP)のヘッジ効果の係数

 

第四款 標準的方式に係る残余リスク・アドオン

(残余リスク・アドオンに対するマーケット・リスク相当額)

第二百四十六条の二十三 標準的方式においては、リスク感応度方式によるマーケット・リスク相当額及びデフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額では捕捉できないリスクに対するマーケット・リスク相当額(以下この条において「残余リスク・アドオン」という。)を算出するものとする。

2 残余リスク・アドオンの算出は、次に掲げる商品を対象とする。

一 複雑な原資産を有する商品(デルタ・リスク、ベガ・リスク及びカーベチャー・リスクについてリスク感応度方式で捕捉できないリスクが含まれる商品又はデフォルト・リスクに対するマーケット・リスク相当額の算出において捕捉できないリスクが含まれる商品をいう。)

二 前号に掲げる商品以外のものであって、残余リスクを有する商品

3 前項の規定にかかわらず、次に掲げる商品は残余リスク・アドオンの算出対象から除外するものとする。

一 第三者取引と同一条件の取引の対象となっている商品

二 上場商品及び清算集中されている商品

4 第二項第二号に掲げる商品は、次に掲げる商品を含むものとする。

一 ベガ・リスク又はカーベチャー・リスクに対するマーケット・リスク相当額の計測対象であり、かつ、株価、コモディティ価格、為替レート、債券価格、CDS価格又は金利スワップを単一の原資産として有するプレーン・オプションの結合によって再現できないペイオフを有する商品

二 コリレーション・トレーディングに該当する商品(マーケット・リスク相当額の算出においてコリレーション・トレーディングを適切にヘッジする商品を除く。)

三 次に掲げるリスクのいずれかが含まれる商品

イ ギャップ・リスク(原資産の微小な変化によりオプションのベガ・パラメータが大幅に変化するリスクをいう。)

ロ コリレーション・リスク(複数の原資産を有する商品の価値を決定するために必要となるコリレーション・パラメータの変動リスクをいう。)

ハ 行動オプション・リスク(人口統計学的な特性や社会的要因等の要因に基づき、権利行使が行われることにより生ずるリスクをいう。)

5 次に掲げるリスクは、残余リスク・アドオンの算出は要しない。

一 最割安銘柄オプションによるリスク

二 スマイル・リスク(同一の原資産と満期を有するオプション性商品の権利行使の水準が異なることによりインプライド・ボラティリティが変化するリスクをいう。)

三 複数の原資産を有するヨーロピアン・タイプ又はアメリカン・タイプのプレーン・オプション及びこれらのオプションの一次結合として表されるオプションから生ずる相関リスク

四 原資産が配当金の支払のみで構成されているものでないデリバティブ商品から生ずる配当リスク

6 次に掲げる商品のいずれかに該当する場合には、残余リスク・アドオンの算出は要しない。

一 第二百四十六条の十七の四に定める方法によりデルタ・リスク及びカーベチャー・リスクに対するマーケット・リスク相当額の算出がされているインデックス参照型商品(オプション性を有する商品を除く。)

二 第二百四十六条の十七の四に定める方法によりデルタ・リスク及びカーベチャー・リスクに対するマーケット・リスク相当額が算出されており、かつ、第二百四十六条の十七の六に定める方法によりベガ・リスクに対するマーケット・リスク相当額の算出がされている複数の原資産を有するオプション

三 第二百四十六条の十七の五第二項各号に掲げる方法によりマーケット・リスク相当額の算出がされているファンドへの出資

7 残余リスク・アドオンに対するマーケット・リスク相当額は、次の各号に掲げる商品の区分に応じ、当該各号に定めるリスク・ウェイトを当該商品のグロスの想定元本額の単純合計に乗じて得た額を単純合算したものとする。

一 第二項第一号に掲げる商品 一・〇パーセント

二 第二項第二号に掲げる商品 〇・一パーセント

 

第四節 簡易的方式

第一款 簡易的方式によるマーケット・リスク相当額

(簡易的方式によるマーケット・リスク相当額)

第二百四十六条の二十四 簡易的方式においては、次に掲げるリスク・カテゴリー(これらのリスク・カテゴリーに分類されるオプション取引を含む。)に対するマーケット・リスク相当額を算出するものとする。

一 金利リスク・カテゴリー

二 株式リスク・カテゴリー

三 外国為替リスク・カテゴリー

四 コモディティ・リスク・カテゴリー

2 簡易的方式によるマーケット・リスク相当額の合計額は、前項各号に掲げるリスク・カテゴリー(これらのリスク・カテゴリーに分類されるオプション取引を含む。)ごとに算出したマーケット・リスク相当額を、次の算式を用いて合算して得た額とする。

 CRIRR*SFIRR+CREQ*SFEQ+CRFX*SFFX+CRCOMM*SFCOMM

 CRIRRは、金利リスク・カテゴリー及び当該カテゴリーのオプション取引に分類されるマーケット・リスク相当額

 CREQは、株式リスク・カテゴリー及び当該カテゴリーのオプション取引に分類されるマーケット・リスク相当額

 CRFXは、外国為替リスク・カテゴリー及び当該カテゴリーのオプション取引に分類されるマーケット・リスク相当額

 CRCOMMは、コモディティ・リスク・カテゴリー及び当該カテゴリーのオプション取引に分類されるマーケット・リスク相当額

 SFIRRは、一・三〇

 SFEQは、三・五〇

 SFFXは、一・二〇

 SFCOMMは、一・九〇

 

第二款 金利リスク・カテゴリー

(金利リスク・カテゴリー)

第二百四十六条の二十五 前条第一項第一号に掲げる金利リスク・カテゴリーのマーケット・リスク相当額は、債券、譲渡性預金、転換権のない優先株その他の金融商品並びにこれらの派生商品取引及びこれらのオフ・バランスのポジション(以下「債券等」という。)に係る個別リスクの額及び一般市場リスクの額の合計額とする。この場合において、異なる通貨間でポジションを相殺してはならない。なお、派生商品取引については、関連する原資産のポジションに変換の上、次条及び第二百四十六条の二十五の三に定める要領に留意して、個別リスクの額及び一般市場リスクの額を算出するものとする。

2 前項の規定にかかわらず、金庫は債券等のショート・ポジションの個別リスクの額に代えて、当該ショート・ポジションにおいて発生し得る最大の損失額を当該ショート・ポジションの個別リスクの額とすることができる。

 

(クレジット・デリバティブ以外の派生商品取引のポジションの相殺)

第二百四十六条の二十五の二 クレジット・デリバティブ以外の派生商品取引のポジションの相殺の要領は次の各号に定めるところによる。

一 発行者、表面利率、通貨及び満期が等しい同一商品の両側のポジションについては、現物のポジション又は想定上のポジションのいずれの場合であっても、簡易的方式によるリスク算出対象から、個別リスク及び一般市場リスクの双方について除外することができる。

二 先物取引又は先渡取引のポジションとこれらの取引に対応する原資産のポジションが対当している場合は、これらを相殺することができる。また、先物取引又は先渡取引に対して二以上の引渡しが可能な商品がある場合において、引渡しを行う金庫にとって最も有利な原資産が特定されており、かつ、当該先物取引又は先渡取引の価格と原資産価格との間に強い相関関係が認められるときは、当該先物取引又は先渡取引のポジションと原資産のポジションを相殺することができる。

三 債券等の派生商品取引のロング・ポジション又はショート・ポジションは、同一の原資産に関連するものであり、名目価値が同額であり、かつ、同一通貨建てである場合には、次のイからハまでに掲げる取引の区分に応じ、当該イからハまでに定める条件を満たせば、相殺することができる。なお、異なるスワップ取引の片側のポジション同士も、同様の条件を満たせば相殺することができる。

イ 先物取引 満期の差が七日以内であること。

ロ スワップ及びFRA 変動金利のポジションについて、指標となるレートが同一のものであり、かつ、表面利率の差が十五ベーシス・ポイント以内であること。

ハ スワップ、FRA及び先渡取引 対象となる取引の残存期間等の差が次に定める限度内であること。

(1) 双方又は一方の残存期間等が一月未満の場合は同日

(2) 双方又は一方の残存期間等が一月以上一年以下の場合((1)に規定する場合を除く。)は七日以内

(3) 残存期間等がともに一年超の場合は三十日以内

 

(クレジット・デリバティブのポジションの相殺)

第二百四十六条の二十五の三 クレジット・デリバティブによりヘッジされたポジションに関する個別リスクの相殺の要領は次の各号に定めるところによる。

一 金庫は、次のイ又はロに定める場合のほか、ロング・ポジション及びショート・ポジションの価値のうち一方が増加するときに他方が常に減少する場合であって、その増加額と減少額がおおむね同じ程度であるときは、双方のポジションを完全に相殺することができる。

イ ロング・ポジション及びショート・ポジションが同一の商品であるとき。

ロ 現物のロング・ポジションをトータル・リターン・スワップでヘッジする場合又はその逆の場合であって、トータル・リターン・スワップの参照債務及び当該現物資産が完全に同一であるとき。

二 金庫は、次に掲げる要件の全てを満たす場合のほか、ロング・ポジション及びショート・ポジションの価値のうち一方が増加するときに他方が常に減少する場合であって、その増加額と減少額がおおむね同じ程度であるとは認められないときは、個別リスクの高い方のポジションの八十パーセントと他方のポジションの全額を相殺することができる。ただし、クレジット・デフォルト・スワップ又はクレジット・リンク債に支払額を固定する条項や第九十九条に定める場合等の制限的な支払条項が存在する場合には、その影響を相殺割合について考慮するものとする。

イ 現物のロング・ポジションをクレジット・デフォルト・スワップ若しくはクレジット・リンク債でヘッジした場合又はその逆の場合であること。

ロ ヘッジ対象ポジションの資産が、クレジット・デフォルト・スワップ又はクレジット・リンク債の決済のための参照債務及び信用事由判断のための参照債務に含まれていること。

ハ ヘッジ対象ポジションの資産と、クレジット・デフォルト・スワップ又はクレジット・リンク債のマチュリティが同一であること。

ニ クレジット・デフォルト・スワップ又はクレジット・リンク債の決済のための参照債務及び信用事由判断のための参照債務に、ヘッジ対象ポジションと同一の通貨建ての債務を含んでいること。

ホ クレジット・デフォルト・スワップ又はクレジット・リンク債の信用事由、決済方法その他の主要な契約条件に基づき、クレジット・デフォルト・スワップ又はクレジット・リンク債の価格変動幅がヘッジ対象ポジションの価格変動幅と大きく乖離していないこと。

三 金庫は、次のいずれかに定める場合のほか、ロング・ポジション及びショート・ポジションの価値が通常反対の方向に動く場合は、個別リスクの高い方のポジションのみを自己資本賦課の対象とすることができる。

イ ヘッジ対象ポジションの資産が参照債務に含まれていないことを除き、第一号ロの条件を満たす場合。ただし、当該参照債務と当該ヘッジ対象ポジションの資産は第九十五条第五号の要件を満たさなければならない。

ロ ロング・ポジション及びショート・ポジションが同一の通貨建てでないこと又はマチュリティが同一でないことを除き、第一号イの条件を満たす場合

ハ ヘッジ対象資産がクレジット・デフォルト・スワップ又はクレジット・リンク債と同一の通貨建てでないこと又はマチュリティが同一でないことを除き、第二号イからホまでに定める全ての条件を満たす場合

ニ ヘッジ対象資産がクレジット・デフォルト・スワップ又はクレジット・リンク債の信用事由判断のための参照債務に含まれないことを除き、第二号イからホまでに定める全ての条件を満たす場合。ただし、ヘッジ対象資産が決済のための参照債務に含まれていることを要する。

四 前三号に該当しない場合には、ロング・ポジション及びショート・ポジションの双方に対して個別リスクに係る自己資本賦課を行う。

 

(金利リスク・カテゴリーの個別リスク)

第二百四十六条の二十五の四 第二百四十六条の二十四第一項第一号に掲げる金利リスク・カテゴリーの個別リスクの額は、債券等の銘柄ごとのネット・ポジションの額に、次の表の上欄に掲げる区分に応じ同表の下欄に定めるリスク・ウェイトを乗じて得た額の合計額とする。ただし、日本国政府又は我が国の地方公共団体の発行する円建ての債券等のうち円建てで調達されたものについては、リスク・ウェイトを零パーセントとすることができる。

債券等の種類

リスク・ウェイト

(パーセント)

政府債(適格格付機関により付与された格付に対応する信用リスク区分が1―1であるもの)

同 (適格格付機関により付与された格付に対応する信用リスク区分が1―2又は1―3であるもののうち、残存期間等が六月以内のもの)

〇・二五

同 (適格格付機関により付与された格付に対応する信用リスク区分が1―2又は1―3であるもののうち、残存期間等が六月超二十四月以内のもの)

一・〇〇

同 (適格格付機関により付与された格付に対応する信用リスク区分が1―2又は1―3であるもののうち、残存期間等が二十四月超のもの)

一・六〇

同 (適格格付機関により付与された格付に対応する信用リスク区分が1―4又は1―5であるもの)

八・〇〇

同 (適格格付機関により付与された格付に対応する信用リスク区分が1―6であるもの)

十二・〇〇

同 (無格付であるもの)

八・〇〇

優良債(残存期間等が六月以内のもの)

〇・二五

同 (残存期間等が六月超二十四月以内のもの)

一・〇〇

同 (残存期間等が二十四月超のもの)

一・六〇

その他(適格格付機関により付与された格付に対応する信用リスク区分が4―4であるもの)

八・〇〇

同 (適格格付機関により付与された格付に対応する信用リスク区分が4―5又は5―4であるもの)

十二・〇〇

同 (無格付であるもの)

八・〇〇

(注1) 「政府債」とは、中央政府又は我が国の地方公共団体の発行する債券及びそれらの保証する債券をいう。

(注2) 「優良債」とは、公共部門又は国際開発銀行の発行した債券等、金融機関(第一条第七号ロに掲げる者を除く。)、外国銀行、銀行持株会社、銀行持株会社に準ずる外国の会社、第一種金融商品取引業者、経営管理会社、保険会社及び保険持株会社の発行した債券等のうち第三十四条、第三十五条又は第三十五条の二の基準に照らして二十パーセントのリスク・ウェイトとすることが認められているもの並びに適格格付機関により付与された格付に対応する信用リスク区分が4―3又は5―3以上である債券等をいう。

 

(金利リスク・カテゴリーの一般市場リスク)

第二百四十六条の二十五の五 第二百四十六条の二十四第一項第一号に掲げる金利リスク・カテゴリーの一般市場リスクの額は、次条に定めるマチュリティ法又は第二百四十六条の二十五の七に定めるデュレーション法を用いて通貨ごとに算出した次に掲げるものの合計額とする。ただし、デュレーション法を用いる金庫は、価格感応度の計測方法に関する事項を記載した書類を作成し、保存するとともに当該計測方法を継続して使用するものとする。

一 債券等の全体のネット・ポジションの額

二 マチュリティ法を用いる場合は次のイの表、デュレーション法を用いる場合は次のロの表に掲げる各期間帯内で対当しているポジション間のバーティカル・ディスアローアンス(同一期間帯内において対当するポジション同士を相殺する場合において、対当している部分に一定の割合を乗じて得られるものであって、マーケット・リスク相当額に追加する部分をいう。以下同じ。)の額

イ マチュリティ法の期間帯等

期間帯(残存期間等)

リスク・ウェイト

(パーセント)

想定金利変動幅

(パーセント・ポイント)

表面利率三パーセント以上

表面利率三パーセント未満

一月以下

一月以下

一・〇〇

一月超

三月以下

一月超

三月以下

〇・二〇

一・〇〇

三月超

六月以下

三月超

六月以下

〇・四〇

一・〇〇

六月超

十二月以下

六月超

十二月以下

〇・七〇

一・〇〇

一年超

二年以下

一・〇年超

一・九年以下

一・二五

〇・九〇

二年超

三年以下

一・九年超

二・八年以下

一・七五

〇・八〇

三年超

四年以下

二・八年超

三・六年以下

二・二五

〇・七五

四年超

五年以下

三・六年超

四・三年以下

二・七五

〇・七五

五年超

七年以下

四・三年超

五・七年以下

三・二五

〇・七〇

七年超

十年以下

五・七年超

七・三年以下

三・七五

〇・六五

十年超

十五年以下

七・三年超

九・三年以下

四・五〇

〇・六〇

十五年超

二十年以下

九・三年超

十・六年以下

五・二五

〇・六〇

二十年超

十・六年超

十二年以下

六・〇〇

〇・六〇


十二年超

二十年以下

八・〇〇

〇・六〇


二十年超

十二・五〇

〇・六〇

(注) ゼロ・クーポン債は表面利率三パーセント未満の債券として扱うものとする。

ロ デュレーション法の期間帯等

期間帯(残存期間等)

想定金利変動幅(パーセント・ポイント)

一月以下

一・〇〇

一月超三月以下

一・〇〇

三月超六月以下

一・〇〇

六月超十二月以下

一・〇〇

一年超一・九年以下

〇・九〇

一・九年超二・八年以下

〇・八〇

二・八年超三・六年以下

〇・七五

三・六年超四・三年以下

〇・七五

四・三年超五・七年以下

〇・七〇

五・七年超七・三年以下

〇・六五

七・三年超九・三年以下

〇・六〇

九・三年超十・六年以下

〇・六〇

十・六年超十二年以下

〇・六〇

十二年超二十年以下

〇・六〇

二十年超

〇・六〇

三 次の表に掲げる期間帯の間で対当しているポジション間のホリゾンタル・ディスアローアンス(期間帯間において対当するポジション同士を相殺する場合において、対当している部分に一定の割合を乗じて得られるものであって、マーケット・リスク相当額に追加する部分をいう。以下同じ。)の額

ゾーン


期間帯(残存期間等)

同一ゾーン内

(パーセント)

隣接ゾーン間

(パーセント)

ゾーン一・三間

(パーセント)

表面利率三パーセント以上

表面利率三パーセント未満

ゾーン一




一月以下

一月以下

四十

四十

一月超

三月以下

一月超

三月以下




三月超

六月以下

三月超

六月以下




六月超

十二月以下

六月超

十二月以下




ゾーン二



一年超

二年以下

一年超

一・九年以下

三十



二年超

三年以下

一・九年超

二・八年以下




三年超

四年以下

二・八年超

三・六年以下




ゾーン三








四年超

五年以下

三・六年超

四・三年以下

三十



五年超

七年以下

四・三年超

五・七年以下




七年超

十年以下

五・七年超

七・三年以下




十年超

十五年以下

七・三年超

九・三年以下




十五年超

二十年以下

九・三年超

十・六年以下




二十年超

十・六年超

十二年以下





十二年超

二十年以下





二十年超




(注) デュレーション法に基づきホリゾンタル・ディスアローアンスの額を算出する場合においては、期間帯は表面利率三パーセント未満の欄を用いることとする。

 

(マチュリティ法)

第二百四十六条の二十五の六 マチュリティ法による算出方法は、次の各号に定めるところによる。

一 前条第二号イの表に掲げる十三又は十五の期間帯から成るマチュリティ・ラダー(マチュリティ法を用いて金利リスク・カテゴリーの一般市場リスクの額を算出する際に使用する、対象となる取引を残存期間等により分類して計算するための表をいう。以下この条において同じ。)を通貨ごとに作成し、債券等のロング・ポジション又はショート・ポジションを、マチュリティ・ラダーに投入する。

二 各期間帯内のロング・ポジション又はショート・ポジションに前条第二号イの表に定めるリスク・ウェイトを乗じて得たもの同士を相殺し、各期間帯内のネット・ポジションを算出する。この場合において、相殺の対象となる部分に十パーセントを乗じて得た額をバーティカル・ディスアローアンスの額とする。

三 前号で算出された各期間帯内のネット・ポジションを前条第三号の表に定めるところにより同表の各ゾーン内において相殺し、ゾーンごとのネット・ポジションを算出する。この場合において、相殺の対象となる部分に同表に定める割合を乗じて得た額をホリゾンタル・ディスアローアンスの額とする。

四 前号で算出されたゾーンごとのネット・ポジションを前条第三号の表に定めるところによりゾーン間で相殺する。この場合において、相殺の対象となる部分に同表に定める割合を乗じて得た額をホリゾンタル・ディスアローアンスの額とし、以上の相殺を通じて残った部分を債券等の全体のネット・ポジションの額とする。

五 取扱いの規模が小さい通貨については、まとめて一のマチュリティ・ラダーを用いることができる。ただし、異なる通貨間又は異なる期間帯間で相殺してはならない。

 

(デュレーション法)

第二百四十六条の二十五の七 デュレーション法による算出方法は、次の各号に定めるところによる。

一 第二百四十六条の二十五の五第二号ロの表に掲げる十五の期間帯から成るデュレーション・ラダー(デュレーション法を用いて金利リスク・カテゴリーの一般市場リスクの額を算出する際に使用する、対象となる取引のポジションに価格感応度を乗じて得たものを残存期間等により分類して計算するための表をいう。以下この号において同じ。)を通貨ごとに作成し、各対象取引の残存期間等に対応する期間帯ごとに定められた同表の下欄に定める想定金利変動幅に対する各債券等の価格感応度を計測し、これに各債券等のポジションを乗じて得たものを、デュレーション・ラダーに投入する。

二 前号で投入されたもの同士を相殺し、各期間帯内のネット・ポジションを算出する。この場合において、相殺の対象となる部分に五パーセントを乗じて得た額をバーティカル・ディスアローアンスの額とする。

三 前条第三号から第五号までに定める方法に準じて、ホリゾンタル・ディスアローアンスの額及び債券等の全体のネット・ポジションの額を算出する。

 

第三款 株式リスク・カテゴリー

(株式リスク・カテゴリー)

第二百四十六条の二十六 第二百四十六条の二十四第一項第二号に掲げる株式リスク・カテゴリーのマーケット・リスク相当額は、株式(転換権のない優先株を除く。)、株式と同様の価格変動性を示す転換証券及び株式売買に係るコミットメント並びにこれらの派生商品取引及びこれらのオフ・バランスのポジション(以下「株式等」という。)に係る個別リスクの額及び一般市場リスクの額の合計額とする。ただし、派生商品取引については、関連する原資産のポジションに変換の上、個別リスクの額及び一般市場リスクの額を算出するものとする。

 

(株式リスク・カテゴリーの個別リスク)

第二百四十六条の二十六の二 第二百四十六条の二十四第一項第二号に掲げる株式リスク・カテゴリーの個別リスクの額は、株式等の全てのロング・ポジションの額及び全てのショート・ポジションの額の合計額に、八パーセントを乗じて得た額とする。この場合において、同一銘柄又は同一の株価指数のポジション同士は相殺することができる。

2 前項の規定にかかわらず、分散度の高い株式等ポートフォリオから成る指数取引を行う場合においては、そのネット・ポジションの額に二パーセントを乗じて得た額とする。

3 同一の株価指数の先物取引について異なる日付若しくは異なる取引所で裁定取引を行っている場合又は同一でなく類似した株価指数の先物取引について同じ日付で裁定取引を行っている場合においては、一方の取引についてのみ個別リスクの額を算出し、他方の取引については個別リスクの額を算出しないことができる。

4 広範な株式により構成される指数に基づく先物取引を株式のバスケットに対当している場合は、個別リスクに対するマーケット・リスク相当額の算出を要しない。

 

(株式リスク・カテゴリーの一般市場リスク)

第二百四十六条の二十六の三 第二百四十六条の二十四第一項第二号に掲げる株式リスク・カテゴリーの一般市場リスクの額は、各取引所について金庫が保有する全てのロング・ポジションの額と全てのショート・ポジションの額の差の絶対値に八パーセントを乗じて得た額の合計額とする。

 

第四款 外国為替リスク・カテゴリー

(令六金庁厚労告一・追加)

(外国為替リスク・カテゴリーのマーケット・リスク相当額)

第二百四十六条の二十七 第二百四十六条の二十四第一項第三号に掲げる外国為替リスク・カテゴリーのマーケット・リスク相当額は、金及び外国為替のポジションを対象とし、次条に定める方法により算出する全体のネット・ポジションの額に八パーセントを乗じて得た額とする。

 

(外国為替リスク・カテゴリーの全体のネット・ポジションの額の算出方法)

第二百四十六条の二十七の二 外国為替リスク・カテゴリーの全体のネット・ポジションの額の算出方法は、次の各号に定めるところによる。

一 通貨ごとに、次に掲げる項目(リスク管理上必要がないと認められる場合にあっては、ニに掲げる項目を除くことができる。)を合計する。ただし、金のポジションについては、標準的な測定単位(オンス)で表示し、円に換算してネット・ポジションの額を算出するものとし、連結子法人等及び主たる事務所以外の事務所については、内部管理上保有することができる外国為替持高の限度額をネット・ポジションの額とみなすことができるものとする。

イ ネット直物ポジションの額(未収利息及び未払利息を含む通貨ごとの資産と負債の差額をいう。)

ロ ネット先物ポジションの額(通貨スワップの元本のうち直物ポジションに含まれないものを含む先物為替取引の将来受取額と将来支払額の差額をいう。)

ハ 実行を求められることが確実な保証(これと類似の取引を含む。)であって、求償しても回収の見込みがないものの額

ニ ロに該当するもの以外の将来発生する受取額又は支払額であって、既に完全にヘッジが行われているものの額

ホ その他為替損益の額

二 前号で算出した通貨ごとのネット・ポジションの額をロング・ポジションとショート・ポジションの別に分けてそれぞれについて合計する。

三 次のイ及びロを合計し、全体のネット・ポジションの額を算出する。

イ 前号で得られた全ての通貨のロング・ポジションの額の合計額又はショート・ポジションの額の合計額のいずれか大きい額

ロ 金のネット・ポジションの額

 

第五款 コモディティ・リスク・カテゴリー

(コモディティ・リスク・カテゴリーのマーケット・リスク相当額)

第二百四十六条の二十八 第二百四十六条の二十四第一項第四号に掲げるコモディティ・リスク・カテゴリーのマーケット・リスク相当額は、コモディティ(金を除く。)及びその派生商品取引並びにそのオフ・バランスのポジション(以下「コモディティ等」という。)を対象とし、次条に定めるマチュリティ・ラダー方式又は第二百四十六条の二十八の三に定める簡便的な方式を用いて算出するものとする。

2 前項のマーケット・リスク相当額を算出する際には、標準的な測定単位(バレル、キログラム、グラム等)で表示された、各コモディティ等のネット・ポジションを円に換算するものとする。この場合において、ポジション間で相殺するためには、同一のコモディティ等の間又は相互に決済するために引渡し可能なコモディティ等の間において、直近の一年間又はそれ以上の期間の価格変動間の相関係数が〇・九以上であって、その適切性を検証する体制を整備するものとする。

 

(マチュリティ・ラダー方式)

第二百四十六条の二十八の二 マチュリティ・ラダー方式によるコモディティ・リスク・カテゴリーのマーケット・リスク相当額の算出方法は、次に定めるところにより算出した額の合計額とする。この場合において、各コモディティ等のネット・ポジションを算出基準日の現物価格によって各国通貨に換算した後に、第一号の表に掲げる七の期間帯から成るマチュリティ・ラダーを各コモディティ等で作成し、当該各コモディティ等のロング・ポジションの額とショート・ポジションの額を、マチュリティ・ラダーに投入するものとする。ただし、現物の在庫がある場合については、一月以下の期間帯に投入するものとし、日次の受渡日がある市場については十日以内に期限を迎えるロング・ポジションの額とショート・ポジションの額は対当しているポジションの額とすることができる。

一 各期間帯内において対当している各コモディティ等のロング・ポジションの額とショート・ポジションの額の合計額に、スポット価格(売買締結日から二営業日以内にコモディティ(金を除く。)を受け渡す取引で成立した価格をいう。)及び次の表に定めるスプレッド・レートをそれぞれ乗じて得た額を算出する。

期間帯(残存期間等)

スプレッド・レート(パーセント)

一月以下

一・五

一月超三月以下

一・五

三月超六月以下

一・五

六月超十二月以下

一・五

一年超二年以下

一・五

二年超三年以下

一・五

三年超

一・五

二 前号の各期間帯内において対当していない各コモディティ等のロング・ポジションの額又はショート・ポジションの額については、当該ポジションの額に〇・六パーセントを乗じて得た額を算出する。この場合において、当該ポジションは、隣接する期間帯からポジションがある期間帯(ただし、三年超の期間帯を上限とする。)に持ち越される。

三 前号の持ち越されたポジションの額は、各期間帯内において対当している各コモディティ等のロング・ポジションの額又はショート・ポジションの額との合計額に第一号の表に定めるスプレッド・レートを乗じて得た額とする。

四 前三号の算出において期間帯に残存する各コモディティ等のネット・ポジションについては、当該ネット・ポジションに十五パーセントを乗じて得た額とする。

 

(簡便的な方式)

第二百四十六条の二十八の三 簡便的な方式によるコモディティ・リスク・カテゴリーのマーケット・リスク相当額は、各コモディティ等のネット・ポジションの額に十五パーセントを乗じて得た額及び当該コモディティ等のロング・ポジションの額とショート・ポジションの額の合計額に三パーセントを乗じて得た額の合計額とする。

 

第六款 オプション取引

(オプション取引のマーケット・リスク相当額)

第二百四十六条の二十九 第二百四十六条の二十四第一項各号に掲げるリスク・カテゴリーに分類されるオプション取引とその関連の原資産のポジション(以下「オプション取引等」という。)に対するマーケット・リスク相当額は、これらを一体として、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法を用いて算出するものとする。

一 オプション取引のうちオプションの取得のみを行う金庫 簡便法

二 デルタ(原資産価格の微小な変化に対する当該オプションの価格の変化の割合を表す数値をいう。第二百四十六条の二十九の三において同じ。)、ガンマ(原資産価格の微小な変化に対する当該オプションのデルタの変化の割合を表す数値をいう。同条において同じ。)及びベガ(原資産価格のボラティリティ(オプション取引における原資産価格の予測変動率をいう。同条において同じ。)の微小な変化に対する当該オプションのポジションの市場価値の変化額をいう。同条において同じ。)の計測方法に関する事項を記載した書類を作成し、保存する場合 デルタ・プラス法

三 第二百四十六条の二十九の四第一項の承認を受けた場合 シナリオ法

 

(簡便法)

第二百四十六条の二十九の二 簡便法を用いる場合のオプション取引等に対するマーケット・リスク相当額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるところにより算出したマーケット・リスク相当額の合計額とする。

一 現物のロング・ポジションとプット・オプションのロング・ポジションを組み合わせた場合又は現物のショート・ポジションとコール・オプションのロング・ポジションを組み合わせた場合 原資産の市場価値(キャップ、フロア、スワップションその他の原資産の市場価値が零となり得る商品については、名目価値を用いる。)に、原資産に係る個別リスクのリスク・ウェイト及び一般市場リスクのリスク・ウェイトの合計を乗じて得た額をマーケット・リスク相当額とする。この場合において、イン・ザ・マネーのオプションの市場価値(残存期間等が六月超のオプション取引については、ストライク・プライスを先物価格と比較する。これができない場合は、イン・ザ・マネーの市場価値は零とする。なお、トレーディング勘定に含まれない外国為替リスク又はコモディティ・リスクを伴う取引又は財産を評価する場合においては、簿価を用いることができる。)を当該乗じて得た額を上回らない範囲で控除することができる。

二 コール・オプションのロング・ポジションのみの場合又はプット・オプションのロング・ポジションのみの場合 原資産の市場価値に原資産に係る個別リスクのリスク・ウェイト及び一般市場リスクのリスク・ウェイトの合計を乗じて得た額又はオプションの市場価値のうちいずれか小さい額をマーケット・リスク相当額とする。

 

(デルタ・プラス法)

第二百四十六条の二十九の三 第二百四十六条の二十九第二号のデルタ・プラス法を用いる場合には、オプション取引等に対するマーケット・リスク相当額は、第二号に定めるガンマ・リスク及び第三号に定めるベガ・リスクに対するマーケット・リスク相当額の合計額とし、デルタについては、第一号に定めるところによるものとする。

一 デルタの取扱いについては、各オプション取引の原資産のポジションにデルタを乗じて得たものを、第二款から第五款までの各リスク・カテゴリーにおいて、想定上のポジションとみなし、他の取引と同様にマーケット・リスク相当額を算出するものとする。

二 ガンマ・リスクに対するマーケット・リスク相当額の算出方法は、次に定めるところによる。

イ 各オプション取引等について、次の算式によりガンマ・インパクトを算出する。

  ガンマ・インパクト=1/2×ガンマ×VU2

  (VU:次の表の上欄に掲げる原資産の区分に応じ、同表の下欄に定める算出方法により算出した値とする。)

原資産の区分

VUの算出方法

債券等

原資産の市場価値×第二百四十六条の二十五の五第二号イの表に定めるリスク・ウェイト

金利

第二百四十六条の二十五の五第二号イの表の想定金利変動幅に相当する金利変動による原資産の市場価値の変化額

株式等

原資産の市場価値×八パーセント

外国為替及び金

原資産の市場価値×八パーセント

コモディティ等

原資産の市場価値×十五パーセント

ロ イの算式により算出したガンマ・インパクトを原資産が同一であるオプション取引等ごとに合計したもののうち負であるものの絶対値の合計額を、ガンマ・リスクに係るマーケット・リスク相当額とする。

ハ ガンマ・リスク及び次号のベガ・リスクを算出する場合並びに第二百四十六条の二十九の九のシナリオ法を用いる場合においては、次の(1)から(3)までに掲げるオプション取引等に係るポジションのうち、それぞれに定める条件を満たすものは、原資産が同一であるとみなすことができる。

(1) 債券等及び金利 残存期間等に対応する第二百四十六条の二十五の五第二号イの表(デュレーション法を用いる場合は、同号ロの表)の期間帯が同一であり、かつ、通貨が同一であること。

(2) 株式等 取引所が同一であること。

(3) 外国為替 通貨の組合せが同一であること。

三 ベガ・リスクについては、各オプション取引等について、ベガを算出し、原資産が同一であるオプション取引等ごとに合計する。ベガ・リスクに係るマーケット・リスク相当額は、原資産価格のボラティリティが算出基準日の水準に対し上下に二十五パーセント変動した場合における当該合計額の想定変動額を合計して得た額とする。

 

(シナリオ法の承認)

第二百四十六条の二十九の四 金庫は、金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を受けた場合に、シナリオ法を用いることができる。

2 前項の承認を受けた金庫は、第二百四十六条の二十九の八の規定に基づき承認が取り消された場合を除き、シナリオ法を継続して用いるものとする。

 

(承認申請書の提出)

第二百四十六条の二十九の五 シナリオ法の使用について前条の承認を受けようとする金庫は、次に掲げる事項を記載した承認申請書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

一 名称

二 自己資本比率を把握し管理する責任者の氏名及び役職名

2 前項の承認申請書には、次に掲げる書類を添付するものとする。

一 理由書

二 前項第二号に規定する責任者の履歴書

三 シナリオ法の運用が承認の基準に適合していることを示す書類

四 その他参考となるべき事項を記載した書類

 

(シナリオ法の承認の基準)

第二百四十六条の二十九の六 金融庁長官及び厚生労働大臣は、シナリオ法の使用に関する承認をしようとするときは、金庫の業務内容に照らし必要な範囲で次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査するものとする。

一 マーケット・リスクの管理の過程の設計及び運営に責任を負う部署が、マーケット・リスク相当額を算出する対象となる取引に関わる部署から独立して設置されていること。

二 マーケット・リスク管理部署は、シナリオ法の運用の適切性に関する検証を定期的に実施し、それらの実施手続を記載した書類を作成していること。

三 金庫の理事等がマーケット・リスクの管理手続に積極的に関与していること。

四 シナリオ法が通常のリスク管理手続に密接に組み込まれていること。

五 シナリオ法の運用に関する内部の方針、管理及び手続を記載した書類を作成し、それらが遵守されるための手段が講じられていること。

六 シナリオ法の運用について原則として一年に一回以上の頻度で内部監査を行うこと。

 

(変更に係る届出)

第二百四十六条の二十九の七 シナリオ法の使用についての承認を受けた金庫は、次の各号のいずれかに該当する場合には、遅滞なく、その旨及びその内容を金融庁長官及び厚生労働大臣に届け出るものとする。

一 承認申請書の記載事項に変更がある場合

二 承認申請書の添付書類の記載事項に重要な変更がある場合

三 前条に規定する承認の基準を満たさない事由が生じた場合

2 前項第三号に基づく届出を行う場合には、金庫は、当該金庫が承認の基準を満たさない事項に関する改善計画を当該届出とあわせて、又はその後速やかに提出するものとする。

 

(承認の取消し)

第二百四十六条の二十九の八 金融庁長官及び厚生労働大臣は、金庫が前条第一項第二号の届出を怠った場合又は同項第三号に該当する場合において、当該金庫がシナリオ法を継続して使用することが不適当と判断したときは、当該金庫について第二百四十六条の二十九の四第一項の承認を取り消すことができる。

 

(シナリオ法の算出要領)

第二百四十六条の二十九の九 シナリオ法を用いる場合のオプション取引等に対するマーケット・リスク相当額は、次に定めるところにより算出された額とする。

一 原資産が同一であるオプション取引等ごとに、想定上の原資産価格及びその想定上のボラティリティを次に定めるところにより設定する。

イ 想定上の原資産価格は、算出基準日の水準から、次の(1)から(4)までに掲げる原資産の区分に応じ、当該(1)から(4)までに定める範囲内で、七以上の数値を等間隔に設定する。この場合において、設定する数値は範囲の両端及び算出基準日の水準を含むものとする。

(1) 債券等及び金利 第二百四十六条の二十五の五第二号イの表に掲げる期間帯に応じた想定金利変動幅(金利の期間帯については、六以上の期間帯群(期間帯をまとめたものをいう。以下同じ。)にまとめることができるが、四以上の期間帯を一の期間帯群にまとめてはならない。この場合において、想定金利変動幅については、各期間帯群にまとめられた期間帯に応じ同表に定める想定金利変動幅のうち、最大のものを用いるものとする。)

(2) 株式等 算出基準日の水準から上下に八パーセント

(3) 外国為替及び金 算出基準日の水準から上下に八パーセント

(4) コモディティ等 算出基準日の水準から上下に十五パーセント

ロ 想定上のボラティリティは、算出基準日の水準から上下に二十五パーセントの範囲内で三以上の数値を設定する。この場合において、設定する数値は範囲の両端及び算出基準日の水準を含むものとする。

二 前号で設定された想定上の原資産価格と想定上のボラティリティの全ての組合せについて、それぞれの場合における想定上のオプション取引等の市場価値を算出する。

三 算出基準日のオプション取引等の市場価値と前号で算出した想定上のオプション取引等の市場価値を比較し、後者が前者を下回る額が最大となる場合における当該下回る額を原資産が同一であるオプション取引等ごとのマーケット・リスク相当額とする。

四 シナリオ法を用いる場合のオプション取引等に係るマーケット・リスク相当額は、前号で算出した各原資産が同一であるオプション取引等ごとのマーケット・リスク相当額の合計額とする。

 

第五節 証券化エクスポージャーに係る特例

(証券化エクスポージャーの個別リスク)

第二百四十六条の三十 前各節の規定にかかわらず、金庫が証券化エクスポージャーの個別リスクの額を算出する場合には、当該証券化エクスポージャーについて次項の規定により第二百二十四条の四第一項の規定を準用して算定したリスク・ウェイトを十二・五で除した値をリスク・ウェイトとし、第二百四十六条の二十五の二又は第二百四十六条の二十五の三に規定する要領に基づき証券化エクスポージャーの銘柄ごとに相殺した後のネット・ポジションの額に当該リスク・ウェイトを乗じて得た額を個別リスクの額とする。

2 前項の規定により金庫が証券化エクスポージャーの個別リスクの額を算出する場合には、第六章第一節及び第二節第一款の規定を準用する。この場合において、第二百二十四条の四第一項第二号中「次款の規定」とあるのは、「次款(第七目を除く。)の規定」と読み替えるものとする。

 

(証券化エクスポージャーのショート・ポジションの個別リスク)

第二百四十六条の三十の二 第二百四十六条の二十五第二項の規定は、証券化エクスポージャーの個別リスクの額の計算について準用する。

 

(百パーセントのリスク・ウェイトの適用とされた証券化エクスポージャーの取扱い)

第二百四十六条の三十の三 この節の規定により証券化エクスポージャーに百パーセントのリスク・ウェイトが適用される場合については、当該証券化エクスポージャーの一般市場リスクは算出することを要しない。

2 この節の規定により証券化エクスポージャーに百パーセントのリスク・ウェイトが適用される場合については、当該証券化エクスポージャーに当該リスク・ウェイトを乗じて得た値を個別リスクの額とする。ただし、証券化取引に伴い増加した自己資本に相当する額を除くものとする。

 

第六節 特定順位参照型クレジット・デリバティブに係る特例

(特定順位参照型クレジット・デリバティブの個別リスク)

第二百四十六条の三十一 前各節の規定にかかわらず、ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブに係る個別リスクの額は、第二百四十六条の二十五の二又は第二百四十六条の二十五の三に定める要領に基づき銘柄ごとに相殺した後のネット・ポジションの額における次の各号に掲げる額のうち、いずれか小さい額とする。

一 当該ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブに係る参照資産等の個別リスクの額の合計額

二 当該ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブに係る契約において発生し得る最大の損失額

2 特定順位参照型クレジット・デリバティブ(ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブに係るものを除く。以下この項において同じ。)に係る個別リスクの額は、第二百四十六条の二十五の二又は第二百四十六条の二十五の三に定める要領に基づき銘柄ごとに相殺した後のネット・ポジションの額における次に掲げる額のうち、いずれか小さい額とする。

一 次のイに掲げる額からロに掲げる額を控除した額

イ 当該特定順位参照型クレジット・デリバティブに係る参照資産等の個別リスクの額の合計額

ロ 当該特定順位参照型クレジット・デリバティブに係る参照資産等のうち、あらかじめ特定された順位に相当する数から一を減じた数に等しい個数の参照資産等の個別リスクの額を、小さいものから順に合計した額

二 当該特定順位参照型クレジット・デリバティブに係る契約において発生し得る最大の損失額

3 第二百四十六条の二十五第二項の規定は、特定順位参照型クレジット・デリバティブの個別リスクの額の計算について準用する。

4 前三項の規定にかかわらず、プロテクションの提供に係る特定順位参照型クレジット・デリバティブが格付を有する場合にあっては、その個別リスクの額の算出については、第二百四十六条の三十から前条までの規定を準用する。この場合において、これらの規定中「証券化エクスポージャー」とあるのは、「特定順位参照型クレジット・デリバティブ」と読み替えるものとする。

 

(特定順位参照型クレジット・デリバティブのポジションの相殺)

第二百四十六条の三十一の二 ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブを保有する金庫は、次の各号に掲げる場合に応じ、当該各号に定める方法により個別リスクの額を削減することができる。

一 当該ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブに係る参照資産等のうち一の資産を保有している場合 当該一の資産の個別リスクの額と当該ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブの個別リスクのうち当該一の資産に係る部分の額(当該額が当該ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブの個別リスクの額よりも小さい場合は、当該ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブの個別リスクの額とする。次号において同じ。)とを、これらの額のうちいずれか小さい額を限度として個別リスクを相殺する方法

二 当該ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブに係る参照資産等のうち複数の資産を保有している場合 当該複数の資産のうち一の資産の個別リスクの額と当該ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブの個別リスクのうち当該一の資産に係る部分に相当する額とを、これらの額のうちいずれか小さい額を限度として相殺したときに、相殺される額が最も小さい資産についてのみ個別リスクを相殺する方法

 

第七節 コリレーション・トレーディングに係る特例

(コリレーション・トレーディングに係る個別リスクの算出)

第二百四十六条の三十二 金庫は、コリレーション・トレーディングに係る個別リスクの算出に当たっては、次条に定める修正標準方式によって算出される個別リスクの額を用いるものとする。

 

(修正標準方式による個別リスクの額)

第二百四十六条の三十二の二 修正標準方式を用いて算出するコリレーション・トレーディングの個別リスクの額は、次に掲げる額のうちいずれか大きい額とする。

一 第二百四十六条の二十五の二又は第二百四十六条の二十五の三に定める要領に基づき相殺した後のロング・ポジションについて、前三節の規定により算出した個別リスクの額の合計額

二 第二百四十六条の二十五の二又は第二百四十六条の二十五の三に定める要領に基づき相殺した後のショート・ポジションについて、前三節の規定により算出した個別リスクの額の合計額

 

第八節 特定項目のうち調整項目に算入されない部分等に係る特例

(特定項目のうち調整項目に算入されない部分に係る特例)

第二百四十六条の三十三 第百五十四条の三及び第百五十四条の四の規定は、マーケット・リスク相当額を算出する場合について準用する。この場合において、これらの規定中「第百二十七条から前条までの規定にかかわらず」とあるのは「第六章の四第一節から第七節までの規定にかかわらず」と、「に係るエクスポージャーの信用リスク・アセットの額」とあるのは「のマーケット・リスク相当額」と、「当該エクスポージャーの額(EADをいう。)」とあるのは「当該部分の額」と、「二百五十パーセント」とあるのは「二十パーセント」と、「四百パーセント」とあるのは「三十二パーセント」と読み替えるものとする。

 

第七章 オペレーショナル・リスク

(オペレーショナル・リスク相当額の算出)

第二百四十七条 金庫は、オペレーショナル・リスク相当額の算出に当たっては、標準的計測手法を用いるものとする。

2 標準的計測手法の対象は、法人単位(当該金庫及びその連結子法人等をいう。第二百五十一条において同じ。)によるものとする。

 

(標準的計測手法)

第二百四十八条 前条の「標準的計測手法」とは、事業規模要素(以下「BIC」という。)の額に内部損失乗数(以下「ILM」という。)を乗じて得た額をもってオペレーショナル・リスク相当額とする手法をいう。

 

(BICの算出方法)

第二百四十九条 BICの額は、金利要素(BICの構成要素のうち、預金業務等の規模部分をいう。以下「ILDC」という。)、役務要素(BICの構成要素のうち、役務取引等の規模部分をいう。以下「SC」という。)及び金融商品要素(BICの構成要素のうち、金融商品取引の規模部分をいう。以下「FC」という。)の合計額で表される事業規模指標(以下「BI」という。)に、BIの額に応じて定める掛目を乗じて算出するものとする。

2 ILDC、SC及びFCの額は、次のとおりとする。この場合において、次の各号の算式中の用語の意義は別表第一によるものとし、当該算式中の上線部分はそれぞれ直近三年間の平均値を合計した額を用いるものとする。

一 ILDC 次の算式により資金運用収益から資金調達費用を減じた値の絶対値又は金利収益資産に二・二五パーセントを乗じた値のいずれか小さい値に、受取配当金の値を加えて算出される額

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二 SC 次の算式により役務取引等収益又は役務取引等費用のいずれか大きい値に、その他業務収益又はその他業務費用のいずれか大きい値を加えて算出される額

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三 FC 次の算式により商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定のネット損益の絶対値に、商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定以外の勘定のネット損益の絶対値を加えて算出される額

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3 第一項の「BIの額に応じて定める掛目」とは、次の各号に掲げるBIの額の区分に応じ、当該各号に定めるものをいう。

一 千億円以下の額 十二パーセント

二 千億円を超えており、かつ、三兆円以下の額 十五パーセント

三 三兆円を超える額 十八パーセント

4 BIの算出に当たっては、第一項の規定にかかわらず、より保守的な方法を用いることができる。

 

(ILMの算出方法)

第二百五十条 ILMの値は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法により算出するものとする。

一 BIの額が千億円を超えており、かつ、第二百五十四条第一号に定める基準を満たす場合 直近十年間の内部損失データのうち、特殊損失(第二百六十一条の規定により除外することができる損失をいう。以下この章において同じ。)を除く二百万円を超える全てのネット損失(同号トに規定するネットの損失をいう。)を用いて算出した直近十年間のオペレーショナル・リスク損失の年間平均額に十五を乗じて得た額(以下この号において「損失実績」という。)を用いて、次の算式により算出する方法

  画像

  ILMは、内部損失乗数

  Ln(x)は、xの自然対数

  exp(x)は、自然対数の底をx乗した値

  LCは、損失実績

  BICは、事業規模要素

二 BIの額が千億円以下であり、かつ、第二百五十四条第一号に定める基準を満たす場合 イ又はロに掲げる方法

イ 前号に定める方法

ロ ILMの値に一を用いる方法

三 BIの額が千億円以下であり、かつ、第二百五十四条第一号に定める基準を満たさない場合 ILMの値に一を用いる方法

四 BIの額が千億円を超えており、かつ、第二百五十四条第一号に定める基準を満たさない場合 ILMの値に保守的な見積値(ILMについて一を下限として保守的に見積もった値をいう。以下同じ。)を用いる方法

2 前項に定めるILMの算出において、次に掲げる項目は含まないものとする。

一 有形固定資産の一般的な保守契約に関する費用

二 オペレーショナル・リスク損失の事象発生後に業務改善に要した費用(機能向上並びにリスク評価の実施及び強化に要した費用を含む。)

三 保険料

 

(一部の連結子法人等又は事業部門に係るILMの算出の取扱い)

第二百五十一条 前条第一項の規定にかかわらず、金庫は、法人単位にあっては第二百五十四条第一号に定める基準を満たさない場合において、当該基準を満たさない一部の連結子法人等又は事業部門を除いた法人単位にあっては当該基準を満たすときは、次条の承認を受けた場合に限り、次の各号に掲げる対象の区分に応じ、当該各号に定める方法によりILMの値を算出することができる。

一 当該連結子法人等又は事業部門 ILMの値に保守的な見積値を用いる方法

二 法人単位(前号に掲げるものを除く。以下この号及び次項第二号において同じ。) 法人単位における前条第一項第一号に定める方法

2 前項におけるオペレーショナル・リスク相当額は、次に掲げる額の合計額とするものとする。

一 当該連結子法人等又は事業部門を対象とするBICの額に前項第一号に定める方法により算出したILMを乗じて得た額

二 法人単位を対象とするBICの額に前項第二号に定める方法により算出したILMを乗じて得た額

 

(ILMの利用の承認等)

第二百五十二条 金庫は、金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を受けた場合に、第二百五十条第一項第一号に定める方法(前条第一項第二号の規定により適用する場合を含む。以下同じ。)により算出したILMをオペレーショナル・リスク相当額の算出に用いることができる。

2 金庫は、金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を受けた場合に、第二百五十条第一項第四号に定める方法(前条第一項第一号の規定により適用する場合を含む。以下同じ。)により算出したILMをオペレーショナル・リスク相当額の算出に用いることができる。

3 第一項の承認を受けた金庫は、第二百五十六条第一項の規定に基づき承認が取り消された場合を除き、継続して第二百五十条第一項第一号に定める方法により算出したILMをオペレーショナル・リスク相当額の算出に用いるものとする。

4 第二百五十条第一項第四号に該当する場合又は前条第一項第一号に該当する場合(第一項の承認を受けている場合に限る。)において、第二項の承認を受けていない金庫は、金融庁長官及び厚生労働大臣が指定した値をILMとしてオペレーショナル・リスク相当額の算出に用いるものとする。

 

(ILMの利用に係る承認の申請)

第二百五十三条 前条第一項又は第二項の承認を受けようとする金庫は、次に掲げる事項を記載した承認申請書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

一 名称

二 自己資本比率を把握し管理する責任者の氏名及び役職名

2 前項の承認申請書には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める書類を添付するものとする。

一 第二百五十条第一項第一号に定める方法によりILMを算出する場合 次に掲げる書類

イ 理由書

ロ 前項第二号に規定する責任者の履歴書

ハ ILMの使用開始日、対象範囲及び試算値を記載した書類

ニ ILMの試算値に係るオペレーショナル・リスク相当額及び自己資本比率の試算値を記載した書類

ホ 承認の基準に適合していることを示す書類

ヘ その他参考となるべき事項を記載した書類

二 保守的な見積値を用いる方法によりILMを算出する場合 次に掲げる書類

イ 理由書

ロ 前項第二号に規定する責任者の履歴書

ハ 保守的な見積値の算出方法及び手続規程

ニ 保守的な見積値の使用開始日、対象範囲及び見積値を記載した書類

ホ 保守的な見積値に係るオペレーショナル・リスク相当額及び自己資本比率の試算値を記載した書類

ヘ その他参考となるべき事項を記載した書類

 

(ILMの利用に係る承認の基準)

第二百五十四条 金融庁長官及び厚生労働大臣は、第二百五十二条第一項又は第二項の承認をしようとするときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める基準に適合しているかどうかを審査するものとする。

一 第二百五十条第一項第一号に定める方法によりILMを算出する場合 次に掲げる基準

イ 直近十年間の内部損失データを保有していること。

ロ 客観的な基準を用いた内部損失データの特定、収集及び取扱いが行われるよう、手続及びプロセスが文書化され整備されていること。また、当該手続及びプロセスが内部損失データをオペレーショナル・リスク相当額の算出に利用する前に検証され、定期的に監査を受けていること。

ハ 内部損失データが、別表第二に定めるオペレーショナル・リスク損失事象の種類に応じて配分され、金融庁長官及び厚生労働大臣の求めに応じて提出できるように整備されていること。また、配分の基準が文書によって規定されていること。

ニ 内部損失データが包括的かつ正確に収集されていること。

ホ オペレーショナル・リスクの各損失事象について、発生日、発覚日及び損失額を会計処理した日(以下「会計処理日」という。)が特定されていること。ただし、会計処理日が特定できない場合は、少なくとも各損失事象の損失額を会計処理した事業年度(中間事業年度を含む。)が特定されていること。

ヘ 回収額(オペレーショナル・リスク損失に関連して、当該損失を填補する目的で受領した金額をいう。以下同じ。)及び回収額の会計処理日が特定されていること。

ト グロスの損失(オペレーショナル・リスク損失について、回収額を控除する前の損失をいう。第二百五十七条において同じ。)及びネットの損失(オペレーショナル・リスク損失について、回収額を控除した後の損失をいう。同条において同じ。)が損失事象ごとに計上されていること。

チ オペレーショナル・リスク損失の回収額に関する情報及びオペレーショナル・リスク損失事象の原因に関する情報が収集されていること。この場合において、当該情報は、オペレーショナル・リスク損失の額の大きさに応じて詳細なものとすること。

リ 信用リスクに関連する内部損失データについては、信用リスク・アセットとして計上されているものは含めないこと。

ヌ マーケット・リスクに関連するオペレーショナル・リスク損失が含まれていること。

ル 内部損失データの包括性及び正確性を独立的に検証するためのプロセスが整備されていること。

二 ILMに保守的な見積値を用いる場合 第二百五十条第一項第一号に定める方法により算出したILMと比較して、適切な値と認められること。

 

(変更に係る届出)

第二百五十五条 金庫は、次の各号のいずれかに該当する場合には、遅滞なく、その旨及びその内容を金融庁長官及び厚生労働大臣に届け出るものとする。

一 第二百五十三条の承認申請書の記載事項に変更があった場合

二 第二百五十三条の承認申請書の添付書類の記載事項に重要な変更があった場合

三 前条に規定する承認の基準に適合しない事由が生じた場合

 

(ILMの利用に係る承認の取消し)

第二百五十六条 金融庁長官及び厚生労働大臣は、第二百五十二条第一項又は第二項の承認を受けた金庫が、第二百五十四条に規定する承認の基準に適合しないこととなった場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、当該承認を取り消すことができる。

一 第二百五十条第一項第一号に定める方法により算出したILMを用いてオペレーショナル・リスク相当額を算出することが不適当と判断した場合

二 ILMの値に保守的な見積値を用いてオペレーショナル・リスク相当額を算出することが不適当と判断した場合

2 金融庁長官及び厚生労働大臣は、前項に定めるところにより、承認を取り消したときは、当該金庫のILMの値を指定するものとする。

 

(内部損失データ)

第二百五十七条 金庫は、内部損失データの収集及び保有において、次に掲げる事項について詳細な定義を定めた手続の規程を策定するものとする。

一 回収額

二 グロスの損失

三 ネットの損失

2 金庫は、全てのオペレーショナル・リスク損失事象について、回収額、グロスの損失及びネットの損失を特定できるように記録するものとする。この場合において、回収額は、保険金による回収額と保険金以外による回収額とを区別して記録し、金融庁長官及び厚生労働大臣の求めに応じて提出できるように管理するものとする。

3 金庫は、グロスの損失について、次に掲げる項目を含めるものとする。

一 オペレーショナル・リスク損失をもたらす事象が直接の原因となり、財務諸表に影響を与える償却又は損失

二 オペレーショナル・リスク損失をもたらす事象に直接関連する費用及びオペレーショナル・リスク損失をもたらす事象の発生前の状態に回復するために生じた修復又は交換コスト

三 オペレーショナル・リスク損失をもたらし得る事象に備えて計上された引当金、準備金及び仮勘定の繰入額

四 オペレーショナル・リスク損失をもたらす事象に起因して過去の財務情報を修正する目的で計上する損失

4 金庫は、オペレーショナル・リスクの各損失事象について、発生日、発覚日及び損失額の会計処理日を記録するものとする。

5 金庫は、内部損失データにおいて、会計処理日を基準とするものとする。

6 金庫は、共通の原因によるオペレーショナル・リスク損失について、複数年にわたって財務諸表に計上する損失を含め一件の損失事象とみなし、損失額を合計して記録するものとする。

 

(BIの算出に係る除外特例)

第二百五十八条 金庫は、処分した連結子法人等又は事業部門について、金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を受けた場合には、BIの算出からこれらを除外することができる。

 

(BIの算出に係る除外特例に係る承認の申請)

第二百五十九条 前条の承認を受けようとする金庫は、次に掲げる事項を記載した承認申請書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

一 第二百五十三条第一項第一号及び第二号に掲げる事項

二 前条の規定によるBIの算出に係る除外の特例を受けようとする連結子法人等又は事業部門の名称及び概要

三 前号の特例の適用開始日

四 第二号の特例を適用した場合及び適用しなかった場合のBIの額

五 第二号の特例を適用した場合及び適用しなかった場合のオペレーショナル・リスク相当額及び自己資本比率の試算値

2 前項の承認申請書には、次に掲げる書類を添付するものとする。

一 理由書

二 前項第二号の連結子法人等又は事業部門が処分済みであることを示す書類

三 前項第二号の連結子法人等又は事業部門に類似した業務を現在行っておらず、かつ、将来にわたって類似した業務を行う予定がないことを示す書類

四 その他参考となるべき事項を記載した書類

 

(BIの算出に係る除外特例に係る承認の基準)

第二百六十条 金融庁長官及び厚生労働大臣は、第二百五十八条の承認をしようとするときは、次に掲げる基準の全てに適合するかどうかを審査するものとする。

一 第二百五十八条の規定による除外の特例を受けようとする連結子法人等又は事業部門が処分済みであること。

二 前号の連結子法人等又は事業部門に類似した業務を現在行っておらず、かつ、将来にわたって類似した業務を行う予定がないこと。

 

(ILMの算出に係る除外特例)

第二百六十一条 金庫は、内部損失データのうち、現在のリスク特性には無関係なオペレーショナル・リスク損失について、金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を受けた場合には、ILMの算出から除外することができる。

 

(ILMの算出に係る除外特例に係る承認の申請)

第二百六十二条 前条の承認を受けようとする金庫は、次に掲げる事項を記載した承認申請書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

一 第二百五十三条第一項第一号及び第二号に掲げる事項

二 前条の規定によるILMの算出に係る除外の特例の適用開始日

三 前号の特例を適用した場合及び適用しなかった場合のILMの値

四 第二号の特例を適用した場合及び適用しなかった場合のオペレーショナル・リスク相当額及び自己資本比率の試算値

2 前項の承認申請書には、次に掲げる書類を添付するものとする。

一 理由書

二 特殊損失が現在行っている業務と関連していないことを示す書類

三 特殊損失を発生させた業務に類似した業務を現在行っておらず、かつ、再発するおそれがないことを示す書類

四 特殊損失の額が対象計測期間に生じた全てのオペレーショナル・リスク損失の年間平均額の五パーセントを超えることを示す書類

五 特殊損失が少なくとも三年間、内部損失データベースに記録されていることを示す書類

六 その他参考となるべき事項を記載した書類

 

(ILMの算出に係る除外特例に係る承認の基準)

第二百六十三条 金融庁長官及び厚生労働大臣は、第二百六十一条の承認をしようとするときは、次に掲げる基準の全てに適合するかどうかを審査するものとする。

一 特殊損失が現在行っている業務と関連していないこと。

二 特殊損失を発生させた業務に類似した業務を現在行っておらず、かつ、再発するおそれがないこと。

三 特殊損失の額が対象計測期間に生じた全てのオペレーショナル・リスク損失の年間平均額の五パーセントを超えること。

四 特殊損失が少なくとも三年間、内部損失データベースに記録されていること。

 

(除外特例の承認の取消し)

第二百六十四条 金融庁長官及び厚生労働大臣は、第二百五十八条又は第二百六十一条の承認を受けた金庫が、当該承認を受けた連結子法人等若しくは事業部門又は特殊損失を継続して除外させることが不適当と認めた場合には、当該承認を取り消すことができる。

 

附 則

(適用時期)

第一条 この告示は、平成十九年三月三十一日から適用する。ただし、先進的内部格付手法採用金庫及び先進的計測手法採用金庫に関する規定は、平成二十年三月三十一日から適用する。

(自金庫推計ボラティリティ調整率の適用日前の承認)

第二条 金庫は、平成十九年三月三十一日前においても、この告示による改正後の労働金庫法第九十四条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、労働金庫及び労働金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(以下「新告示」という。)第七十一条の規定により、自金庫推計ボラティリティ調整率の使用に関する承認の申請をすることができる。

2 金融庁長官及び厚生労働大臣は、平成十九年三月三十一日前においても、金庫が前項に定めるところにより承認の申請を行った場合には、新告示第七十二条の規定により承認を行うことができる。この場合において、平成十九年三月三十一日以前に与えられた承認の効力は、平成十九年三月三十一日から生ずるものとする。

(エクスポージャー変動額推計モデルの適用日前の承認)

第三条 前条の規定は、エクスポージャー変動額推計モデルの使用に関する承認について準用する。この場合において、前条中「第七十一条」とあるのは「第八十一条」と、「第七十二条」とあるのは「第八十二条」と、「自金庫推計ボラティリティ調整率」とあるのは「エクスポージャー変動額推計モデル」と読み替えるものとする。

(内部格付手法の適用日前の予備計算及び承認)

第四条 基礎的内部格付手法採用金庫になろうとする金庫は、平成十九年三月三十一日前においても、新告示第百十六条の規定により、自己資本比率の予備的な計算の届出をし、自己資本比率を予備的に計算し、中間予備計算報告書(新告示第百十六条に規定する中間予備計算報告書をいう。)及び予備計算報告書(新告示第百十六条に規定する予備計算報告書をいう。)の作成並びに金融庁長官及び厚生労働大臣への提出を行い、新告示第百十五条の規定により当該内部格付手法を採用することの承認の申請をすることができる。

2 金融庁長官及び厚生労働大臣は、平成十九年三月三十一日前においても、基礎的内部格付手法採用金庫になろうとする金庫が前項に定めるところにより承認の申請を行った場合には、新告示第百十七条の規定により承認を行うことができる。この場合において、平成十九年三月三十一日以前に与えられた承認の効力は平成十九年三月三十一日から生ずるものとする。

3 前二項の規定は、先進的内部格付手法採用金庫になろうとする金庫について準用する。この場合において、前二項中「基礎的内部格付手法採用金庫」とあるのは「先進的内部格付手法採用金庫」と、「平成十九年三月三十一日」とあるのは「平成二十年三月三十一日」と読み替えるものとする。

4 平成二十一年三月三十一日前に先進的内部格付手法採用金庫になろうとする金庫に対する第一項及び前項の規定に基づく新告示第百十六条の規定の適用については、同条第一項中「事業年度の前事業年度」とあるのは「事業年度の二年前の事業年度」と、「当該前事業年度」とあるのは「当該使用を開始しようとする日の属する事業年度の前事業年度及び二年前の事業年度」と、同条第四項中「当該使用を開始しようとする日の属する事業年度の中間予備計算報告書」とあるのは「当該使用を開始しようとする日の属する事業年度及びその前事業年度の中間予備計算報告書」とする。

5 第三項に掲げる金庫であって、第一項及び前二項の規定に基づく新告示第百十六条の規定の適用により自己資本比率の予備的な計算の届出をし、平成十八年三月三十一日から自己資本比率を予備的に計算し、中間予備計算報告書及び予備計算報告書の作成及び金融庁長官及び厚生労働大臣への提出を行っているものは、平成十九年三月三十一日以後一年間は、なお従前の例によることができる。

(粗利益配分手法の適用日前の承認)

第五条 附則第二条の規定は、粗利益配分手法の採用についての承認を受けようとしている金庫について準用する。この場合において、同条中「第七十一条」とあるのは「第二百五十一条」と、「第七十二条」とあるのは「第二百五十二条」と、「自金庫推計ボラティリティ調整率」とあるのは「粗利益配分手法」と読み替えるものとする。

(先進的計測手法の適用日前の予備計算及び承認)

第六条 附則第四条第一項及び第二項の規定は、先進的計測手法採用金庫になろうとする金庫について準用する。この場合において、同条中「基礎的内部格付手法採用金庫」とあるのは「先進的計測手法採用金庫」と、「平成十九年三月三十一日」とあるのは「平成二十年三月三十一日」と、「第百十六条」とあるのは「第二百五十八条」と、「第百十五条」とあるのは「第二百五十七条」と、「内部格付手法」とあるのは「先進的計測手法」と、「第百十七条」とあるのは「第二百五十九条」と読み替えるものとする。

2 平成二十一年三月三十一日前に先進的計測手法採用金庫になろうとする金庫に対する新告示第二百五十八条の規定の適用については、同条第一項中「事業年度の前事業年度」とあるのは「事業年度の二年前の事業年度」と、「当該前事業年度」とあるのは「当該使用を開始しようとする日の属する事業年度の前事業年度及び二年前の事業年度」と、同条第四項中「当該使用を開始しようとする日の属する事業年度の中間予備計算報告書」とあるのは「当該使用を開始しようとする日の属する事業年度及びその前事業年度の中間予備計算報告書」とする。

3 先進的計測手法採用金庫になろうとする金庫であって平成十九年三月三十一日に標準的手法採用金庫又は基礎的内部格付手法採用金庫になる金庫は、平成十九年三月三十一日以後先進的計測手法の使用を開始する日の前までの期間においては、オペレーショナル・リスク相当額を基礎的手法又は粗利益配分手法を用いて算出しなければならない。

4 前項において、金庫は、前条の規定に基づく承認を受けたときに限り、粗利益配分手法を採用することができる。

第七条 削除

(元本補てん信託契約に関する経過措置)

第八条 金庫は、平成二十二年三月三十一日前において当該金庫の締結する元本補てん信託契約に係る信用リスク・アセットの額を算出するに当たっては、なお従前の例によることができる。

2 金庫は、当該金庫の締結する元本補てん信託契約に係る信用リスク・アセットの額の算出のために前項の規定を用いる場合、新告示の規定による算出を開始した後に同項の規定を用いること、当該金庫の締結する元本補てん信託契約のうちの一部についてのみ同項の規定を用いることその他の恣意的な運用を行ってはならない。

3 内部格付手法採用金庫が第一項の規定によりこの告示による改正前の労働金庫法第九十四条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、労働金庫及び労働金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(以下「旧告示」という。)に基づいて当該内部格付手法採用金庫の元本補てん信託契約に係る信用リスク・アセットの額を算出する場合の当該信用リスク・アセットの額については、新告示第百二十条第一項ただし書の規定を準用する。この場合において、同項ただし書中「の一定の期間」とあるのは「平成二十二年三月三十一日前までの一定の期間」と、「事業単位ごと又は資産区分ごとに」とあるのは「平成二十二年三月三十一日前において当該金庫の締結する元本補てん信託契約に係るエクスポージャーに」と、「標準的手法」とあるのは「旧告示の信用リスク・アセットの額の算出方法」と読み替えるものとする。

(移行期間中における段階的適用部分の取扱い)

第九条 平成十九年三月三十一日に基礎的内部格付手法採用金庫になる金庫及び平成二十年三月三十一日に先進的内部格付手法採用金庫になる金庫であって先進的内部格付手法の採用直前までに旧告示により自己資本比率を計算している金庫については、新告示第百二十条第一項中「標準的手法」とあるのは「標準的手法又は旧告示の信用リスク・アセットの額の算出方法」とする。

第十条 削除

(株式等エクスポージャーに関する経過措置)

第十一条 内部格付手法採用金庫は、新告示第百四十一条及び第百四十二条の規定にかかわらず、当該金庫が平成十六年六月二十八日以後九月三十日までの期間から当該内部格付手法採用金庫が選択する日(以下「基準日」という。)において保有するエクスポージャー(基準日に取得する約定を行ったエクスポージャーを含む。)のうち、基準日において次の各号のいずれかに該当するものについては、当該エクスポージャーの保有を継続している場合に限り、平成二十六年六月三十日まで、当該エクスポージャーの額に百パーセントのリスク・ウェイトを乗じて得た額を信用リスク・アセットの額とすることができる。

一 新告示第一条第八号イに掲げる性質を満たすエクスポージャーである場合(労働金庫法第九十四条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、労働金庫及び労働金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準等の一部を改正する件(平成二十五年/金融庁/厚生労働省/告示第一号)第一条の規定による改正前の新告示第六条第一項又は第十五条第一項に該当する場合を除く。)

二 信託受益権又は投資のために設立された法人その他これに類するものに対する持分であって、当該信託に属する全ての財産又は当該法人の保有する全ての資産が前号の条件を満たすものであり、かつ、当該金庫が当該資産のうち継続して保有されるものの銘柄及び額を特定することができる場合。ただし、当該保有資産が定款上又は契約上であらかじめ定められた主要な株価指数(市場において一般的に用いられている上場株式の株価に関する指数をいう。)に沿って運用される場合には、特定することができるものとして扱うことができる。

2 前項の場合において、内部格付手法採用金庫は、当該エクスポージャーの発行主体による合併その他の組織変更又は株式の分割に起因する保有株式の数の増加が生じる場合であって、当該保有株式の数の増加が当該内部格付手法採用金庫による投資額の増加によるものでないときは、当該エクスポージャーを継続して保有しているものとして扱うことができる。

3 第一項の場合において、内部格付手法採用金庫は、基準日の翌日以降に当該エクスポージャーと銘柄が同一のエクスポージャーを取得した後に当該銘柄のエクスポージャーを売却するときは、基準日の翌日以降に取得したエクスポージャーを先に売却するものとして扱うことができる。

4 内部格付手法採用金庫は、第一項各号のいずれかに該当し、かつ、同項の規定又は標準的手法により百パーセントのリスク・ウェイトが適用されていたエクスポージャーについて、当該内部格付手法採用とその子法人等との間又はその子法人等の間で保有主体が変更された場合には、当該エクスポージャーの額に百パーセントのリスク・ウェイトを乗じて得た額を信用リスク・アセットの額とすることができる。ただし、当該行為は自己資本比率の操作を目的にしたものであってはならない。

(未決済取引等に関する経過措置)

第十二条 平成二十年三月三十日まで、新告示第五十条第一項(新告示第百三十二条及び第百四十条により準用される場合を含む。)中「五営業日以内」とあるのは「十四日以内」と読み替えるものとする。

2 新告示第五十条第二項、第五十四条及び第百五十三条の規定は、平成二十年三月三十一日から適用する。

3 金庫は、平成二十年三月三十日まで、新告示第八条及び第十六条の規定にかかわらず、有価証券等及びその対価の受渡し又は決済を行う取引に係る未収金について信用リスク・アセットの額を計上しなければならない。

(証券化エクスポージャーに関する経過措置)

第十三条 標準的手法採用金庫は、新告示第二百二十五条の規定にかかわらず、平成十八年三月三十一日において保有する証券化エクスポージャーの信用リスク・アセットの額について、当該証券化エクスポージャーの保有を継続している場合に限り、平成二十六年六月三十日までの間、当該証券化エクスポージャーの原資産に対して新告示を適用した場合の信用リスク・アセットの額と旧告示を適用した場合の信用リスク・アセットの額のうち、いずれか大きい額を上限とすることができる。

(標準的手法における法人等向けエクスポージャーの特例に係る適用日前の届出)

第十四条 標準的手法採用金庫になろうとする金庫は、平成十九年三月三十一日前においても、新告示第三十八条第二項の規定により、同条第一項の規定を利用する旨の届出をすることができる。

第十五条 削除

(特定承継会社に係る特例)

第十六条 農林中央金庫及び特定農水産業協同組合等による信用事業の再編及び強化に関する法律(平成八年法律第百十八号)附則第二十六条第一項に規定する特定承継会社が同法附則第二十七条第二号に規定する特定業務を営む場合における第一条第七号の規定の適用については、同号中「掲げる者」とあるのは、「掲げる者及び農林中央金庫及び特定農水産業協同組合等による信用事業の再編及び強化に関する法律(平成八年法律第百十八号)附則第二十六条第一項に規定する特定承継会社」とする。

 

附 則(平成一九年九月二八日金融庁・厚生労働省告示第一二号)

この告示は、平成十九年九月三十日から適用する。ただし、第一条第三十六号ロを削る改正規定、同号中ハをロとし、ニをハとし、ホをニとし、ヘをホとし、トをヘとする改正規定、第三十四条の改正規定及び第七十六条第二項第二号中「、日本郵政公社」を削る改正規定は、平成十九年十月一日から適用する。

 

改正文(平成二〇年一一月一七日金融庁・厚生労働省告示第四号 抄)

 公布の日から適用する。

 

改正文(平成二〇年一二月一一日金融庁・厚生労働省告示第六号 抄)

 平成二十年十二月十二日から適用する。

 

改正文(平成二〇年一二月二六日金融庁・厚生労働省告示第八号 抄)

 公布の日から適用する。

 

改正文(平成二一年三月三一日金融庁・厚生労働省告示第一号 抄)

 公布の日から適用する。

 

改正文(平成二一年五月二二日金融庁・厚生労働省告示第四号 抄)

 平成二十一年六月一日から適用する。

 

改正文(平成二一年九月二四日金融庁・厚生労働省告示第五号 抄)

 株式会社企業再生支援機構法の施行の日(平成二十一年九月二十八日)から適用する。

 

改正文(平成二二年三月三一日金融庁・厚生労働省告示第三号 抄)

 公布の日から適用する。

 

改正文(平成二二年六月三〇日金融庁・厚生労働省告示第四号 抄)

 公布の日から適用する。

 

改正文(平成二二年九月二七日金融庁・厚生労働省告示第五号 抄)

 公布の日から適用する。

 

附 則(平成二三年五月二七日金融庁・厚生労働省告示第一号)

この告示は、平成二十三年十二月三十一日から適用する。ただし、この告示による改正後の労働金庫法第九十四条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、労働金庫及び労働金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準第一条第三十五号ト及び第三十一条第二項の規定は、公布の日から適用する。

 

改正文(平成二四年二月二二日金融庁・厚生労働省告示第二号 抄)

 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法の施行の日(平成二十四年二月二十三日)から適用する。

 

附 則(平成二五年三月八日金融庁・厚生労働省告示第一号)

(適用時期)

第一条 この告示は、平成二十六年三月三十一日から適用する。

(資本調達手段に係る経過措置)

第二条 この告示による改正前の労働金庫法第九十四条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、労働金庫及び労働金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(以下「旧告示」という。)第二条又は第十一条の算式における基本的項目の額又は補完的項目の額に含まれる資本調達手段であってこの告示による改正後の労働金庫法第九十四条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、労働金庫及び労働金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(以下この項において「新告示」という。)第四条第三項又は第十三条第三項の普通出資及び新告示第四条第四項又は第十三条第四項の非累積的永久優先出資のいずれにも該当しないもの(この告示の適用の日(以下「適用日」という。)前に発行されたものに限り、次条に定めるものを除く。以下この項、次項並びに附則第六条第二項及び第十一条において「適格旧資本調達手段」という。)の額(償還期限の定めがあり、かつ、当該償還期限までの期間が五年以内になったものについては、連結貸借対照表計上額又は貸借対照表計上額に、算出基準日(労働金庫法第九十四条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、労働金庫及び労働金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(以下「告示」という。)第五十三条第七項第一号ハに規定する算出基準日をいう。次条において同じ。)から当該償還期限までの期間の日数を当該償還期限までの期間が五年になった日から当該償還期限までの期間の日数で除して得た割合を乗じて得た額とする。以下この項及び次項において同じ。)については、適用日から起算して十年を経過する日までの間は、次の表の上欄に掲げる期間の区分に応じ、適格旧資本調達手段に係る基準額(適用日における適格旧資本調達手段の額(適格旧資本調達手段のうち旧告示第五条第一項第四号若しくは第十四条第一項第四号に掲げる期限付劣後債務又は旧告示第五条第一項第五号若しくは第十四条第一項第五号に掲げる期限付優先出資に該当するものの額が適用日における告示第四条第一項各号に掲げる額の合計額から同条第二項各号に掲げる額の合計額を控除した額又は告示第十三条第一項各号に掲げる額の合計額から同条第二項各号に掲げる額の合計額を控除した額(以下この項において「コア資本の額」という。)の二分の一に相当する額を上回る場合には、当該期限付劣後債務又は期限付優先出資に該当するものの額から当該コア資本の額の二分の一に相当する額を控除した額(以下この項において「控除額」という。)を控除し、かつ、適格旧資本調達手段のうち旧告示第五条第一項第三号から第五号まで又は第十四条第一項第三号から第五号までに掲げるものに該当するものの額(控除額がある場合には控除額を控除して得た額とする。)が適用日におけるコア資本の額を上回る場合には、当該旧告示第五条第一項第三号から第五号まで又は第十四条第一項第三号から第五号までに掲げるものに該当するものの額から当該コア資本の額を控除した額を控除して得た額とする。)をいう。)に同表の下欄に掲げる率を乗じて得た額を超えない部分の額を、告示第二条又は第十一条の算式におけるコア資本に係る基礎項目の額に算入することができる。

適用日から起算して一年を経過する日までの期間

百パーセント

平成二十七年三月三十一日から起算して一年を経過する日までの期間

九十パーセント

平成二十八年三月三十一日から起算して一年を経過する日までの期間

八十パーセント

平成二十九年三月三十一日から起算して一年を経過する日までの期間

七十パーセント

平成三十年三月三十一日から起算して一年を経過する日までの期間

六十パーセント

平成三十一年三月三十一日から起算して一年を経過する日までの期間

五十パーセント

平成三十二年三月三十一日から起算して一年を経過する日までの期間

四十パーセント

平成三十三年三月三十一日から起算して一年を経過する日までの期間

三十パーセント

平成三十四年三月三十一日から起算して一年を経過する日までの期間

二十パーセント

平成三十五年三月三十一日から起算して一年を経過する日までの期間

十パーセント

2 前項の規定にかかわらず、適格旧資本調達手段にステップ・アップ金利等(旧告示第五条第三項に規定するステップ・アップ金利等をいう。以下この項において同じ。)を上乗せする特約が付されている場合において、当該特約により適用日後にステップ・アップ金利等が上乗せされたときは、その上乗せされた日以後、当該適格旧資本調達手段の額は、告示第二条又は第十一条の算式におけるコア資本に係る基礎項目の額に算入してはならない。

(公的機関による資本の増強に関する措置に係る経過措置)

第三条 旧告示第二条又は第十一条の算式における基本的項目又は補完的項目に該当するものであって告示第四条第三項又は第十三条第三項の普通出資及び告示第四条第四項又は第十三条第四項の非累積的永久優先出資のいずれにも該当しないもののうち、公的機関による資本の増強に関する措置を通じて適用日前に発行された資本調達手段の額(償還期限の定めがあり、かつ、当該償還期限までの期間が五年以内になったものについては、連結貸借対照表計上額又は貸借対照表計上額に、算出基準日から当該償還期限までの期間の日数を当該償還期限までの期間が五年になった日から当該償還期限までの期間の日数で除して得た割合を乗じて得た額とする。)については、その全額を告示第二条又は第十一条の算式におけるコア資本に係る基礎項目の額に算入することができる。

(土地再評価差額金に係る経過措置)

第四条 旧告示第五条第一項第一号又は第十四条第一項第一号に掲げる土地の再評価額と再評価の直前の帳簿価額の差額の四十五パーセントに相当する額については、適用日から起算して十年を経過する日までの間は、附則第二条第一項の表の上欄に掲げる期間の区分に応じ、当該額に同表の下欄に掲げる率を乗じて得た額を、告示第二条又は第十一条の算式におけるコア資本に係る基礎項目の額に算入することができる。

2 前項の場合において、適用日から起算して十年を経過する日までの間における告示第五条第十二項、第十四条第十一項、第十九条第一項第一号及び第百五十四条の五の規定の適用については、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句と読み替えるものとする。

第五条第十二項

、繰延ヘッジ損益及び土地再評価差額金

及び繰延ヘッジ損益

第十四条第十一項

評価・換算差額等に計上される項目

評価・換算差額等に計上される項目(財務諸表等規則第六十七条第一項第三号に規定する土地再評価差額金を除く。)

第十九条第一項第一号及び第百五十四条の五

時価による評価替え又は再評価

時価による評価替え

(その他の包括利益累計額及び評価・換算差額等に係る経過措置)

第五条 告示第四条第一項第二号のその他の包括利益累計額のうち退職給付に係るものの額については、適用日から起算して五年を経過する日までの間は、次の表の上欄に掲げる期間の区分に応じ、当該額に同表の下欄に掲げる率を乗じて得た額を、告示第二条の算式におけるコア資本に係る基礎項目の額に算入するものとする。

適用日から起算して一年を経過する日までの期間

零パーセント

平成二十七年三月三十一日から起算して一年を経過する日までの期間

二十パーセント

平成二十八年三月三十一日から起算して一年を経過する日までの期間

四十パーセント

平成二十九年三月三十一日から起算して一年を経過する日までの期間

六十パーセント

平成三十年三月三十一日から起算して一年を経過する日までの期間

八十パーセント

(非支配株主持分等に係る経過措置)

第六条 告示第五条第一項に規定する特定連結子法人等の非支配株主持分相当コア資本に係る基礎項目の額のうち、同項の規定により告示第四条第一項第三号に掲げるコア資本に係る調整後非支配株主持分の額に算入されなかった額に対応する部分の額については、適用日から起算して十五年を経過する日までの間は、次の表の上欄に掲げる期間の区分に応じ、当該額に同表の下欄に掲げる率を乗じて得た額を、告示第二条の算式におけるコア資本に係る基礎項目の額に算入することができる。

適用日から起算して六年を経過する日までの期間

百パーセント

平成三十二年三月三十一日から起算して一年を経過する日までの期間

九十パーセント

平成三十三年三月三十一日から起算して一年を経過する日までの期間

八十パーセント

平成三十四年三月三十一日から起算して一年を経過する日までの期間

七十パーセント

平成三十五年三月三十一日から起算して一年を経過する日までの期間

六十パーセント

平成三十六年三月三十一日から起算して一年を経過する日までの期間

五十パーセント

平成三十七年三月三十一日から起算して一年を経過する日までの期間

四十パーセント

平成三十八年三月三十一日から起算して一年を経過する日までの期間

三十パーセント

平成三十九年三月三十一日から起算して一年を経過する日までの期間

二十パーセント

平成四十年三月三十一日から起算して一年を経過する日までの期間

十パーセント

2 告示第一条第五十七号に規定する連結子法人等のうち告示第五条第一項に規定する特定連結子法人等以外のものの非支配株主持分(当該連結子法人等が株主資本に計上している旧告示第五条第一項第三号又は第五号に掲げるもの及び適格旧資本調達手段に係るものを除く。)については、適用日から起算して十年を経過する日までの間は、附則第二条第一項の表の上欄に掲げる期間の区分に応じ、当該額に同表の下欄に掲げる率を乗じて得た額を、告示第二条の算式におけるコア資本に係る基礎項目の額に算入することができる。

(調整項目に係る経過措置)

第七条 告示第四条第二項各号及び第十三条第二項各号に掲げる額については、適用日から起算して五年を経過する日までの間は、附則第五条の表の上欄に掲げる期間の区分に応じ、これらの額に同表の下欄に掲げる率を乗じて得た額を、告示第二条又は第十一条の算式におけるコア資本に係る調整項目の額に算入することができる。

2 告示第四条第二項各号及び第十三条第二項各号に掲げる額のうち、前項の規定により告示第二条又は第十一条の算式におけるコア資本に係る調整項目の額に算入された額に対応する部分以外の部分の額については、当該額のうち、旧告示第二条又は第十一条の算式における基本的項目又は控除項目に該当する部分の額については、告示第二条又は第十一条の算式におけるコア資本に係る調整項目の額に算入するものとし、旧告示第二条又は第十一条の算式における基本的項目及び控除項目に該当しない部分の額については、なお従前の例による。

(自己保有普通出資等に係る経過措置)

第八条 適用日から起算して十年を経過する日までの間における告示第五条第二項及び第十四条第一項の規定の適用については、告示第五条第二項中「(普通出資(同条第三項に規定する普通出資をいう。第四項及び第五項において同じ。)又は非累積的永久優先出資(同条第四項に規定する非累積的永久優先出資をいう。第四項及び第五項において同じ。)」とあるのは「(普通出資(同条第三項に規定する普通出資をいう。第四項及び第五項において同じ。)、非累積的永久優先出資(同条第四項に規定する非累積的永久優先出資をいう。第四項及び第五項において同じ。)又は適格旧資本調達手段(労働金庫法第九十四条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、労働金庫及び労働金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成二十五年金融庁・厚生労働省告示第一号)附則第二条第一項に規定する適格旧資本調達手段をいう。第四項並びに第十四条第一項及び第三項において同じ。)」と、告示第十四条第一項中「(普通出資(同条第三項に規定する普通出資をいう。第三項及び第四項において同じ。)又は非累積的永久優先出資(同条第四項に規定する非累積的永久優先出資をいう。第三項及び第四項において同じ。)」とあるのは「普通出資(同条第三項に規定する普通出資をいう。第三項及び第四項において同じ。)、非累積的永久優先出資(同条第四項に規定する非累積的永久優先出資をいう。第三項及び第四項において同じ。)又は適格旧資本調達手段」とする。

(意図的に保有している他の金融機関等の資本調達手段の額に係る経過措置)

第九条 適用日から起算して十年を経過する日までの間における告示第五条第四項及び第十四条第三項の規定の適用については、これらの規定中「普通出資又は非累積的永久優先出資」とあるのは、「普通出資、非累積的永久優先出資又は適格旧資本調達手段」とする。

(特定項目に係る十五パーセント基準超過額に係る経過措置)

第十条 適用日から起算して五年を経過する日までの間における告示第五条第八項第一号及び第十四条第七項第一号の規定の適用については、これらの規定中「同条第二項第一号から第五号までに掲げる額及び特定項目の額の合計額を控除した額に十五パーセントを乗じ、これを八十五パーセントで除して得た額」とあるのは、「同条第二項第一号から第五号までに掲げる額の合計額を控除した額に十五パーセントを乗じて得た額」とする。

(他の金融機関等の対象資本調達手段に係るエクスポージャーに係る経過措置)

第十一条 適用日から起算して五年を経過するまでの間における告示第四十七条の三又は第百五十四条の三に定めるエクスポージャーのうち金庫が適用日において保有するものについての告示第四十七条の三又は第百五十四条の三の規定の適用については、金庫がその保有を継続している場合に限り、これらの規定中「二百五十」とあるのは、次の表の上欄に掲げる区分に応じ、同表の下欄に掲げる字句とする。

適用日から起算して一年を経過する日までの期間

平成二十七年三月三十一日から起算して二年を経過する日までの期間

百五十

平成二十九年三月三十一日から起算して二年を経過する日までの期間

二百

2 前項の規定にかかわらず、適用日から起算して十五年を経過する日までの間における告示第一条第七号に規定する金融機関、同条第三十六号ホに規定する銀行持株会社又は金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第五十七条の十二第三項に規定する最終指定親会社が発行した適格旧資本調達手段に相当するものについての告示第四十七条の三及び第百五十四条の三の規定の適用については、これらの規定中「二百五十」とあるのは、「百」とする。

 

附 則(平成二五年三月一五日金融庁・厚生労働省告示第二号)

 この告示は、株式会社企業再生支援機構法の一部を改正する法律の施行の日(平成二十五年三月十八日)から適用する。

 

改正文(平成二六年二月一八日金融庁・厚生労働省告示第二号 抄)

 平成二十六年三月三十一日から適用する。

 

改正文(平成二六年三月二八日金融庁・厚生労働省告示第五号 抄)

平成二十六年三月三十一日から適用する。ただし、第一条中労働金庫法第九十四条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、労働金庫及び労働金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準第七十六条第二項第五号の改正規定は、同年四月一日から適用する。

 

改正文(平成二六年一〇月二二日金融庁・厚生労働省告示第九号 抄)

 銀行法施行令等の一部を改正する政令の施行の日(平成二十六年十二月一日)から適用する。

 

附 則(平成二七年三月二六日金融庁・厚生労働省告示第二号 抄)

(適用時期)

第一条 この告示は、平成二十七年四月一日から適用する。ただし、第一条中労働金庫法第九十四条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、労働金庫及び労働金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準第五十一条第三項第一号ロの表(注2)②の改正規定は、同年三月三十一日から適用する。

 

改正文(平成二七年一一月二六日金融庁・厚生労働省告示第四号 抄)

 公布の日から適用する。

 

改正文(平成二八年三月二九日金融庁・厚生労働省告示第一号 抄)

 平成二十八年四月一日から適用する。

 

附 則(平成三〇年三月二三日金融庁・厚生労働省告示第一号)

(適用時期)

第一条 この告示は、平成三十年三月三十一日から適用する。

(派生商品取引及び長期決済期間取引の与信相当額の算出に係る経過措置)

第二条 当分の間、第一条の規定による改正後の労働金庫法第九十四条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、労働金庫及び労働金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(以下「新告示」という。)第五十条第二項及び第三項、第百三十二条第六項、第百四十条第四項並びに第二百四十六条の六第一項の規定の適用については、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句と読み替えるものとする。

第五十条第二項

標準的手法採用金庫は、次の各号に掲げる金庫のいずれにも該当しない場合にあっては

標準的手法採用金庫は

第五十条第三項

標準的手法採用金庫は、前項各号に掲げる金庫のいずれにも該当しない場合において

標準的手法採用金庫が

第百三十二条第六項

第五十条(第二項及び第三項を除く。)から第五十二条の六までの規定は、事業法人等向けエクスポージャーのEADについて準用する。この場合において、これらの規定中「標準的手法採用金庫」とあるのは「内部格付手法採用金庫」と、第五十条第四項中「前三項」とあるのは「第一項」と読み替えるものとする。

第五十条から第五十三条までの規定は、事業法人等向けエクスポージャーのEADについて準用する。この場合において、「標準的手法採用金庫」とあるのは「内部格付手法採用金庫」と読み替えるものとする。

第百四十条第四項

第五十条(第二項及び第三項を除く。)から第五十二条の六までの規定は、リテール向けエクスポージャーのEADについて準用する。この場合において、これらの規定中「標準的手法採用金庫」とあるのは「内部格付手法採用金庫」と、第五十条第四項中「前三項」とあるのは「第一項」と読み替えるものとする。

第五十条から第五十三条までの規定は、リテール向けエクスポージャーのEADについて準用する。この場合において、「標準的手法採用金庫」とあるのは「内部格付手法採用金庫」と読み替えるものとする。

第二百四十六条の六第一項

同章(第五十条第二項及び第三項を除く。)の規定中

同章の規定中

2 内部格付手法採用金庫は、直接清算参加者として間接清算参加者の適格中央清算機関向けトレード・エクスポージャーに係る清算取次ぎ等を行うことにより生ずる間接清算参加者に対するトレード・エクスポージャーのEADを算出する場合において、当該EADの算出に当たって新告示第五十三条に規定するカレント・エクスポージャー方式を用いているときは、当分の間、新告示第百三十二条各項の規定により算出したEAD(当該エクスポージャーに係るものに限る。)に次の掛目を乗じた額を当該間接清算参加者に対するトレード・エクスポージャーのEADとすることができる。

掛目=√(Tm/10)

Tmは、新告示第五十二条第七項の規定を準用して算出したリスクのマージン期間をいう。この場合において、同項中「前項」とあるのは「附則第二条第二項」と、同項第一号中「ネッティング・セット 二十営業日」とあり、及び「ネッティング・セット 十営業日」とあるのは、「ネッティング・セット 五営業日」と読み替えるものとする。

3 前項の規定は、内部格付手法採用金庫が、リテール向けエクスポージャーであって、自己が直接清算参加者として間接清算参加者の適格中央清算機関向けトレード・エクスポージャーに係る清算取次ぎ等を行うことにより生ずる間接清算参加者に対するトレード・エクスポージャーのEADを算出する場合について準用する。

(適格中央清算機関に係る経過措置)

第三条 当分の間、新告示第一条第七号の三に掲げる用語の意義は、同号の規定にかかわらず、第一条の規定による改正前の労働金庫法第九十四条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、労働金庫及び労働金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(次項において「旧告示」という。)第一条第七号の三に定めるところによる。

2 当分の間、新告示第二百四十六条の七の規定にかかわらず、適格中央清算機関に係る清算基金の信用リスク・アセットの額の算出に当たっては、旧告示第二百四十六条の七の規定により算出するものとする。

 

附 則(平成三一年三月一五日金融庁・厚生労働省告示第二号 抄)

(適用時期)

第一条 この告示は、平成三十一年三月三十一日から適用する。

(TLAC規制対象会社の同順位商品に関する経過措置)

第二条 標準的手法採用金庫(第一条の規定による改正後の労働金庫法第九十四条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、労働金庫及び労働金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適用であるかどうかを判断するための基準(以下「新告示」という。)第一条第九号に規定する標準的手法採用金庫をいう。次条第一項並びに附則第五条第一項及び第三項において同じ。)においては、TLAC規制対象会社(新告示第一条第七十九号に規定するTLAC規制対象会社をいう。以下この条において同じ。)のその他外部TLAC調達手段(新告示第一条第八十号に規定するその他外部TLAC調達手段をいう。以下この項及び次条第一項において同じ。)と法的又は経済的に同順位である商品(その他外部TLAC調達手段に該当するものを除く。次項において「国内TLAC規制対象会社の同順位商品」という。)のうち、当該TLAC規制対象会社に係る総損失吸収力及び資本再構築力に係る最低基準の適用日(以下この条において「TLAC規制適用日」という。)までに発行されたものであって、当該TLAC規制適用日において保有し、かつ、その保有を継続しているものについては、当該TLAC規制適用日から起算して五年を経過する日までの間は、新告示第四十七条の四の二第二項の規定を適用しないことができる。

2 内部格付手法採用金庫(新告示第一条第二号に規定する内部格付手法採用金庫をいう。次条第二項において同じ。)においては、国内TLAC規制対象会社の同順位商品のうち、当該TLAC規制対象会社に係るTLAC規制適用日までに発行されたものであって、当該TLAC規制適用日において保有し、かつ、その保有を継続しているものについては、当該TLAC規制適用日から起算して五年を経過する日までの間は、新告示第百五十四条の四の二第二項の規定を適用しないことができる。

(その他外部TLAC関連調達手段に関するエクスポージャーに関する経過措置)

第三条 標準的手法採用金庫においては、この告示の適用の日(以下「適用日」という。)から起算して十年を経過する日までの間は、適用日において保有し、かつ、その保有を継続しているその他外部TLAC調達手段及び次の各号に掲げるもの(いずれも償還期限の定めがある場合において保有中に当該償還期限までの期間が一年に満たなくなったものを含み、次の各号に掲げるものにあっては、適用日において次の各号に掲げるものであることを要しない。次項において「経過措置対象その他外部TLAC関連調達手段」という。)に限り、新告示第四十七条の四の二第二項の規定を適用しないことができる。

一 規制金融機関(新告示第一条第三十六号の二イ(1)に規定する規制金融機関をいう。)に適用される総損失吸収力及び資本再構築力に係る健全性を判断するための基準又はこれと類似の基準において、その他外部TLAC調達手段に相当すると認められているもの

二 新告示第一条第八十三号に規定する特例外部TLAC調達手段

2 内部格付手法採用金庫においては、適用日から起算して十年を経過する日までの間は、適用日において保有し、かつ、その保有を継続している経過措置対象その他外部TLAC関連調達手段に限り、新告示第百五十四条の四の二第二項の規定を適用しないことができる。

(信用リスクに係る旧所要自己資本の額に関する経過措置)

第四条 平成三十一年三月三十一日前に、先進的内部格付手法を使用することについて第一条の規定による改正前の労働金庫法第九十四条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、労働金庫及び労働金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(以下この条並びに次条第一項及び第二項において「旧告示」という。)第百十四条の承認を受けた金庫が、同日の直前まで、旧告示第十条第四項及び第十八条第四項の規定により信用リスクに係る旧所要自己資本の額を算出にする当たり、これらの規定に規定する内部格付手法の使用を開始した日の直前に用いていた手法として基礎的内部格付手法を用いている場合には、新告示第十条第四項及び第十八条第四項の規定の適用については、当分の間、これらの規定中「金庫を標準的手法採用金庫とみなして第六章に定めるところにより判定された手法とし」とあるのは、「金庫を基礎的内部格付手法採用金庫とみなして第六章に定めるところにより判定された手法(同章第二節第二款第四目に規定する内部評価方式を除く。)とし」とすることができる。

(証券化エクスポージャーに関する経過措置)

第五条 金庫のうち、先進的計測手法採用金庫(新告示第一条第十二号に規定する先進的計測手法採用金庫をいう。)に該当しない標準的手法採用金庫にあっては、適用日から起算して三年を経過する日までの間は、新告示により算出される証券化エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額の合計額が旧告示により算出される証券化エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額の合計額を上回る場合には、新告示により算出される証券化エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額の合計額にかかわらず、旧告示により算出される証券化エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額の合計額に、次の表の上欄に掲げる期間の区分に応じ、当該上回る額に同表の下欄に掲げる率を乗じて得た額を加えた額を、自己資本比率の算式の分母における信用リスク・アセットの額の合計額のうち証券化エクスポージャーに係る部分とすることができる。

適用日から起算して一年を経過する日までの期間

二十五パーセント

平成三十二年三月三十一日から起算して一年を経過する日までの期間

五十パーセント

平成三十三年三月三十一日から起算して一年を経過する日までの期間

七十五パーセント

2 前項の場合において、適用日から起算して三年を経過する日前に、新告示により算出される証券化エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額の合計額が旧告示により算出される証券化エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額の合計額を上回る状況が解消されたときには、当該解消された日以後は、同項の規定は適用しないものとする。

3 標準的手法採用金庫が第一項の規定の適用を受ける場合又はその適用を中止する場合には、あらかじめその旨を金融庁長官及び厚生労働大臣に届け出るものとする。ただし、同項の規定の適用を中止する旨を届け出た当該標準的手法採用金庫は、その届出の日以後は、同項の規定の適用を受ける旨を届け出ることはできないものとする。

(リスクリテンションに関する経過措置)

第六条 金庫が適用日において保有する証券化エクスポージャーのリスク・ウェイトについては、当該金庫がその保有を継続している場合に限り、新告示第二百二十四条第三項の規定は、適用しない。

 

改正文(令和二年三月三一日金融庁・厚生労働省告示第一号 抄)

 公布の日から適用する。

 

改正文(令和三年一一月一〇日金融庁・厚生労働省告示第四号 抄)

 令和三年十一月二十二日から適用する。

 

改正文(令和四年一〇月三一日金融庁・厚生労働省告示第七号 抄)

 令和四年十一月一日から適用する。

 

改正文(令和五年五月二六日金融庁・厚生労働省告示第一号 抄)

 令和五年六月一日から適用する。

 

附 則(令和五年九月二二日金融庁・厚生労働省告示第二号)

(適用時期)

1 この告示は、令和六年三月三十一日から適用する。

(経過措置)

2 この告示による改正前の労働金庫法第九十四条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、労働金庫及び労働金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準第二百四十三条の二第三項に規定する適格STC証券化エクスポージヤーのリスク・ウェイトの算出については、この告示の適用の日から起算して一年を経過する日までの間は、この告示による改正後の労働金庫法第九十四条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、労働金庫及び労働金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準第六章第二節第二款第七目の規定にかかわらず、なお従前の例によることができる。

 

附 則(令和六年一月三一日金融庁・厚生労働省告示第四号)

(適用時期)

1 この告示は、令和六年三月三十一日から適用する。

(経過措置)

2 労働金庫法第九十四条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、労働金庫及び労働金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の一部を改正する件(令和六年/金融庁/厚生労働省/告示第一号)附則第二条第一項の規定によりなお従前の例により自己資本比率の算出を行う金庫については、なお従前の例による。

 

別表第一(第二百四十九条第二項関係)

BICの各構成要素の用語の意義

BICの構成要素

損益計算書又は貸借対照表における項目

一般的な内容

一般的な小分類

ILDC




資金運用収益

受取配当金を除く全ての金融資産に係る資金運用収益(リースに係る収益を含む。)

・貸出金、有価証券、預け金及びリースに係る受取利息

・ヘッジ会計適用デリバティブに係る受取利息

・その他の資金運用収益

資金調達費用

全ての金融負債に係る資金調達費用及びその他の資金調達費用(リースに係る支払費用を含む。)

・預金、借用金、証券債務及びリースに係る支払利息

・ヘッジ会計適用デリバティブに係る支払利息

・その他の資金調達費用

金利収益資産

(貸借対照表項目)

・各事業年度末時点で測定された貸出金、利付証券(政府債を含む。)及びリース投資資産

受取配当金

・連結対象外の会社の株式及びファンドに対する投資に係る受取配当金(非連結の子会社、関連会社及びジョイントベンチャーからの受取配当金を含む。)

SC




役務取引等収益

助言・サービス提供に係る役務取引等収益(金融サービスの受託者として受け取った利息を含む。)

・有価証券関連役務(発行、組成、受入れ、移管及び顧客のための取引執行)に係る収益

・清算及び決済、資産運用、カストディ、信託取引、支払業務、ストラクチャードファイナンス、証券化に係るサービシング、ローンコミットメント又は保証の供与並びに外国為替取引等の役務に係る収益

役務取引等費用

助言・サービスの受け入れに係る役務取引等費用(金融サービスの提供を受けたことに対する委託手数料を含む。ただし、非金融サービスに支払った手数料を除く。)

・清算及び決済、カストディ、証券化に係るサービシング、ローンコミットメント又は保証の取得並びに外国為替取引等の役務に係る費用

その他業務収益

他のBI構成要素に含まれない銀行業務に係る収益(リースに係る収益を除く。)

・オペレーショナル・リスク損失を填補するための準備金の取崩額

・投資不動産に係る賃貸料

・非継続事業に該当しない売却目的に分類された非流動資産及び売却グループからの収益(国際財務報告基準(IFRS)第5号第37項)

その他業務費用

他のBI構成要素に含まれない銀行業務に係る費用及びオペレーショナル・リスク事象に係る損失(リースに係る費用・損失を除く。)

・オペレーショナル・リスク損失を填補するための準備金の繰入額

・未引当又は準備金が積み立てられていないオペレーショナル・リスク事象に係る損失(罰金、ペナルティ、和解及び損害を受けた資産の再調達費用等)

・非継続事業に該当しない売却目的に分類された非流動資産及び売却グループからの損失(国際財務報告基準(IFRS)第5号第37項)

FC


商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定のネット損益

・商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定の資産又は負債に係るネット損益

商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定以外のネット損益

・公正価値で測定され、損益認識する金融資産及び負債に係るネット損益

・公正価値で測定されない金融資産及び負債に係る実現損益(貸出金、国債等有価証券及び償却原価で測定される金融負債)

・ヘッジ会計・為替差額に係るネット損益

(注1)

以下の損益項目については、いずれもBICの構成要素に関連しないものである。

1.保険業務又は再保険業務に係る損益

2.加入した保険契約又は再保険契約において支払った保険料及び返戻金・受取保険金

3.管理費(従業員関連費用、非金融サービスに支払った委託手数料(ロジスティック、IT及び人事を含む。)及びその他管理費(水道光熱費、電話代、出張費、事務用品費及び郵送料を含む。))

4.回収管理費(顧客のための回収(顧客から徴求した税)を含む。)

5.固定資産に係る費用(オペレーショナル・リスク損失に起因して生じた場合を除く。)

6.有形資産及び無形資産の減価償却費(ILDCに係る費用に該当するリース投資資産に関連するものを除く。)

7.引当金繰入額及び戻入額(SCに係る収益・費用に該当するオペレーショナル・リスクに関連するものを除く。)

8.適時に償還が可能な株式に関する費用

9.減損額及び減損の戻入額

10.損益として認識したのれんの変動

11.法人所得税(法人税等調整額及び繰延税金を含む課税所得に基づく税)

(注2)

上記項目に関しては、上記項目を含有する項目又は保守的な値となる場合には、簡便的な項目を用いることができる。

 

別表第二(第二百五十四条第一号ハ関係)

損失事象の種類

オペレーショナル・リスク損失

内部の不正

詐欺若しくは財産の横領又は規制、法令若しくは内規の回避を意図したような行為による損失であって、金庫又はその子会社等の役職員が最低一人は関与するもの(差別行為を除く)

外部からの不正

第三者による、詐欺、財産の横領又は脱法を意図したような行為による損失

労務慣行及び職場の安全

雇用、健康若しくは安全に関する法令若しくは協定に違反した行為、個人傷害に対する支払、労働災害又は差別行為による損失

顧客、商品及び取引慣行

特定の顧客に対する過失による職務上の義務違反(受託者責任、適合性等)又は商品の性質若しくは設計から生じる損失

有形資産に対する損傷

自然災害その他の事象による有形資産の損傷による損失

事業活動の中断及びシステム障害

事業活動の中断又はシステム障害による損失

注文等の執行、送達及びプロセスの管理

取引相手や仕入先との関係から生じる損失又は取引処理若しくはプロセス管理の失敗による損失

 

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