発刊物紹介…編・著=國村恵子,2006 6月限定発行、カラー版 980円、白黒版 680円、ご希望の方は、事務局℡052-795-8932までお問い合わせください。

 

    新緑のブナの森・自然観察記録と天竜川水系大入川流域の自然 目次

天竜川流域図 昭和年代の川の写真………………………………………………………… 1

エッセイ

 自然観察記録 新緑のブナの森・面の木峠……………………………………………… 3

 手付かずの自然が残る川宇連の動植物    コラム 三遠南信と天竜川水系…… 5

 大入川源流域の清流・坂宇場川の自然    コラム 茶臼山とハナノキ自生地… 6

 アマゴとアブラバヤがいる清流・大畑川の水辺………………………………………… 7

カラー写真

 ブナの巨木が残る面の木峠の植物 晩春5月の記録から……………………………… 8

 天狗棚山頂への山道に咲く植物…………………………………………………………… 9

 オオイタヤメイゲツ・ミヤマアオダモなど………………………………………………11

 手付かずの自然が残る豊根村の動植物 春から初夏へ…………………………………12

 川宇連・赤芝川の植物、国指定天然記念物川宇連のハナノキ…………………………13

 大入川源流域の清流・坂宇場川の自然……………………………………………………15

 アマゴのいる清流・大畑川の水辺の生きもの・谷川の清流に棲むアブラバヤ………16

登山案内・参考資料 (出典)

 白鳥山 水晶と自然環境保全地域指定の山………………………………………………19

 津具村全図・河川図(津具村)……………………………………………………………20

 白鳥山968m(名古屋周辺 続山旅徹底ガイド)…………………………………………21

 古町高山1.055m 津具(名古屋周辺 続山旅徹底ガイド)……………………………23

 大峠953m 津具(名古屋周辺 続山旅徹底ガイド)……………………………………25

 碁盤石山1,189m(名古屋周辺 続山旅徹底ガイド)……………………………………27

 碁盤石山・奥三河随一の眺望(名古屋からの 100山)…………………………………29

 茶臼山・萩太郎山(名古屋周辺 続山旅徹底ガイド)…………………………………31

 巴山(名古屋周辺 続山旅徹底ガイド)…………………………………………………33

 天狗棚・天狗の奥山 津具(名古屋周辺 続山旅徹底ガイド)………………………35
  
茶臼山・萩太郎山周遊コース 豊根村(奥三河名山八選)……………………………37

 天狗棚・面の木原生林周遊コース 津具 (奥三河名山八選)………………………38

 碁盤石山コース 津具(奥三河名山八選)………………………………………………39

参考資料

 水に消える廃線・田口鉄道・設楽ダムの予定地を辿る(季刊誌 叢)………………40

 消えゆく路線をたずねて 豊橋鉄道 田口線(鉄道ファン1965年4月号)…………41

 設楽ダムだより 2006,313号……………………………………………………………43

 三河の地名発祥の地・巴山(季刊誌 叢)………………………………………………45

 水準点とは(季刊誌 叢)…………………………………………………………………46

特別収録 大入川流域の植物目録……………………………………………………………47

表紙写真 面の木のブナの巨木・樹齢 300年/裏表紙写真 月瀬の大杉・樹齢 1,600

            発刊に寄せて

 

 本書には、尾張地方に住む方にはあまりなじみのない、三河山間部に残された自然を収録した。愛知県内にも面の木峠や段戸裏谷など北部山間部には、ブナの原生林をはじめ、貴重な森林生態系が残されている。わざわざ長野県などの山に出かけなければ目にすることのない動植物が、奥三河の旧北設楽郡豊根村、津具村、富山村、設楽町、東栄町の広大な山間部に残されていることを知ったのは、実はつい最近のことだ。

 ネコギギが多産する淵が連続する清流豊川上流域の田口に、設楽ダムが建設されることを知り、その予定地へと、現地に詳しい当地出身者に随行し豊川流域を訪ねたのが始まりだ。田口高校から川へと急な坂を降りると、崩れ果てた田口線の駅舎があり、すぐ横をエメラルドグリーンの川が流れ、黄金色の花のダンコウバイや渋い赤色のフサザクラが水際を彩っていた。通りすがりの村民にダムの話を尋ねると、『わしらはダムには反対や』 『初めは添沢温泉の下までだと言っとたが、上までダムで水没することになったで』『田口線のトンネルはそのままダムに沈むことになる』『ネコギギ?この川にはいくらでもおる。大岩や淵がいっぱいあるでな。けど他の川にはそおおらん』『どんなに反対したって、徳山ダムと同じで、造ると決めたら地元のもんがどんなに言ってもだめだ』さまざまな声が返ってきた。水没予定地を歩いてみた。『水不足だからダムは必然』という世論が大勢を占め、国土交通省の知人や河川関係の友人も皆、そう口を揃える。しかし、川はダムが築かれることによって川ではなくなる。設楽ダムを含む豊川流域の分水嶺である寧比曽岳、段戸山、賽の神峠、碁盤石山、古町高山、向洞、大鈴山、明神山などの山並を眺める。その広大な集水域に生育、棲息する動植物に思いを馳せる。山並みの向こうは西は矢作川、東は大入川の流域だ。地図を広げイヌワシの目で眺めると、杉檜の植林による森林の変質、道路整備、ダム建設、河川改修、都市化と過疎化の格差拡大、里山の荒廃、水環境の悪化など、子孫繁栄とは程遠く、生きにくい時代になったものだと鋭い目が語る。日本の屋根といわれる長野県は木曾川、信濃川、天竜川など主要河川の水源であり、知事も緑のダムを推進するために森林分野での雇用拡大をはじめ尽力しているが、冷遇されている。長野県や新潟県から産する水がなければ、名古屋や東京など大都市の水や電力も、企業の生産活動や庶民の暮らしも成り立たないというのに…。

 豊川流域の分水嶺の北には、随行人の言葉に『愛知のチベット』津具、豊根、富山がある。それが大入川流域で、天竜川に注ぐ県内最大の支流である。長野県との県境の山々から水を集めて、新豊根ダム(みどり湖)へと流入している。その小さな沢や、川、水源となる森や山を訪ねてみた。かつて樹齢 700年のブナに函南原生林で出会った時の、その偉厳に跪き言葉を失った感動とは異なり、愛知県の屋根としての北設楽の山に 300年以上立ち続けた巨木に感謝の思いを強くした。水源で鳴くタゴガエルや天狗棚の石の祠で子育てをするヒガラのけなげさは、自然界の掟を語っていた。ハナノキの群生地や沢沿いの植物、今年初見でもある北上中のアサギマダラ、全長17cmのアマゴと清流で繁殖期を迎え吻が尖ったアブラバヤ、川でガサガサ中にケラッケラッと笑いながら飛んでいったヤマセミ。

 森と水の国の豊かな自然。一人でも多くの人に、感動を伝えたいと思った。参考資料は源流の山を歩く時に何冊も本を探す手間を省き、安全に登山してほしいとの思いから収録した。


発刊物紹介…著者・國村恵子、編集・村松憲吉・國村恵子、2006 7月発刊、限定発行

定価=カラー版 1,980円、モノクロ版 980円、希望される方は事務局℡052-795-8932までお知らせください。

 

     2006年前期リバースクール活動記録『川に学ぶ』目次

 

庄内川流域各河川の健康度 ……………………………………………………………… 1

川の健康度を知るために ………………………………………………………………… 2

調査水域の淡水魚一覧 庄内川合瀬川うぐい川到来川津屋川白沢川 …… 4

調査水域の淡水魚一覧 太田川 ………………………………………………………… 5

調査水域の淡水魚一覧 香流川 ………………………………………………………… 6

リバースクール生物調査結果総括表 …………………………………………………… 7

カラー写真記録

リバースクールうぐい川…………………………………………………………………… 9

リバースクール白沢川・庄内川…………………………………………………………… 12

マンサクの想い出…………………………………………………………………………… 13

リバースクール到来川・庄内川…………………………………………………………… 15

馬ケ城の水辺と森・瀬戸市の水瓶古瀬戸川源流とシデコブシを訪ねる……………… 19

馬ケ城ダム・文化財にしたい土木遺産…………………………………………………… 21

白水ダム・国指定重要文化財・大分県竹田市…………………………………………… 22

リバースクール津屋川観察記録…………………………………………………………… 23

身近な水環境の全国一斉調査・庄内川・合瀬川………………………………………… 30

参考資料

川や海をもっときれいに・下水を学ぼう………………………………………………… 34

川の形と水草や生きものの関係を見てみよう…………………………………………… 35

水辺の植物・種類・働き・生育条件……………………………………………………… 36

庄内川水系で見られる主な水草…………………………………………………………… 37

八田川水辺生態系モニタリング野帳面…………………………………………………… 38

ふぉーらむ・知水への道 堀川を語る…………………………………………………… 39

環境学習に活用できる施設・フィールド………………………………………………… 41

新聞記事・木曾川の水を堀川に・民の地からが堀川を変える?……………………… 43

新聞記事・魚の掴み取り大会と放流・環境ホルモンワースト1庄内川……………… 44

新聞記事・長良川河口堰アユ調査縮小・生物多様性悪化がつづく…………………… 45

 

 文章執筆、写真解説、写真撮影と編集は國村恵子が担当した。写真撮影と表紙のレイアウトは村松憲吉氏にお願いした。おかげでいいものに仕上がった。印刷、製本は二人の共同作業で徹夜が続いたが、楽しみにしている会員の顔を思い浮かべながらの作業となった。この冊子を参考に『川に遊び 川に学ぶ』事業を一人でも多くの会員と会友が、推進してくれれば嬉しい限りだ。そして、『川ガキ』を一人でも多く育て、日本の川をよくしてもらいたい。健康な川が身近にあれば、子供の心も健康になる…と信じてやまない。恵


 名古屋市水辺研究会、國村恵子・村松憲吉が執筆編集した野外体験型環境加瀬句集プログラム『山崎川』は名古屋市環境学習センター・エコパルなごやのURLをご覧ください。『川調べ学習』や小学校での総合的な学習で活用していただけます。

 

 山崎川目次

 

 山崎川の生きものしらべ・初級編

 山崎川の生きものしらべ・通年編

 山崎川の生きものしらべ・自然観察編

 山崎川の生きものしらべ・植物観察編

 山崎川の生きものしらべ・昆虫観察編

 山崎川の生きものしらべ・野鳥観察編

 山崎川を旅してみよう

 川や海をもっときれいに・下水を学ぼう

 むかしの川を知ろう・山崎川の今と昔

 昔と今の生きものくらべ

 川をとおして交流しよう

 わたしたちにできること

 名古屋市をながれる川

 河口から水源まで

 山崎川沿いの小学校マップ

 山崎川の生きものたち

 山崎川の生きもの(水生生物)

 山崎川の生きもの(魚類)

 山崎川の植物

 山崎川と昆虫

 山崎川の野鳥

 源流編・平和公園~猫ケ洞池・星ケ丘小学校マップ

 中流編・向田橋~田辺公園~東山荘・汐路小学校マップ

 支流編・五軒家川~檀渓橋~隼人池~八事の森・八事小学校

 源流域の写真

 山崎川を調べてみよう 源流から河口まで

 山崎川の水質…下水道・山崎処理場、川の汚れを見つける方法

        水質でわかる生きものくらべ

 山崎川の昔をしらべる

 これからの山崎川 美しい山崎川を守るために

 川をとおして交流しよう・わたしたちにできること

 

この他、『自然と遊ぼ』『名古屋の四季、おいしい自然』のプログラムも掲載していますので、ご活用ください。